最近のエントリー
カテゴリー
アーカイブ
このブログについて
J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
J1-1st第1節
ジュビロ磐田×名古屋グランパス@ヤマハスタジアム
解説:玉乃淳 実況:西岡明彦 インタビュアー:桑原学
【ジュビロ磐田 名波浩監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:望んだ結果ではなかったと思いますが
まずはゲームを振り返っていただけますか?
A:まずグランパスが非常に現実的なサッカーをしてきて
シモビッチへのラフなボールが我々にとって非常に嫌な存在になったなと。
立ち上がり20分は押し込んだ中で決め切れなかった所と
あとはそこから繋ぐよりも前にという意識が
相手チームに生まれてしまったのでなかなか難しかったのと
やっぱりJ1とJ2の差が非常に大きいなというのは
セカンドボールの反応、あとは体ごと来るアプローチ、
この2つは私もそうですけど、選手もみんな学んだんじゃないですかね。
Q:おっしゃいますようにゲームの入りは
ジュビロも非常に良かったと思いますし
どんどん後ろからスペースに出て行く選手の使い方であったり
攻撃は機能していたと思いますが
そこで取りたかったというのが率直な所ですか?
A:もちろんそうですけど、そこは昨シーズンもなかなか取れない時はあったので
そこからどういう工夫をしていくかという所だったと思うんですけど
相手の消しの速さに対して、顔を出さなくてはいけない人間が
飛び出す動きが多くなってしまって、
ロングボールにちょっと付き合い掛けた感じのゲームになってしまったので
もう少し自分たちの良さを出すためにも
足下で受けたりボールを動かすという
そういった観点に持って行けたら良かったですけどね。
Q:主導権を握っている中で、おそらく一番ケアしていたであろう
高さの所でやられましたけど、あのあたりがJ1のスペシャリティという所でしょうか?
A:それもそうですけど、失い方が非常に悪くて
クリアしておけば良い所を繋いで
コントロールミスからシンプルにサイドに持ってこられて
ボールアプローチが甘い所をシンプルに上げられてという
これがJ2だろうがJ1だろうが関係なくやられる形だと思うので
非常に大きな反省点ですね。
Q:アダイウトン選手の使い方という所では時間を追うごとに
目立つシーンが少なくなってしまったのかなという感じがしましたが
名波監督はどうご覧になっていましたか?
A:低い位置からドリブルで運ぶという単発感が嫌だったので
組み立てて最終的にアダの所で勝負という形に持って行きたかったんですけど
2シーンぐらいですかね。後半は特に回数が減ってしまったなと。
あとはポジションを変えても良かったんですけど
体力的なものもあると思うので致し方ないかなと思います。
Q:先ほどお話しされていたセカンドボールの速さであったり
J1のスピード感のようなものを今日は皆さんが感じたと思いますが
この1週間は次に向けてどんな話を選手にされていきますか?
A:まず今ロッカーで「自分たちの力を3割も4割も出していない」と
いうことを言ったので、「自分たちが今までやってきたことは何だったんだ」と。
この1年ちょっとで積み上げてきたものをピッチで表現するためにやってきたのに
今日のゲームはそれが出せなかったと。
トライアンドエラーで行くと、トライしない限りは
挑戦なんて大きなことは言えないと思うので
ここからも次節以降しっかりトライできるように
チームを構築していきたいと思います。
Q:次はまたアウェイで非常に難しいゲームが待っていますが
最後にそこへ向けての一言を頂けますか?
A:浦和だろうが他のクラブだろうが
簡単な相手はいないともちろん思っていますので
常にチャレンジャー精神を持ってやっていきたいなと思います。
【名古屋グランパス 小倉隆史監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:凄く冷静にクールにゲームを見つめている姿が印象的でしたが
まずは初采配を終えての率直なお気持ちから聞かせて下さい。
A:いやあ(笑)、疲れました。
やっぱりジュビロのホームで、この開幕戦ということで
立ち上がりは硬さの入った所から点は取ったものの
なかなか自分たちのサッカーはさせてもらえずの所で
本当に追加点も取れない中でタフな試合になりましたね。
Q:自分がプレーされていた頃と比べてどちらが疲れましたか?
A:いや、比べ物にならないですね。
自分でやっていた方が良いですわ(笑)
Q:グランパスの今シーズンにはシモビッチ選手という
凄くわかりやすいターゲットもいると思いますが
そこの生かし方というのはどのようにチームへ落とし込んできたのでしょうか?
A:今日の所であそこの高さで単純にターゲットとして入れるというのは
ジュビロのディフェンス陣も嫌がったという所で
選手たちもそこを突いて行った所もあると思うんですが
そこだけじゃなくて周りを生かす所もやっていきたい所の中で
まだまだできていない部分があるなという所もありますけど
点の所も含めて、高さというのは1つ相手にとって脅威かなというのは
改めて今日のゲームで思いましたけどね。
Q:序盤は少し押し込まれる感じで
なかなかグランパスの形が出ていなかったと思いますが
そのあたりの時間帯はどう変えて行こうというお気持ちで
ご覧になっていたのでしょうか?
A:変えていこうも何も、完全に開幕の独特な空気に飲まれた感じと
足が重い感じで、現役の時になかなか乗れない感じの時を味わいましたけど
それを思い出しましたね。
こういう時は何といった所じゃなくて
選手が1つ大きな動きとか、誰かが変えて行くしかないんですけど
まあベンチから色々言った所で何も変わらないので
選手がどう気付いてやっていくかという所を見ていたんですけど
そういった意味では先制点を取れたというのは
非常に大きかったのではないかなと思います。
Q:そこからかなり流れが変わって
相手にもチャンスをそれほど創らせていませんでしたし
手応えがあったんじゃないでしょうか?
A:そうですね。出足も良くなっていく中で
後半はチャンスを創った中で追加点を取れなかった所は
余計に自分たちで苦しい展開に持って行ったかなという感じはしますけど
そこをもう少ししっかりと自分たちの形というものを
出せるようにしていかないと、この先こんなタフな戦いは
選手もそうだと思いますけど、監督の僕も持たないです(笑)
Q:追加点こそ取れませんでしたけど、特に後半は良い守備から
良い連動性のある攻撃というのも何度も見られたと思いますが
あのあたりは準備してきたものが出せたという所ですか?
A:多少は出せた所はあると思うんですけど
もっともっと出せるはずですし、その時間帯というのを自分たちで
しっかりと創れるようにやっていかないといけないなという想いはあるので
またしっかり今日の課題や反省を踏まえて
また次に繋げて行きたいなと思いますけどね。
Q:34分の1ではありますけど、開幕戦が取れたのは
チームの自信という点でも大きいのではないでしょうか?
A:僕自身にとって一番大きかったです(笑)
もちろんこれだけじゃないですけど
1つ開幕を取れるか取れないかというのは長いシーズンですけど
気持ち的に僕に経験がない部分で選手たちもやってきている分
結果が出ないとなかなか乗れない部分があるとは思うんですけど
しっかり勝ったので雰囲気も良いので
次に良い風に繋げて行きたいと思います。
Q:最後に次はホームに戻ってチャンピオンを迎えますが
どのような準備をされますか?
A:いや、もうチャンピオンなんで思い切ってぶつかるだけですけど
その中で広島の戦いというのは独特な戦い方がありますし
その中でいかにグランパスらしいスタイルが出せるか、
ここにこだわっていきたいと思います。
【名古屋 シモビッチインタビュー(試合後・中継内)】
Q:本当に素晴らしい得点でした。今はどんなお気持ちですか?
A:もちろん得点を決めたことは嬉しいのですが、
やはりチームとして一丸となって戦えたこと、
そして90分戦い抜いて勝てたこと、これが一番嬉しいですね。
Q:本当に90分を通して集中していたと思いますが
それはチームの狙いとしている所ですか?
A:そうですね。90分集中して戦うことは
ハーフタイムの中でもやはり「このまま続けて行こう」と、
「集中力を保って行こう」という話をしていましたので
そういう部分で勝てたと思います。
Q:改めて得点シーンを振り返っていきますと
矢野選手から本当に良いボールが来ました。あのシーンを振り返って下さい。
A:そうですね。右から貴章選手が本当に良いボールを上げてくれて
私はただ当てれば良かっただけのゴールですね。
良いゴールでしたね。決めることができて良かったです。
Q:チームとしてもシモビッチ選手としても良いスタートが切れたと思いますが、
この後に向けての意気込みをお願いします。
A:本当にみんなで戦えたということで今日は感無量です。
ただ、戦いは続くので次はまた広島戦があります。
豊田スタジアムに是非来ていただいて
お客さんの応援を本当に待っております。
【玉乃淳氏のレビュー】
(磐田)
20分ぐらいまでは磐田が良かったですよね。
決められる所を決めておけばとなってしまいますけど
序盤はまだ名古屋が "アダイウトン慣れ"をしていなかったかなと。
攻撃は完全にアダイウトン頼みの組み立てに終始していた中で
どこで替えてくるのかと思った所で上田康太に替えて川辺が入って
その意図というのが少し分からなかったので
やりたいサッカーが変わらなかったということは
このサッカーを続けていきたいということなんでしょうね。
選手は替わりましたけど形は変えて来なかったですから。
攻撃面はちょっと心配ですね。
アダイウトンを止められた時にどう点を取りに行くのか。
右サイドを今後どうやって使っていくのか。
アダイウトンの所は名波監督も悩んでらっしゃいましたね。
ストロングポイントだったはずなんですけど
ポジションを変えても良かったとおっしゃっていた
そこの部分はどこへだったのかという所も気になりますし
なかなか難しいゲームでしたね。
(名古屋)
シモビッチはまだ若いことにビックリしましたね。
ゴールの後の笑顔がまだ少年のような顔をしていましたから
まだまだ伸びしろがあるんじゃないですか
2メートルまであと1センチ。絶対横に並びたくないです。
足下も上手かったですし、無駄に動くということがなかったですよね。
真ん中にどっしり構えて、柔らかさもありましたし
トラップを左右両方向へ持ち運びながら
周りの選手を生かすこともできていたので
これは1つの武器として間違いないですね。
インタビューも親近感が湧きました。
かわいらしい英語でわかりやすいように説明してくれましたし、
「広島は強いからサポーターに来て欲しい」とちょっとウインクしながら。
好感が持てるというか、応援したくなるようなキャラクターですね。
上手く相手に対して対応できていたのは名古屋の方だったと思います。
永井のサイドからの突破、古林の逆サイドからのペナへの侵入であったりとか。
逆に言ったら物凄いストロングポイントが今後の不安材料でしたね。
シモビッチは当然マークされる、田口は抑えられる、
好不調も当然ある中で名古屋はどう戦っていくのか。
でも、いいじゃないですか。本当に大きな1勝だと思います。
物凄いことだと思いますけどね。
選手もガラッと変わって、いきなりGM兼監督に就任して1勝を挙げると。
しかも完封の1-0で。大きいですし、次に繋げたいですね。
もちろん苦しい時期は絶対長いシーズンで来ると思いますけど
この試合が始まる前ほど不安があるかと言ったら
ちょっとオーマンの人に対してのディフェンスの仕方であったりは
もう少し周りの選手たちがわかってあげないと怖さはあるなという所と
シモビッチに入った時に絶対勝てるという確信の裏返しと、
田口に掛かり過ぎる期待が大き過ぎる不安など。
でも、バランスは良かったですよね。
矢野貴章の安定したディフェンス、古林のフィット感、
相変わらずの楢崎選手の安定感。
大崩れせずにコツコツプラスアルファの所を積み上げていければ
勝ち星は拾っていけると思います。
【Jリーグブログ的データ】
J1-1st第1節
ジュビロ磐田 0-1 名古屋グランパス
入場者数:14,333人 天候:晴、弱風
気温:13.0度 湿度:34%
主審:廣瀬格
副審:戸田東吾、小椋剛
第4の審判員:上村篤史
《得点者》
<名古屋>
29'シモビッチ①(アシスト:矢野貴章)
《選手寸評》
(磐田)
GKカミンスキー
失点はノーチャンス。数度のファインセーブで役割は果たした
DF櫻内渚
オーバーラップは数えるほど。10分の決定機をモノにしていれば...
DF大井健太郎
懸命に対抗を試みるもさすがにシモビッチ相手には分が悪かった
DF森下俊
可もなく不可もなく。破綻はなかったが際立ったプレーも多くない
DF中村太亮
アダイウトンのあおりを受けて効果的に上がれず。失点時も寄せ切れなかった
MF上田康太
流れの中に埋没する格好になったが交替が妥当だったかは疑問符
(→54' MF川辺駿□)
ファーストプレーのコンタクトでやや消極的になったか
MF宮崎智彦
左掛かりになりがちなバランス維持に奔走。攻撃で違いを出す余力はなかった
MF太田吉彰
左右のバランスも考慮する格好で守備に軸足。持ち味は生かせなかった
(→73' MF山本康裕)
投入意図だったはずの攻撃の活性化には至らず
MF小林祐希
前を向いてボールを受けるシーンが少なくセットプレーも不発
MFアダイウトン
とにかく仕掛けまくって攻撃の推進力になるも守備免除は諸刃の剣か
FW齊藤和樹
開始早々にファーストシュートを記録するも以降はすっかり消えてしまった
(→80' FW森島康仁)
短い時間の起用でも立ち位置を考えれば一仕事をしたかった
《選手寸評》
(名古屋)
GK楢崎正剛
枠内シュートはすべて冷静に弾き出す。いまだ国内最高峰の実力を維持
DF矢野貴章□
イエロー献上を帳消しにする完璧なクロスでアシストを記録。攻守に貢献度高し
(→76' MF小川佳純)
中村とアダイウトン対策は万全でクローズにきっちり貢献
DFオーマン□
アダイウトンにイエロー献上も。まだ特徴は計りかねる印象
DF竹内彬
ラインコントロールはこの人。影のMOMと言って良い出色のパフォーマンス
DF安田理大
この日一番の形で迎えた決定機逸は痛恨。終盤は右SBで相手のアタックに蓋
MFイ・スンヒ
84分の決定的なシーンを沈めていれば最高のJデビュー戦だった
MF田口泰士
トリックも含めてセットプレーは常に高精度。キャプテンとしての初白星を飾る
MF古林将太
自サイドをケアしながら攻撃面で何度もエリア内まで。痙攣も納得の出来
(→81' DF高橋諒)
スクランブル起用ながら上々のデビュー戦。プロ初シュートも記録
MF矢田旭
2つの決定機を演出も1トップ下なら自ら決める意欲も欲しいか
(→90' FW川又堅碁)
終盤のチャンス時は仕掛けるか時間を潰すかにやや迷いが
MF永井謙佑
スピードで沸かせるシーンは創るもチャンスメイク面では物足りなさも
FWシモビッチ①
貴重な決勝点と高さに目を奪われがちだが足元にも確かな技術が
再放送スケジュールは
2月29日(月)深夜2:00~午前4:15 J SPORTS 3
3月4日(金)午後0:00~午後2:15 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!
土屋
J SPORTS フットボール公式Twitterをフォローしてフットボールの最新情報をチェック!