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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2014年12月20日

Jユースカップ準決勝 G大阪ユース×FC東京U-18@長居

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1220nagai.jpg日本一を視界に捉えた強豪が鎬を削る大阪冬の陣。Jユースカップもいよいよセミファイナル。関西の青黒と首都の青赤が激突する一戦はヤンマースタジアム長居です。
大会最多となる4度の優勝を経験している名門も、最後に頂点に立ったのは宇佐美貴史や大塚翔平を擁して、ファイナルの大阪ダービーを制した6年前。以降は夏も冬も日本一まで"あと一歩"が遠いG大阪ユース。今年もクラ選は全国ベスト8、プレミアWESTは2位と、やはり"あと一歩"の所まで。今大会は大分U-18と競り合いながら首位通過した予選リーグを経て、仙台との撃ち合いを3-2でモノにすると、難敵の京都U-18をPK戦で下してこのステージへ。トップチームの三冠達成は「現地で応援しに行きたいという気持ちを抑えて、この大会にコンディションを合わせるということでトレーニングをした」(梅津博徳監督)ためにクラブハウスのTVで。狙うはトップに続く王座奪還。その1点のみです。
過去10年で4度のファイナル進出は広島ユースと並んで最多タイ。今年のクラ選でも準優勝に輝くなど、伝統的にノックアウトコンペティションに強さを発揮してきたFC東京U-18。浦和ユース、水戸ユース、大宮ユースと同居した激戦のグループを全勝で抜け出した今大会は、決勝トーナメント1回戦で実現した横河武蔵野FCユースとの"ダービー"に2-0で競り勝ち、大分U-18との熱戦もウノセロで制して無失点でセミファイルまで。「本当に自分たちで主体性を持って取り組める集団」(佐藤一樹監督)が、月曜日に広島の地で決めたプレミア昇格の余勢を駆って、一気に5年ぶりの頂点を目指します。決戦を控えた長居の上空は鈍色。ユース界を代表する2チームの東西決戦は、東京のキックオフでスタートしました。


ファーストシュートはG大阪。2分、堂安律(1年・ガンバ大阪JY)が左から蹴ったCKは大熊健太(2年・FC東京U-15深川)にクリアされましたが、再び奪った左CKも堂安が蹴ると、こぼれを拾った市丸瑞希(2年・ガンバ大阪JY)は左クロス。合わせた前谷崇博(3年・グランセナ新潟FC JY)のヘディングは東京のGK伊東倖希(3年・FC東京U-15深川)がキャッチしましたが、1つフィニッシュまで。4分に初瀬亮(2年・ガンバ大阪JY)が入れた右FKも伊東にキャッチされたものの、まずはセットプレーからG大阪がチャンスを窺います。
10分もG大阪。市丸が左へ送ると、初瀬はDFラインの裏へシンプルに。走った妹尾直哉(3年・津ラピドFC)のシュートは、寄せた高田誠也(3年・FC東京U-15むさし)がブロックするも、流れの中から惜しい形を。13分には東京も安部柊斗(2年・FC東京U-15むさし)が高い位置で奪い、左へパスを通すも蓮川雄大(3年・FC東京U-15深川)がオフサイドに。14分も再びG大阪。岩本和希(2年・ガンバ大阪JY)がスルーパスを通すと、高木彰人(2年・ガンバ大阪JY)の25mミドルは伊東がキャッチしましたが、「凄く良いボールの動かし方をしてくる」と佐藤監督も言及したG大阪に傾くゲームリズム。
18分もG大阪。縦のクサビを高木が落とし、堂安が右へ振り分けたボールを妹尾はシュートまで持ち込むも、DFに当たったボールは伊東がキャッチ。19分もG大阪。初瀬の思い切った右足ミドルは枠の右へ。20分は東京のアタック。相手のクリアに食らい付いた長澤皓祐(3年・横河武蔵野FC JY)が残し、浮き球で1人かわした大熊のボレーは枠の上へ外れるも、ようやくファーストシュートが記録されます。
ただ、手数はG大阪が多く繰り出すも、全体的には「お互いちょっと牽制するような、どういう出方をするのか見合っている時間帯」(佐藤監督)が続いた流れの中、東京も最終ラインではボールを回す時間をきっちり創出。それでも、「しっかり横でラインを作って、間も切ってきていたので、縦に通すということは難しかった」とその3バックの左を務める大西拓真(3年・FC東京U-15深川)が振り返ったように、縦へのスイッチはなかなか入らず。29分には岡崎慎(1年・FC東京U-15深川)を起点に、高橋宏季(3年・FC東京U-15むさし)が裏を突いたパスは、ここも蓮川がオフサイドに。「みんなでオフサイドを取ろうということは喋っていなくて、ラインを高くしようという中で結果的にオフサイドになったかなと思う」とはG大阪のゴールを守る林瑞輝(3年・ガンバ大阪JY)ですが、吉岡裕貴(2年・ガンバ大阪JY)と前谷で組むCBを軸にラインコントロールもしっかりと。
15分近く双方にシュートがなく、膠着してきた展開をフィニッシュで打破したのはG大阪。36分、妹尾のパスから堂安が左サイドを運び、枠に収めたシュートは伊東が何とかキャッチしましたが、久々のチャンスを生み出すも、この前後からはボール回しが縦方向に向き始めた東京にリズム。40分には小山拓哉(2年・FC東京U-15むさし)と蓮川の連携で奪った左CKを長澤が短く蹴り出すと、安部のリターンを上げ切った長澤のクロスは林がパンチングで回避し、最後はオフェンスファウルになったものの、CKの獲得も含めて悪くないチャンスを。「前半の終わり際にちょっと劣勢になった時には、前との呼吸が合わずに、前だけ奪いに行って剥がされた」と梅津監督。ここに来て訪れた東京の時間帯。
41分も東京。「こういうビッグマッチになったら、何か仕事をしてくれるクオリティを持っているので、そこに期待をして」佐藤監督がスタメンで送り出した佐々木渉(3年・FC東京U-15むさし)が左へ付け、ドリブルでエリア内へ侵入した蓮川はDFともつれて転倒するも、主審の笛は鳴らず。45+1分も東京。大熊のショートパスを受けた佐々木はここも左へ好パスを配球するも、蓮川の飛び出しはまたもオフサイド。双方に決定機は訪れず。前半はスコアレスで45分間が終了しました。


15分間のハーフタイムを挟み、迎えた後半は東京が先手。46分、高い位置でボールカットした佐々木がそのまま左へ振り分けると、縦に運びながら左足で狙った蓮川のシュートは林が何とかセーブ。49分はデザインされたセットプレー。右からグラウンダーのCKを長澤が蹴り入れ、大西がスルーしたボールは蓮川へ。右に持ち出して対角に打ったシュートはゴールネットを揺らしたものの、トラップの時点で蓮川がハンドを取られてノーゴール。とはいえ、プレミア参入戦でも披露したセットプレーであわやというシーンを創出するなど、前半終盤に引き寄せた勢いはいまだ東京に。
51分はG大阪。左寄り、ゴールまで約30mの位置から山﨑拓海(3年・ガンバ大阪JY)が直接狙ったFKは枠の右へ。52分もG大阪。堂安がミドルレンジから思い切って叩いたシュートは、DFをかすめてゴール右へ。一進一退の状況が続く中、先に動いたのは佐藤監督。57分に佐々木を下げて渡辺龍(3年・FC東京U-15深川)を送り込み、「ずっと調子良く来ていてモビリティが凄く出て来るので、ちょっと前を活性化したい」(佐藤監督)狙いをピッチへ注入します。
59分は東京。大熊と小山のパス交換から、小山が上げたクロスへニアに渡辺が突っ込むも、シュートはDFのブロックに遭って枠の左へ。60分はG大阪の決定的なシーン。妹尾のパスから堂安が体を張って繋ぐと、高木の決定的なシュートはしかし枠の右へ。頭を抱えたイレブンとベンチ。絶好の先制機を逃してしまいます。
『ピンチの後にチャンスあり』の格言そのまま。62分、岡崎のパスを右サイドで受けた長澤は加速、加速。マーカーをぶっちぎって中央へ速いクロスを蹴り込むと、ここに突っ込んできた渡辺は右足のダイレクトボレーで、ボールをゴールネットへ突き刺します。ジョーカー役を託された途中出場の11番が、重要な一戦で期待通りの大仕事。東京がスコアを動かしました。
さて、「ビッグチャンスを外した展開の後にすぐ点を取られるというのが、まだこのチームの甘さかなという風に思う」と梅津監督も渋い顔のG大阪。67分に右から堂安が入れたCKを、クリアしようとしたDFのヘディングが枠を襲い、伊東が間一髪で掻き出したものの、あわやオウンゴールという局面が。直後の左CKから最後は堂安が叩いたボレーもクロスバーの上へ。逆に70分は東京。蓮川が縦に出したボールは、オフサイドラインを越えていた渡辺が関与せず、蓮川が自ら拾って縦へ。抜け出して放ったシュートは林が弾き出しましたが、「1-0で勝っていたら相手は取りにくるので、そうしたらこっちの奪ってからの素早い攻撃でもう1点取れるというのもある」と佐藤監督。同時に「9番の選手に入った時にリズムが上がるというのは前半の立ち上がりでわかって、みんなあそこはボールプレッシャー、カバーに行こうというのは早い段階から言っていた」と林が話し、「向こうのストロングではあると思うんですけど、ウチの右SBもストロング」と梅津監督も触れたように、G大阪の右SBを務める吉村弦(3年・高槻FC)に粘り強く封じ込められていた蓮川の推進力も生きる展開に。試合は俄かに活気を帯びてきます。
梅津監督の決断は71分。1人目の交替は「最初は妹尾やったんですけど、ちょうど交替までの時間があったので閃いた」と妹尾ではなく堂安を下げて、平尾壮(3年・川上FC)を投入すると、采配的中はその5分後の76分。市丸が右サイドへ展開したボールを、上がってきた吉村はフリーでクロス。「ニアを相手が閉じてきているなと前半から思っていたので、引いたら来るかなと思ったら来た」という妹尾がダイレクトで叩いたボレーは、ゴール右スミへ吸い込まれます。「練習でも右サイドの弦君のクロスに合わせるのは意識してやっているので、自分の動きに対してよく合わせてくれたと思います」と話す14番の同点弾に、「(交替カードを)書き換えて良かったです」と笑った梅津監督。スコアは振り出しに引き戻されました。
「点を取った後は相手も前にガンガン来ますし、少しラインを下げてという風にしようと思っていたんですけど、相手が前にどんどん来た時に意思統一があまりできていなかった」と悔しい顔は大西。79分は東京。蓮川のドリブルは一旦ストップされましたが、拾った渡辺のクロスを前半から奮闘の目立っていた大熊が合わせ、ボールはクロスバーを越えたものの、「思いのほかボールが動かせるような雰囲気だった」とチームを評した佐藤監督。天下分け目の大阪冬の陣は、残された10分間とアディショナルタイムで決着を見るか否か。
85分はG大阪。初瀬と平尾で奪った左CKを平尾が蹴るも、飛び出した伊東が懸命にパンチングで阻止。88分もG大阪。吉村の右クロスを高木が必死に収め、持ち込んだシュートはDFに当たって伊東がキャッチ。88分は東京。プレミア参入戦の試合後に「最後2試合勝って、笑って卒業したいと思います」と決意を語った蓮川が左サイドをぶち抜き、中への折り返しを渡辺が狙うも、ボールはクロスバーの上へ。譲らない、譲りたくないファイナルへの切符を巡る攻防もクライマックス。果たして青黒か、青赤か。
90分の絶叫。市丸がバイタルへ入れたボールは、「市丸くんが外を見ながら中へ入れてくれたので、そのタイミングでちょっと引いたらディフェンスが引っ掛かった」と話す妹尾がまったくのフリーでターン。前を向いた妹尾は「ちょっと遊び心を持って」ノールック気味に縦へスルーパスを通すと、GKと1対1になった高木のシュートはゴール左スミへ飛び込みます。「プレミアとかを戦ってきた中で、ウチが点を取れなかった試合がほとんどなくて、そういう今までの経験で点が取れることはわかっていた」と胸を張ったのは林。青黒の鮮やかな逆転劇はここに完結。最後は中村文哉(3年・スポーツクラブ岐阜VAMOS)、阿部勇輝(3年・ガンバ大阪JY)と3年生を相次いで送り込み、アディショナルタイムも潰し切ったG大阪に凱歌。劇的な勝利でファイナルへと駒を進める結果となりました。


「ちょっと後半は運動量が落ちたのかなというのはありますけど、悲観するようなサッカーじゃなかったと思いますし、今シーズン通じて取り組んでいたことがガンバさん相手に発揮できたんじゃないかなと思っている。良いサッカーが出せたのかなと思います」と佐藤監督も語った東京は、先制しながらも悔しい逆転負け。大西は「ガンバは全員うまくて一生懸命やってくるチームで、甘くないというのはわかっていたんですけど、やっぱり最後は実力の差が出たのかなと思います」と話しましたが、勝敗は本当に紙一重。最後まで素晴らしいゲームを見せてくれたのではないでしょうか。「1年間を振り返ると、結果が出た1年だったのかなと思いますし、チームメイト全員やスタッフにも感謝の気持ちでいっぱいです」と口にした大西は、「最初から監督は球際の部分を強く言っていて、僕も練習中からそういう部分は言うようにしていたんですけど、ウチは球際とかで戦うチームだと思うし、そこは僕たちの強みなので、そういう部分はこれからも続けて欲しいです」と続けて後輩にエールを。「今年の3年生は僕がこのチームに来て、1年、2年、3年と一緒に過ごしてきている"同時入学"なので、本当に思い入れもあるし、最後のロッカーでも言いましたけど、『ありがとう』という所は正直あります」と選手に感謝を述べた佐藤監督の下、伝統の"球際"を取り戻した彼らに大きな拍手を送りたいと思います。
「ああいうゲームを今年1年ずっとやってきた中で、悪くないけど勝ち切れない部分も含めて、我慢できるようになってきたというのはある中で、今日は我慢できたかなというのはあります」と梅津監督も評価したG大阪は、苦しい展開を強いられながらもメンタルの強さを発揮しての見事な逆転勝利。守護神の林も「先制された時にチーム全体として全然慌てていなかったので、こういう結果になったのかなと思います」と笑顔でゲームを振り返ってくれました。最後の1試合へ臨むに当たって、彼らの脳裏に浮かぶ記憶は2年前のファイナル。「2年前の決勝で負けた時は自分はベンチにも入れずにスタンドで見ていて、凄く悔しい想いをしたので、最後の大会でこのメンバーでできるのもラストになってしまうから、もっとやりたいという気持ちで試合に臨みました」と妹尾が話せば、「2年前は自分もチームとして戦っていた中で凄い悔しくて、その時の先輩方の涙を見てきたので、僕たちがその分も借りを返せたらいいなと思っています」と林も決意を口に。「狙うしかない」と指揮官も言い切った、トップに続く"4冠"へ。大阪は長居の空に、青と黒を纏う戦士たちの歓喜はこだまするのか。すべては23日に決着の時を迎えます。        土屋

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