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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2015年06月17日

W杯アジア2次予選 日本×シンガポール 試合後の日本・ヴァイッド ハリルホジッチ監督会見コメント

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埼玉スタジアム2002で行われた
W杯アジア2次予選の
日本×シンガポールは0-0のドローとなりました。
以下、試合後の記者会見における
日本・ヴァイッド ハリルホジッチ監督のコメントです。


(日本・ヴァイッド ハリルホジッチ監督)
【試合総括】
このコメントをするのは少し難しいですね。
サッカーの人生を長い間してきましたけど
このように支配をし続けて、19回ほどの本当に得点機を創ったんですけど
サッカー人生の中でこのような試合を見たのは初めてです。
そして、このような試合になるとカウンターアタックで
1点を取られて負けるというのが大抵あることなんですけど
もちろん結果には全員がガッカリしています。
ただ、観客が多く来てくれてしっかりと準備して頂いたので
本当に観客の皆さんは雰囲気を良くしてくれましたし
グラウンドの雰囲気も良かったですし。
ただ、私たちのチームを非難することはできません。
勝つためにすべてを出しました。
最後の決定的チャンスをモノにするということが足りなかっただけだと思います。
少し慌てたのか、少し運がなかったのか
それから相手GKの成功というのもあると思いますね。
素晴らしいセーブを見せたと思います。
まあ、私にとってもこれが本当に厳しいものだと思っていますけど
この1試合目というのはいつも罠が仕掛けられていると思っています。
そのことについては昨日述べましたけど
集中に関してとか、そういったことを話しました。
選手は全然非難していませんし、選手には「本当におめでとう」と言いました。
次に向けてしっかりと点を決めて勝とうと思っています。


【質疑応答】
Q、イラク戦に比べるとだいぶ選手の動きが違っていたと思うんですけど
そのへんの原因はどういう所にあったと思っていますか?
精神的な所なのか、それとも疲れでしょうか?


A、相手が守備しかしないというのはある程度予想できていました。
大げさに言えば我々にとってはほとんど怖くない相手だったんですけど
コーナーキックもなかったですし、シュートもほとんどなかったと。
本当に1点取ればすべてが変わったゲームだったんですけど
というのは我々の選手もかなりのモチベーションがありましたし
最後のアクションの終わらせ方に少し正確さが足りなかったのかな、
少し慌てた状態にあったのかなと。
最後のシュート、最後のラストパスの集中がですね。
本当にみんな「得点を取りたい取りたい」と思っていたんですけども
今日の試合はGKの素晴らしいセーブがあって
ボールがバーに当たったりポストに当たったりとか
こういう試合だったというしかないです。
やはり時々フットボールには難しい状況があると思います。
19個ほどの本当に100パーセントこれは決まるだろうなという
チャンスを創った訳ですね。
最後の得点をモノにするという所は多くのディスカッションができると思います。
選手たちは本当に本当に勝利を求めていました。
もしかしたら次の試合は少ないチャンスでも得点が入るかもしれません。
まあイラク戦ではこんなにチャンスを創っていないですから。
ただ、本当にこういったチームにも勝たなければいけなかったかなと思っていますけど。
ショックとまでは行きませんけど、それに似た感覚を今は持っています。
ただ、選手には「まだまだ頑張れる」と。「希望を失うな」「まだまだ次があるよ」と。
「もっともっと良い得点を奪うこともできるので頑張ってくれ」と言いました。
最後に5人、6人ほど勝負を仕掛けてくれましたし
私も後半の最後の方はしっかりリスクを負って攻めました。
ただ、相手は既に走ることができませんでしたね。
向こうの監督がこっちに来て、
最後に「私は守備しかできなかった」という言い訳もしましたけど
そうは言ってもシンガポールの選手にも「おめでとう」と言いたいです。
彼らは求めた結果を得たのだなと思っています。


Q、格下と言われる相手に主導権を握って、
攻めても攻めてもなかなか1点が取れないという展開は
今までの日本代表でも多くあったかと思いますが、
ああいう創ったチャンスをどう仕留めるかという部分で
簡単ではないのは分かりますが、これから改善する意味で
選手にはどういう部分を意識付けしていきたいと具体的に思っていますか?


A、本当におっしゃる通りで向こうのチームが
どのように引いてくるかというのもわかっていたんですけど
具体的に言うと私がダイアゴナルの逆サイドへのパスを要求していたんですけど
ちょっと選手がまだまだ実現できなくて、少し中から行き過ぎたかなと。
ただ、中を崩そうと思えばダイレクトで2回3回繋がなくてはいけません。
それでも4,5回ワンタッチの突破で成功したんですけど、
しっかり正確にシュートできませんでした。
ダイアゴナルのパスが少し足りなかったかなと。
我々はオブリックランニングと言っているんですけど、それが少し足りなかったかなと。
ただ、そうは言っても本当にゴールが足りなくて
確かに最後のゴールが完全に仕留められたという感じではなかったですけど
こちらの正確さが足りなかったかなと。
私は元選手でフォワードだったので、彼らがどのような心理状況なのかもわかっています。
このような経験もたくさん彼らはしてきたと思いますけど
そうは言っても我々が前半はあれだけ支配して、
FKが16メートルより前のものがなかったと。
これはちょっと説明し難いかなと。後半は16メートルの前で2,3回チャンスがあって
それを決めなくてはいけなかったんですけど、
ただ選手は得点を取りたくてすべて出し切ったと思っています。
少し私がプレッシャーを掛け過ぎたのかなとも思いますけど。
ただ、選手たちを非難する言葉は見つかりません。
サッカーの中で一番難しいのは得点を取ることで
それに関して私たちはまったくパフォーマンスが整っていなかったかなと。
そして、向こうのGKがかなり良いセーブをしたんですけど
我々はボールがバーにも当たりましたし、
槙野が2メートル近くでポストに当ててしまったり。
こういう試合もあると思います。
この試合は本当にみんな勝ちたいと思っていました。
本当に観客の皆さんも日本国民の皆さんも素晴らしい雰囲気を創ってくれて
失敗することはできなかったんですけど、こういう結果になってしまったと。
また別の点で少し考えていることがありまして
W杯の試合で前もって勝てる試合はないと。
ぶっちゃけて言いますけど、たまたまそれが今夜来たと。
全員が勝つだろうと思っていたんですけど、こういった好ましくない状況が起きていると。
少し分析しなければいけないかなと思っています。
後半は何人か疲れている選手も見られましたし
まだフィジカルがこちらが要求する所まで行っていない選手も何人かいましたし、
これはまずしっかり冷静になってしっかり休憩して、
それから分析していきたいなと思っています。
もちろん運がなかったということではなくて他の要素はあると思います。
冷静にしっかり分析することが大事だと思います。
そして、トレーニングを続けていくということだと思います。


Q、今日の前半の45分間を監督はどのように評価されて
ハーフタイムにどのような指示を選手に与えたのでしょうか?


A、まずハーフタイムに言ったことですけども
中にちょっと攻め過ぎたんじゃないかなと。
中から攻めると最後のフィニッシュは難しいなというのは話しました。
ダイレクトには行けないだろうと。中を崩すのであれば
フリックとか2,3回のワンタッチを入れて、最後は背後に飛び出すと。
ただ、できるだけチャンスは外からボールを入れてくれという話はしました。
特に斜めの逆サイドへのボールを出してくれと。
昨日まったく同じタクティクスのトレーニングをして
逆サイドにボールを運んでそこからセンタリングという練習をしたんですけど
そして後半には2人フォワードを置いた状態にして
センタリングを両サイドから入れて、それに合わせようと思いました。
良いポジションにいて、みんなヘディングやシュートが打てていたんですけど
例えばGKが寝ている所に本田がヘディングをポンとしてしまったシーンも
横にヘディングしておけば点が入ったかなという
そういうシチュエーションもできたのですが
タクティクスのアドバイスはそういう風に与えて
正確なアドバイスだったなとは思いますけど、彼らも相手もしっかり理解して
そして相手は私たちの戦術を理解してしっかり縦を防いできたと。
それもあったので私たちは逆サイドに展開すること、
それからワンツーすること、オーバーラップすることというのにトライして
太田なんかでも「今日は君の試合だよ」と。
ただ、太田の目の前にしっかりブロックする選手がいたので
それを崩さなければいけなかったんですけど
それでも太田もしっかりセンタリングを上げてくれたと思います。
勝つためにすべては一応やったつもりです。
私の人生で19回のこんな大きな機会を創って
点が入らなかったというのはあまり見たことがありません。
まあこのような試合もあるかなと。選手には今日は何の非難もできないと。
非難したければ私を非難して頂いて、選手はプロテクトしたいと思います。
私のことを非難するのは全然問題ありません。
それは是非やっていただいて。少しガッカリしています。
なかなか飲み込めない、消化できない試合でした。
本当にスペクタクルな試合でゴールもたくさん生まれても良かったかなと思いますけど
まあ次の機会を待とうかなと思います。


Q、歴代の代表監督もアジアの引かれた相手に大変苦しんできました。
この先の相手も必ずこういう戦術を取ると思いますが
監督はそれに対するマジックなり対策は今ありますでしょうか?


A、フットボールの中にマジックはないですので
真実を言うとすると得点を取れていないと。
マジックはなくてトレーニングするだけです。色々なことを向上させて。
ただ、今夜の試合でもかなりハイレベルなアクションはあったと思っています。
そして、選手が本当に得点を取りたいという気持ちも見せてくれました。
最後まで出し切りたいという選手を私は全員に見ました。
ボールを失った時に何回彼らが奪いに行ったか。
3秒4秒以内に奪ったのではないでしょうか。すぐボールを奪いに行って。
チームは勝つためにすべてやったと思います。
私は代表監督でもありますし、元フォワードの選手でもあったので
説明するのは難しいんですけど、最後のちょっとした器用さがなかった、
慌てたということも原因だと思います。
選手に教えるとするとこのような試合は"ペナルティ"が欲しかったなと。
そしてハーフタイムに言ったことは「FKがないじゃないか」と。
そういったことは彼らに教えることができるかなと。
おそらくイタリアに行ったら3回はPKをもらっていますね。
イタリア人はずる賢いので、そういったナイーブな所を
少し向上させなければいけないかなと。
本当にこれだけ運がなかったというのは信じられないです。
素晴らしいシュートも5回か6回はあったんですけど
GKが素晴らしいセーブをして、槙野が2メートルしかない所からチャンスを外して
時々本当に説明するのが難しいことはあります。
まあ"魔法の棒"はないと。汗をかく仕事をするしかないということです。
そのために私は日本に来ました。
選手に何の非難もできません。もし非難するのであれば私を非難して下さい。
勝ったら選手のおかげで負けたら私のせいです。
本当にこれは結果を飲み込めない状況です。


Q、先日のイラク戦と同様に原口選手が香川選手に替わって
トップ下に入ったんですけど、これは原口選手に関して
トップ下の適性を認めてらっしゃるのかというのが1つと
大迫選手が入ってアタッカーがトップ下とボランチに入ったんですけど
そのアタッカーを起用することで何か違う要素を
戦術的に加えようとされたのでしょうか?


A、この変更をしたのはもっと得点を取りに行くため、リスクを負うためです。
なぜかというとサイドからの攻撃を期待したからで
大迫や岡崎はヘディングも上手い2人の選手だと思っていますから
センタリングをもっと入れてくれという意味でもこういう起用をしました。
原口に関して彼はオフェンスの選手ですね。
シュートを打つためにボールを運んで欲しかったんですけど
彼はやっぱり2回シュートを打って得点を1回取りましたね。
遠くからもシュートを狙ってくれて。
ただ、それをあえてあまりしなかったかなと。
15メートルまで行って、少し慌ててというような状況ですね。
もう少しスピードアップしてシュートを打って欲しかったなと。
あとは何人かの選手が疲れてしまったので少し新しい選手を加えて
大迫とか武藤とかもヘディングを見たかったですし
原口のボール運びも見たかったですし、
彼は我々のトレーニングの中ではこういうポジションでトレーニングさせています。
私はすべてトライしました。何かをもたらすためのトライはすべてしました。
ただ、正直な結果として成功しなかったですね。
ただ、彼は理解していることがあるんですけど
いつも速い攻撃ができるわけじゃないということですね。
シンガポールがかなり早く引いてきて、ちょっと選手にも言いたいことは
横に横に回すばかりではなくて、ダイアゴナルにパスを入れて
オブリックランニングをしてそこを狙って欲しかったんですけどね。
まあ色々なことを分析しないといけないんですが
19回ほどの100パーセント得点できるというチャンスを創った訳ですね。
例えばちょっとした得点機会ではなく
本当に入るという「これは100パーセント絶対に入るだろう」というチャンスですね。
まあシンガポールよりもより良いチームだと私は思っていますけど
それだけでは十分じゃなかったと。少し早過ぎるのかなと。
そして、この3試合をやってかなり効果的だったのは
皆さんも見られて、この4試合目で引き分けてしまって
私たちはまだまだ何も成し遂げていないですし、同点にされた訳なので。
ただ、シンガポールに関しては彼らはしっかり準備して
彼らは成功したということも頭に入れなくてはいけません。
ただ、我々は誰をどこでプレーさせてというのはすべて準備しました。
残念ながら成功しなかったですけど。
分析するには良い試合かなと思っています。
もしかしたらこういうタイプの試合があるかもしれない、
ただ、私はこの試合で「負けるかもしれない」ということがちょっと怖かったです。
なぜかと言うとそういうことが起きるからですね。
このような機会を失敗してしまうと最後のチャンスで相手が得点を取ってしまって、
我々が負けるということもあり得ます。
なので、こういった決断をするなら、グラウンドですぐ彼らを勇気付けました。
すぐに頭を切り替えさせるためにすぐに勇気付けました。
「頭を上げてくれ、顔を上げてくれ。勝つために君たちは全部出した。
だから勝とう、次勝とう、次勝つよ」といったことです。
ありがとうございました。


以上になります。


土屋

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