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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
埼玉スタジアム2002で行われた
全国高校サッカー選手権大会決勝の東福岡×國學院久我山は
5-0で東福岡が優勝を決めました。
以下、試合後のミックスゾーンにおける
國學院久我山・野村京平、内桶峻、澁谷雅也、宮原直央のコメントです。
(國學院久我山・野村京平)
Q:ゲーム自体はいかがでしたか?
A:前半の最初から全然自分たちのサッカーができなくて、やっぱり「名前負けしてしまっているな」というのがあって、東福岡だからというのでみんなちょっと逃げていた所もあって、自分たちのサッカーが全然できないまま前半が終わってしまいました。後半の3点目を取られたくらいから、「自分たちも取らなきゃ」という想いが出てきて、それで結構前に攻められていたんですけど、ゴール前で自由にさせてくれなかったというか、厳しさというのも感じましたし、レベルの差というのも感じました。
Q:前にボールが入らず、攻撃に入り掛けてもまた守備に回る展開になってしまいましたね。
A:前に行っても潰されてしまって、そこからまたカウンターというのがあって、今までとのレベルの違いを本当に感じさせられた試合で、自分としてもあまり通用しなかった部分が多かったので、この経験はかなり貴重だと思いますし、大学でのサッカー生活にまた生かしていきたいと思います。
Q:どこに一番レベルの違いを感じましたか?
A:みんな凄く走れて、切り替えも速いですし、ゴール前になると必ず誰か1人寄せているというのがあって、すぐボールを離さないと囲まれて取られてしまうとか、プレスの速さとか体の強さも全然自分たちと違うなと感じました。
Q:それでも全国準優勝という結果は素晴らしいと思いますが、その準優勝という結果に関してはどうですか?
A:チームとしてノっていましたし、選手権のようなこういうトーナメントというのは、波に乗ることがとても大事だと思うので、そういう面では久我山は凄く波に乗れていたと思っています。準優勝という結果は胸を張れることなんですけど、やっぱり決勝戦が不甲斐ない試合になってしまったので、本当に申し訳ないという気持ちが強いですね。
Q:今大会は前回大会で取れなかったゴールも取って、充実はしていたんじゃないですか?
A:そうですね。本当に色々なことを経験できた大会でしたし、1,2年とは全然比較にならないくらい素晴らしいことができたと思っているので、良かったこともあるんですけど、やっぱり今日の負けは大きかったですね。
Q:改めて久我山での3年間はいかがでしたか?
A:本当に成長できた3年間だと思いますし、やっぱり久我山じゃなければ得られなかったこともたくさんありますし、フットワークだったりも久我山で培ったものなので、本当に久我山には感謝しています。
Q:これからはどういう選手を目指していきますか?
A:本当に最後まで走り切れるような選手になりたいです。最後の方は自分の体力も厳しい所もありましたし、後手を踏んでいる感じで失点したというのも結構多くて、そういう形で失点を食らったということで、隙がたくさん出てしまったというのも今日の試合での反省点なので、本当に隙のないようなCBになれるようにこれから頑張っていきたいと思います。
(國學院久我山・内桶峻)
Q:いつもに比べて前の3人がなかなかボールを収められなかったと思いますが、どういう所に一番圧力を感じましたか?
A:ファーストタッチの瞬間からのプレスが凄く速くて、2人目3人目とどんどん来て、考える余裕を与えてくれませんでした。自分のファーストタッチも悪かったですし、ボールをもらう前にどこでもらいたいのかはっきりしていないと監督にも言われて、足下ばっかりで受けていて、相手の圧力をそのまま受けてしまっていた感じはありました。今シーズンやった中で一番強かったです。
Q:大会を通じて内桶君のドリブルはかなり効いていたと思いますが、ご自身もその部分に手応えは感じていましたか?
A:そうですね。この大会では自分的に凄く調子が良くて、結構思うようにパスもドリブルもシュートもできていたので、それも自信を持ってやれていたというのが大きいと思います。自分自身にとっては最後の選手権で、高校サッカーも最後だったので、思い切ってプレーしたいなと大会前から思っていて、初戦で決勝ゴールを奪えて、あのへんから自信を持てたので、初戦で点を取れたというのは凄く大きかったと思います。それとともにチームも凄く勢いが良くて、攻撃陣も試合を重ねるごとにどんどん良くなっていって、久我山らしさというのは出せていたのかなと思います。
Q:こういう大舞台で自分のプレーが出せたというのは、今後への自信に繋がりそうですか?
A:やっぱり今日の結果、今日の内容に凄く悔いが残っていて、本当に情けないなと思っています。初っ端でかなり相手にビビってしまって、自分の思うようにできなかったことには後悔が残っています。
Q:こだわりを持ってやってきた久我山らしさを発揮した上で、全国準優勝という結果が出たことは凄く色々な所に与える影響も大きいんじゃないかなと思いますが、そのあたりはいかがですか?
A:本当に決勝の結果だけが凄く悔しくて... それでも準優勝ということで、久我山の勉強もサッカーもどっちも頑張っているスタイルだったり、細かいパス回しのスタイルだったりに憧れているサッカー少年もたくさんいると思うので、そういう人の希望にはなれたかなと思います。
Q:久我山での3年間は振り返ってみていかがでしたか?
A:自分自身が凄く成長できたと思います。高校入学前はこんなにスタメンで出られるとは思っていなかったですし、最後もこんな全国準優勝なんて結果も取れると思っていなかったので、決勝は良くなかったですけど、最後は準優勝という凄く良い結果で終われたことは本当に良かったと思います。今年は「攻撃は自分が引っ張るんだ」くらいの気持ちで1年やってきましたし、3年としての自覚を持ちながら1,2年生にも声を掛けながらやっていました。
Q:これから受験ですよね。ちょっと夢から覚めたような感じですか?
A:そうですね。うまく切り替えられるかどうか自信がないです(笑)
(國學院久我山・澁谷雅也)
Q:縦にボールが入った時になかなか前を向けなかったと思いますが、相手CBの圧力はかなり感じていましたか?
A:はい。本当に圧力が凄くて前を向かせてもらえなかったので、うまく収められなかったです。あそこが本当に課題かなと思いますし、シュートも全然打たせてもらえなかったので、相手のディフェンスに負けたなという感じでした。
Q:うまく横にずらしてもすぐにプレッシャーが来るというような感じでしたか?
A:1人外せたとしても、すぐにもう1人が来ているので、本当にどう動いていいかわからなかったですし、自分の技術がもう少しあれば状況は変わっていたと思うので、もっと練習しなくちゃいけないなと思いました。
Q:どうしても今は決勝の悔しさが大きいと思いますが、全国準優勝も素晴らしい結果だと思います。準優勝という結果に関してはいかがですか?
A:本当に自分たちは3年生にここまで連れてきてもらっているので、3年生には本当に感謝していますし、この結果を超えることが3年生にとっても嬉しいことだと思うので、来年は自分がしっかり成長した姿を3年生やOBの方々に見せられるように努力するだけです。
Q:今シーズンは途中から10番をずっと付けてきて、この大会もかなり注目されていたと思いますが、10番を背負うということが少し重く感じるような部分はありましたか?
A:3年生もいる中で2年で10番を付けさせてもらっているので重たいですけど、それを言い訳にしていたら本当にダメだと思うので、来年は10番を付けさせてもらえるかどうかわからないですけど、10番を付けさせてもらったら責任と誇りを持ってプレーしていきたいです。
Q:今年の3年生は頼りになる3年生たちでしたね。
A:そうですね。今年の3年生はピッチ内でもピッチ外でも本当に頼りになる先輩ばっかりなので、本当に尊敬しています。
Q:最後はこういう結果になりましたけど、大会を通じてサッカーを楽しめましたか?
A:はい。色々なチームとやらせてもらえて、自分は本当に得るモノが大きかったので、応援してくれた人や親やスタッフの方々には本当に感謝しています。
(國學院久我山・宮原直央)
Q:今日の試合のポイントはどこにあったと感じていますか?
A:今日は2失点目が大きかったと思います。ファウルはつまずいた形ですけど、その前の過程が自分たちの横パスのミスで取られていて、それが本当にもったいなかったなと思っているので、ある意味ではあのファウルも自分たちのミスから取られて、キッカーも上手くて素晴らしいシュートでしたね。あの2失点目の早さというのが大きかったと思います。特にウイングはスピードも速かったですし、リスクを冒してでも前に出ないといけないという展開になったので、東福岡さんのゲーム運びのうまさもあったと思いますし、そこは1枚も2枚も上手で、プレミアで戦ってきたチームなのかなと思いました。
Q:何人かの選手は東福岡に対して「今までやってきたチームとはレベルが違った」と話していましたけど、宮原君もそれは感じましたか?
A:そうですね。前への圧力とプレスの速さには桁違いのものを感じましたし、それでも前半は苦戦しましたけど、後半はやれる部分が出てきて、「これは行けるんじゃないか」という想いもありましたし、そういう所では最初は「凄いチームだな」と思いましたけど、久我山でもやれる所はあるのかなと思いました。ただ、人に付くだけじゃなくてスペースもうまく消してきたので、久我山の良さであるパス回しはほとんどできなかったですし、サイドから徐々にチャンスを創れる場面もありましたけど、最後の"壁"の部分は全国のトップレベルというものを肌で感じました。
Q:後半2失点目の直後にシュートブロックを何回もされたシーンがありましたね。
A:それがプレミアの粘りなのかもしれないですし、夏を勝ってきたチームの粘り強さなのかなと。特に今大会は東福岡も失点が少ないので、そういう所での守備へのリスク管理だとか、それでも攻撃に転ずる人数の多さとか、攻守共にレベルの高いチームだと思いました。公式戦で5-0で負けるというのも今年のチームではなかなかなかったことですし、自分たちの良さをすべて消されて、相手の良さを出されたかなと。自分たちのやりたかったことをすべて返された感じです。本当に上手かったですし、特にキャプテンの選手は非常にキック精度も高かったですし、本当に嫌なことをわかっているというか。ディフェンスの身とすると「ここはやられたくないな」という所をわかっているというか、非常にサッカーを知っていて上手いなと感じました。
Q:先制点の場面はうまく崩されてしまいましたね。
A:ボールの持ち方も独特のモノがあって、どのタイミングで出てくるかもわからないですし、そういう部分ではなかなか足が出せないというのがありました。それでも体の強さとだと泥臭くやるプレーもありましたし、東福岡というチームの技術の高さと粘り強さの2つは本当に凄いチームだなと思いました。
Q:1年生から3つの久我山のチームを見てきたと思いますが、今年のチームがこの全国の決勝まで来られた意義というのはどう感じていますか?
A:今年のチームは何回も言いますけど、インターハイの初戦敗退というのを経験したことが1つ大きな変わった点なのかなと思っていますし、逆にベスト16ぐらいまで行っていたら浮かれている部分だとか、「やれるんじゃないか」という余裕の部分が出てきてしまったと思っているので、そういう部分ではインターハイで本当に不甲斐ない負けをして、チームが気持ちや頭から入れ替わったというか、イチから作り直したという形になったので、夏からの成果というものがこの準優勝に大きく繋がったのかなと思います。
Q:清水監督もおっしゃっていましたが、1回戦から本当に色々な展開のゲームをしっかり勝ち切ってきたことで、この期間でチームが大きく成長したのかなと思いますが、そのあたりはいかがですか?
A:そうですね。特に1回戦が一番難しいと思っていたので、そこをセットプレーのゴールですけど勝ち切れたこと。2回戦で追い付かれ方も非常に悪い中でPK戦で勝ち切れたこと。神戸弘陵というプレミアに昇格して勢いのあるチーム相手に接戦をモノにできたこと。前橋育英という因縁の相手に勝ち切れたこと。青森山田というプレミア2位のチームに失点しながらも逆転勝ちできたこと。本当にこの大会で色々な勝ち方をしてきて、この決勝に挑むにも「最高の流れで来たのかな」と思っていましたけど、この試合を終わって振り返ると、決勝は本当に相手が強かったなと思います。
Q:一言では簡単に振り返れないと思いますが、久我山での3年間はいかがでしたか?
A:本当に成長しかなかったので、自分は体も未熟でしたし、この3年間で体もメンタル面も鍛えてもらって、本当にコーチ陣やトレーナーの方たちに感謝しています。自分がキャプテンとして3年でここまで来られたという誇りと、決勝で負けた悔しさという2つがあるので、そこをしっかり背負ってこれからの人生を歩んでいきたいなと思います。
Q:この久我山の3年間でサッカー面はもちろんですけど、人間性の部分も成長したなという実感はありますか?
A:そうですね。自分は3年間スポーツクラスで同じ担任の先生だったんですけど、サッカー部とは別にクラスの前で話す機会というのもたくさん与えてもらって、色々クラスメートに向けて話したりとか、そういう指導の部分があったので、人間性として一番成長できたのはその担任の酒井先生のおかげという部分があります。極限の状態でのメンタルの強さを磨いてくる先生なので(笑) その先生もバスケ部の監督として日本一を目指している人なので、クラス全体が日本一を目指せるメンタルを持とうとしていますし、そういう所では非常に感謝しています。グッと来るような言葉も言いますし、当たり前のことも言いますし、例えば「運は来るものじゃなくて拾うもの」と言われていて、教室の机を真っすぐに並べたりとか、掃除を隅から隅までしっかりやったりとか、久我山の3年生は8時半が登校時間なんですけど、自分たちのクラスは8時までに行かなくてはいけなくて(笑) そういう当たり前のことを徹底するような所と、人身事故みたいなものを想定して常にそのリスク管理を取ったりとか。本当に私生活は厳しいですし、カバンは常に机の右に掛けるんですけど、右に掛かっていなかったりチャックが開いていたら凄く怒られますし、そういう所で身近な所から厳しくやってきた先生なので、今では自分たちにとってそれが当たり前なんです。でも、他のクラスに行くと「え、なんで?」みたいな状況になっていますけど(笑)、「それが当たり前」という基準をすべて上げてくれた先生なので、優先席に同じ学生が座っていたら「え、なんで?」という感じにもなりますし、ゴミを見ると拾いたくなるので(笑)、凄く鍛えられました。その先生に3年間担任してもらって、この決勝戦でも前日に「日本一を獲って欲しい」と言われていたので、その期待に応えたかったですけど、胸を張って帰れるのかなと思います。
Q:自分も教職を目指すというのはその先生の影響も大きいですか?
A:そうですね。中学の先生もそうですし、酒井先生も涙を流すくらいの熱い先生ですし、特にスポーツクラスなので球技大会や体育祭では「負けたらオマエら知らないぞ」みたいな、そういうような人なので(笑) 「俺は良い道を進んでいる」というような成功体験も教えてくれますし、自分たちにとっても良い刺激になりますし、日本一という生徒と同じ志を持ってやっているので、そういう所では一緒に泣いたり笑ったりという所ができる、なかなかいない熱い先生なのかなと思いますね。僕も熱い先生になりたいなと思います。
Q:やっぱりサッカー部の顧問として時崎先生の影響力も大きいですよね。指導の現場に立つ訳ではなくてもこれだけ引率してくれて、これだけ自分の休みを割いてくれて、サッカー部の荷物も自分の車に乗せてくれてという顧問の先生にも影響を受けたのではないかと思いますが?
A:そうですね。まず言うことが凄くて、自分たちの将来をわかっているかのように、今大会の前には「ベスト4に行ける力はある」と言われてきたので、そういう所で自信を持って取り組んできました。時崎先生は練習試合からずっと見て下さって、自分たちは練習試合だけなぜか凄く好調みたいな感じがあったんですけど、「それが選手権で出せれば本当に良いチームになる」と言われてきていたので、それが今大会で出て、時崎先生からも「胸を張って良い」と言われましたし、そういう所では本当に胸を張って明日学校に行って、報告したいなと思います。時崎先生は本当に忙しい中、土日も荷物を運んでくれますし、自分も色々と指示を戴いたり、時には痛烈なことを言われたこともありましたし、そういう所で良い距離感をお持ちの素晴らしい先生だなと思います。
以上になります。
土屋
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