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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
2月に開幕を迎えたT2リーグもいよいよ最終節。共に来たる18日の選手権予選を見据えた堀越と国士舘の対峙は大井第二球技場です。
前半戦は2勝1分け5敗と苦しいシーズンスタートとなったものの、12節では小磯雄大(2年・FCヴィラセーゴ津久井)のハットトリックもあって大成に6-3で撃ち勝つと、以降は都立駒場、都立三鷹に加えて、いち早く西が丘行きを決めている東京朝鮮を相次いで撃破し、怒涛の4連勝で一気に勝ち点を積み上げてきた堀越。「今年は強烈に引っ張るという人間がいないので、リーダーの富樫中心にチーム全体でというのは意識している部分はあります」と東岡信幸(3年・TACサルヴァトーレ)が話したように、チームのまとまりは例年以上。関東第一と激突する18日へ向けて、勝利で勢いを付けたい90分間に挑みます。
開幕6試合は2分け4敗。非常に厳しい序盤戦を強いられながら、第7節の都立駒場戦でようやく初勝利を記録すると、後半戦は一気に復調。大成、都立駒場、都立三鷹とこちらも3連勝を飾って、シーズンラストゲームを迎えることになった国士舘。選手権予選も1回戦では調布南を3-1で退け、2回戦は成蹊に苦しめられながらも延長の末に勝ち切って、ベスト8のステージまで。12年ぶりの全国出場を視野に入れながら、9か月間のリーグ戦を良い形で締め括りたい一戦です。神無月に入った夕刻の大井は、肌寒さすら感じる秋の気配。少なくない観衆が集まったゲームは国士舘のキックオフでスタートしました。
ファーストシュートは堀越。2分に富樫草太(3年・FC町田ゼルビアJY)が蹴ったFKはDFのクリアに遭うも、広瀬智也(2年・FC Consorte)はダイレクトでミドルにチャレンジ。ボールはクロスバーの上へ消えたものの、まずは堀越が積極的な姿勢で立ち上がりましたが、直後に先制点を記録したのは国士舘。3分、左サイドで工藤夏仁(3年・三菱養和巣鴨JY)が粘って溜めると、廣瀬寛治(3年・横河武蔵野FC JY)は丁寧に右へスルーパス。開いて受けた長谷川未来(3年・三菱養和巣鴨JY)のシュートは、豪快にニアサイドをぶち抜いてゴールネットへ突き刺さります。10番のキャプテンが早くも結果を。国士舘が1点のリードを手にしました。
追加点機は直後の4分。高い位置で相手ボールをかっさらった廣瀬は、そのままGKと1対1に。ここは堀越のGK横山洋(3年・TACサルヴァトーレ)がファインセーブで阻みましたが、あわや2点目というシーンを創出。4分には堀越も右から小磯がグラウンダーで折り返し、須藤海斗(3年・府ロクJY)はエリア内へ潜ったものの、クロスを選択してシュートまでは持ち込めず。「ポジショニングなんかもフワッと試合に入ってしまって、それが失点にそのまま繋がっちゃったなと思います」と東岡も振り返った堀越を尻目に、続く攻勢は国士舘。
ただ、10分を過ぎると「蹴らずに下で繋いでポゼッションしていくというのをチーム全体で意識していた」(東岡)という堀越のパスワークが落ち着き始め、徐々に引き寄せたゲームリズム。13分には左サイドで齊藤一輝(2年・青梅新町中)が縦に付け、須藤のクロスをファーで合わせた小磯のシュートは国士舘のGK菊池大輝(3年・府ロクJY)がファインセーブで回避。19分にも加藤悠矢(2年・アローレはちきた)を起点に、右サイドを駆け上がった東岡がクロス。齊藤一輝が折り返したボールに斎藤拓磨(3年・青梅FC)が飛び込むも、決定的なシュートは菊地が再びファインセーブ。25分にも小磯からのリターンを受けた東岡が中央へ鋭いスルーパスを通し、走った斎藤拓磨のシュートはここも菊池がファインキャッチで仁王立ち。堀越の好アタックに立ちはだかるは守護神の菊池。
27分には国士舘も久々のチャンス。果敢なプレスでボールを奪い切った廣瀬が左へラストパスを送り、篠生健人(3年・東京ベイFC U-15)が左足を振り抜いたシュートはクロスバーにハードヒットして、追加点とはいかず。31分には川浪京太郎(3年・三菱養和調布JY)が自らのドリブルで獲得した左FKを蹴り入れるも、横山がしっかりパンチング。相手にボールを動かされる中で、ようやく掴んだ2回のチャンスも生かし切れません。
39分は堀越。新井真汰(3年・TACサルヴァトーレ)のリターンを受けて、小磯がマイナスに折り返すも須藤はシュートを打ち切れず。41分は国士舘。篠生のパスを引き出した礒川拓夢(3年・町田木曽中)が、ゴールまで30m弱の位置から思い切って狙ったミドルは枠の右へ。45分は堀越。東岡の左FKは中と合わずにそのままゴールキックへ。中盤以降は堀越がペースを握った前半は、それでも国士舘が1点のアドバンテージを持ってハーフタイムに入りました。
後半もスタートから堀越のラッシュ。49分、齊藤一樹の右CKをファーで拾った小磯がクロスを上げると、良い位置にいた小澤颯(3年・FC.GONA)が反応するもDFがクリア。55分、齊藤一樹が短く出したFKから東岡は強烈な枠内ミドル。一度はファンブルした菊池も、エリア内で2度のパンチングで何とか危機回避。60分、中盤で突如として華麗なドリブルを開始して、3人を抜き去った斎藤拓磨の30mミドルは枠の左へ。「相手がちょっと1点取ってという中で守備的な所があったのかなと思いますけど、内容的には良い中で点も取れる感じはあった」と佐藤実監督。押し切りたい堀越。
尾田航士(3年・府ロクJY)と斎藤敦(1年・S.T.FC)のCBコンビを軸に何とか凌ぐ国士舘。63分に右から川浪が蹴ったFKはDFにクリアされ、その左CKを細田晃輝(3年・三菱養和調布JY)が放り込むも中は合わせ切れずにゴールキックへ。67分に堀越が須藤のスルーパスから新井がエリア内へ侵入したシーンは、須恵皓太(3年・稲城第一中)が素晴らしいカバーリングでシュートを許さなかったものの、危ない局面に。68分には工藤のパスから礒川がインサイドで狙ったミドルは、かなりの好トライもわずかに枠の右へ。変わらないゲームリズム。
68分には堀越に決定的なチャンス。左サイドで粘って収めた須藤が丁寧に中へ送ると、エリア内へ飛び込んだ新井はGKと1対1に。ただ、絶妙の間合いで飛び込んだ菊池に対して、新井の放ったシュートはわずかにゴール左へ。71分に加藤の右FKをファーで富樫が折り返し、斎藤拓磨が打ち切ったシュートもクロスバーの上へ。「後半は自分たちのサッカーが見えたんですけど、最後の質の所が悪かった」と東岡。変わらない両者の点差。
先に動いたのは国士舘。71分に廣瀬を下げて合田洋介(3年・練馬豊玉第二中)をそのままの位置に投入。75分には堀越にも1人目の交替が。斎藤拓磨に替えて照井基也(2年・足立第十四中)を送り込み、中盤の推進力アップに着手するも、76分のチャンスは国士舘。カウンターから工藤が左へ流し、走り込んだ篠生のシュートは枠の左へ。77分に国士舘は川浪と根橋拓也(2年・東急SレイエスFC)を入れ替えると、80分は再び国士舘にチャンス。細田の左CKにフリーで合わせた斎藤拓磨のヘディングは枠の左へ外れ、思わず10番は頭を抱えましたが、少ないチャンスに滲ませる追加点への気概。
双方が切り合うカード。80分に堀越は福山健介(3年・FC府中)を、84分に国士舘は藤原孟海(2年・クリアージュFC)をそれぞれ投入。85分は堀越。福山、照井と繋いで、小澤のスルーパスに加藤が走るも菊池がキャッチ。85分は国士舘の決定機。右サイドでボールを持った長谷川のクロスは、ファーの根橋へドンピシャで合うも、慎重に打ったシュートは枠の左へ。徐々に次の得点の気配は国士舘へ。
85分に北田大祐(3年)を、87分に梶野拳士朗(1年・昭島瑞雲中)を相次いでピッチヘ解き放ち、最後の勝負に出た堀越の好機は90+1分。広瀬を起点に北田が繋いだパスへルーキーの梶野が懸命に走るも、副審のフラッグが上がってオフサイドを取られると、これがこのゲームのラストチャンス。「イメージとしてはそんなに悪いサッカーはしていなかったかなと思います」と東岡も語った堀越のアタックを凌ぎつつ、終盤はきっちり際どい手数も出し続けた国士舘が、リーグ最終戦を勝利で飾る結果となりました。 土屋
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