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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

マッチレビュー 2015年03月24日

J1第3節 甲府×G大阪マッチレビュー

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J1第3節 
ヴァンフォーレ甲府×ガンバ大阪@山梨中銀スタジアム
解説:城福浩 実況:西岡明彦 インタビュアー:中田浩光


【ヴァンフォーレ甲府 樋口靖洋監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q、前半はかなりガンバの攻撃陣を抑えていたように見えましたが
いかがでしたでしょうか?


A、失点まで、60分過ぎまではほぼ基本的に
私たちのゲームプラン通りに進めることができたと思っています。
ただ、そこから先の所で失点で少し、
しかも自分たちのミスからの所での失点という部分と、
それから2点目は相手の強さはありますけど
あのカウンターは阻止できなくてはいけないと思っています。


Q、その失点の場面は62分と64分でしたが
ちょっと先制点を取られてバタついてしまった部分はあったでしょうか?


A、そうですね、そこまで自分たちのプラン通りに行っていただけに
その失点で少しガクッと来た部分はあったと思います。
ただ、あの2点目を取られない、
そういうチームにならないと勝ち点1や
勝ち点3というのは望んでいけないですね。


Q、その後は3枚の交替カードも使いましたが
攻撃に関して今日はいかがだったでしょうか?


A、前半の入りから相手の裏のスペースに
シンプルにボールを運びながら深さを創るということと
ウチはウイングバックがいるという部分で幅を使うと。
その部分でボールの動かし方自体は決して悪くないし
何度かチャンスメイクまで行っていますね。
ただ、いかんせんまだまだ取られ方の部分、
ビルドアップの所で引っ掛けてしまうのは
本当に修正しないといけないですね。


Q、前線の選手に関して、ここまで3試合を終えて
アドリアーノ選手やそこに絡む選手の出来はいかがでしょうか?


A、アドリアーノに関しては少しずつ体のキレも戻ってきていて、
昨年あまり試合に出ていなかった分、
ゲーム勘という部分はやりながら戻している部分かなと思います。
それにどう絡むかという部分で2トップの距離感、
それから途中から盛田を入れて前の人数を増やしましたけど
その距離感に関してはこれからまだまだ時間を作って
しっかりと修正しないといけないですね。


Q、前線のアドリアーノを孤立させないような動きを
これから創っていきたいという所でしょうか?


A、2トップのコンビネーションでボールの引き出しをするのと
それからそのコンビネーションにもう1枚、
例えば3ボランチのサイドが絡み始めると。
そういった所の人数や距離感を今後は高めたいですね。


【ガンバ大阪 長谷川健太監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q、今日は後半に入って攻撃のギアが一気に上がった感じでしたが
その狙い、ハーフタイムの指示などを教えていただけますか?


A、前半アクシデントで早い時間で明神が怪我をして
倉田を入れて少しバタつきましたけど、
ゼロで終わったのが非常に大きかったなと。
後半は今野をボランチにして倉田を前に入れましたけど
それでだいぶボールが動くようになったので
やっとガンバらしい勝ち方ができたのかなと思っています。


Q、今野選手が入って倉田選手がより攻撃的になった後半だったんですね。


A、そうですね。左サイドをなかなかうまく使い切れていなかったので
倉田を入れて左もうまく使っていこうという話をして
うまくボールが動くようになったんじゃないかなと思っています。


Q、その今野選手は久しぶりのゲームでしたが
後半45分プレーして、監督の目にはどのように映りましたか?


A、いや、もう怪我しなくて良かったと。
さすが今ちゃん!と。
いるいないではチームが別物だなという感じがしました。


Q、監督としてはゲーム展開によると思いますが
今野選手に関してはもっと後からの投入も考えていましたか?


A、いえ、45分くらいは全然行けるとは思っていたので。
ただ、前半の早い時間帯で明神が怪我して
あそこからだとちょっと厳しいと思ったので
後半の頭からにしました。


Q、今日は阿部選手の先制点の後、2点目は宇佐美選手でした。
この2人のゴールについてはいかがでしょうか?


A、貴史も今日は最後までアグレッシブにプレーをしてくれましたし、
阿部も前節くらいから非常に復調の兆しがあって
だいぶトップコンディションになってきたので
やっと攻撃陣が機能し出したなという感じがしています。


Q、今日の後半のガンバのサッカーには
監督もかなり手応えを感じていると見てよろしいでしょうか?


A、そうですね、ここ数試合で内容は徐々に上がってきたんですけど
結果が伴っていなかったので
そういう意味ではアウェイの甲府が
厳しい戦いになることは覚悟してきましたけど、
本当に結果が出て良かったなという風に思っています。


【ガンバ大阪 宇佐美貴史インタビュー(試合後・中継内)】
Q、まずはゴールシーンから振り返っていただけますか?


A、イメージ通りだったので。
コースを作ってあのテンポで打つというイメージはできていたので
うまくいって良かったです。


Q、後半はだいぶ攻撃のリズムが上がったように見えましたが、
そのあたりはプレーしながら感じたことはありましたか?


A、流れが後半は凄く良くなったのは感じていましたし
前半からあのリズムでやれればもう少し楽な試合になると思うので、
そういう所を課題としてまたやっていきたいなと思っています。


Q、宇佐美選手ご自身も流れの中から決めたゴールという点はいかがでしょうか?


A、気持ち良かったですし、2点目というのは凄く大事な点だったので
それを自分で決められたということは
凄くチームに貢献できたかなと思います。


Q、それからもう1つ、「今日はストライカーとゲームメイカー、
2つの役割ができたら」と話していましたが
そのあたりはいかがでしたか?


A、そのあたりもまだまだイメージ通りとはいかないですけど
少しずつそこも改善していって
自分のスタイルというか形にしていければ良いと思いますし、
まだまだだと思います。


Q、この後は代表戦も控えていますが
最後にサポーターへメッセージをお願いします。


A、ACLも含めてなかなか本当に勝てていないゲームが続いていたので
相当ストレスを溜めてしまったと思いますし、
そういう中でも今日もたくさん来てくれて
そういった方々のおかげで今日は勝てたと思うので
本当に感謝しています。


【城福浩氏のレビュー】
(甲府)
前半は中盤で非常に広く幅を取って
しっかりポゼッションをやれていたことと、
取られた後にしっかり切り替えができていたことが
ペースに繋がったのかなと。
中盤のエリアではほぼ完勝だったと思います。
ただ、ペナの周辺という意味では物足りなかったですよね。


やはりオープンな展開に近くなると
個の差というのが出てしまうので
今日も大きなルーズボールからパトリックに体を入れられて
失点したシーンがありましたが
まずは常にチームがコンパクトに、
コレクティブに動くということ、絶対その隙を作らないと。
ということは相手チームよりも倍以上の努力をしないと
やはり苦しくなるでしょうね。


しかもそこで守備のことだけを考えていたら
体力的にも難しくなってしまうので、
攻撃の所で自分たちの時間を後半のような展開でもより多く創りながら
守備ではコンパクトを保つということで
最後の90分間際まで勝ち点3の可能性を引っ張るということが
甲府のようなクラブにとっては大事なことになりますね。


ここは本当にゴール前の質の差というのを
地方クラブというのは痛感しながらシーズンを過ごすのですが、
チャンスの数を多く創り続けることで
質の高くない部分をカバーすると。
辛抱強くやらなきゃいけないし、
「誰かが決めてくれるだろう」「そういう選手が出現するだろう」
というのは思ってもしょうがないことですし、
とにかくペナの中にボールを運んでいく回数を
多くするということはやらなくてはいけないので、
とにかくアドリアーノのコンディションが
もうちょっと上がってきて欲しいなと思います。


樋口監督のお話を伺って「プラン通りにやっていた」と。
「だからこそあの一発で崩れた」というのは
本当にヴァンフォーレ甲府がJ1で戦っていく上で
私も何度それを思ったことかと。
そう意味ではあの一発がなければという所で
その一発でさえも許してしまうとJ1では勝ち点を掴めないんですよ。
それがJ1におけるヴァンフォーレ甲府だと
樋口監督のお話を聞いて改めて思い出しましたね。


ただ走れば良い、ただ球際を頑張れば良いじゃなくて
マイボールの時の質も上げない限りは失点も減らせないと。
もちろん得点も上げられないという意味では
本当に簡単なことじゃないですし、
何か玉手箱のようなものがある訳じゃないんですよね。
本当に言い方を恐れずに言うと
まずは細部のトレーニングや準備があって初めて対等にできると。
対等にできた上で勝ち点の可能性を高めるという所で言えば
大きいクラブの何倍も努力をすることが当然だと
チーム全体が思えないと難しいと思います。


(G大阪)
相手がハイプレッシャーの内は我慢するという
チームのやり方も慣れていると思いますし、
やはり今野が入ったことで様相が変わりましたよね。
そういう意味では前半相当甲府にペースを握られていたので
後半の頭から今野を出すことに多少のリスクはあったと思うんですよね。
そうせざるを得ないくらい前半は良くなかったと。
ただ、今野が入ったことでボールも奪えるし、遠藤との距離感も良いと。
しかも前線にボールを出せるという意味では
ペースがガンバに戻りましたよね。
まさに監督の期待に応えた選手という図式だと思います。


宇佐美が90分やるというのは昨年も含めて凄く珍しくて、
だいたい2-0で勝ったらまず替わるのは宇佐美なのかなと思った所で
最後はクロスオーバーをペナの中でしましたからね。
長谷川監督も彼を使いながら鍛えていきたいという
去年とは違う明らかなメッセージなのかなと思いますし、
代表になったので勝とうが負けようが90分ピッチに立っているという気概も
宇佐美に見えてきたんじゃないでしょうか。
周りから見て「なぜ宇佐美は代表に呼ばれないんだ」と言われ続けてきたと。
ただ、本人が呼ばれない理由を一番わかっていたと思うんですよね。
それを自覚しながらの今日の試合だったと思うので
今日の彼の技術、得点力というのを代表での存分に見せて欲しいです。


ガンバは人のいない所にクロスを上げるんじゃなくて
人のいる所にしっかりクロスを上げるんですよね。
先制のシーンもボレーのイメージも持ってクロスを上げて、
もちろんこぼれた後の阿部の反応も素晴らしかったです。
2点目の宇佐美も打てる所にコントロールしてからの
一振りは本当に一級品ですよね。
甲府サイドから見て反省するのが難しいゴールだと思います。


直前のACLで本来勝ち点を取らなくてはいけない所で取れなかったと。
ベストメンバーで臨んだので、休ませられる選手が1人もいない中で
引きずらずにしっかり切り替えて、
あるいは前半が悪くてもしっかり切り替えて試合に臨めるというのが
今のガンバだと思います。
2点取った後も守備のルーズさもまったくなかったですから、
彼らの勝負に対する厳しさというのがようやく今年目覚めたかなという感じがします。
まずはACLで3連勝してグループを突破するという気概を
是非Jリーグの代表として見せて欲しいと思います。


【Jリーグブログ的データ】
J1第3節
ヴァンフォーレ甲府 0-2 ガンバ大阪

入場者数:13,047人 天候:曇、弱風
気温:17.8度 湿度:32%
主審:飯田淳平 
副審:山内宏志、武部陽介
第4の審判員:藤沢達也


《得点者》
<G大阪>
62'阿部浩之①(アシスト:宇佐美貴史)
64'宇佐美貴史②(アシスト:阿部浩之)


《選手寸評》
(甲府)
GK荻晃太...2失点に責任はなし。どちらも相手を褒めるしかない
DF畑尾大翔...前半の裏を狙うフィードはチームのアクセントになっていた
DF山本英臣...両サイドのCBを従えて安定感はあったが無回転FKは不発
DF野田紘史...パトリックに競り勝つ場面も。好フィードも見せるなど定位置を固めつつある
MF松橋優...前半は藤春を圧倒して押し込んだが後半は一気に消えた
(→MF橋爪勇樹...終盤の決定機はせめて枠へ飛ばしたかった)
MF新井涼平...中盤の底で奮闘したものの2失点目はあっさり宇佐美に外された
MF稲垣祥...ハードワークを続ける姿勢は際立つも攻撃面での精度も求めたい
(→FW伊東純也...持ち味のスピードを生かすシーンは一度も訪れず)
MF阿部翔平...米倉のオーパーラップも牽制しつつポイントでは攻撃に関与も
MF石原克哉...やや攻守において存在感を打ち出せずに後半途中で退いた
(→FW盛田剛平...ボールはある程度収めたが脅威にはなり切れなかった)
FW阿部拓馬...時折センスは光るも彼がシュートゼロではゴールは生まれない
FWアドリアーノ...全体的に動きが重い。背負っている期待に見合わないプレーが続く


《選手寸評》
(G大阪)
GK東口順昭...被枠内シュートもなくキャッチングも安定感十分
DF米倉恒貴...オーバーラップの回数も限られた。やや物足りないパフォーマンス
DF丹羽大輝...前半の劣勢時も落ち着いて対応。漲る自信が窺える
DF岩下敬輔...食い付き過ぎる悪癖も顔を覗かせずアドリアーノを封殺
DF藤春廣輝...松橋に押し込まれた前半の流れを後半も引きずってしまったか
MF阿部浩之①...1ゴール1アシスト。簡単ではないボレーでチームを救う
MF明神智和...早い時間での負傷で無念の途中交替
(→MF倉田秋...ボランチも無難にこなしたがやはり後半の定位置で輝きを放つ)
MF遠藤保仁...今野というパートナーを得て後半は前に出る回数も増加
MF大森晃太郎...松橋の推進力の煽りを食らった格好で前半だけの出場に
(→DF今野泰幸...復帰戦とは思えない高水準のパフォーマンス。指揮官も手放しで賞賛)
FWパトリック...個人的にストレスの溜まる展開の中で2点とも基点はこの人
(→FW赤嶺真吾...短い出場時間の中でもやや味方と呼吸の合わない場面も)
FW宇佐美貴史②...2点目はイメージ通りの完璧な一撃。フル出場にも指揮官の信頼が見て取れる


再放送スケジュールは
3月22日(日)深夜1:00~午前3:15 J SPORTS 3
3月25日(水)午後11:00~深夜1:15 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!


土屋

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