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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
【高校選手権東京都大会Bブロック展望】
同校初の3連覇を狙う國學院久我山を筆頭に
既にベスト4進出を決めている東京朝鮮、帝京、成立学園も実力校。
どの高校にも優勝のチャンスがある大混戦の様相を呈している。
近年の東京を牽引し続けてきたプライドを胸に
帝京以来6年ぶりとなる選手権予選3連覇を目指す國學院久我山。
東京第2代表として挑んだインターハイでは
高知代表の明徳義塾に逆転負けを喫して初戦敗退を強いられており
この最後の大会にリベンジを期している。
個々の技術は間違いなく都内でもナンバーワン。
中盤でコントロールタワーを務める
鈴木遥太郎(3年・東急SレイエスFC)はもちろん
右の宮原直央(3年・FC多摩)と左の山本研(3年・横浜F・マリノスJY)と
両サイドバックがゲームメイクへ関与できるのも大きな強み。
突破力と決定力を兼ね備える澁谷雅也(2年・ジェファFC)を
確かな技術で時間を創れる内桶峻(3年・GRANDE FC)、
中盤で違いを生み出す名倉巧(2年・FC東京U-15深川)など
昨年の全国を経験した特徴のあるアタッカー陣が多彩な攻撃を繰り出し、
都内最強レベルのCB野村京平(3年・横河武蔵野FC JY)と
ボランチの知久航介(2年・浦和レッズJY)が
きっちり引き締めるディフェンス陣も盤石。
果たして就任初年度となる清水恭孝監督にタイトルをもたらせるか。
2回戦で駿台学園との激闘を制し、臨んだ準々決勝の都立日野台戦は
エースストライカーのリャン・ヒョンジュ(2年・大宮アルディージャJY)が
4ゴールと大爆発して、他校より一足先に西が丘行きを決めた東京朝鮮。
「キャプテンを中心にしぶとく守るだけ」とは高隆志監督だが
現在はFIFA U-17ワールドカップに北朝鮮代表として臨んでいる
リャン・ヒョンジュの確かな決定力も、守備面での粘りに繋がっている。
ただ、その2年生ストライカーの周囲に並ぶのも確かな実力者ばかり。
硬軟のボールを蹴り分けられるレフティのリ・キョンチョル(3年・東京朝鮮中)、
指揮官も信頼を寄せるボランチのペク・スンホ(3年・西東京朝鮮第一中)、
キャプテンを託された魂のCBキム・ファンジ(3年・東京朝鮮第一中)といった
スタメン組に加え、リャン・ヒョンジュと抜群のコンビネーションを誇り
ジョーカー起用が期待されるムン・インジュ(1年・埼玉朝鮮中)も
1年生ながら確実に計算できるカードに。
「上手さは昔の先輩よりないですけど、チームワークは増していて
80人全員が団結している」とチームを評するのは高監督。
勢いそのままに初めての全国切符を勝ち獲る可能性は十分だ。
初めて全国に出場してから最長となる5年連続予選敗退を強いられ
今大会では何としても名門復活を成し遂げたい元祖カナリア軍団の帝京。
今シーズンはここまでシステムもメンバーも色々とトライしてきた中で
「帝京は誰が出ても変わらないという部分はしっかり持ってやろうと言っている」と
語る日比威監督からは選手たちの成長に自信を持っている様子が窺える。
チームを牽引するのはキャプテンの長倉昂哉(3年・さいたま木崎中)。
「自分の持ち味は前に走ることと前にゴリゴリ行く所」と言うだけあって
多少無理な場面でも縦へと仕掛ける姿勢は痛快の一言。
他にもサイドハーフや時にはCBも務める鈴木啓太郎(3年・ジュビロSS浜松)、
ボランチとフォワードを兼任する桑島健太(3年・和歌山西脇中)、
両サイドバックを高次元で務め上げる平井寛大(3年・帝京FC)といった
複数ポジションをこなせるポリバレントな人材がズラリ。
伝統の堅守速攻を盾に復活の時は着実に近付きつつある。
準々決勝屈指の好カードは成立学園と東海大高輪台の一戦。
前者は修徳、後者は実践学園と近年の優勝校を倒して
このクォーターファイナルまで勝ち上がってきた。
2年前の決勝はまれに見るシーソーゲームの結果、修徳に惜敗。
インターハイこそ昨年、一昨年と全国を経験しているものの
選手権で見れば9年間全国から遠ざかっている成立学園。
ただ、「夏休みにある程度やることはやってきて
全国の強豪チームとやってもほとんど互角にやれるようになってきていた」と
宮内聡監督も確実に成長の手応えを掴んでいる様子。
丁寧なポゼッションをベースに
後方から選手が湧き出していくスタイルを打ち出している。
キーマンは1トップに陣取る長島滉大(3年・成立ゼブラFC)。
得点力と突破力は前述した全国の強豪相手にも十分通用しており、
彼がゴールに関与できるかどうかが今後の浮沈を握っている。
また、修徳戦で決勝弾を記録したバランサーの河口海斗(3年・成立ゼブラFC)、
昨年もサイドハーフや最前線で起用されていた吉村伸(3年・アセノFC)、
元なでしこJAPANの山郷のぞみGKコーチも
その実力に太鼓判を押す守護神の吉澤凌(3年・成立ゼブラFC)など
3年生がしっかりチームの屋台骨を支えており
久々に冬の全国切符を掴み取る準備は整いつつあると言えそうだ。
関東大会予選、インターハイ予選と揃って初戦敗退。
苦しいシーズン序盤を過ごしながらも、夏前からは公式戦無敗が続いた中で
2回戦では実践学園をPK戦の末に振り切って、8強へ辿り着いた東海大高輪台。
高い技術を生かした攻撃性の高い独自のスタイルはもはや都内でも浸透しており
2年前に立ちはだかられたセミファイナルの壁を超えるべく
着々とチーム力を向上させてきた。
中心は昨年からレギュラーを務めてきた武市健太(3年・インテリオールFC)と
野村浩輔(3年・FC東京U-15深川)の中盤コンビ。
両者共に負傷明けではあるものの、野村は実践学園戦の延長でゴラッソを披露。
キャプテンも託されている武市も
同じく実践学園戦は途中出場で確かな存在感を示した。
さらに、この夏からコンバートされた右SBの畠中一樹(3年・FC PROUD)は
短期間で見事に新ポジションへ適応し、チームの大きな推進力に。
水野団(2年・ESA)や武川剣真(2年・AZ'86東京青梅)、
本藤悟(2年・横浜FC JY)ら2年生アタッカーが自在に動き回る姿を
田中千寛(3年・杉並FC)と小池英翔(3年・三鷹F.A.)の
とにかく粘れるCBコンビが後ろから力強く支えている。
成立も高輪台もボールを持ちたいチームだけに
中盤での主導権争いがカギを握ってくることは間違いない。
12年ぶりの東京制覇を目指す国士舘は
昨年のインターハイ予選準々決勝で今回の対戦相手でもある
國學院久我山に勝った経験を持つという追い風も。
正確な技術とスピードを有するキャプテンの長谷川未来(3年・三菱養和巣鴨JY)、
昨年の対戦時は代役ながら完封に貢献したCBの尾田航士(3年・府ロクJY)、
左サイドなら前も後ろもこなせる篠生健人(3年・東京ベイFC U-15)の3人は
その勝利をピッチで味わっており、今回のゲームに対しても苦手意識はないはず。
他にもクイックネスに優れるレフティの廣瀬寛治(3年・横河武蔵野FC JY)、
高精度の左足を振るい続ける川浪京太郎(3年・三菱養和調布JY)、
187センチの大型ストライカー工藤夏仁(3年・三菱養和巣鴨JY)など
一芸に秀でた選手を取り揃えており、久我山連勝を本気で狙っている。
都立校最後の砦となった都立松が谷も決して侮れない。
新チームの立ち上げとなった新人戦では
今大会ベスト8に進出した都立日野台に2-3と惜敗。
インターハイ予選でもT3リーグ所属の都立東大和南を破って支部予選を突破しており、
1次予選では多摩大目黒に敗れたものの
チームも小さくない自信を付けてきた。
迎えた今大会も大東文化大第一に都立国分寺と
Tリーグ勢を共に1-0で下して、この8強というステージまで。
キャプテンの矢嶋樹蘭(3年・八王子由井中)、岡昂宏(2年・八王子松が谷中)、
都立国分寺戦で後半終了間際に決勝点を挙げた猪股慶(3年・八王子宮上中)といった
点の取れるアタッカー陣を擁しながら
1次予選から5試合で1失点という堅守を武器に
狙うはカナリア狩りのジャイアントキリングだ。
準々決勝の開催は17日と18日。対戦カードは以下の通りになっている。
★10月17日
【東海大菅生高校 学びの城グラウンド】
10:00 都立松が谷×帝京
★10月18日
【実践学園 高尾グラウンド】
10:00 成立学園×東海大高輪台
12:00 国士舘×國學院久我山
土屋
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