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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
J1-1st第8節
横浜F・マリノス×サンフレッチェ広島@日産スタジアム
解説:玉乃淳 実況:西岡明彦 インタビュアー:中田浩光
【横浜F・マリノス エリク・モンバエルツ監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:今日は前半と後半で2つのマリノスを見た気がしますが、まずは前半の45分から振り返っていただけますか?
A:前半ですけどなかなかリズムを出すことができませんでした。そしてミスから失点をしてしまい、広島にリードを許す展開になりました。そうなるとやはり広島は下がってブロックを作りますので、彼らの展開にさせてしまったと。彼らにチャンスは創らせなかったんですけど、そういう展開にしてしまいました。
Q:そんな中で後半の監督の狙いはどのあたりだったのでしょうか?
A:後半はもっとリズムとスピードを出すことを選手に要求しました。そして、前半はやはりラインの間で受けて、そこからのプレーでスピードを持って前に行く所が欠けていましたので、そこでもっとワンタッチのプレー等を出して前に行こうと。特に後半の最初の方はうまく修正できたのではないかなと思います。
Q:後半の頭からマルティノス選手に替えて遠藤選手を入れましたが、そのあたりはどういう意図だったのでしょうか?
A:マルティノスは今週トレーニングの方も十分にできていなかったことと、そして前半にショックがあって痛めていたという点もあったので、後半は遠藤に交替しました。そして遠藤にはより前でのプレーに期待しました。
Q:今日の試合での収穫やモノになったことを教えていただけますか?
A:今日は我々の方が広島より多くチャンスを創っていたんですけど、やはりミスがあって広島に得点を許してしまって、自分たちがPKでしか得点を挙げることができず、非常に残念な負けだったと思います。
Q:連敗しないために次のゲームで重要になってくることは、どういう風に考えてらっしゃいますか?
A:もちろん試合には負けないために、あらゆることを準備していくんですけど、時には負けることというのも受け入れなくてはいけません。そして、しっかりとその原因を分析して、次に向けてその対策を練っていくということが重要だと思います。
【サンフレッチェ広島 森保一監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:上位対決を制しました。まずは今日の90分を振り返っていただけますか?
A:スケジュール的にも非常に厳しい中でこの試合を迎えて、本当に選手には「形はどうであれ粘り強くタフに戦って、しぶとくできれば勝ち点3、最低でも勝ち点1を拾って帰ろう」という風なことで話していましたし、ACLでグループリーグ敗退してしまったのは、本当に日本の代表として私自身の力のなさを感じて申し訳なく思いますけど、選手が全力でやってくれている中で、ACLでグループリーグで敗退した所、スケジュール的にも厳しい所で、今回も山東からそのまま横浜入りしていますし、そういう所で疲労している中、選手も今まで自分たちがやってきたこと、今できることをプライドを持ってやってくれて、勝利を掴み取ってくれたと思います。
Q:ACLを終えて今日のゲームは『切り替え』ということも言われていましたが、今日はそのあたりでゲーム前に選手にどんな言葉を掛けたのでしょうか?
A:まだACLもあと1試合残っていますけど、上位進出するという所は絶たれてしまったので、そこの所で「気持ちを切り替えて、このJリーグにまた集中してやっていこう」と。これまでもずっと色々な大会をやりながらでも、「次の試合にとにかく集中して最善の準備をする」「試合でも最善を尽くす」「それを1試合1試合積み重ねていこう」ということで今日も選手に話しました。
Q:監督はハーフタイムに「ゼロで終えよう」という指示も出されていたようですが、1-1で同点に追い付かれた所ではどんなシミュレーションを考えてらっしゃいましたか?
A:まずは今の心身ともに非常にキツい中でこの試合を迎えていて、できれば先制点を取って試合を優位に進めたいという想いがありましたし、そういう良い形で試合を進めていた所で失点してしまったと。そこで選手は崩れずに、またしっかりと残りの時間に向けて気持ちを切り替えてできることをやってくれる、そういう選手のメンタル的なタフさというか、逞しさが見受けられた、そんな1-1からの戦い方だったと思います。
Q:ウタカ選手は今日2ゴール。本当に欲しい所で点を取ってくれる選手ですね。
A:そうですね。彼は本当に攻撃のクオリティを持っている選手で、基点にもなれますし、今日みたいに点も取れると。そういった意味ではウチの戦術にどんどんフィットしてきている所ですし、さらに攻撃力を発揮してもらえるようにやっていければと思います。
Q:もう1つは今日は青山選手不在という中でのゲームでしたが、このあたりはいかがでしたか?
A:やはり攻撃の組み立ての部分では難しい所はありましたけど、そこはもう覚悟の上、承知の上で今日の試合に臨みましたし、今まで本当に中心として攻撃の形を創ってくれた青山がいない分、みんなでミスがあってもまた切り替えて、良い守備をしてまた攻撃に繋げていこうと、どんどんトライしながらやっていこうということを、選手は割り切って本当にやってくれたと思います。
Q:今日のゲームは上位対決を制しての勝ち点3ですが、この勝ち点3の意味を改めて教えて下さい。
A:間違いなく今日の厳しい試合で勝ち点3を取れたということは、我々の今の立ち位置からして大きな前進だという風に思いますし、今の状態からして選手はよく勝ち点3を掴み取ってくれたと思います。ただし、シーズンにおいてはまだ先が長いですし、今日は我々のこれまでやってきたプライドで勝ち点3を取れたと思いますけど、次からの保証はないので、またより良いサッカーをして勝利を掴み取れるように、勝ち点を積み上げられるように、切り替えてまたやっていきたいと思います。
【サンフレッチェ広島 ピーター・ウタカインタビュー(試合後・中継内)】
Q:後半の決勝ゴールは良い所での得点になりましたね。あのシーンを振り返っていただけますか?
A:凄くチームワークが現れた場面かなと思います。塩谷選手から良いパスがミキッチ選手に入って、そこから自分は良いポジションを取って、ただ決めるだけだったと思います。
Q:去年まではこの広島というチームを外から見ていて、今年加入して実際にプレーしてみてどんなチームですか?
A:広島は外から見ていても非常に良いチームだというのはわかっていましたし、非常にコレクティブにプレーをする中で、今は非常にフィットしてきているのかなというような印象を持っています。
Q:そんな中でこのチームで自分がやらなければいけないこととして、どんなプレーを望まれているかを教えて下さい。
A:ゲームの所でしたら自分はしっかり前で基点を創って、後ろに残らないように、他の人のためにチャンスを創るというような役割だと思います。
Q:今日の2ゴールでリーグ戦7ゴールとなりましたが、それに関してはいかがですか?
A:まず横浜というのは非常に良いチームだというのはわかっていたので、自分が点を取ったことも非常に嬉しいですけど、この厳しい中で勝ち点3を拾えたことを非常に嬉しく思います。
【玉乃淳氏のレビュー】
(横浜FM)
後半のマリノスからは強いなという印象を衝撃的に受けたんですけど
悔やまれるのが前半ですよね。
難しいのは当然わかるのですが、何も修正できなかったと。
相手のスケジュールや疲労度を考えると
畳み掛ける時間を後半だけではなくて
前半から増やすべきではなかったのかなとは正直感じていました。
例えば大敗した鹿島戦を分析すれば
後半に広島の足が止まるということはわかっていたはずなので
結果論ではありますが、0-1でビハインドを負った段階での
プランというのをもう少し持つべきだったかなと思います。
齋藤学がドリブルして来れば簡単に止めることはできないですし
ファビオの攻撃参加や中村俊輔がいることによって
相手にとってはファウルのできない状況も創れますし
無限の可能性があった中でシュート1本という
消極的な前半が悔やまれるのではないかなと思います。
カイケとマルティノスに関しても
前半を守り切るために使われている訳ではないと思いますし
ジュビロ戦のイメージが強烈にあるので
ああいう使い方をしてあげて欲しいなというのはありますね。
彼らの一番の特徴や彼らが一番生きる道は何なのかということを
早急に見つけることと、やはり前半から勝ちに行くということを
継続してできれば、強いチームができるんじゃないかと思っています。
ちょっと広島が相手ということもあって
リスペクトし過ぎてしまったでしょうか。
後半に見せたような猛攻は前半から修正して可能なものなのか
そうではないものなのかというのは監督でないとわからないと思うので
どこかで聞いてみたい質問ですよね。
もちろんどの試合でも言えることなんですけど
前半は1点リードされたまま終わるというケースが多いじゃないですか。
どうなんですかね?なかなか難しいんですかね?
前半と後半の変わり具合を見て考えさせられましたよね。
「やっぱりマリノスはこれだけできて、しかも相当強いんだ」
という印象を受けながら
「では、なぜ90分間通してこういうプランでできないのか」
という疑問も持ちましたし
今後の試合を追い掛けていく中でそういう疑問を
自分の中で解決していきたいと思います。
(広島)
スケジュール的な所と心身共に疲れていることをすべてわかった上で
青山選手がいないこともわかって、あらゆる準備をしてきたと。
あらゆる所を想定してこの試合に臨んだという所に
広島の強さの秘訣があるのかなと思いましたけどね。
青山選手がいなくても同じようなことをやろうと
普通なら考えてしまう所を、現状を良く把握して
選手たちへの要求も変えるあたりは末恐ろしいですね。
交替のタイミングもF・マリノスからしたら本当に嫌でしたよね。
もちろん茶島が足を攣ったとかモロモロの要因はあると思いますが
「ここだ」という時に毎回選手交替のタイミングで
一息つかれてしまうと。これは1試合を通して
ハイライトではわからないような起用のうまさであったり
サッカーの奥深さというのを今日の試合も勉強させてもらいましたね。
ウタカに関してはここ3試合、4試合は
ボールロストが目立った印象もあったんですけど
そこはどうでもいいかもしれないですね。
これだけ決定力があって、チームを救ってくれれば。
実際今日はチームを救いましたしね。
1トップでなかなかボールが来ないと相当ストレスが溜まると思うんですよ。
ボールが入った時も3人4人に囲まれて自由が利かない中で
最後のペナの中でシュートを決め切る力は称賛に値しますし
広島にはこういう選手が必ずいますよね。
浅野も佐藤寿人もウタカもみんなモノにするこの力は何なんでしょう。
キャラクターが良いのでペナの中でボールが集まってくるでしょうね。
【Jリーグブログ的データ】
J1-1st第8節
横浜F・マリノス 1-2 サンフレッチェ広島
入場者数:25,106人 天候:曇のち晴、弱風
気温:19.4度 湿度:38%
主審:山本雄大
副審:宮島一代、山際将史
第4の審判員:河合英治
《得点者》
<横浜FM>
70'中村俊輔③(PK)
<広島>
15'ピーター・ウタカ⑥
72'ピーター・ウタカ⑦(アシスト:ミキッチ)
《選手寸評》
(横浜FM)
GK飯倉大樹
信じられないようなキャッチミスが結果的に試合の流れを決めてしまった
DF小林祐三
中町の決定機とPK獲得時の2度に渡って好クロスを配球
DF中澤佑二
ウタカの枠内シュートを頭で弾き出す。個人としてもハイパフォーマンスが続く
DFファビオ□
攻撃参加の意欲も見せたが2失点目のミキッチへの対応はやや軽過ぎたか
DF下平匠
全体のノッキングの影響を受けチャンスに絡む回数は限定された
(→83' FW伊藤翔)
スクランブルの最終盤で起用も出場時間が短くシュートは打てず
MF中町公祐
全体のバランスはきっちり取っていたが前半の決定機逸は痛恨
MF喜田拓也
特に後半はもっと攻撃参加への意欲を見せても良かったのでは
MFマルティノス
度重なる接触で3度ピッチに倒れ前半だけでベンチへ退く
(→46' MF遠藤渓太)
シュートの1つ前にことごとく絡む。後半の好リズムを生み出す一翼を担った
MF中村俊輔③
シニョーリばりのPKは圧巻。驚異的な運動量とクオリティで後半の猛攻を牽引
MF齋藤学
50分から10分間で掴んだ3度のシュートチャンスのいずれかは生かしたかった
FWカイケ
交替間際にようやくシュートを放つもボールが収まらず交替もやむなし
(→64' FW富樫敬真)
カイケを上回る可能性を見せるも89分の決定機はモノにしないといけない
《選手寸評》
(広島)
GK林卓人
PKでの失点はやむなし。後半は猛攻を受けるも枠内シュートには冷静に対応
DF塩谷司
最後の局面で相手の攻撃を止め続けたのは彼。MOM級の活躍を披露した
DF千葉和彦□
ハンドでPK献上も試合のペースを巧みにコントロールして時計の針を進めた
DF水本裕貴
キャプテンマークを巻いて奮闘。無理の利くプレーでエリア内に鍵を掛ける
MFミキッチ
上下動のクオリティはそのままに最近はゴールへ直結するプレーも多々
(→84' MF清水航平)
ミキッチの代役だけではもったいない献身性を短時間で示してみせた
MF森﨑和幸
いちいちプレーの選択が正し過ぎる。改めて存在の偉大さを痛感する90分に
MF宮原和也
後半はボールを引き出す動きと守備のバランス維持に苦しみ最初の交替に
(→63' MF丸谷拓也)
難しい状況での出場も大きな破綻なし。終盤は高さでも1つの防波堤に
MF柏好文
通常よりは守備に軸足を置きながら90分間を交替なしで走り切った
MF茶島雄介
最後は足を攣って交替したが攻守に顔を出す。中澤に競り勝ってのシュートシーンも
(→76' FW宮吉拓実)
クローズが求められる状況できっちり与えられた守備タスクをこなす
MF柴﨑晃誠
今日はブロック時のワイドに落ちて取り組む守備で仕事をまっとうした
FWピーター・ウタカ⑥⑦
シュート3本で2ゴール。驚異の決定力で数字上のドウグラス超えも十分視野に
再放送スケジュールは
4月25日(月)午前11:00~午後1:15 J SPORTS 3
4月28日(木)深夜0:30~深夜2:45 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!
土屋
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