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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
J1-1st第5節
大宮アルディージャ×ジュビロ磐田@NACK5スタジアム大宮
解説:林健太郎 実況:八塚浩 インタビュアー:桑原学
【大宮アルディージャ 渋谷洋樹監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:追い付いてのドローでしたが、まずはゲームを振り返っていただけますか?
A:前節のリーグはここで広島さんに1-5という非常に悔しい結果でしたので、今日はまたホームですし、しっかり勝利しようということで選手も非常に強い気持ちで臨んでくれました。前半は我々がボールを握ってある程度良い形で攻撃をしている中でも、ジェイ選手とアダイウトン選手のタレントがいる中で、各選手が非常にアラートに集中した守備もやっていたんですけど、スローインからのボール1つに対して、守備は凄く意識の高い所で4人ぐらいプレッシャーに行ってという所で小林選手がフリーになって、非常に上手くて質の高いシュートを決められたなと思いました。でも、前半戦っている中ではそこはもう続けてやると。ただ、もう1つ攻撃の所でも前の意識というか圧力という所では、サイドチェンジと縦パスをしっかり意識しながらやろうということで、後半も立ち上がりから同じように進めてくれということと、もうワンランク上げてということでやっていました。選手たちがそこを粘り強く1点返して、ゲームをコントロールしながらやって、追加点という所が取れなかったのは非常に残念ですけど、後ろはしっかりコントロールして、前の選手がしっかりチャンスを決め切るという所がこれからの課題かなという風に思っています。
Q:序盤から何度も、特にクロスから良い形があったと思います。中を使って外を生かすというのも随所に見られたと思いますが、そのあたりの手応えはいかがですか?
A:ずっとここの所はJ1のリーグで戦って、ボールを我々が持つということがあまりなかったので、ここ最近のナビスコカップとかJリーグにだんだん慣れていく内に、ボールをしっかり握れる時間もできるようになってきましたし、そういうイメージが普段通りに出るシーンは多くなってきたかなと思っています。
Q:ジェイ選手とアダイウトン選手というジュビロのストロングに対して、今日はかなり良いケアができていたと思いますが、試合前に選手へ落とし込んだポイントというのはどういう所だったのでしょうか?
A:もちろん攻撃はして欲しいですし、オーガナイズは崩していきたいですけど、バランスをとにかくしっかり取るということが大事で、それは立ち位置をしっかりしていればカウンターを受けない、リスクマネジメントもできると選手にも伝えているので、そこを少し意識していました。
Q:ドローという結果には終わりましたが、切り替えの部分や選手の集中力の部分でも非常に内容は良かったと思いますが、今日のゲームに合格点は与えられますか?
A:勝たせてあげられなかったことは私の責任だと思っています。もうそれだけですね。この間のナビスコカップの甲府戦もそうですし、今日の磐田さんとの試合もそうですけど、非常にハードワークしている、タフに戦っている選手たちに勝たせてあげられないことを、私自身凄く責任を感じています。
Q:磐田とは昨年からなかなか決着が付かないですね。
A:そうですね。もう本当に良いゲームというか、攻守両面においてタフに戦う所は、見ている方にも非常に魅力あるようなゲームにはなっていると思うんですけど、そこは結果が付かないので、しっかりと次の準備ということでやっていきたいと思います。
Q:内容に手応えを得ながらここまでのJ1の5試合を戦っていると思いますが、今後に向けてさらにプラスしたい部分を教えていただけますか?
A:1つ1つの精度、とにかくそれをしっかり引き上げなければいけないですね。我々はJ1で目標を持ってやっているので、そこに向かって行くには精度を上げると。1つ1つのスピードであったり、プレーの強度であったり、そういう所をもっともっと高めていかないといけないかなと思っています。
【ジュビロ磐田 名波浩監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:今日はドローに終わりましたが、ゲームを振り返っていただけますか?
A:前半は非常に良い出来で、コンパクトでしたし、選手間の距離を意識したボールアプローチも良かったと思います。サイドを変える岩上のロングボールと、あとはクイックリスタートの2つがピンチの原因にはなっていましたけど、それ以外ではほとんど破綻することもなく、それから終了間際に小林の良いゴールで先制できたので、非常に出来の良かった前半だと思います。ただ、後半は受けに回った訳でもなくて、逆に非常に我々はまめにラインコントロールをしているので、50分、55分と時間が過ぎるにつれて、ムルジャがうまく立ち位置を変えてきたり、間、間で受けようと意識してきたり、そこにボールホルダーとの意思の疎通ができて、失点シーンもそうでしたし何度かピンチを招きましたけど、昨年J2で2試合やって、今回も3試合連続引き分けですけど、それなりに我々は収穫があったゲームだったなという風に思います。
Q:家長選手がファジーなポジションを取ったり、岩上選手が1つ落ちてサイドチェンジしたり、対応の難しさも多少あったかなと思いますが、ピッチの中での選手の対応はどのようにご覧になっていましたか?
A:上田も宮崎も意識はしていましたし、最終ラインがコンパクトなので、背後へのボールという意味ではなかなかそういう選択をさせなかったと。特に前半は良かったと思います。後半の失点の場面はちょっと逆サイドがブラインドで、インサイドの絞りの意識が甘かったがためにやられてしまったのはあるんですけど、そこはずっと「味方を押し出す」「コミュニケーションでカバーさせる」というのを言ってきているので、まだまだJ1で通用しない所だなと。ここからまた綻んだ所を直していきたいなと思いますね。
Q:攻撃の話もお伺いしたいのですが、よく名波監督は奪った後のボールの大切さを説いてらっしゃいますが、今日はそのあたりはいかがでしたか?
A:小林やジェイあたりで落ち着いてボールが収まった時は非常に良かったですし、あとはサイドで剥がしに行って、もう1枚がサポートなのか、クロスオーバーを掛けて外から出て行くのかはちょっとわからないですけど、人数を掛けようとした時は非常に良いスイッチが入っていたので、それは自信にもなると思いますね。
Q:かなりジェイ選手とアダイウトン選手に対するケアは今日も厚かったと思いますが、それ以外の部分で違いを出すという所では、どんな風に考えてらっしゃいましたか?
A:トータル的に見てシュートが少ないのもありましたけど、枠内シュートがちょっと少ないので、やっぱりまず枠に打つことで、そこからじゃないと何も始まらないと思うので、枠内シュートを意識したものを今後はまた植え付けさせたいなと思いますね
Q:これで3試合ドローになりますが、勝てていないという見方もあるでしょうし、負けていないという見方もあると思います。監督はどう捉えてらっしゃいますか?
A:もう選手にハッキリ言ったのは「今日は(勝ち点)2を失ったゲームだ」と。やっぱりそれはもったいないゲームだと思いますし、アウェイとか大宮は開幕2連勝して勢いもあったとか、そういうものはもう度外視して、我々は2を失ったゲームだと思いますね。
Q:J1も5試合を終えましたが、改めてJ1の舞台でこれからプラスしていきたい部分はどんな部分だと感じてらっしゃいますか?
A:総出場数とか見ると我々のメンバーというのはJ1でまだまだ場数が少ないと思うので、徐々に慣れさせていきたいなと思いますし、慣れた後はまたなあなあにならないように、1つ1つ小さいことで綻びがないように努力していきたいなと。次節以降もそのチャレンジャー精神を忘れずにやって行きたいと思います。
【林健太郎氏のレビュー】
(大宮)
大宮はリーグ戦で2連敗していましたから
追い付いて負けなかったこと、引き分けで勝ち点が取れたことは
前進したと考えて良いでしょうね。多少メンバーも変えながら
新しいメンバーも非常に良いプレーをしましたし
手応えはあったのではないでしょうか。
金澤もベテランですから要所を抑えたプレーをしていましたし
特に江坂に僕は注目していたんですけど
アグレッシブなプレーでチームを活性化していましたよね。
泉澤が途中から入って来ることによって膠着した展開の中では
かなり相手にとって厄介な存在になってくると思うので
こういうメンバー構成もアリなのかなという気はします
家長はテクニックという部分でも当然そうなんですけど
プレービジョンというか戦況を見る目というのが確かだなという気はしますね。
家長がサイドでボールを受ける形になると
相手にとってはハメづらい状況になりますし。
そこに頼り切る訳にはいかないですけど存在感は相当大きいですよ。
渋谷監督もある程度手応えを感じながら
おっしゃっていたように攻守において精度の部分をもう少し上げたいと。
J1の中でそこをもう少し突き詰めていかないと
結果がなかなか出ないということを感じているのかなと思いますね。
ようやく状態を上げてきたと思うので、渡部のケガが残念ですけど
ペチュニクがもう少しチームに馴染んでこないとなとは思いますね。
使い続けてフィットさせるというやり方もあるんですけど
そこもなかなかうまく行かなかったのでベンチに置きましたよね。
ですから、途中から出て結果を出し続けて行かないといけないですね。
でも、江坂がこうやってスタメンを張れるようになると
途中から泉澤、ペチュニクという流れは相手にとって厄介ですね。
次の名古屋に対してもセンターフォワードに高い選手がいますから
今日のような攻撃している時のしっかりとした守備の準備ですよね。
そのあたりの質の高さと、渋谷監督もボールを握った時とおっしゃっていましたが
握った時にどう崩していくかの精度を上げていければ
良い結果に繋がると思います。
(磐田)
攻撃の部分で特に今日はジェイが抑えられていましたから
なかなか形は出て来なかったなという感じはします。
小林とかアダイウトン、太田は結構良いプレーをしていましたが
全体で見ると攻撃の質の部分で物足りなさを感じましたね。
そういう中で3バックなど色々試したりしているみたいですけど
今後どうやって失点を減らしていくかと
その中で攻撃にももっと力を注いでいけるかは
名波監督の手腕の見せ所ですよね。
上田が攻撃を仕掛ける所の球出しでより回数を多くできれば
もっとジュビロの攻撃も怖いのかなと思います。
サイドに展開するボールは蹴れる中で、彼だけではないですけど
チーム全体でそういう所を増やしていくのは大事ですね。
名波監督も出来には満足している様子でしたね。
コンパクトさを保つという部分を凄く評価していて
大井と森下でラインコントロールをこまめにやって
下げないようにしていましたよね。
そうすることによって大宮のセンターからの攻撃と
裏に対するボールというのはほとんどなかったと思います。
ただ、サイドで多少基点を創られていたかなと。
失点の場面も本来であればボランチ2人が
ジュビロの右サイドに寄っているので
アダイウトンがラストパスを出した横谷の所に
絞って来ないといけないんですよね。
そこにまったくいなかったので、そのあたりのポジショニングや
コミュニケーションが課題だというのはハッキリ言っていましたね。
そのあたりがうまく行けば高いラインで後ろにカミンスキーもいますから
ある程度守備は計算できて失点は減ってくる感じはしますけどね。
ただ、1年通して同じメンバーで戦えることはほとんどないと思うので
今日も途中から出た山本康裕や松浦、前節は出ていた川辺もそうですけど
そのあたりの選手がどう状態を上げて、ここに食い込んでくるのかというのは
非常に選手層という意味でも重要な所ですよね。
【Jリーグブログ的データ】
J1-1st第5節@NACK5スタジアム大宮
大宮アルディージャ 1-1 ジュビロ磐田
入場者数:11,271人 天候:曇、弱風
気温:15.2度 湿度:52%
主審:池内明彦
副審:戸田東吾、小椋剛
第4の審判員:森川浩次
《得点者》
<大宮>
58'ムルジャ③(アシスト:横谷繁)
<磐田>
44'小林祐希①(アシスト:アダイウトン)
《選手寸評》
(大宮)
GK加藤順大
リーグ初先発も機を見たスローインで攻撃の起点に。太田のシュートも好セーブで回避
DF渡部大輔
立ち上がりに良いオーバーラップでクロスを上げるも17分で無念の負傷交替
(→17' DF奥井諒)
何度も繰り返したアダイウトンとのマッチアップは総じて分が悪かった
DF菊地光将
ジェイとの競り合いはほとんど完勝。相手に基点を創らせなかった
DF河本裕之
ラインをきっちりコントロールしながらジェイにも自由を許さず
DF和田拓也
江坂と泉澤が思うように躍動できるのはこの男が後ろにいるから
MF横谷繁
前半からチャンスに絡む回数も多くムルジャに絶妙のスルーパスでアシスト
MF金澤慎
繋ぐスタイルを打ち出したい時にはやはり彼の存在がカギを握ってくる
MF岩上祐三
なかなか縦への推進力を出し切れず攻撃的なシフトに伴って1人目の交替に
(→69' MF泉澤仁)
後半20分間の短い出場だとその切れ味はより相手に脅威を与える
MF江坂任
とにかく前に進むアグレッシブさは爽快感も。左右のサイドで持ち味を発揮した
(→90+1' FWネイツ・ペチュニク)
特徴や結果を出すには出場時間が短か過ぎた
FW家長昭博
ファジーなポジションでボールを引き出す。1点目に繋がったポジショニングも抜群
FWムルジャ③
同点ゴールのシュートは素晴らしかったが彼なら2度目の決定機も沈めたかった
《選手寸評》
(磐田)
GKカミンスキー
ムルジャと泉澤の決定機をパーフェクトに阻止。失点シーンに自責はなし
DF櫻内渚
ロングスローという武器は見せたが江坂と泉澤に振り回される回数が多かった
DF大井健太郎
細かいラインコントロールはほぼ機能もムルジャに2度抜け出された
DF森下俊
前半は審判との相性が悪くムルジャへのアタックはことごとくファウルを取られる
DF中村太亮
守備面で軽いプレーが散見。それを補う攻撃性も打ち出し切れず
(→60' MF山本康裕)
攻撃も守備もどっちつかずだった印象。今はサイドハーフの方が適性か
MF上田康太□
古巣相手に気持ちの入ったプレー。太田に出したスルーパスが本来の特徴
MF宮崎智彦
ボランチでも左SBでも水準以上でこなせるポリバレントさがチームの幅を広げている
MF太田吉彰
縦への仕掛けは大きなポイントだったが後半は運動量が低下してしまった
(→73' MF松井大輔)
今シーズンのリーグ戦初出場も大きなインパクトは残せず
MF小林祐希①
前半からバイタルで発していた怖さが右足での先制ゴールで結実
MFアダイウトン
1人でも数枚を剥がせるドリブルはやはり脅威。先制時は一挙に4人を引き付けた
(→88' MF松浦拓弥)
ペチュニク同様に何かをできる時間は与えられなかった
FWジェイ
菊地との空中戦にも分が悪く決定的な右足シュートも大きく枠を外れるなど消化不良
再放送スケジュールは
4月3日(日)午前9:00~午前11:15 J SPORTS 3
4月8日(金)深夜0:00~深夜2:15 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!
土屋
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