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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2015年08月03日

インターハイ1回戦 羽黒×関東第一@みきぼう第1

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0803miki1.jpg"君が創る"真夏の祭典。全国高校総体のサッカー競技は今日から開幕。みきぼうパークひょうご第一球技場の第3試合は羽黒と関東第一の一戦です。
ここ数年は夏も冬もライバルにその行方を阻まれて県内突破を果たせず。迎えた今大会の県予選はファイナルで宿敵とも言うべき山形中央に3-2と競り勝って、3年ぶりに全国へと進出してきた羽黒。その3年前の長野インターハイでは、星稜や尚志といった強豪校をなぎ倒してベスト8へと躍進。元Jリーガーの本街直樹監督に率いられた庄内のカナリア軍団は先輩超え、すなわち全国4強を真剣に狙います。
過去に唯一全国大会へ出場したのは8年前の夏。以降は選手権予選のファイナルで2度敗退するなど、なかなかその重い扉をこじ開けることができなかった関東第一。しかし、今シーズンはTリーグ、関東大会予選と一度も都内で負けを知らないままに挑んだインターハイ予選で、早稲田実業、東京朝鮮を下して久々に全国切符を掴み取ると、決勝でも國學院久我山を撃破し、東京王者として勇躍兵庫の地へ。その名を都外にも轟かせるべく、8年ぶりの大舞台へ臨みます。全国大会ということもあって両校部員の応援団も気合十分。15時ジャスト。羽黒のキックオフでゲームはスタートしました。


先にチャンスを掴んだのは羽黒。2分に獲得した右FKをキャプテンの佐藤郁(3年・川崎東高津中)が蹴り込むと、ニアへ飛び込んだ百瀬豪(3年・東田川郡三川中)がヘディング。ボールはそのままタッチラインを割ったものの、まずは羽黒がセットプレーで関一ゴールを窺いますが、直後に歓喜を享受したのは新小岩のカナリア軍団。
4分、右からレフティの道願翼(3年・VIVAIO船橋)が蹴ったボールを、「元々自分がオトリという感じだったんですけど、良い所に来たので合わせられると思った」野村司(3年・レッドスターJY)はヘディングを枠内へ。羽黒のGK阿部真心(3年・モンテディオ山形JY庄内)も鋭い反応で掻き出しましたが、ここにいたのは「予測していたらたまたまこぼれてきた」という中村翼(3年・大豆戸FC)。5番のCBが押し込んだボールはゴールネットへ飛び込みます。「アレは練習していた形」と振り返った中村が全国の舞台でいきなり大仕事。関一が1点のリードを奪いました。
いきなりビハインドを追い掛ける展開となった羽黒も、10分には石川敬一(3年・川崎チャンプ)が右へ振り分け、富樫亮斗(2年・鶴岡第二中)のパスから佐藤郁が放ったミドルは枠の左へ外れると、逆に13分には関一に決定機。右SBを務める二瓶亮(3年・江戸川葛西第三中)のクロスをGKが弾き切れず、こぼれを拾った岡崎仁太朗(3年・杉並ソシオ)のシュートはDFをかすめて右のポストを直撃。直後の右CKも道願のキックをCBの鈴木友也(2年・VIVAIO船橋)が頭で枠内へねじ込むも、阿部が何とかファインセーブで回避。15分にも道願、高橋快斗(3年・PBJ千葉)と回したボールを岡崎はダイレクトで枠の右へ。関一が続けて惜しいシーンを創ります。
ところが、次に得点を記録したのは羽黒。24分に右のハイサイドで手にしたFKのチャンス。キッカーはここも佐藤郁。10番が渾身の力を込めて蹴り入れたボールを、ニアで合わせたのは伊藤瀬七(3年・モンテディオ山形JY庄内)。完璧に捉えたヘディングはゴールネットを鮮やかに揺らします。県大会の準決勝と決勝で揃ってドッピエッタをマークしているストライカーがさすがの一発。スコアはたちまち振り出しに引き戻されました。
4分後に輝いたのは「ああいう前に行くヤツは好き」と小野貴裕監督も評価するボランチ。28分、道願が残したボールをセンターサークル内で受けた野村は「ディフェンスがクッと前に出て裏が空いたのが見えて、仁太朗も足が速いので早くパスを出そうと思いました」とすかさずスルーパスを縦へ。独走した岡崎はGKとの1対1に挑み、枠へ収めたシュートは阿部もよく反応しましたが、シュートの勢いが勝ってゴールネットへ転がり込みます。11番のストライカーもきっちり仕事を。再び関一が1点のアドバンテージを手にしました。
またもリードを許した羽黒も、CBコンビの佐藤駿哉(3年・鶴岡第一中)と古澤孝一(2年・SUERTE FC Chigasaki)を中心にコンタクトでは関一を圧倒しながらも、フィニッシュへの道筋はまだ見えず。32分に佐藤郁の右FKを、吉澤が頭で叩いたシュートはゴール左へ。34分も羽黒。石垣隼(3年・モンテディオ山形JY庄内)のスローインを吉野蓮(3年・市原八幡中)が繋ぎ、佐藤郁が放ったミドルはしかしクロスバーの上へ。スコアは0-1のままでハーフタイムに入りました。


後半はスタートから羽黒に交替が。右SBの東海林直慶(3年・モンテディオ山形JY庄内)に替えて、佐藤望夢(3年・酒田第六中)を送り込み、右サイドの推進力向上に着手すると、39分にはフィニッシュシーン。富樫のパスから百瀬が狙ったシュートは中村がブロックで弾き、佐藤郁のミドルはクロスバーの上へ消えましたが、同点への意欲を滲ませる庄内のカナリア軍団。
さて、「道願と自分が横並びになり過ぎて、自分たちの良い守備ができずに裏返された」と前半の終盤以降を振り返ったのは野村ですが、それでも手数は関一。40分、冨山大輔(2年・FC習志野)が右へ送り、キャプテンの鈴木隼平(3年・Forza'02)のクロスはDFに当たって中央へ。岡崎のシュートは枠の右へ外れましたが、42分にも鈴木友也のフィードに反応した高橋が収め、ダイレクトで放ったシュートは枠の右へ逸れるもシンプルなアタックを。45分には岡崎、高橋、道願とスムーズにボールが回り、高橋のクロスを野村が打ち切ったミドルはクロスバーの上へ。3点目を積極的に狙います。
そんな中で羽黒が創出した決定的なチャンスは48分。左への大きな展開からサイドへ開いた石垣がピンポイントクロスをファーへ。フリーで待っていた伊藤が頭で狙ったシュートは、しかしわずかにクロスバーの上へ。同点弾をマークしたストライカーが決定機を生かし切れず、1点差というスコアは変わりません。
ピンチの後にチャンスあり。52分に左SBを任された大里将也(3年・レッドスターJY)を起点に、サイドを抜け出した高橋が低いクロスを送ると、ニアへ走り込んだ鈴木隼平のシュートはDFに当たりながらゴール右スミへゆっくりと吸い込まれます。「結構アピールしたんですけど、オウンゴールになっちゃいました」と鈴木隼平が苦笑いしたように、記録はオウンゴールになりましたが、機動性の高いサイドハーフ同士のイメージがシンクロした見事な一撃。点差は2点に広がりました。
苦しくなった羽黒は56分に反撃。佐藤郁のパスから、個での突破が光った伊藤がこのシーンも右サイドを力強くえぐって中へ。石川のシュートは二瓶が体を投げ出してブロックしましたが、大応援団の声援もバックに諦めないメンタルを前面に。56分に高橋の綺麗なヒールリターンで抜け出した冨山のシュートも阿部が果敢なファインセーブで掻き出し、詰めた岡崎のシュートも枠の右へ外れ、「一番ウチがやりたいシーン」と小野監督も言及した関一の好アタックも水際で凌いで2点差を何とかキープ。その直後には石川と平間喜介(3年・川崎チャンプ)を入れ替え、サイドの顔ぶれも変化させながらラスト15分間へ向かいます。
少し羽黒が前掛かったことで、相次いで生まれた関一のビッグチャンス。62分、道願が短く付けると冨山は右サイドへスルーパス。高橋のシュートは阿部がファインセーブで阻み、こぼれを狙った冨山のシュートは枠の上へ。63分、岡崎の縦パスを受け、寄せるマーカーをワンタッチで浮かせてかわした冨山のシュートはわずかにゴール右へ。66分、ここも道願のショートパスを冨山は浮き球でラインの裏へ。走った岡崎はDFをシャペウでかわしながら、ボレーはヒットせずに転がり、至近距離から放った高橋のシュートもクロスバーの上へ。「決定力不足というのが僕たちの課題だと思います」(鈴木隼平)「最後に決め切れないというのは、これから苦しくなってくるんじゃないかなと思います」(中村)と2人が声を揃えたように、終盤とはいえゴールも試合も決め切れない流れに、少し嫌な雰囲気も漂います。
とはいえ、「CBは360度一番動かなくてはいけないポジション。今日は前にも後ろにも全部動かされているので、自分でどこまで動けるかもわかったはず。CBの2枚が今日やれたのは大きいと思います」と指揮官も話したように、中村と鈴木友也のCBは終盤まで集中力を切らさずにきっちり守備陣を統率。小野監督も67分に石島春輔(2年・JSC CHIBA)、68分に新翼(3年・Forza'02)を相次いで投入すると、70+2分に大須賀琢真(3年・FC東京U-15深川)、70+3分に唐木澤友輝(3年・ザスパ草津U-15)と3年生を続けて送り込んで慎重なゲームクローズを。羽黒も土岐熙(3年・鶴岡櫛引中)と日景優太(3年・川崎チャンプ)をピッチヘ解き放つも、フィニッシュへの形は創れず、兵庫の青空へ吸い込まれたファイナルホイッスル。「始まる前は緊張感もあったんですけど、試合に入ってしまえば仲間が大きな声で応援してくれたので、良い雰囲気でやれて良かったです」と鈴木隼平も笑顔を見せた関一が2回戦へと駒を進める結果となりました。


8年ぶりとなる全国大会の初戦を勝利で飾った関一。ただ、「決める所を決めないとああいう緩い試合になってしまいますし、結果が出たことは一番良かったことですけど、自分たちは1個1個勝っていかないと強くならないと思います」と鈴木隼平が話せば、「チャンスが多くあった中で3点だったというのもありますし、守備面に関しては相手の時間帯の時にもうちょっと早く悪い所を修正できれば、もっと良い守備になったんじゃないかなと思います」と中村も反省の弁を。ゲームを支配しながら、一定の結果や内容を打ち出せたとしても、この2人のようにすぐに課題を把握して認識できるのが、今年の関一の大きな強みであることは間違いありません。「インターハイ予選の日大豊山や早実の試合もそうでしたし、初戦はやっぱり難しいですけど、それでもこれだけ多くの人が見に来てくれているんだから、本当はもっとやれないとダメだと思います」と小野監督もさらなる内容向上への意欲を口に。以前は内容に結果が伴わなかった印象のある新小岩のカナリア軍団は、結果に内容を伴わせながら勝ち進む新たなステージの扉に手を掛け始めています。     土屋

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