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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2014年10月07日

高校選手権東京A2回戦 都立東大和×関東第一@駒沢第2

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1004koma2 4.jpg3年前に西が丘で激突したカードのリターンマッチ。各校が警戒する都立の実力派が過去3年で2度ファイナルへ進出している強豪に挑む一戦は、引き続き駒沢第2です。
ここ2年は無念の地区予選敗退。今回が前述した西が丘進出以来、3年ぶりの都大会進出となった都立東大和。インターハイ予選は1次トーナメントで2勝をマークしながらも、決勝で都立野津田に屈して2次トーナメント進出はなりませんでしたが、今大会の1次予選は3試合で16ゴールという圧倒的な攻撃力を発揮して勇躍都大会へ。1回戦では桐朋を1-0で退け、このステージまで駆け上がってきました。
後半終了間際に2点のビハインドを追い付きながら、最後はPK戦で屈したファイナルは3年前。終始主導権を握りながら、後半終了間際の失点で涙を呑んだファイナルは2年前。昨年は一転、初戦で都立国分寺に敗退を余儀なくされるなど、悲願とも言うべき全国の舞台が遠い関東第一。「今年は最終学年なので、1年生の時に3年生が西が丘へ連れて行ってくれた分、今度は自分の番かなと思っている」と決意を口にしたのはキャプテンの角口大征(3年・FC府中)。西が丘を、そしてその先を目指す戦いはここからスタートします。第4試合はスタンドにもほとんど空席なしの大入り満員。16時ジャストにゲームの幕が上がりました。


先にシュートを放ったのは東大和。5分、中盤で浮き球に反応した中村圭佑(2年・八王子松が谷中)がミドルにトライ。ボールはクロスバーを越えましたが、積極的なチャレンジに沸き上がる応援団。6分には関東第一も反撃。左サイドを佐藤勇斗(3年・VIVAIO船橋)が得意のドリブルで運び、高橋快人(2年・PBJ)を経由したボールを鈴木隼平(2年・Forza'02)が打ち切ったシュートは枠の上へ外れたものの、まずはお互いにフィニッシュを取り切って立ち上がります。
すると、早々に動いたスコア。動かしたのは新小岩のカナリア軍団。6分、最終ラインでボールを持ったCBの吉田滉(3年・ナサロット)がシンプルにフィードを送ると、抜け出した高橋はGKと1対1に。落ち着いて浮かせたループは綺麗な弧を描いて、ゴール左スミへ弾み込みます。「アレはよく決めてくれたと思う」と評価した小野貴裕監督のスタメン起用に応える2年生ストライカーの先制弾。関東第一が1点のリードを手にしました。
畳み掛けたイエロー。11分にも高橋、佐藤と繋ぎ、左へ開いた尾山直己(3年・クリアージュFC)の折り返しを、高橋が合わせたダイレクトシュートは枠の右へ外れましたが、直後に輝いたのは腕章を巻いた9番。14分、相手の横パスをかっさらった角口は「前を見て誰もいなかったので、自分で行けるかなと思って」少し運ぶと、そのままミドルレンジからシュートを選択。ボールは左スミをきっちり捉え、ゴールネットへ突き刺さります。「端に低いシュートを狙ったら、うまく入ってくれた。狙い通り」と本人も納得のゴラッソ。あっという間に点差は2点に変わりました。
さて、早くも追い掛ける展開を強いられた東大和は、CBの堀口翔(3年・青梅吹上中)と大和田恭平(3年・T.F.C.STOLZ)に、ドイスボランチの井ノ口純希(3年・東京久留米FC U-15)と吉野健太(3年・AZ'86東京青梅)も絡んで、後ろからしっかりビルドアップしながらサイドへという狙いを鮮明に示す中、17分にはSBの竹田勇飛(3年・FC Branco八王子)が絡んで奪ったスローインを、川口一輝(3年・小平第三中)はロングで放り込むも、DFがしっかりクリア。20分にはSBの遁所直史(3年・国立第二中)がアーリークロスを入れると、DFに挟まれながらCFの大庭哲朗(3年・国分寺第五中)が当てたヘディングは、関東第一のGK岸将太(3年・松戸クラッキス)がキャッチ。右ウイングの志村陽平(3年・東村山第三中)にボールが入った時は少しスイッチが入る雰囲気もあったものの、なかなかエリア内までは侵入できません。
すると、26分に記録されたのは追加点。右から佐藤が蹴ったCKのこぼれを坂東智也(3年・VIVAIO船橋)が拾い直し、再び佐藤が左足で上げたクロスへ突っ込んだのは鈴木。DFと競り合いながら頭で押し出したボールは、ゴール右スミへ飛び込みます。テクニシャンの2年生が泥臭く決めた一発で、さらに点差が開きました。
29分は東大和。井ノ口のスルーパスを引き出し、右サイドを抜け出した大庭のドリブルシュートは枠の左へ。36分も東大和。井ノ口が右へ振り分け、ここも遁所がアーリークロスを蹴り込むと、ここも大庭がヘディングで枠へ収めましたが、岸が抜群の反応で掻き出すファインセーブを披露。「後ろは3枚か4枚かアバウトな感じでビルドアップしていたので、こちらの後ろの8枚に関してはブロックをきっちり作った」と小野監督が話し、「周りのドリブルを生かすために自分が守備で貢献しようと考えていた」と尾山も語ったように、一定のリスク管理は怠らなかった関東第一を崩し切るまでには至りません。
決定的な一撃はセットプレーから。40+2分に坂東と鈴木の連携で奪った関東第一のFK。右寄り、ゴールまで約20mの距離からスポットに立った角口は、「何かわからないけど自信があったので、ここは蹴らせてくれ」と志願して直接狙うと、ボールはGKの届かない右スミを完璧なコースで撃ち抜きます。「FKの練習は少ししかしていないんですけど」と明かしたキャプテンはこれでドッピエッタ。関東第一が大量4点のアドバンテージを手にした格好で、最初の40分間は終了しました。


「必ず後半の最初の1点でどっちに転ぶかという話は言ってあった」と話す小野監督は、ハーフタイムに1人目の交替を決断。佐藤に替えてドリブラーの音泉翔眞(3年・VIVAIO船橋)を送り込むと、後半の"最初の1点"もやはり関東第一。44分、鈴木の右CKは跳ね返されるも、もう一度右から中へ入れると、高橋が競ったこぼれに飛び付いたのは吉田。「公式戦になると自分たちのサッカーができないこともあると思うので、セットプレーから点を取ることも大事になってくると思う」と角口が言及したセットプレーから3年生CBが難なく押し込み、スコアは0-5となりました。
52分には10番を背負う井ノ口がケガを負ってしまい、和田湧也(3年)との交替を余儀なくされた東大和は、何とか1点ずつ返していきたい所ですが、45分に交替で入っていた小林廉(3年・FC Branco八王子)と川口の両ウイングを生かして攻撃したいものの、シュートまで持ち込む形は創出できず。「東大和さんは広げて広げてというのがウリなので、それを広げられないようにしたいなというのがあった」(小野監督)という相手の守備にもハメられ、押し込まれる時間が続きます。
60分は関東第一。右SBの阿部凌雅(3年・VIVAIO船橋)を起点に、「後半に入って持てるようになって、どんどん自分のペースでパスが出せるようになった」という尾山が左へ振り分け、音泉が狙ったミドルはわずかに枠の右へ。68分も関東第一。高橋のパスから音泉が繋ぎ、鈴木が枠へ飛ばしたシュートは東大和のGK西康太(3年・FC VIGORE)がファインセーブで応酬したものの、落ちない関東第一のギア。
68分に東大和が川口と佐藤英明(2年・八王子松が谷中)を入れ替え、70分には関東第一も高橋と尾山に替えて石川喬一(3年・Forza'02)と戸室公輔(3年・クリアージュFC)を投入し、CBで奮闘した立石爽馬(1年・フレンドリー)をボランチに上げて、再び全体のバランスを整えると、次のゴールも後者に。71分、左SBの菊地優生(3年・三菱養和調布JY)が短く付けたボールを、受けた音泉は2人のマーカーの真ん中をぶち抜き、中央へ優しいラストパス。潜った鈴木がきっちり押し込み、自身ドッピエッタとなる6点目。
さらに関東第一が二瓶亮(2年・江東葛西第三中)を、東大和が石原快(3年・TACサルヴァトーレ)をそれぞれ送り込み、迎えたアディショナルタイムに飛び出したトドメの一撃。80+3分、中央でボールを持った石川がスルーパスを繰り出すと、音泉のシュートはカバーに入ったDFも及ばず、ゴールネットへ到達して7点目。「今年3点以上取ったのは初めて。リーグ戦でも3点止まりくらいになっていて、そこを何とかもうちょっと点数を取れるようにしたいなと思って頑張ってきた」と小野監督も話した関東第一が今季チーム最多となる7ゴールを叩き込み、2年ぶりのベスト8進出を勝ち獲る結果となりました。


「去年は1回戦で都立に負けてというのがあったので、今年も都立相手で少し不安もあったけど、1回戦から戦っているチームでに勢い負けしなかったことが良かったことだと思う」と角口が話したように、おそらくはみんなが持っていた昨年の嫌なイメージを払拭することに成功した関東第一。しかも、「攻撃はアイデア出ないものは出ないので、そこは辛抱強くやってきた所もあった」(小野監督)という攻撃面で、7ゴールという成果が出たことも大きなプラス材料であることは間違いありません。「自分たちはまだ東京の壁を超えられていないので、そこを超えられるようにやっていきたい」と角口が意気込むと、尾山も「全国に出て、自分たちの代で歴史を塗り替えたい」とキッパリ。次はインターハイ予選のリターンマッチ。相手は昨年の覇者・修徳です。       土屋

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