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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2014年12月19日

インカレ準決勝 関西学院大×阪南大@西が丘

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1218nishigaoka.jpgファイナル進出を巡る一戦は、今シーズン4度目の顔合わせとなる西のライバル対決。関西を二分する強豪同士の激突は味の素フィールド西が丘です。
1回目の対戦は5月11日の前期リーグ戦。1-1で迎えた後半アディショナルタイムに香川勇気(4年・滝川第二)のヘディングで阪南大が勝ち越すも、やはり後半アディショナルタイムに関西学院大のキャプテンを務める福森直也(4年・金光大阪)がヘディングを叩き込んでドロー決着。2回目の対戦は5月28日の関西選手権。大学界屈指のストライカー呉屋大翔(3年・流通経済大柏)のドッピエッタで先行した関学大が、阪南大の反撃を1点に抑えて勝利をもぎ取ると、勢いに乗って大会制覇まで。3回目の対戦は11月23日の後期リーグ戦最終節。お互いに2点ずつを奪い合い、後半に関学大が4-2と突き放したものの、最後は後半アディショナルタイムに阪南大が誇る点取り屋の河田篤秀(4年・阪南大高)が執念の同点弾をマークして、結局4-4という壮絶なドロー。いずれも名勝負とも言うべき激闘を、3度に渡って繰り広げてきた関学大と阪南大。「阪南といつもやって、色々反省して修正するとチームがまた1つ強くなっているというような、いつもそういう風に鍛えてもらっている感覚」とこの対戦を評した関学大を率いる成山一郎監督の言葉は、間違いなく両者の共通見解であり、「絶対に決着を付けなくてはいけないし、向こうもそう思っていると思う」と阪南大の須佐徹太郎監督が話したフレーズも、同時に間違いなく両者が抱える決意。東京は西が丘で実現した、関西のライバル同士がぶつかる今シーズンラストマッチは、阪南大のキックオフでその幕が上がりました。


いきなりのファーストシュートは阪南大。1分、DFラインの裏へ抜け出した河田はループシュートをチョイス。何とか戻った関学大のGK村下将梧(3年・東海大仰星)が掻き出したものの、歓喜の瞬間はそのすぐ直後。河田が左から蹴ったCKはDFがクリアしましたが、エリア外から松下佳貴(3年・松山工業)がバウンドを合わせて狙ったボレーはゴール左スミへ一直線に突き刺さります。「全日本大学選抜に選ばれたというのは自分にとって凄く大きいと思うし、阪南でも中心選手としてやらせてもらっているので、責任というのも試合を積み重ねるごとに増えてきた」と語るリーグ戦MVP男が素晴らしいゴラッソを。開始2分で早くも阪南大が1点のリードを手にしました。
5分のチャンスも阪南大。多木理音(4年・ヴィッセル神戸U-18)のドリブルで獲得した左FK。直接狙った河田のシュートはカベに当たり、こぼれを拾った脇坂泰斗(1年・川崎フロンターレU-18)のミドルもDFにブロックされましたが、そのスローインをキャプテンの成田恭輔(4年・清水エスパルスユース)がロングで放り込むと、収めた金村賢志郎(4年・愛媛FCユース)はシュートまで持ち込めなかったものの、まずは先制の勢いそのままに攻勢は阪南。
7分には関学大も小林成豪(3年・ヴィッセル神戸U-18)のクロスから、こぼれを叩いた福冨孝也(3年・宝塚北)のボレーは枠の右へ。サイドまではボールを運べる中で、「単純にボールのスピードもクロスのスピードも遅い」と成山監督も話したように、クロス精度に欠けてしまい、迫力をなかなか打ち出せず。「立ち上がり早々に失点してしまって、そこからずっと相手のペースになってしまった」とは福森。攻撃のギアを上げ切れません。
18分は阪南大。CBの香川が左のハイサイドへ落とすと、上がってきた成田のダイレクトシュートは枠の上へ。22分は阪南大のビッグチャンス。河田がドリブルから左へ流し、カットインしながら枠へ飛ばした多木のシュートは、村下が何とかファインセーブで回避。「シンプルに裏も付けて、良い感じでゲームを運べているかなと思った」と松下。ゲームリズムは明らかに阪南大。
30分には松下を起点に重廣卓也(1年・広島皆実)が左へ回すと、河田が縦に加速しながら中央へ折り返したボールに、走り込んだ重廣はシュートを打ち切れなかったものの、ここも阪南大がチャンスを創出しましたが、この前後からようやく関学大にもボール回しにスムーズさが。「相手にボールを保持される時間が前半の途中から長かった」(須佐監督)「なかなかゴール前でシュートシーンは創れなかったけど、落ち着いてボールは持てていた」(成山監督)と両指揮官が声を揃えたように、関学大がポゼッションする時間を伸ばしながら、ジワジワと相手陣内へ侵食していきます。
38分は関学大。ボランチの徳永裕大(2年・ガンバ大阪ユース)が左へ回すと、スタメンに復帰した小幡元輝(4年・名古屋グランパスU18)は低空の高速クロスを中へ。ニアへ突っ込んだ呉屋のダイレクトシュートはやや厚く当たってしまい、ボールはクロスバーを越えたものの、決定的なシーンを1つ。42分も関学大。右から井筒陸也(3年・初芝橋本)がFKを放り込み、ファーでトラップした福森のシュートはわずかにゴール右へ。44分も関学大。池田優真(3年・作陽)のパスを小林が左へ繋ぎ、左足アウトでのトラップから中央へ切れ込んだ小幡の右足ミドルは大西がキャッチしましたが、「阪南も強いし、前半の集中している時にそんなに決定的なチャンスを創れるとはこっち側も思っていなかったので、0-1はまったくの許容範囲内」と成山監督。開始2分以降はスコア動かず。阪南大が1点のアドバンテージを確保して、最初の45分間は終了しました。


後半のファーストチャンスは阪南大。48分、ショートコーナーから脇坂のリターンを受けた松下の右クロスは、中と合わずにゴールキックへ。49分も阪南大。松下が右のハイサイドへ短く出すと、角度のない位置から金村が狙ったミドルはクロスバーを越えましたが、追加点への意欲を立ち上がりに滲ませます。
そんな中、やはり前半からのリズムは関学大も継続。51分に小幡が右へ送り、池田がカットインしながら狙った左足ミドルは大西がキャッチ。55分に小幡が裏へ落としたボールは、走った小林より一瞬早く飛び出した大西がクリア。56分にも原口を起点に呉屋が左へ繋ぎ、小林が放ったシュートはDFがブロック。57分には阪南大も河田が30m近い距離からのFKを枠内へ打ち込みましたが、村下が確実にキャッチすると、57分も関学大。小林の強烈なミドルは枠を捉え、一旦弾いた大西が懸命にキャッチ。「後半徐々に自分たちの流れになっていった」と福森。押し切りたい関学大。
「中盤でやっぱり主導権を取れないと、なかなか阪南を崩すのは難しいと思った」成山監督の決断。58分に徳永を下げて投入したのは、クォーターファイナルで決勝弾を叩き込んだ森俊介(2年・東山)。「今日は切り札的に考えていた」レフティを右SHへ送り込み、その位置にいた池田は2.5列目にスライド。福冨がアンカー気味に中央へ残る、「1点ビハインドで一番取れる並びかなと思った」(成山監督)4-1-4-1気味の布陣で、勝負に出ます。
62分には須佐監督も1人目の交替を。金村を下げて外山凌(2年・前橋育英)を送り込み、やや差し込まれる展開の中で、サイドへ流れる河田へのロングボールが増えた流れを受け、「そこにもう1人追い越して行って、そこをさらに追い越して」という狙いをピッチへ。65分には成田、脇坂と回ったボールを、河田は反転しながらシュートまで持ち込み、村下が何とかキャッチ。66分には2人目の交替として、脇坂と山口一真(1年・山梨学院大附属)を入れ替えると、69分には決定的なシーン。康の右ロングスローがこぼれ、多木がシュート気味に入れた速いクロスに、河田が至近距離からワンタッチで反応したボールは関学大ゴールを襲うも、村下が驚異的な反応でキャッチ。追加点を取り切れません。
輝きを放った「関学のホットライン」(福森)。72分、井筒の右CKはDFに弾き返されたものの、ルーズボールも関学が奪取。福冨、池田と回ったボールを、小幡は高速クロスでニアへ。ここで待っていたのはもちろん呉屋。ヘディングでコースを変えたボールは、ゴール右スミを確実に捕獲します。「あの2人のラインは心強いというか、一番点になる確率が高いですから、本当に常に信じているしかないですけど良いゴールでしたね」と成山監督も珍しく相好を崩した貴重な同点弾。関学大がスコアを振り出しに引き戻しました。
「相手の攻撃も単調だったので何の問題もないと思っていたけど、まさかあそこで呉屋を空けるとは...」と嘆いた須佐監督。ただ、選手たちは「失点してからみんなの方向性がバラバラにならないように1回集まって、攻撃のやり方とか確認できたので、焦り自体はそんなになかった」と松下。「ノリノリやったんですけど、ここはもう1回引き締めて、得失点後はとにかく前に蹴るというのは関学のサッカーなので、そこは徹底できた」と福森。お互いのメンタルにブレはなし。残されたのはいよいよラスト10分とアディショナルタイムのみ。
80分は阪南大の決定的なシーン。康が付けたボールを河田は裏へラストパス。抜け出した山口のシュートは、しかし村下がファインセーブで仁王立ち。直後のCKを松下が蹴るも、このボールは呉屋が懸命にクリア。82分は関学大。福冨が左から入れたCKはDFが大きくクリア。84分は阪南大。成田が粘って運び、河田のシュートはDFにヒット。松下がすかさず叩いたシュートは、DFをかすめて枠の上へ。そのCKを左から河田が蹴り込むと、こぼれを拾った重廣の左アーリーに、舞った甲斐健太郎(2年・立正大淞南)のヘディングはわずかにクロスバーの上へ。86分も阪南大。「このチームが好きなので、チームのことを第一に考えてサッカーをやりたいと思っている」と準々決勝後に語った成田の強引なミドルもクロスバーの上へ。「キツい時とか苦しい時に、どれくらいできるのかがチームの地力」(成山監督)。走り切れるのは、やり切れるのは、関学か、阪南か。
「本当に自分たちの理想の得点」(福森)。87分、ショートカウンターから福森が縦に入れると、受けた呉屋は迷わずラインの裏へスルーパス。池田は「ずっと試合前からやっていこうと話していた」(福森)斜めの飛び出しから、完全にラインブレイク。飛び出したGKとの1対1も冷静に左を抜いて、ボールをゴールネットへ送り届けます。関学。関学。最終盤の堂々たる逆転弾。関学大がこの土壇場でとうとうスコアを引っ繰り返しました。
一転、追い込まれた阪南大。90分には重廣を下げて、長身FWの前田央樹(2年・アビスパ福岡U-18)をピッチへ解き放ち、何とか追い付きたい執念を前面に。大西が自陣から蹴ったFKはゴール前で混戦を生み、河田が頭で狙ったシュートは村下がしっかりキャッチ。アディショナルタイムの掲示は3分。180秒の攻防。
90+1分に関学大は2人目の交替カードを。殊勲のゴールを奪った池田を堀尾侑司(3年・セレッソ大阪U-18)とスイッチして、試合を終わらせに。池田に注がれる大きな拍手。90+2分は阪南大。康が右からロングスローを投げ込み、こぼれを再び康がクロス。香川が懸命に収めに行ったボールは、コントロールし切れずにゴールキックへ。そして、村下が前方に大きく蹴り出すと、鳴り響いたタイムアップのホイッスル。「90分とか延長とかPK戦とかはどうでもいいから、とにかく勝てればいいと思っていた」という成山監督の執念実る。関学大が関西決戦を制して、同校初のファイナルへ勝ち上がる結果となりました。


掛け値なしの好ゲームでした。試合後に福森が開口一番「メチャメチャ強い相手やったなと思います」と話した感覚は、確実に両チームのイレブンが感じたことでしょう。勝敗を分けたのは本当にディテールの部分でしたが、そのディテールでより相手の小さな隙を見逃さなかった関学に、今回は軍配が上がったのかなと。ファイナルは小林と徳永が警告累積で出場停止になりますが、そのことを問われた福森は「確かにずっと今までチームの中心としてやってきた選手なので、痛いと言えば痛いんですけど、サブの選手が常にいつ自分が出てもいいように準備してきてくれていますし、そういう意味で誰が出ても同じようなパフォーマンスをできる自信が関学にはある。替わりに出た選手が自分の特徴を出して、その選手の特徴も周りが理解しているので、彼らの特徴を生かすことができれば、また違った強い関学を見せられると思います」と確固たる決意を。「決勝で勝つために1年間全部員で取り組みをしてきたので、決勝とかというよりも、勝った時にみんなで喜ぶということだけ想像して、しっかり準備していきたいと思う」と成山監督。147人の総力を結集して21日、関学大が最後の1試合に挑みます。         土屋

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