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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2015年02月16日

T2リーグ第1節 都立駒場×大成@駒沢第2

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0215komazawa2.jpg12時キックオフはT2リーグのオープニングマッチ。昨年の関東予選王者でもある都立駒場とさらなる躍進を狙う大成の一戦も、引き続き駒沢第2です。
春の関東大会予選で多摩大目黒、都立東久留米総合、駒澤大学高と去年のメインキャストを張った強豪をなぎ倒して東京を制すると、勢いそのままに関東大会でも準優勝。以降もインターハイ予選ではベスト4、選手権予選でもベスト8と、トーナメントコンペティションでの強さを発揮した昨シーズンの都立駒場。その主力が数人残った今シーズンも、最終的に狙うのは冬の全国。まずは手始めに貴重な実戦経験でもあるリーグ戦で、チームの成長を図ります。
対するは「本当に一段ずつ上っているようなチーム」と豊島裕介監督が話したように、少しずつ着実に力を付け、T2リーグ在籍も3シーズン目になる大成。昨シーズンはインターハイ予選で多摩大目黒、選手権予選で実践学園と共に強豪と当たった初戦での敗退を強いられたものの、どちらも好ゲームを演じるなどそのポテンシャルは多くの人の知る所に。「ここ1,2年で強豪校と戦えるという感触はある」(豊島監督)という感触を確信に変えるためにも、大事な1年間に挑みます。上空は快晴が続くものの、駒沢第2に吹き付けるのは冷たい北風。正午きっかりに大成のキックオフでゲームはスタートしました。


ファーストシュートは大成。4分、キャプテンの濱川海人(2年・TACサルバトーレ)が流したボールを桜井裕幹(2年・相原FC)はミドルレンジから枠内へ。ここは駒場のGK瀧川大輔(1年・FC東京U-15むさし)がキャッチしましたが、5分も大成のチャンス。濱川とのワンツーを決めた西尾裕也(2年・横河武蔵野FC JY)が果敢なミドルを放ち、ボールは枠の左へ外れたものの、右から野島樹哉(1年・Forza'02)、吉田航(1年・S.T.SC)、野島裕哉(1年・Forza'02)と1年生で構成された3バックからきっちりボールを動かした大成が、ミドルシュートで相手ゴールを窺います。
ただ、「入り方は大きく蹴っていこうと言った」と山下正人監督が話した駒場もセットプレーで手数を。6分に副島陸(2年・FC東京U-15むさし)がグラウンダーで蹴った右CKは羽鳥大我(2年・FC.M.トレーロス)とうまく合わず、11分に副島がゴールまで30m弱の距離から直接狙ったFKもヒットしませんでしたが、13分には流れの中からフィニッシュを。赤土陸(2年・クリアージュFC)の正確な落としを副島は右へ送ると、マーカーを振り切った片岡勇介(2年・FCトリプレッタJY)のシュートは大成のGK櫻井康佑(2年・帝京FC)が正面でキャッチしたものの、少しずつゲームリズムを取り戻したのは駒場。
19分も駒場。右から副島が入れたCKは中央と合わずにそのままファーへ。23分も駒場。「いきなり相手のキャプテンにズドンと突っ込んで。1年生とは思えないよ。『やるね、オマエ』って思ったね」と山下監督も笑った左SBの米倉壮洋(1年・東京ベイFC U-15)が果敢なボールカットから中央へ。赤土が捌き、副島が右へ出したボールは奥谷康平(2年・FC町田ゼルビアJY)のオフサイドになりましたが、「アイツには当然ゲームメイクをやってもらわないと困る」と指揮官も言及した副島の配球から、駒場が攻勢を強めます。
序盤以降は少し押し込まれる時間の続いた大成は、26分に右サイドで西尾がFKを獲得すると、櫻井の蹴ったボールをニアで林悠太(2年・FC府中)がダイレクトシュート。最後は何とか瀧川がキャッチしたものの、31分にも右へ開いた都築健太(2年・Forza'02)の縦パスから清水拓(2年・横河武蔵野FC JY)がクロスを上げると、山田大哉(2年・帝京FC)のシュートも瀧川にキャッチされるも綺麗なサイドアタックを。33分には決定機。都築のポストプレーから濱川は丁寧なスルーパスを右へ。駆け上がった清水のシュートは瀧川のファインセーブに阻まれましたが、一気に形勢を引っ繰り返した大成のラッシュ。
35分も大成。桜井、山田と短く繋ぎ、都築のラストパスに抜け出した山田のシュートは枠の右へ。37分も大成。西尾が左のハイサイドへ落とし、粘った都築のクロスを至近距離で叩いた濱川のボレーは瀧川が素晴らしい反応でファインセーブ。直後のCKを左から西尾が蹴り入れ、こぼれを狙った清水のシュートは副島が体でブロックすると、再びボールを収めた西尾のクロスに野島樹哉が合わせたヘディングは瀧川がキャッチ。44分も大成。林が左へ付けたボールを山田は足裏で残し、都築のクロスに飛び込んだ濱川のヘディングは枠の左へ外れるも、「1人1人がうまいよね」と山下監督も認める大成の本領発揮から崩しの形を。羽鳥と宮原大輔(2年・ジェファFC U-15)のCBコンビを中心に耐える駒場も、45+1分には五十嵐心(1年・FC町田ゼルビアJY)が右へ展開すると、奥谷のクロスに長谷川幸之助(2年・FC府中)がダイレクトで打ち込んだシュートは枠の右へ。中盤以降は大成が押し込みましたが、スコアレスのままで最初の45分間は終了しました。


やや攻め込まれた前半の時間帯にも「そんなに慌ててなかった」と話した山下監督は、後半スタートから1人目の交替を決断。「あそこで1対1で仕掛けられるヤツじゃないとウチのサッカーはできない」という左SHに松本匠平(2年・世田谷砧中)を送り込むと、開始20秒でその松本がドリブルからクロス。結果的にシュートには至らなかったものの、まずは松本が起用された理由をファーストプレーで示すと、47分には副島の左FKがクリアされたボールを羽鳥がダイレクトミドル。コースを変えた奥谷のシュートは櫻井がファインセーブで掻き出しましたが、駒場が勢いを持って後半に入ります。
49分も駒場。片岡のパスを副島が左へ流し、赤土がマーカーをかわして打ったシュートは櫻井がキャッチ。50分も駒場。横パスをかっさらった副島のドリブルミドルは枠の左へ。52分には大成も西尾のパスから林が左足のシュートを枠へ飛ばすも、瀧川ががっちりキャッチ。55分は再び駒場。赤土のドリブルで奪った右FKを副島はマイナスに戻し、走り込んだ五十嵐のシュートは大きく枠を越えましたが、山下監督も「後半は『横パスをうまく繋いでいけ』って言ったら多少できるようになった」と口にした通り、パス回しのテンポが上がった駒場の続く攻勢。
59分は大成に決定的なチャンス。西尾が左へ送ると、都築はそのまま縦に勝負。ゴリゴリ運んで抜け出し、枠へ収めたシュートは瀧川がファインセーブで阻止。63分も大成。左サイド、ゴールまで約25mの距離から櫻井が狙ったFKは、わずかに枠の左へ。一進一退の攻防。どちらに点が入ってもおかしくない時間帯に。
「ウチのヤツもそうだけど、シュート体勢に持っていくとか、シュートのタイミングとかキックの種類が、とっさに判断してできないから」とは山下監督。65分は大成。山田、清水とショートパスが回り、西尾が中央へ入れたボールはDFがクリア。68分は駒場。羽鳥が左FKを縦に蹴り出し、副島のクロスは赤土が頭に当て切れず。71分は大成。清水が粘って粘って残し、桜井が左から折り返したボールはDFがクリア。74分に広範囲に動き回った山田と吉岡航(1年・JACPA東京FC)を入れ替える大成1人目の交替を挟み、76分は駒場。米倉を起点に副島と赤土が関わり、松本のクロスに片岡が突っ込むも、野島裕哉が一瞬速くクリアしてオフェンスファウルに。お互いに可能性を感じるアタックは繰り出すものの、シュートを打ち切れないままに時間が経過していきます。
「やっぱりサイドでメイクできるといいんだけどね」という指揮官の狙いは左サイドで。78分、副島が左へ展開すると、仕掛けた松本はシュート気味のグラウンダーを中へ蹴り込むも、飛び込んだ片岡は届かずゴールキックに。直後には大成も林と森内岬波(1年・横河武蔵野FC JY)をスイッチして、前線のパワーアップに着手しますが、80分も駒場。右サイドで1人振り切った奥谷のミドルは枠の左へ。同じく80分も駒場。左サイドで2度の切り返しを披露した松本のクロスに、宙を舞った片岡のヘディングは枠の右へ。86分は駒場のビッグチャンス。副島のクサビを片岡がダイレクトで左へ落とし、抜け出した松本のシュートは櫻井が落ち着いてキャッチしたものの、「ケガ明けなんだけど仕掛けるから」と山下監督も言及した松本が、チームにもたらす大きな推進力。
何とか勝ち切りたい大成も87分に、濱川、桜井と回った流れから清水がエリア内へ侵入するも、駒場のキャプテンマークを託された伊藤富一(2年・FC東京U-15深川)が的確なカバーから大きくクリア。88分には駒場も2人目の交替として數口直己(2年・Forza'02)を送り込み、最後の勝負へ。90+3分に訪れた、このゲームのラストチャンスは大成。桜井の左FKをDFがクリアしたボールに反応し、頭でシュートを狙った森内がオフサイドの判定を取られると、主審が鳴らしたのはタイムアップのホイッスル。両雄譲らず。お互いに攻め合った好ゲームは双方に勝ち点1が振り分けられる結果となりました。


「全然向こうの方がうまいから、この時期にしてみればそこそこやったかな」と山下監督が話したように、駒場は今年もそう簡単に屈しないしぶとさを既にこの時点で感じさせるチームという印象です。伊藤や副島、片岡など昨年からの主力に加え、「ケガ人も2,3人いるけど、1年生も伸びてくるかな」と指揮官も期待するのびしろのありそうな下級生など、闘える山下軍団は今年も健在。また、大成も守護神の櫻井やキャプテンの濱川を筆頭に、公式戦での試合経験を積んでいるメンバーを多数抱え、ボールを動かしながら前へ進んでいくスタイルはもはや浸透済み。今シーズンのT2を見る楽しみが増えるような、90分間のスコアレスドローでした。      土屋

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