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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2016年02月17日

T1リーグ2016第1節 帝京×駒澤大学高@駒沢第2

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0217koma2.jpgT1開幕戦シリーズのサードラウンドは名門対決。全国にその名を知られるカナリア軍団の帝京と、選手権全国ベスト8を経験した赤黒軍団の駒澤大学高が激突する一戦は駒沢第2球技場です。
ここ6年は選手権の晴れ舞台から遠ざかっているものの、昨年度の選手権予選では久々にファイナルまで勝ち上がると、全国準優勝に輝くことになる國學院久我山と互角の勝負を繰り広げ、最後はPK戦で惜しくも涙を飲みましたが、名門復活へ向けて確かな狼煙を上げた感のある帝京。「今は一歩ずつでも半歩ずつでも、ほふく前進ても良いから前進するしかできないですからね」と話す就任3シーズン目となる日比威監督にとっても、今シーズンはよりシビアに結果を問われる年。まずはこの開幕戦で勢いを付けたい所です。
関東大会予選、インターハイ予選と思わしい結果が出ない中、夏過ぎに下級生中心のメンバー構成へ舵を切った大野祥司監督の采配が見事に当たり、5年ぶりに東京を制して進出した選手権の全国舞台でも、頂点に立った東福岡を十分苦しめる健闘を見せるなど、堂々と全国8強まで上り詰めた昨シーズンの駒澤大学高。そのメンバーの大半が残っている今シーズンは、さらなる期待値を持って周囲から見られるシーズンになることに疑いの余地はありませんが、「そういうことに踊らされないで自分たちのやるべきことをちゃんとやって、勝ちを続けて失点とかにもこだわって、リーグ戦からやっていかないといけないと思います」と気を引き締めるのは村上哲(2年・FC府中)。その意識をチームで共有しながら、新チーム初の公式戦へ向かいます。駒沢の18時はまさに2月という極寒模様。それでもスタンドからはリアルサッカージャンキーが見つめる中、駒澤のキックオフでゲームはスタートしました。


2分のファーストシュートは駒澤。「昨日自分たちで決めた中で、みんなが『今年はオマエしかいない』みたいなことを言ってくれたので付けました」と10番を背負う経緯を語った矢崎一輝(2年・大豆戸FC)が、ミドルレンジから積極的にシュート。ボールは枠の右へ逸れましたが、まずはシュートを打ち切ると、3分には右から栗原信一郎(2年・FC多摩)が中へ付けたパスを、反転しながら打ち切った菊地雄介(2年・VIVAIO船橋)のシュートはゴール右へ。5分にも相手のクリアを拾った菊地のボレーはクロスバーを越えたものの、「最初の最初は自分たちのペースでやれていた」と村上も話したように、駒澤が開始からの5分間に3つのフィニッシュを集めます。
一方、「時間帯によっては中でも解決しろと言ってはいるけど、枚数が後ろに多くなったり、ポールポゼッションをしていれば前に人数が多くなったり臨機応変にやっている」と日比監督も話す帝京は、最終ラインに斎藤光輝(2年・スポルティング品川)、青木涼(2年・FCトッカーノ)、高橋心(2年・A.N.FORTE)を置いた3-4-2-1気味の布陣を敷きますが、序盤から押し込まれる展開に。9分には左サイドでCKを獲得したものの、レフティの関口海(2年・FC.VIDA)が蹴り込んだキックはニアでDFがクリア。なかなかフィニッシュまで持ち込めません。
18分は駒澤。左サイドからオーバーラップしてきた村上の放ったシュートは、左のサイドネット外側へグサリ。19分も駒澤。矢崎が左から蹴ったCKは青木がクリアしたものの、直後のCKを右から服部正也(2年・S.T.FC)が蹴り入れると、ドンピシャで合わせた村上のヘディングは帝京のGK和田侑大(1年・FC東京U-15むさし)が素晴らしい反応でビッグセーブ。21分には帝京も右寄り、ゴールまで約25mの位置から関口が直接FKを狙うも、ボールは枠の上へ。23分にも矢崎のパスから村上が狙ったミドルは枠の右へ外れましたが、「チームもケガ人が多くてCBとかもやっていたりしたので、その反動というか、SBとして出たら攻撃の方も積極的にやるようになったと思います」と話す左SBの村上は早くも3本のシュートを。
29分の先制機は攻勢の駒澤。エリア内で帝京ディフェンスにハンドがあったという判定で、主審は駒澤にPKを与えます。キッカーはこの日の学校で選手権大会優秀選手の表彰を受けたという佐藤瑶太(2年・FC多摩)。「練習試合でヤツが一番結果を出していたので今日はキャプテンにした」と大野監督も口にしたように、キャプテンマークを託された佐藤は思い切り右足を振り抜きましたが、ボールはクロスバーにハードヒット。跳ね返りを佐藤が再び狙ったヘディングも、和田が丁寧にキャッチ。スコアは変わりません。
すると、絶体絶命のピンチを切り抜けた帝京にも、「ボールを落ち着かせることができなくなって、相手のペースになってしまった」(矢崎)「途中から相手のペースになってしまった」(村上)と2人が声を揃えた通り、徐々に攻撃への道筋が。31分には右サイドから中瀬大夢(2年・FCトリプレッタJY)がFKを放り込み、こぼれを叩いた関口のミドルはクロスバーを越えましたが、2本目のシュートを記録すると、33分には中央に単騎で切り込んだ遠藤巧(2年・横浜FC JY)はそのままグングン運び、ミドルレンジからシュートにトライ。ここもボールは枠の上に消えたものの、流れの中からようやくシュートを放ちます。
37分は駒澤。こぼれ球を左サイドで収めた村上のミドルは枠を捉え、和田が懸命にファインセーブで回避。40分も駒澤。左から村上がロングスローを投げ込み、「1年生同士なんかではヘディングは抜けているし、練習試合でも点は結構取っていた」(大野監督)という米谷拓海(1年・FC東京U-15むさし)がフリックしたボールは、DFが何とかクリア。44分は帝京。左サイドで自ら奪ったFKを中瀬が蹴り入れるも、萩原健太(2年・ザスパクサツ群馬U-15)のヘディングはクロスバーの上へ。駒澤が主導権を握りつつ、帝京も少しずつ盛り返した印象の前半はスコアレスで45分間が終了しました。


「ハーフタイムには『上手いのは当たり前なんだけど、1対1の気迫とか連続で粘るとか、そういう気持ちが全く伝わってこないんだよな』と話をした」と大野監督も喝を入れ直した駒澤は、後半開始早々の47分に左FKを獲得するも、村上のキックはDFがきっちりクリア。逆に51分は帝京。中村祐隆(1年・西東京保谷中)とのワンツーから、左サイドを抜け出した関口のクロスはゴールラインを割るも好トライ。52分にも帝京は中瀬がスルーパスを狙い、走った市川雅(2年・ジュビロSS浜松)はわずかに届かず、駒澤のGK碇野孝一郎(2年・FC多摩)がキャッチしましたが、カナリア軍団にも少しずつゴールの香りが。
53分のアクシデントは駒澤。相手と接触した着地時にダメージを負った佐藤のプレー続行が難しくなり、大野監督は1人目の交替として由川航也(2年・習志野第二中)を前線に投入し、菊地がボランチヘ、服部がCBへそれぞれ1列ずつ下がる布陣変更を。54分のアクシデントは帝京。「故意じゃないと思うんですけどね。たまたま踏んじゃった所を見られちゃって」と敵将の大野監督も言及したシーンは、相手を踏んでしまったという判定による一発レッドカード。帝京は残された40分近い時間で数的不利を強いられてしまいます。
そんな中で生まれた先制点はシニシャ・ミハイロビッチに憧れているというレフティの左足から。そのレッドカードに繋がったファウルから駒澤が得た55分のFKは中央右寄り、ゴールまで約20mの至近距離。スポットに立った村上がワンステップで優しく蹴ったボールは、完璧な軌道を描いてゴール右スミへ吸い込まれます。「あんな感じで練習試合でもFKを2本ぐらい決めているんですよ」と大野監督も笑った村上の一撃は、「毎回練習の後に自主練で碇野に付き合ってもらってやっていたので、上手く行って良かったです」と話した通り、間違いなく練習の賜物。キャプテン負傷退場の嫌な流れを払拭する先制弾で、駒澤が1点のリードを手にしました。
ビハインドを負った上に10人となった帝京は、58分に1人目の交替を。前でアクセントになっていた遠藤を諦め、立木貴大(2年・東海大翔洋中)を右サイドへ投入しますが、59分には駒澤もその帝京の右サイド、すなわち左サイドから矢崎がクロスを送り、粘った米谷のシュートは枠の左へ外れるも、1年生ストライカーが積極性を披露。62分に大野監督がその米谷に替えて岩田光一朗(2年・大田東調布中)を送り込むと、67分には中盤でボールを拾った武智悠人(2年・Forza'02)のミドルはクロスバーの上へ外れたものの、全国大会で試合経験を積んだボランチのアグレッシブなトライ。狙い続ける追加点。
67分には帝京に2人目の交替。市川を下げて大塚迅人(2年・FC東京U-15むさし)を最前線に解き放ち、立木が右サイドを、中瀬が左サイドを受け持つ布陣で整えるバランス。69分は駒澤。菊地が裏へ通したボールに、由川が反応して走り込むも、好カバーを見せた斎藤がきっちりカット。71分は帝京。青木が蹴った長い球足のFKはそのままゴールキックに。残り時間は20分あまり。次の得点は果たしてどちらに。
優に100人を超える応援団を沸かせたのは「最近救世主のように出てきた」と大野監督も言及した18番。74分に右サイドを独力で運んだ栗原は、そのまま対角線上に強烈なシュート。和田も必死のファインセーブで弾き出しましたが、ここへ抜け目なく詰めていた由川はすかさずボールをゴールネットへ送り届けます。選手権では30人の登録にも入っていなかった2年生の由川が、新チームの初公式戦で早くも結果を。両者の点差は2点に広がりました。
少し苦しくなった帝京が相次いで切った交替カード。74分には3人目の交替として中村と原田祐次郎(2年・SP FUTE)をスイッチすると、76分に立木が蹴り込んだFKを高橋が頭で残すも碇野にキャッチされたシーンを経て、77分には4人目の入れ替え。中盤で奮闘した山﨑大熙(2年・S.T.FC)を下げ、中島洸(2年・横須賀野比中)をピッチヘ解き放って最後の勝負に打って出ましたが、「10人になってから少しボールが動いちゃったので、こっちも『もしかしたら』と思って動かせるヤツを投入したら、逆に前掛かりに来られてしまった」とは日比監督。終盤は赤黒が繰り出す猛ラッシュの時間帯に。
78分は駒澤。左サイドからカットインしながら、矢崎が右足で打ったシュートはわずかに枠の上へ。81分も駒澤。左サイドをえぐり切った矢崎がマイナスに折り返し、由川が狙ったシュートは和田がキャッチ。直後の81分も駒澤。左サイドから矢崎が右足でクロスを入れると、栗原が頭で合わせたシュートは和田がキャッチ。85分も駒澤。武智が狙った25mミドルはわずかにクロスバーを越えましたが、押し込む駒澤の力強いパワー。
85分は崩した形からダメ押しの追加点。右サイドで栗原のパスを受けたのは、「今日出ていた中でも一番素走りは速いんですよ。だいぶ練習試合も経験を積んで、良いチャンスを後半も創っていた」と大野監督も評価したSBの米田泰盛(2年・VIVAIO船橋)。その米田がハイサイドをえぐり切って折り返したボールを、岩田が枠へ収めたシュートは和田がファインセーブで掻き出しましたが、今度は嗅覚でファーへ潜った矢崎が確実にゴールネットを揺らします。「選手権の東京予選も全国大会も点が取れなくて悔しい想いをしていて、最近の練習試合でも全然取れなかったので、公式戦が今日からスタートということで、絶対に決めてやろうと思っていた」という矢崎は、「今日自分が結果を残せなかったら、10番は今後付けないという気持ちで挑んだ」と自らにプレッシャーを掛けたゲームで見事に結果を。スコアは0-3に変わりました。
交替カードが欲するのはさらなるゴール。85分には由川がミドルレンジから思い切り良く右足で振り抜いたボールは、一直線にゴールへ向かうもクロスバー直撃。88分に3人目の交替として大野監督は菊地と三浦岳文(2年・川崎フロンターレU-15)を入れ替えると、89分には右サイドを切り裂いた栗原の折り返しに、これがファーストタッチとなった三浦は好シュートを繰り出すも、ここは和田が意地のファインセーブ。90+1分にも村上が左から入れたFKに、由川が当てたヘディングはクロスバーの上へ。最後まで4点目を果敢に奪いに行った赤黒軍団が、気持ちよく聞いたファイナルホイッスル。「やっぱり駒澤さんだなと思うのは、選手権が終わって間もないこの時期でも、残っているメンバーがたくさんいるとはいえ、こういう風にやってこれることですよね」と相手の日比監督もその強さを認めた駒澤が、新チームのT1ファーストマッチを快勝で飾る結果となりました。


やや不運な判定で数的不利を強いられ、そこからの3失点で新チーム初の公式戦は黒星スタートとなった帝京。それでも日比監督は「『帝京は不運だった』という風に思うか、『逆に良い勉強になった』と思うかが大事で、これをチームのここからのターニングポイントとして捉えられるかというのはやっている本人と俺らの問題なので、それをよく考えれば前向きに行くしかないのかなと思います」とポジティブな姿勢を崩さず。「実力で考えれば明らかに向こうの方が上でしたけど、これをどこまで縮められるかというのが俺らの仕事でもあるし、この子たちが1年掛けてどうなっていくかが面白さでもあると思う」と今後への期待を口にされていました。前述したように日比体制3シーズン目の今季は色々な意味で勝負の時。「『小さなことからコツコツと』って本当にその通りだと思いますよ。それができないと大きなことは何も成し遂げられないし、よくみんなも同じようなことを言うと思うけど一緒ですよ。ゆっくりと慌てずに一歩ずつやるしかないですね」と穏やかに語る指揮官の下、復権を期すカナリア軍団の今後にも注目していく必要がありそうです。
2か月前の選手権でレギュラーを務めていた鈴木怜(2年・S.T.FC)と高橋勇夢(2年・Forza'02)は欠場を強いられ、他にもケガ明けやインフルエンザ明けの選手を複数抱えていたことを明かした大野監督は、「今日は0-0で点を取られなければ、勝ち点1を取れればいいかなというような感じだったんですけど」と切り出しながらも、「今年はそこそこやるというか、練習試合でも何だかんだで1点差とかで勝っちゃうというか、そこそこ誰がいなくなってもやれちゃうんですよね。ああいうPKを取れないで、中心選手がケガして普通だったら負けちゃうんですけど、負けないんですよね(笑) なんか不思議な力があるというか。今後はそんなに甘くないと思うんですけど」と苦笑交じりにチームの勝負強さに言及。「相手のペースの時間帯になった時だったり、やられそうになってもやられないような、そういう部分が今日もできていたのかなと思います」と村上も話した通り、全国での経験がこの日のピッチにも確実に生かされているような雰囲気をチーム全体から感じました。レギュラーとして晴れ舞台を踏んだ矢崎と村上に話を聞くと、奇しくも両者の口から発せられたのは「東福岡にリベンジしたい」というフレーズ。そのためには「コーチや監督に言われているようにトップレベルのチームを意識して、練習の質だったりを上げていかないといけないと思います」と矢崎が話した部分がこれからの最重要課題。自らの位置を測るための明確なモノサシを手に入れた駒澤の今シーズンも非常に楽しみです。      土屋

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