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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

マッチレビュー 2015年10月03日

J1-2nd第13節 松本×清水マッチレビュー

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J1-2nd第13節 
松本山雅FC×清水エスパルス@松本平広域公園総合球技場
解説:玉乃淳 実況:下田恒幸 インタビュアー:桑原学


【松本山雅FC 反町康治監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:安心できる時間はそんなになかったかもしれませんが
しっかり勝ち切りましたね。


A:そうですね。我々はこうしてリードしていても
2点目が取れないという現実がずっとありまして
それで最後に追い付かれたという試合がたくさんあったんですけど
1つは2点目を取りたいという所、もう1つは最後はやっぱり踏ん張り所で
どうしても守らなくてはいけないというシーンが多いので
今日は最後まで集中して良くやったと思います。


Q:90分を通しては今どのような感想をお持ちですか?


A:かなり今日はお互いにフィジカルなゲームだったかなと思っていまして
特に前半は中盤でフィジカルで少し負けている部分があったので
ハーフタイムで「しっかりとこれはもう割り切って今日はやるしかないよ」という話をして
向こうがちょっと足が止まったのもありますけど
後半は我々が中盤をかなり拾ったりとか、球際の所で勝ったりとかして
それがそのままチャンスに繋がったシーンが多かったですからね。
それは良かったと思います。


Q:清水が今日はちょっと違う並びでスタートしましたが
このあたりが松本に与えた影響というのは何かありましたか?


A:2人残ってのカウンターというのが1つの向こうの手だったんですけど
今日はそれがまずなかったのが良かったということと
ただサイドにウチの酒井が引き出された時のカバーリングの所は
ハーフタイムで当然ながら「しっかりと意識を持ってやれ」と言って
そこで岩間と飯田が引き出されないように
隼磨や祐三がしっかりとカバーリングできたのが
うまくウタカを抑えられた1つの要因かなと思います。


Q:松本としてはうまく長いボールも使いながら
相手を押し込む時間が序盤から多かったと思いますが
このあたりは狙い通りでしたか?


A:まあ、そうですね。非常に中盤のプレッシャーがお互いに強かったので
なかなかパスワークというのはウチはあまり得意じゃないんですけど
できない中で少しオビナの所でボールが収まらなくて
またはファウルとかになってしまって、なかなかリズムを創れませんでしたけど
それはオビナだけの問題ではなくて、周りの出す所の問題もありますし
それは次の試合にしっかり取っておいて、修正してやりたいと思います。


Q:相手とのゴールチャンスの数を比較すると
かなり上回っていたと思いますが
そういう点ではもう少し点差を付けて勝ちたかったというのが本音でしょうか?


A:そうですね。コーナーも何回かありましたし
フリーで打ったシーンもありましたし
もう1点取れればもう少し落ち着いた展開もできたと思うんですけど
それが我々らしいと言えば我々らしいんですけど(笑)
まあ次に取っておきます。


Q:次節まで2週間ぐらい空きますが、直接対決も多いですし
どんなトライをこの先はしていかれますか?


A:天皇杯をしっかり勝ち切って上のステージに進みたいというのと
リーグもラスト4試合で我々は本当に首の皮1枚で繋がっている状態なので
それを覆すためには相当なエネルギーを費やしてやらないといけないと思うので
努力してやりたいと思います。


【清水エスパルス 田坂和昭監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:残念ながら敗戦となりましたが
まずは90分を振り返っていただけますか?


A:試合展開としては今日も堅い試合になると思いましたので
相手のストロングのリスタートをどう抑えるかという所が1つのポイントでしたし
向こうの堅い守備をどう攻略するかというのもポイントだったんですけど
結果的にはもう負けてしまったのが現状であって
本当にやり直さなくてはいけないなという風には感じています。


Q:おそらくスタートは4-2-3-1のような形で
左にウタカ選手がいて、ボランチに今日は杉山選手を使いましたが
このあたりの狙いを聞かせていただけますか?


A:我々のストロングを出す所と相手のストロングを消すという所で
ウタカをあえてサイドに置いて、サイドから彼のラストパスであったりとか
カウンターの仕掛けという所であえてサイドに置きました。
浩太の場合はやはり球際やセカンドボールの対応という所で
彼は非常に反応が速かったので、そういう所で彼を起用しました。


Q:相手が結構長いボールを使ってきて
少し下げさせられてしまう時間もあったと思いますが
そこから攻撃を深い所から構築していく中で
どんなことが必要だったと感じてらっしゃいますか?


A:もちろん前半は先ほども言ったように
蹴り合いになるのは承知の上で今日はやっていて
我々もどちらかというとこの芝生の長さから
相手は特に立ち上がりはプレッシャーに来るというのはわかっていたので
あえてそれは長いボールで回避しました。
けれども、十分崩せるような展開もあったので
後半は少し押し込んだ状態になりましたけど
最後のフィニッシュまでは行けなかったというのがやはり課題ですね。


Q:上のボールが多かったことで
セカンドの拾い合いも今日は重要だったと思いますが
そのあたりの攻防はどのようにご覧になっていましたか?


A:もうそれはトレーニングでもやっていましたし
必ず長いボールの応酬になると。
だから結局セカンドボールだから、取るか取られるかで
押し込まれるかマイボールで攻めるかという所だったので
そこに関してはそんなに大きな問題はなかったと思います。


Q:非常に厳しい状況で普段選手が持っている力も
なかなか出せないメンタル状況にあるかもしれませんが
そういう中でこの後は2週間空きますけれども
どんな働きかけをしていこうと考えてらっしゃいますか?


A:もう我々はプロなので次の試合に向けて準備するしかないですし
しっかりと2週間空くので、選手にもう1回戦わせる準備をしたいなと思います。


【松本山雅FC 岩上祐三インタビュー(試合後・中継内)】
Q:大きな大きな勝利となりました。
まずは今の率直な気持ちを教えて下さい。


A:もう勝たなくてはいけない状況だったので、勝てて良かったと思います。


Q:非常にプレッシャーも大きかったゲームだと思いますが
仲間とはどんな話をしてゲームに入ったのでしょうか?


A:もうプレッシャーとかを感じずに、とりあえず勝つことだけを目指して
サポーターの皆さんもたくさん声援をくれたので
サポーターのおかげだと思います。


Q:そんな大一番でしたけれども
勝敗を分けたのはワールドクラスと言っていいFKでした。
駆け引きも含めて振り返っていただけますか?


A:最初ニアを狙おうとしたんですけど
僕自身決めているのはファーだったので
ファーに思い切り打とうかなと考えて打ちました。


Q:軌道も含めて狙い通りでしたか?


A:そうですね。前日にFKの練習をして
キーパーに助けてもらっている部分があるので、キーパーに感謝したいと思います。


Q:あと1本ちょっと長めの距離でしたけど
ポストに当たったFKも素晴らしかったですね。


A:そうですね。決めていれば2-0の状況で勝負はあったので
もっと追加点を取れるように
もっとやっていかないとダメかなというのは思います。


Q:ゲーム全体を振り返っても今日は松本らしさを
存分に出せたのではないでしょうか?


A:もうすべてはサポーターのおかげです。


Q:試合終了後、ピッチ上でみんなで輪になって少し話をされていましたが
どんな話をされていたのですか?


A:いや、特に何も話していないです。


Q:残り4試合はすべて決勝のようなゲームになると思いますが
最後にこの大サポーターに向けて意気込みを聞かせて下さい。


A:これから全部全勝しましょう!!


【玉乃淳氏のレビュー】
(松本)
シビレる試合だったことは間違いないんですけど
両チームのここまで積み上げてきたものの差がこの結果に出たなと。
徹底してやってきたことがあったかなかったか、
少しの差だとは思いますがチーム力として
山雅が少し上回ったのかなという印象ですね。
反町監督もすべての策を出し尽くしたゲームでしたよね。
最後の大久保の交替であったり、工藤を投入するタイミング、
彼らに要求するもの、色々ありましたから面白かったですし
今日はそれが全部当たったと言えるのではないでしょうか。
チーム全体の共通理解としてできているという凄まじい浸透力でしたね。
スローイン1つ1つを取ってみても。
試合が終わった後でもこういう試合の後でしたら
目を合わせて会話してくれるんじゃないかなと期待していますけどね。


松本は当然ウインタースポーツが盛んだと思うんですけど
サッカーもここにありというようなことを示せたんじゃないでしょうか。
ほとんどサッカーを知らない人が見に来たとしても
間違いなく次の試合も応援したくなりますよね。
そういう輪がどんどん広がっていって
奇跡の残留ではないですけど、何か1つの大きな形になって
「雷鳥は頂を目指す」と横断幕にありますけど、"スーパー雷鳥"と化して
何か大きな夢や目標を達成して欲しいなと
全然松本に縁もゆかりもない僕が思うので
長野県民がもしこれを見たのであればそうなると思いますし
是非頑張って欲しいですね。


スタジアムの年齢層も結構特殊で、ご年配の方も見られましたし
もしかしたら余生を楽しみたい方は、ここ松本に移住しても良いかもしれませんね。
結構やることなくてしょうがないからゴルフ三昧って方も
今の高齢化社会では結構いらっしゃるじゃないですか。
1つの選択肢として持ってみてもいいかもしれませんね。
これが隔週で訪れる訳ですから、僕も今から余生を心配しているんですけれども
1つの選択肢として入れたいと思います。僕は趣味がとにかく少ないんですよ。
人生は楽しむべきだし永遠にある訳ではないので。
一緒にチームとして頂を目指す訳じゃないですか。
頂って必ずしも優勝ではないですし
残留だったりこの街の盛り上がりだったり、色々な形があると思うので。


岩上のインタビューを聞いても
もう完全に次の試合へ向かっていますよね。
なかなかあそこの場面でGKへの感謝の気持ちというのは出ないと思うので
いかにチーム全体で戦えているのかというのもあるので
何かが起こってもおかしくないような雰囲気ですよね。
賞をもらったりしていてMVPは岩上でしたけど
ウタカを抑えた喜山、全ての後片付けをやってくれた岩間雄大、
ヘディングは全て勝った飯田、守備で体を張った酒井、
本来であればペナの中で活躍すべきなのに献身的だったキム・ボギョン、
オビナの最敬礼、前田の走るだけで会場を沸かせるスター性、
どれをとってもお立ち台に上ってもおかしくない選手が揃っていましたよね。
反町監督が彼らの良い所を伸ばしてあげて
残留の先には選手たちのキャリアという意味でも
明るい未来が待っていると思うので、残留ということを考えると
みんなでソリさんに付いて行って、大きなモノを勝ち取って欲しいと思います。


(清水)
清水はここ最近の試合だけの問題ではないですね。
これまでのチーム創りであったりとか強化の所も含めて
「うーん」というような変化が、良い意味ではなくて
ちょっとマイナス面に行っているのではないかなというような変化が
長年続いてきましたから、選手の獲得で合ったり放出であったり
大きく長い目で見直す必要があるのではないかなと今日の試合を見て思いましたね。
個のポテンシャルは十分高いのに、逆にそれをコントロールするだけの
チームが1つのコンセプトの下にまとまっていなかったと。
監督も替わって色々変化したとは思うんですけど
何かチームとして軸がなかったので
今の信じられない結果に繋がってしまったのかなと思います。


田坂監督も途中から就任されて
なかなかチームを立て直すというのは難しいと思うので
メンタル面の強化を図ったとは思いますが
なかなか1つにまとまっていない現状があるという所が
インタビューを見ても垣間見られたかなという気がします。
でも、本当に難しいと思いますね。
あの状況が長らく続いてしまった厳しい中で
監督を引き継ぐ形になってしまっているので
誰がやっても難しかったのではないかなと思わざるを得ないぐらい
チーム力というのは比例していなかったですよね。


【Jリーグブログ的データ】
J1-2nd第13節
松本山雅FC 1-0 清水エスパルス

入場者数:17,371人 天候:晴、弱風
気温:21.4度 湿度:52%
主審:松尾一 
副審:唐紙学志、作本貴典
第4の審判員:櫻井大輔


《得点者》
<松本>
36'岩上祐三④(FK)


《選手寸評》
(松本)
GK村山智彦...ウタカが放った唯一の枠内シュートにも冷静に対応。9試合ぶりの完封に貢献
DF酒井隆介...ウタカを監視しつつも入ってきたロングボールの大半はきっちり跳ね返す
DF飯田真輝...ヘディングはほぼ全勝。アルウィンの壁となって清水の前に立ちはだかった
DF喜山康平...チョン・テセと再三やり合う。元ストライカーとは思えないパフォーマンス
MF田中隼磨...止まらない上下動はチームのエンジン。際どいクロスを何本も繰り出した
MF岩間雄大□...ヘディングの決定機は沈めたかったが最重要ポイントのセカンド奪取は譲らず
MF岩沼俊介...久々のフル出場も勘所を抑えて攻守にバランスを取り切った
MF岩上祐三④...驚異のワールドクラスFKを披露。あれをファーサイドにぶち込むとは...
MFキム・ボギョン...過去のイメージを一新するようなハードワークを90分間続けてみせた
(→DF大久保裕樹...ベテランらしく起用の意味を察してゲームクローズに貢献)
FWオビナ□...とにかく飛んでくるボールに競り続ける。彼がいないとこのサッカーは成立しない
(→FW塩沢勝吾...最終盤でピッチを駆け回ったがやや時間を潰す老獪さに欠けた)
FW前田直輝...守備面ではタスクをこなしたが攻撃面での怖さを打ち出せず
(→MF工藤浩平...最終盤は右サイドで巧みに時計の針を進ませた)


《選手寸評》
(清水)
GK杉山力裕...確かに岩上のFKは凄かったが壁や立ち位置も含めてもう少し対抗したかった
DF犬飼智也...最終盤は前線でハイボールに食らい付く。古巣相手に執念は見せた
DF平岡康裕...前節よりは明らかにパフォーマンス向上も途中交替を強いられた
(→MF白崎凌兵...河井をDFラインに下げてまで彼を起用する必要性は見い出せなかった)
DF角田誠...人への強さは発揮するもメンタル面を含めてチームにフィットしているかは疑問
DF鎌田翔雅...左右のサイドバックを務めたが攻撃性は打ち出せなかった
MF本田拓也...ゲームプラン上で最重要のセカンドでは戦ったがイージーなパスミスも散見
MF杉山浩太...不運な負傷で前半での交替を余儀なくされる。効いてきそうな予感はあったが...
(→MF竹内涼...長短のパスどちらも正確性を欠く。ゲームを創り切れなかった)
MF大前元紀...攻守に奮闘したが彼がシュートゼロではゴールは生まれない
MF河井陽介...1トップ下でボールに絡む意欲はあったがSB起用で持ち味は消えた
(→DF松原后...本人というよりも周囲が彼の起用の意図を図りかねていた印象も)
MFピーター・ウタカ...左サイドでの起用も松本の組織にうまく消されてしまった
FWチョン・テセ□...喜山や飯田のマークに苛立つ場面も多くフィニッシュにも冷静さを欠いた


再放送スケジュールは
10月4日(日)午前8:15~午前10:30 J SPORTS 3
10月9日(金)深夜1:00~深夜3:15 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!


土屋

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