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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

Jリーグレポート 2014年09月02日

J2第29節 岐阜×東京[email protected]長良川

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DSC_0316.jpg夏休みのラストマッチは緑をチームカラーに持つ両者がぶつかる"グリーンダービー"。上昇あるのみ。12位と20位の一戦は長良川です。
前節は福岡相手に6試合ぶりの黒星を喫したものの、昇格プレーオフ圏内の6位に付ける大分とは勝ち点6差。まだまだ目標とするJ1への扉は十分に開かれている岐阜。懸案だった夏場、7月と8月の成績はむしろそれまでより向上しており、この試合も川口能活、宮沢正史、高地系治、太田圭輔、難波宏明と5人の"オーバー30"がスタメンに名を連ね、「これだけ年齢が高くても全然ファイトできている」(高地)ことを改めて見せ付けるべく、8月最後の90分間に臨みます。
22節の磐田戦で難敵を相手に2ヶ月ぶりの勝利を収めると、その後も松本とドロー、京都に勝利と、真夏の7月攻勢を掛けた東京V。連敗スタートとなった8月も、前々節は水戸を破り、前節は横浜FCに引き分け、残留争いからは一気に抜け出した感も。こちらは岐阜と対照的にスタメン11人の平均年齢がジャスト22歳。その内の7人は下部組織出身ということもあり、真の"緑"を名乗る意味でもこのゲームは負けられません。浴衣姿の女性や子供も目立つ長良川には7178人の大観衆が。夏の終わりを彩る一戦は東京Vのキックオフでスタートしました。


立ち上がりから勢い良く飛び出したのは岐阜。1分に早くも高地の高精度FKが東京Vゴール前を襲うと、2分にも太田のドリブルで獲得した右CKを高地が蹴り込み、DFのクリアに遭ったものの、前への意識を鮮明に。4分には東京Vも杉本竜士が川口にキャッチを強いるミドルを枠内へ打ち込みましたが、まずは岐阜が前節の敗戦を払拭すべく、積極的な姿勢でゲームへ入ります。
5分に大きく沸いたスタンド。中央でボールを収めた難波のポストから、高地が左へ絶妙なスルーパス。走った難波は躊躇なくシュートを放ち、揺れたゴールネットを見たメインスタンドは大歓声に包まれますが、ボールが突き刺さったのはサイドネットの外側。素晴らしいフィニッシュワークも先制とはいきません。
ただ、ペースは以降も岐阜。9分に高地が蹴った左CKから、阿部正紀が狙ったヘディングはこの日がJリーグデビューとなった東京VのGKポープ・ウィリアムにキャッチされるも、難波とナザリトへ入れるシンプルなボールで攻撃のリズムを掴んだホームチームへ19分に訪れた歓喜。中盤左サイドでのボール奪取から難波が中へ送り、太田は再び左へ。開いた難波が右足でクロスを流し込むと、DFが懸命にクリアしたボールは太田の足元へ。「きっちりと決めることだけ考えて」丁寧に蹴ったボールは、ゴール左スミへ飛び込みます。10試合ぶりのスタメン出場となったゲームで、「早く決めたいと思っていたので狙っていた」一撃は移籍後初ゴール。ホームチームが1点のアドバンテージを手にしました。
25分にも難波が左ポストを直撃するシュートを放つなど、岐阜のゲームリズムが続く中、東京Vが創った決定機はセットプレーから。28分、安在和樹の左FKが右サイドにこぼれると、粘って収めた杉本は縦に持ち出しながらクロス。このボールは中央のニウドにドンピシャで合いましたが、フリーで当てたヘディングはクロスバーの上へ。直後の29分にもポープが蹴り出したボールがそのままラインの裏へ抜け、飛び出した安西幸輝が前に出た川口の鼻先で右足を伸ばすも、ボールはわずかに枠の左へ。「決定的な場面を決めることができれば、また少し違った展開になっていたとは思う」と話したのは三浦泰年監督。すなわち、苦しい展開を変えることができません。
37分には中央、ゴールまで約30mの位置から杉本が直接FKをクロスバーの上へ外すと、「相手のアプローチに対しては、もっと落ち着いて回すことができると自分は思っている中で、リズムがなかなか掴めなかった」と判断した三浦監督は配置転換を敢行。右SHに入っていた安西を右SBへ、右SBの田村直也をCBへ、CBのキム・ジョンピルをボランチへ、ボランチのニウドを右SHへそれぞれスライドさせ、しっかり繋ぐために立ち位置の変更へ着手します。
ところが、次の得点もホームの"緑"。43分、キム・ジョンピルにプレスを掛けた高地は、高い位置でボールを奪って素早く右へ。受けた太田もシンプルに縦へ短く流すと、斜めに走り込んだナザリトはGKの股下を抜く冷静なシュートで、ゴールを確実に捕獲します。久々の4バックスタートとなった布陣を問われても、「最初のスタートの配置は違うけど、やることは別に変わらないと思う」と言い切る高地が、サボらない守備意識からチャンスを演出して、最後はストライカーが貫禄の一発。岐阜がリードを2点に広げて、前半の45分間は終了しました。


後半はスタートから動いた三浦監督。ドイスボランチの一角を任された楠美圭史に替えて、この日のメンバーでは唯一の30代になる中後雅喜をそのままの位置へ送り込み、前半の終盤から施した「後半に向けて何とか自分たちのペースに持って来れればなというようなポジション変更」(三浦監督)の意味合いをもう一度徹底させて、残りの45分間に挑みます。
それでも攻勢はホームチーム。47分にはゴール前で高地の惜しいオーバーヘッドが飛び出すと、53分にも高地、田中秀人、高地とボールが繋がり、一旦はコントロールを失った難波がこぼれをそのまま叩いたシュートは枠の上へ消えますが、「僕たちがしっかりボールをキープすれば、やっぱり相手は走らなくちゃいけないし、そういった点でうまくボールを支配できた」と高地。変わらないゲームリズム。
「あの人はJ1の選手。凄い能力を持っている選手」とラモス瑠偉監督も評した6番のゴラッソは60分。SBの益山司が右サイドを運んで運んで外へ。太田のクロスはDFにカットされましたが、こぼれ球へ反応した高地は、「端から右で打つ気はなかったけど、引っ掛かるか引っ掛からないかはその時次第だと思って」ワンフェイク。ニウドが引っ掛かったのを見て得意の左へ持ち出すと、「うまくかわせてコースは見えていた」とゴール右スミへ開けたコースをきっちり射抜きます。本人は「あまりそういうことは考えないですね」と笑いましたが、2001年に在籍していた古巣へ見舞ったキツい一発はJ2通算50ゴールのメモリアル。大きな3点目が岐阜へ記録されました。
「速い動きと速いボールの動かし方で、後半を自分たちのペースにしたかった」(三浦監督)ものの、逆に点差を広げられる格好になった東京V。62分には2枚目のカードとして、ニウドと前田直輝を入れ替えましたが、なかなか手数は繰り出せず。67分にはキム・ジョンピルが左へ展開し、安在が折り返したボールを杉本が懸命に収め、エリア内でマーカーともつれて転倒するも、家本政明主審のホイッスルは鳴らず。72分に安在が蹴った左CKもDFが確実にクリア。遠い後半のファーストシュート。
一方の岐阜は「しっかり落ち着いてボールも回せていた」と高地が話したように、ある程度は勢いをコントロールしながら、きっちり時間を潰していく老獪さも。「夏くらいに若手が使えるようになればいいと思ってやった結果、見事にハマッた」と指揮官も言及した若手の遠藤純輝と清本拓己に加え、これが岐阜でのデビュー戦となるクレイトン・ドミンゲスもピッチへ相次いで解き放ち、ゲームクローズに取り掛かります。
78分、途中から左SHへ移った常盤聡が中央へ折り返したボールを、こちらはSHから2トップの一角に移った南秀仁が1つ溜めてからシュートへ持ち込むも、軌道はクロスバーの上へ。そして、これが東京Vにとって後半に放った最初で最後のシュート。87分に岐阜でのプレー経験も持つ途中出場のアブダが右サイドを抜け出すも、クロスは常盤に合わず。90+1分には杉本がラインの裏へ抜け出し掛けるも、最後の最後まで体を張り続けたヘニキにスイープされると、長良川の夜空へ吸い込まれたファイナルホイッスル。3ゴールという成果は当然評価される中で、ラモス監督も「何よりゼロで抑えたことが大きかった」と言及したように、加えて無失点で90分間を乗り切った岐阜が、勝ち点3をホームのサポーターへ届ける結果となりました。


「年間通してこういう試合は1試合はある。そういう風に割り切って次に進まないといけない」と三浦監督が話したように、いろいろな面で岐阜の完勝となった90分間でした。「J2は運動量が多いチームが上位を走っている。技術だけでは無理な世界」と評したのはラモス監督。技術面やゲーム運びの面はもちろん、運動量でもスタメン平均年齢22.00歳のチームを、28.73歳のチームが上回り、快勝を収めたというこのゲームに限った側面、そして7月と8月に組まれた9試合で、実に勝ち点17を積み上げたという"夏場"での結果を含めた事実から、「僕らはベテランが多いから『夏場はヤバいんじゃないかな』と言われていたけど、結局負けたのは2試合だけなので、別にそういうのは関係ないというのもある程度は証明できた」(高地)ことも間違いのない所でしょう。「今後はベテランは若手に負けている場合じゃないし、若手もこれで満足してもらっては困る。残り13試合でもっと多くの試合を勝っていきたい。そのためには全員の力が必要になってくると思う」とラモス瑠偉監督。前述したように6位との勝ち点差はわずかに6。視界に確かな目標を捉える岐阜が、力強く進み続けている航海の終着点やいかに。       土屋

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