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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2015年04月02日

T2リーグ第5節 堀越×都立三鷹@駒沢補助

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0401komaho1.jpg全国大会への切符を懸けて戦った選手権予選決勝のリターンマッチ。堀越と都立三鷹が5ヶ月ぶりに再会する舞台は駒沢補助競技場です。
昨年は難敵を相次いで撃破して、22年ぶりに選手権予選のファイナルへ。最後は都立三鷹の勢いに押し切られたものの、改めて都内にその存在感を強くアピールした堀越。「去年T1でやらせてもらって、その時に出ていた選手が数多くいる中で、ちょっと今の現段階だと物足りないかなという感じはしていますよね」とは佐藤実監督ですが、守護神の横山洋(3年・TACサルヴァトーレ)、キャプテンを務める富樫草太(3年・FC町田ゼルビアJY)、副キャプテンの東岡信幸(3年・TACサルヴァトーレ)など守備陣に昨年のレギュラーが多く残る中、週末に迫った関東予選への弾みにしたい90分間を迎えます。
準々決勝で優勝候補筆頭と目されていた駒澤大学高を破ると、その後も修徳、堀越と優勝経験校を下して7年ぶりの全国へ。挑んだ晴れ舞台でも今度は日本一の最有力候補だった東福岡に惜敗するなど、昨シーズンにおける東京の主役の座を気持ちいいまでにかっさらった都立三鷹。その主力がほとんど抜けた今シーズンについて「とにかく最初のスタートから『のびしろだけが楽しみだ』と言っていて」と笑ったのは佐々木雅規監督。リーグ戦はここまで4連敗と厳しい状況が続いている中、新年度のファーストゲームで結果を手にすることで流れを変えたい所です。10時の駒沢はあいにくの曇天模様。卯月のファーストゲームは三鷹のキックオフでスタートしました。


4分のセットプレーは堀越。左から加藤悠矢(2年・アローレはちきた)が入れたFKは飛び出したオフェンスサイドがオフサイドを取られたものの、1つチャンスを生み出すと、6分のファーストシュートも堀越。北田大祐(3年)のパスから小磯雄大(2年・FCヴィラセーゴ津久井)が右スミを狙ったミドルはクロスバーを越えましたが、まずは堀越がリズムを掴んで立ち上がります。
対する三鷹も10分には右SBに入った福本湧希(2年・三鷹中等教育学校)の縦パスから、早見俊紀(2年・三鷹中等教育学校)が1人かわしてクロスを送るも、ここは中央で堀越ディフェンスがきっちりクリア。12分は堀越。齊藤一輝(2年・青梅新町中)が右へスルーパスを通し、北田のクロスは三鷹のCB都築亮太(3年・三鷹F.A)が弾き出しましたが、直後の右CKを加藤が蹴り込むと、ファーで齊藤一輝がシュート。DFに当たったリバウンドを再び齊藤一輝が枠へ収め、最後は三鷹のGK斎藤想平(2年・三鷹中等教育学校)がキャッチしたものの、堀越が続ける攻勢。
「立ち上がりはそんなに悪くなかったかなという感じはしていた」と佐藤監督も認めた堀越のペースを牽引していたのは右に北田、左に丸山正吾(2年・FC Branco八王子)を配したウイングバックの積極性。16分には富樫のパスから左サイドで丸山が粘り、小磯のミドルは枠の上へ。17分には北田の右クロスにスライディングで合わせた新井真汰(3年・TACサルヴァトーレ)のシュートは斎藤想平がキャッチ。18分にも富樫のFKがこぼれると、こぼれを叩いた丸山のシュートは弱く、斎藤想平にキャッチされましたが、ワイドの2枚がフィニッシュの構築に関与することで、両サイドも押し込んだ堀越がゴールへ迫り続けます。
21分には三鷹もセットプレーから決定機。CBの芝崎鉄平(2年・三鷹中等教育学校)が右からCKを蹴り入れると、ファーに入った神原大槻(2年・三鷹F.A)はまったくのフリーでヘディング。クロスバーを越える軌道を確認した神原は頭を抱えましたが、昨年の快進撃を思わせるようなワンチャンスへ忍ばせる鋭い刃は健在。
ただ、以降も手数は堀越に。22分に加藤、小磯、齊藤一輝と繋ぎ、新井が放ったシュートは枠の左へ。23分にカウンターから10番を背負った齋藤拓磨(3年・青梅FC)が左へ流し、丸山のシュートは斎藤想平がキャッチしましたが、衰えない先制への意欲を押し出し続けると、その結実は24分。左CBの小澤颯(3年・FC.GONA)のシンプルなフィードを引き出した新井は、寄せるマーカーを押し戻して独走。GKとの1対1も冷静に左スミのゴールネットへボールを送り届けます。9番のストライカーがきっちり一仕事。堀越が先にスコアを動かしました。
漂う追加点の雰囲気。26分、齊藤一輝が左へ絶妙のラストパスを通し、ダイレクトで右スミを狙った丸山のシュートはボール1つ分だけ枠の右へ。27分、丸山、齊藤一輝とボールが回り、小磯のミドルはゴール左へ。34分、小磯が左へ展開すると、丸山がシュート気味に中へ送ったクロスは斎藤想平がファインセーブで何とか回避。「選手にもガツガツ来るからそこで負けないように、慌てないようにと言ったんですけど」とは佐々木監督。嵩んでいくシュート数。
三鷹の崩した形は36分。左SBのレフティ小森祐樹(3年・三鷹中等教育学校)が付けたボールを松井一世(3年・三鷹中等教育学校)が捌き、神原はヒールで後方へ。キャプテンの吉野秀紀(3年・三鷹中等教育学校)が放ったミドルは横山にキャッチされましたが、ようやく流れるようなパスワークでフィニッシュまで。それでも38分は堀越のチャンス。ピッチ中央、ゴールまで25m強の距離から加藤が直接狙ったFKはクロスバーの上へ。40分も堀越。東岡の打ち込んだクサビを受け、巧みなスクリーンで前を向いた新井のシュートは枠の右へ外れるも、多彩なアタックを繰り出します。
同点弾は唐突に。43分は三鷹のセットプレー。今シーズンはボランチ起用の続いている吉野が自陣深くからFKを蹴り込むと、都築が競り合ったボールは密集の外へ。ここで待っていた松井がすかさず放ったシュートは、DFとGKの人垣を抜けて右上のゴールネットへ綺麗に吸い込まれます。「三鷹さんはセットプレーに特徴的なものを持っているので、あれもわかっていての対応の所がちょっと良くなかったですよね」と佐藤監督。ワンチャンスで三鷹が追い付いて、最初の45分間は終了しました。


後半も先にチャンスを掴んだのは堀越。48分に北田のクロスを基点に獲得したFKを左から加藤が蹴ると、ここは吉野にクリアされましたが、49分は流れの中から。丸山、加藤とボールを繋ぎ、小磯のミドルは枠の左へ消えたものの、2つのチャンスを。一方の三鷹は直後の50分に決定的なチャンス。神原が左へ流し、岡田泰樹(3年・三鷹中等教育学校)のグラウンダークロスは絶妙のコースへ。走り込んだ早見のシュートは横山がスーパーセーブで立ちはだかり、同点とはいきません。
54分も三鷹。早見のドリブルで獲得した右CKを芝崎が蹴り込むと、ファーに抜けたボールは都築もわずかに届きませんでしたが、2番を背負ったCBが悪くないキックを。直後の54分には堀越も、齊藤一輝が裏に出したボールから小磯が完全に抜け出しましたが、コースを狙ったシュートは飛び出した斎藤想平が左足1本でビッグセーブ。57分にも抜け出し掛けた新井に、都築が完璧なタックルで対応。「初めてTリーグでリードされずに前半を終えて。いつもリードされて終わっていたのが、同点で後半を迎えるということは良かった」と佐々木監督。ボールアプローチも速くなり、吉野と辻良太朗(2年・三鷹中等教育学校)のボランチラインでセカンドも回収し始めた三鷹がゲームリズムを引き寄せます。
ほとんど同時に動いた両ベンチ。先に佐々木監督。62分に辻を下げて細田健太(3年・三鷹中等教育学校)を左SHへ送り込み、1トップ下の岡田がボランチへ、左SHの神原が1トップ下へそれぞれスライド。続いて佐藤監督。64分に先制弾の新井と須藤海斗(3年・府ロクJY)を入れ替え、アタッカーの顔触れに変化を加えると、勝ち越し弾はそのすぐ直後に。
決めたのは中野の紫軍団。65分、左サイドで獲得したFKを加藤がゴール前に放り込むと、宙を待った東岡は高い打点のヘディングを敢行。ボールは鮮やかに右上スミのゴールネットへ飛び込みます。「きちんと自分のポイントに入ってくれるし、ヘディングも結構頑張ってやってくれている子」と指揮官も評した、昨年から主力を務める副キャプテンがさすがの一撃。堀越が再び1点のリードを奪いました。
突き放したい堀越は67分にもチャンス。齋藤拓磨のスルーパスから小磯が右クロスを上げ切り、丸山のシュートは枠の左へ。三鷹も69分には右サイドでFKを獲得するも、吉野のキックは横山ががっちりキャッチ。70分にも吉野が45m近いロングシュートにチャレンジしましたが、ボールはクロスバーの上へ。なかなかエリア内まで侵入することができません。
77分は堀越。東岡のフィードを齋藤拓磨が落とし、齊藤一輝が狙ったミドルは枠の左へ。78分は三鷹のビッグチャンス。前を向いた神原が右に流れながら放ったシュートはDFにブロックされ、リバウンドに反応した早見は良い位置からシュートを放つも、軌道はクロスバーの上に消え、思わずのけぞる三鷹ベンチ。79分には堀越に2人目の交替が。左サイドで存在感を発揮していた丸山が下がり、大垣柊樹(3年・ESA)がピッチへ。83分は堀越。加藤の左CKはDFに跳ね返されるも、須藤がミドルを枠の右へ。見せ続ける追加点への気迫。
追い込まれた三鷹は84分に2人目の交替を決断。ボランチへ多田悠太郎(3年・三鷹中等教育学校)を解き放って最後の勝負へ。88分に小磯のパスから北田がクロスを放り込み、齊藤一輝が枠へ飛ばしたボレーはGKを破るも、都築がスーパーなカバーで掻き出し、三鷹も何とか勝ち点獲得への可能性を繋ぎましたが、結果的にこれがこのゲームのラストシュート。「全然調整とかもしていないので、最後は持たないかなという感じはしていたんですけど、それは想定内でやっているのであんなもんかなという感じです」とは佐藤監督ですが、しっかり勝ち切った堀越が勝ち点3を上積みする結果となりました。


これで5連敗となかなか結果が出てこない三鷹ですが、「少しは頑張れるようになったかなという感じですね」と佐々木監督も話したように、これまで喫していた大量失点は抑えることに成功し、おそらくは守備面にも一定の手応えが。「都築は良くなりましたね。やっぱり吉野が前に出てから『やらなくちゃ』というようなのがあって」と指揮官も言及した都築を中心にして、まずは良い守備からというコンセプトはチームの根幹だけに、その部分の積み上げはこれからもマストになって来るでしょう。「とにかく目標だけは高い所を保って、それを落としちゃったら何のために全国へ行ったのかわからないので、そこに向かってとにかく頑張るということを言っています」と佐々木監督。三鷹の新たな挑戦は幕を開けたばかりです。
堀越は今年も面白いチームになりそうな印象を受けました。「やっぱり時間帯によってサッカーの質が変わってきちゃっているので、もうちょっとある程度安定した形でやらせたいなと。今は良いのが前半の30分くらいまでなのかなという所で、それをやっぱり80分や90分でやり切れないと、今の段階では厳しいかなと思います」と佐藤監督の求める水準も高く、それに応え得る人材は揃っているのかなと。基本的には富樫と東岡を中心に選手たちで色々なことを決めていくスタイルは継続しながら、現在は指導陣もある程度の大枠は与えている段階。「この時期は箱をしっかり作ってあげて、その中である程度僕らの形というのを創っていきながら、だんだん彼らが離れていくというのが一番理想的。徐々に与えていきながら離していって、最終的には自分たちのものにしていくという形にはしたいなと思っています」と佐藤監督。届かなかったあと1つへ。新生・堀越も大いなる一歩を着実に踏み出しています。       土屋

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