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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
J1-1st第16節
清水エスパルス×ヴァンフォーレ甲府@IAIスタジアム日本平
解説:林健太郎 実況:野村明弘 インタビュアー:桑原学
【清水エスパルス 大榎克己監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q、残念ながら敗戦となりましたが
まずは90分間を振り返っていただけますか?
A、前半失点してしまって、そこから追い掛けるような形になったんですけど
1失点目がやっぱりサイドから簡単にクロスを上げられてしまってその折り返し、
オウンゴールという形になってしまって
やっぱり簡単に上げさせないことはやってきたんですけど
そこで中もクロスのマークが付き切れなかった、
ちょっともったいない失点だったと思います。
その後はまだ時間も早かったので慌てずに行ったんですけど
なかなかゴールをこじ開けることができなくて
後半になってハーフタイムには「そんなに慌てるな」と。
逆に2点目を取られたら苦しくなるので、そのへんは攻め急がないというか
攻めだけにならないようにしっかりリスクマネジメントということで入ったんですけど
やっぱり2点目をカウンターから取られてしまって
そこからもう行かなければいけない形で、長沢を早い時間帯に入れて
クロスに対して入っていく長沢の高さの部分を入れて期待したんですけど
なかなか良いクロスが入らなかったことと、甲府さんのゴール前が非常に堅かった、
そこでゴールをこじ開けられなかったなと。
ちょっとゲームプランが2失点目で崩れてしまったかなと。
だから、逆に言うともうパワープレーのような
単調な攻撃になってしまったかなという所です。
Q、今日は前半から石毛選手や水谷選手がなかなか効果的なポジションで
受けられていないのかなという印象も受けたのですが
そのあたりはどうご覧になっていましたか?
A、そうですね。やっぱり甲府さんが真ん中をしっかり固めて
あそこにスペースを与えない、コンパクトな守備をしてくるので
サイドで起点を創って、サイドから普通のクロスじゃゴール前が堅いので
ディフェンスとGKの間へのアーリークロス、
それから中まで切り込んでのマイナスとか逆サイドまでということは
ずっと意識をしてやってきたんですけど
そこで点が取れなかったのは非常に残念ですね。
Q、ちょっと今日はいつもより長いボールが多かったり
焦ってしまっている部分が選手にあったように見えたのですが
監督は少し"下"でやっていきたいという気持ちはあったのでしょうか?
A、そうですね。もう少し0-1のままで行ったら、
ボールを下で繋ぎながらという形になったんですけど
2点目を取られて、より相手のゴール前に押し込んで
あとはもうシンプルですけど、2つ目を拾うというようなことを意図したんですけど
なかなか入り方とかセカンドボールを拾うという所が
うまく機能していなかったと思っています。
Q、ここの所は清水も非常にチーム状態が上向いているのかなという風に見えていましたが
今日はそのあたりがなかなか継続できなかったということでしょうか?
A、そうですね。ちょっとサッカーのスタイルが2点目を取られてから
少し変わってしまったかなという所は感じています。
Q、ここの所は若い選手が出るようになって、刺激を与えたり良い面もあると思いますが
今後に向けてはどんな考えをお持ちですか?
A、本当に今日勝てなかったことは非常に残念ですし
順位も下がってしまった中で、もう本当に若い力もベテランも
すべてこの中でベストのメンバーで競争して
チームのためにみんなが働く、一丸となって戦う、
それしかないと思っています。
【ヴァンフォーレ甲府 佐久間悟監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q、ほぼ狙い通りの90分ではなかったかと思いますが、
まずは今日のゲームを振り返っていただけますか?
A、予想していたよりも早い時間帯で得点が取れて非常に良かったんですけど、
その後にバレー選手が負傷して、時間帯が早かったということもありましたけども
当然清水のホームでダービーで、それから今の現状を考えれば
甲府に絶対に負ける訳にはいかないと思いますし
予想以上に人数を掛けてかなり攻められましたので
正直言って前半は1点取りましたけども、あまり何もできなくて
準備してきたことがあまりできなかったかなというような状況でした。
ハーフタイムにもう一度特に奪った後のボールを確実に繋いで
カウンターを仕掛けるという所、これはかなり意図していたので
その狙い通りに点が取れて良かったと思います。
ただ、今日は正直言って選手はバレーもそうですし
"両・阿部選手"が体調不良だったり風邪だったりということで
コンディションは思った以上に良くなかったなというのがあって
最後に2-0になって、相手がさらに攻撃の圧力を加えてきましたから
かなり今回は交替の工夫は頭を使わざるを得ないような状況だったと思います。
Q、外から見ている側としては、90分でほとんど相手にチャンスを
与えていなかったのかなという風にも見えましたし
守備の考え方も非常に整理されているように見えたのですが
監督としてはそのあたりはいかがですか?
A、今日は特に中央突破が非常に多いので
チャレンジとカバーリングすることと
もう1つはアンティシペイティング、予測のプレーですね。
常に相手の動作でワンタッチか、ツータッチか、背後か、
何をしてくるのかという予測をするということ、
これは1週間かなりやりましたので、そういう意味で選手たちが
次のプレーを予測するということはしてくれたんじゃないかなと思います。
それが結果として後半もかなり押し込まれましたけど
清水さんは素晴らしいチームなので
それがあって失点を抑えることができたんじゃないかなと思っています。
Q、早い時間帯での先制点が今日のゲームに影響を与えた部分や
展開を変えた部分はあったでしょうか?
A、先ほども言いましたように、清水は元々ホームで大榎監督が若い選手を中心にして
非常にアタッキングサッカーを志向されていると思うんですよね。
状態もそんなに悪くなくて、1点取ったら爆発力は素晴らしいというのは
わかっていましたから、そういう意味でもう少し前半は膠着したゲーム展開に
持ち込みたいなという風に思っていたのが正直な気持ちなんですけど
それが早い時間帯で我々が点を取ることができたことによって
より彼らのマインドに火を付けたと言うんですかね。
よりエネルギーを掛けて攻撃をされてきたので、そこはちょっと大変だったですかね。
Q、攻撃面では前半から清水のウイングバックの裏のスペースを
よく狙っていたと思いますが、そこでカウンターで追加点も取れました。
そのあたりは狙い通りでしたか?
A、ええ。あそこはトレーニング通りで、比較的アバウトなボールというか
流し込めば我々にとって大きいチャンスになるというようなことは
わかっていましたので、そこも本当にトレーニング通りだったと思います。
Q、途中で相手が長沢選手を入れてきましたが
そのあたりでシステムが5-3-2のような形になったと思います。
狙いはどのあたりにあったのでしょうか?
A、もうあそこの所に中央でかなり人数を掛けていました。
前半から実は大前選手がウタカ選手と今日は縦関係気味になっていて
我々のバイタルエリアの所をかなり使われていましたので
そういう意味で少し5-3-2気味にハッキリと一旦はしたんですけど
後半の立ち上がりから稲垣選手には「少し中に絞り気味で守備をしなさい」と。
もうサイドは割り切って、そこからクロスボールを上げられても
セカンドボールの拾い合いの勝負で良いかなと割り切ってゲームに臨みましたので
そこは逆に中盤における数的不利というものは出なかったんじゃないかなと思っています。
Q、佐久間さんに監督が替わってから劇的に勝ち点も伸びていますが
今後に向けてさらにプラスする部分があればお聞かせいただけますか?
A、いやいや、皆さんそう言われるんですけどね。
非常にそういうお言葉を戴いて嬉しいんですけど
私が就任した時の状態から今は何も変わっていません。
本当に一戦一戦これが最後のつもりで、
一戦一戦勝ち点を積み上げていくということで
選手層も非常に薄いですし、ケガ人も多いですし、年齢層も高いし
でもその選手たちの日々の練習と向上心と
それと山梨のプライドを持って戦うと、そういうような気持ちを1つにして
これからまた次の試合に臨んでいきたいなと考えています。
【ヴァンフォーレ甲府 河田晃兵インタビュー(試合後・中継内)】
Q、非常に重要な残留争いのライバルとの直接対決をモノにしました。
まずは今の率直な気持ちを聞かせて下さい。
A、やっぱり清水に勝ったことがないというのと
ダービーなのでこれだけ多くのサポーターが来てくれているので
「絶対みんなで勝って帰ろう」ということを言っていたので
勝てて嬉しいです。
Q、ゼロに抑えた達成感というのも相当あるんじゃないですか?
A、そうですね。でも、それよりみんなで点を取ってくれているので
後ろは「その分守ってやろう」という気持ちになりますし
ゼロで終えたのは良かったと思います。
Q、一番後ろから見ていて今日の甲府の守備はいかがでしたか?
A、いや、最高です。ハイ(笑)
Q、相当声も嗄らしたと思いますが、どんなことを意識して
コーチングされていたのでしょうか?
A、やっぱり大きい選手を入れてきたのでクロスボールだったり
そのセカンドボールだったりという所をしっかりコーチングで意識させるのと
あとはその間から打たれたシュートを自分がうまく反応できるように
準備していました。
Q、今日ここに立って頂いているのは当然終盤のPKストップがあって
あれが大きな勝負の分かれ目だったと思いますけど、どんな駆け引きがあったのでしょうか?
A、まあ運が良かったなという、その一言ですね。
その後もシュートがあったので
ちょうど良い所にこぼれてくれて「助かったな」という感じです。
Q、一度止めた後の反応も速かったですね。
A、目の前にあったので体を張って。
やっぱりみんな体を張ってくれているので、自分も張らないと
さすがに申し訳ないので。
Q、あのシーンは読みというより反応で飛んだという感じですか?
A、もうボール置いて「こっちかな?」という、もう直感で行きました。
Q、これでここ5試合は4勝1分けと劇的に流れが変わりましたけど、
どんな所がこの好調の要因だと考えてらっしゃいますか?
A、やっぱりみんな危機感を持っていましたし、
順位が近いチームと対戦することが多かったので
そこで負けられないので、監督が替わったというタイミングで
みんなでもう1回這い上がろうということで
意識したことが良かったかなと思います。
Q、この好調をできるだけ長く続けたいと思いますけど
今後へ向けての抱負を最後に聞かせて下さい。
A、絶対に残留はしないといけないので、そこを最低ラインに置きながら
どんどん上を目指していきたいと思います。
【林健太郎氏のレビュー】
(清水)
今日は甲府相手にどれだけ良い攻撃ができるかということを
試合が始まった時にも言いましたが、立ち上がりに失点してしまって
思っていた以上に難しい試合になってしまった感じはしましたね。
あそこで長沢を入れたことによって
それに頼ってしまったかなという感じもします。
やっぱり大榎監督からも「競争」という言葉が出ましたけど
そういう中で調子の良い選手を使っていくというのは
当然悪いことではないと思います。
ただ、3バックだけ見てもケガ人がたくさんいますし
こうやってメンバーがコロコロ変わるとなかなか難しい所があるのかなと。
そんな中でもデュークとウタカがチームにフィットしてきたかなという感じがあるので
その2人をうまく使ってはいきたいでしょうね。
今日も2点目を取られた後に「どうやって攻めよう?」という所が
例えば本田がいたりすると変わってくるのかなと。
「もう少し下でしっかり繋いでいこうよ」とか方向性というのを
与えられる選手がいなかったのかなという感じはしますよね。
ここからはより順位を考えながらやっていかないといけないので
まずは失点を減らさないといけないでしょう。
(甲府)
甲府は素晴らしい戦いをしたと思います。
ここまでの佐久間監督に変わってからの戦い方が
今日も引き続き証明されたと思います。
守備は完璧でしたよね。集中力も非常に高かったですし、
ディフェンスラインだけではなく全員の守備意識が非常に高かったですし
まず守備を再構築するという所がチーム全体の目的で
改善すべき所なんだなというのが伝わってきますし、それをやり切る力もありますしね。
予測という意味で言うと、山本、土屋、マルキーニョス・パラナと
経験のこれだけある選手たちが揃っていますから、そのあたりは非常に有利かなと。
そういう部分をうまく引き出しているなという感じはしますよね。
まず中をしっかり閉じると。大前にバイタルを使われたくないと。
そういう試合中の分析や修正も本当にわかりやすいんでしょうね。
バレーがいない中で2点目を取れたことも大きいですよね。
前回バレーが立ち上がりにケガをした時も伊東が点を取りましたし、
もう代役以上の働きをしたなと思いますね。
選手交替には苦労したと佐久間監督もおっしゃっていましたが
阿部拓馬も本当にいっぱいいっぱいだったんでしょう。
よくあそこまでやりましたよね。
あとは下田に凄く中心選手としての自覚が出てきたのを感じました。
守備もそうですし、そこから攻撃に入っていく部分に関しても
自分がボールを持った時は周りがどういう状況であれ
まず自分の判断を優先して、シュートを打つべき所は打っていますし
そういう自覚は感じられているのかなと感じますね。
この守備をどうやって崩すのかというのは
どのチームにとってもかなり難しい課題になっていく感じがします。
今は点も取れていますし、この守備があって2点取れれば
勝ち点を落とすことはほとんどないと思うので、良い流れだと思います。
【Jリーグブログ的データ】
J1-1st第16節
清水エスパルス 0-2 ヴァンフォーレ甲府
入場者数:13,228人 天候:曇、弱風
気温:20.5度 湿度:83%
主審:扇谷健司
副審:名木利幸、聳城巧
第4の審判員:秋澤昌治
《得点者》
<甲府>
11'オウンゴール(福村貴幸)
51'伊東純也③(アシスト:下田北斗)
《選手寸評》
(清水)
GK櫛引政敏...2失点とも目測ミス。特に2失点目は確実に間に合わない飛び出しだった
DF犬飼智也...枝村の後ろのスペースを埋め切れず甲府に狙われ続けた
DF福村貴幸...適性以上のものを求められる中でやれることはほとんどやっている印象
DF松原后...デュークの上下動も受けて左から崩される場面は多くなかった
MF八反田康平...アンカーを任されている以上はイージーなパスミスをなくしたい
MF枝村匠馬...攻撃に出た時は効果的も守備では埋め切れない穴を作ってしまった
MF水谷拓磨...ここ最近の積極性が鳴りを潜めてボールを引き出せずに52分で退いた
(→FW長沢駿...チーム全体で彼を生かしたい意識と実際の精度が乖離していた)
MF石毛秀樹...CKで2度の決定機を演出もなかなかシビアなゾーンまで入れなかった
(→DF内田健太...期待されたほどのクロスも入れられず。やや消化不良の15分間に)
MFミッチェル・デューク...タイムアップの瞬間まで走り切る姿勢は感動的だった
FW大前元紀□...3度の決定機をモノにできずPKも失敗。今日は彼の日ではなかった
FWピーター・ウタカ...相変わらず違いを見せた。彼が出場し続けることが巻き返しの必須条件
《選手寸評》
(甲府)
GK河田晃兵...ファインセーブ連発の締めは完璧なPKストップ。チームに勝ち点3をもたらした
DF新井涼平...前半に信じられないクリアがあったが概ね及第点のパフォーマンス
DF山本英臣...中央でチームを引き締め続ける。J通算400試合出場を勝利で飾る
DF土屋征夫...無理に飛び込まずにポイントで体を投げ出す守備に経験を感じた
MF松橋優...とにかくデュークとやり合う。何度も足首を痛打しながら走り切った
(→MF保坂一成□...トレスボランチとドイスボランチの一角を無難に遂行)
MFマルキーニョス・パラナ...勘所で発揮するパワーに凄み。この男は絶対に欠かせない
MF下田北斗...実質2アシストの活躍。攻守に大きな存在感を放ち始めている
MF阿部翔平...体調不良を抱えながら後半はきっちり守備でチームを締めた
FW稲垣祥...PK献上は不運も河田に救われる。シャドーと右WBを運動量で務め上げた
FW阿部拓馬...前線でボールを収める。先制点に繋がる突破がゲームの趨勢を決定付けた
(→FW堀米勇輝...2度のフィニッシュに豊かなセンスを滲ませた)
FWバレー...先制点にヘディングで関与しながらも守備時のCKで負傷し早々に交替
(→FW伊東純也③...ゴールはもちろんポストワークもプレスも含め勝利への貢献度は最大級)
再放送スケジュールは
6月20日(土)深夜0:00~深夜2:15 J SPORTS 3
6月26日(金)深夜1:45~深夜4:00 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!
土屋
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