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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2014年09月08日

高円宮杯プレミアEAST第12節 流通経済大柏×柏U-18@流経大柏G

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0907ryukei.jpgようやくトップディビジョンで実現した"柏ダービー"の第2弾。6位と首位というポジションで激突する一戦は流通経済大柏高校グラウンドです。
昨年は堂々たる成績でプレミアEASTを制覇。勢いそのままに挑んだチャンピオンシップも勝利を収め、高校年代日本一に輝いた流通経済大柏。今シーズンは11年連続で全国大会へ出場していたインターハイの代表を逃したものの、「彼らは3年の最後だからショックでしょうけど、私はいつか負けるだろうなという風に思っていた」と本田裕一郎監督。その指揮官はこの夏にドイツへ渡り、新たなエッセンスを吸収して帰国するなど、再び冬へ向けての態勢を万全に。大差で連敗したリーグ戦でも、ダービーを弾みに浮上を期したいゲームとなります。
昨年末の昇格決定戦を勝ち抜き、とうとう念願のプレミアへと辿り着いた柏U-18。そのプレミアでも既に2度の3連勝を達成するなど、ここまでわずかに2敗で首位をキープ。一方で流経柏同様に、夏のクラ選はまさかの関東予選敗退を強いられましたが、「攻撃は色々アイデアを出しながら積み重ねて、バリエーションも練習の中では凄く上手いし増えてきている」と下平隆宏監督も手応えを口に。ホームで負けた"表"の借りをアウェイで返すべく、この90分間に臨みます。ピッチ脇では「悪ノリ大好きだからね。試合に出てなくて、よくあんなに素直に応援できるなって私も感心するんだけど」と本田監督も笑った流経柏の大応援団が完全ホームの雰囲気を醸成。今季最後の"柏ダービー"は、柏のキックオフで幕が上がりました。


大応援団沸騰の瞬間は唐突に。5分に前線の儀保幸英(3年・沖縄読谷中)が倒されて獲得したFK。ゴールまでの距離は約25m。やや中央右寄りの位置でスポットに立ったのは2人。一瞬間があって、短い助走から小川諒也(3年・Forza'02)が左足を振り抜くと、左スミへコントロールされたボールはそのままゴールネットへ突き刺さります。パーフェクトなゴラッソにピッチ内もピッチ脇も大騒ぎ。まさに飛び道具炸裂。流経柏が早々にリードを奪いました。
いきなり失点を許してしまった柏は、6分にスムーズなパスワークから山本健司(3年・柏レイソルU-15)がシュートまで持ち込むも、流経柏のCB黒澤丈(2年・前橋JY)が体でブロック。直後に熊川翔(3年・柏レイソルU-15)が蹴った左CKは、流経柏のGK鳥海祐哉(3年・GRANDE FC)がパンチングで回避。「ボールの回りも悪くなかったと思う」と下平監督。いつも通りのポゼッションで相手の穴を窺います。
ただ、次の決定機も流経柏。11分、ボランチの伴恭輔(3年・ジェファFC)が左へ付けたボールを、小川はアーリーでファーへ。松本雅也(2年・ヴェルディSS AJUNT JY)が頭で折り返すと、フリーで飛び込んだ儀保のボレーはクロスバーを越えてしまいましたが、綺麗な崩しから創出した好機に意気上がるイレブン。
すると、追加点も同じような形から。18分に鈴木豪(2年・RIP ACE SC)の突破から左CKを奪うと、松本はショートで後方へ。受けた小川のクロスはここもファーまで届き、CBの浜野駿吾(2年・ジェファFC)が落としたボールを、宮川類(3年・FCトラベッソ)はダイレクトでゴールネットへねじ込みます。「前半はゼロで行こうというプラン」(本田監督)の中で、セットプレーから望外とも言える2点目まで奪うも、練習通りの形であったことは7分前のチャンスが証明。点差が広がりました。
以降もボールは柏が握りながら、手数は流経柏。22分に松本が蹴った左CKは中央でオフェンスファウルを取られましたが、25分には左サイドをぶち抜いた鈴木のカットインシュートは、柏のGK木村真(3年・柏レイソルU-15)がファインセーブ。直後の左CKは松本がショートで始め、久保和己(3年・柏イーグルスTOR'82)のリターンから松本がファーを狙ったクロスは、わずかに中央と合わず。31分には儀保の粘りから、ゴールまで30m前後のFKを奪うと、小川がまたいで浜野が直接狙ったシュートはDFに当たって枠の左へ。「レイソルは絶対ボランチの所を経由してくるから、そこを後ろ振り向かせないように最初はベタで行こうかななんて思ったけど、選手と会話している内にそれほどベタマークしようなんて言葉は出てこなかったので、『気にしよう』ぐらいでした」と本田監督が話したように、過剰に相手を意識することなく、迷いのないアグレッシブさを出した流経柏の勢いが目立ちます。
さて、「流経は特殊なプレッシャーを掛けてくるというか、結構前からポロポロ来るので、スペースが凄く見つけやすくてやりやすかった」(下平監督)中で、良い位置まではボールを運べるものの、「高い位置まで来てから、まだ仕掛けが早い感じがした」と指揮官も振り返った柏。34分には麦倉捺木(3年・柏レイソルU-15)、会津雄生(3年・柏レイソルU-15)、麦倉とボールが回り、山本が1人外して打ったシュートも、伴がきっちり体でブロック。35分にも10本近くボールを繋いでから、山本の振り分けを会津がクロスに変えるも、DFがしっかりクリア。「ゴールに対する守り方は執着があって凄い」と下平監督も評した、流経柏の守備陣はやはり強固。
37分は流経柏。右CKを小川が短く蹴り出し、久保のリターンを小川が入れたクロスは、伸び上がった宮川へわずかに合わず。44分にはドリブル突破時の接触で痛んだ鈴木が、新垣貴之(3年・那覇小禄中)との交替を余儀なくされましたが、そのファウルで得た左FKも本村武揚(2年・FC多摩)との連携から小川が直接狙うと、このシーンは柏のDFがブロック。45+2分も流経柏。今度は右でのFKも、再び本村との連携から小川がクロスを放り込み、浜野はオフサイドを取られたものの、FKの脅威は前半の最終盤まで。返り討ちを誓う流経柏が2点のアドバンテージを握って、前半の45分間は終了しました。


後半に入っても先に流経柏がチャンスを。52分、右から本村が上げたクロスを、中央で収めた儀保の反転シュートは木村がキャッチ。53分、久保を起点に松本が中央をドリブルで力強く持ち上がり、最後は宮川が枠へ収めたシュートも木村がキャッチしましたが、続けた枠内シュート。54分には柏も右CKを熊川がマイナスにグラウンダーで蹴り込み、会津がスルーしたボールをCB起用となった手塚康平(3年・柏レイソルU-15)がダイレクトで叩いたミドルは、わずかにクロスバーの上へ。お互いに滲ませる次の得点への意欲。
55分に起きたビッグアクシデント。中央へドリブルで突っかけた儀保が、柏のCBを務める上島拓巳(3年・柏レイソルU-15)ともつれて転倒。ホイッスルを吹いた荒木友輔主審は上島のファウルとジャッジし、さらにイエローカードを提示。前半にも1枚もらっていた上島は退場処分を命じられてしまいます。少し厳しい判定にも思えましたが、痛恨のレッドカードで柏は10人に。そして、この絶好の位置で獲得したFKを再び小川が直接狙うと、ボールはゴール右スミギリギリに最高の軌道を描いて飛び込みます。「今日は良かった。今日はね。でも、だいぶ練習していましたよ」と笑わせた本田監督も納得の一撃。小川がこの日2本目の直接FKを沈め、大きな大きな3点目が流経柏に記録されました。
「セットプレーがキーになるなというのは予想していた」(下平監督)中で、3本のセットプレーを得点に結び付けられた柏。60分には宮川に強烈なドリブルシュートを打たれるも、木村のワンハンドキャッチで事なきを得ると、62分には麦倉の右CKが跳ね返された流れから、白川恵志朗(2年・柏レイソルU-15)が左クロスをファーまで送り届け、熊川のダイレクトボレーは右サイドネット外側へグサリ。66分にもアンカーからCBに1列落ちた安西海斗(2年・柏レイソルU-15)が右へ振り分け、熊川の折り返しを大島康樹(3年・柏レイソルU-15)が打ち切ったシュートも右サイドネット外側へ。「逆に1人減った方がみんなが一生懸命、丁寧にサッカーをやろうとしたりとか、ひたむきな部分が見えた」と下平監督。ようやく柏にも得点の香りが漂い始めます。
そんな太陽王子の気勢を打ち砕く、トドメの一発は3列目からの積極的な飛び出し。69分、中盤でボールを拾った伴は縦パスで宮川へ預けると、そのままスプリント。リターンで抜け出したGKとの1対1も冷静に右スミへ沈めると、一目散に駆け出した方向で待っていたのは赤き大応援団。流れとは関係なく、しきりに個人コールを受けていた伴の見事な4点目。ゲームの大勢は決しました。
勝利は難しい点差を付けられた柏は、それでも「サッカーはやり続けようという感じ」(下平監督)は懸命に堅持。失点直後の70分に熊川の右クロスを大島が粘って残し、中山雄太(3年・柏レイソルU-15)のシュートは鳥海のファインセーブに阻まれましたが、73分にも大島、中山とボールを回し、白川がクロスバーを越えるシュートにチャレンジ。さらに76分にも会津が50m近い距離を独力で運び切り、最後はエリア内での接触で転倒してしまい、フィニッシュは取れませんでしたが、「1人減って落ちた訳じゃなくて、むしろ上がりましたよね。シンプルになって」と本田監督も認めたように、柏は4-2-3の布陣で前の人数は確保したまま、攻勢の時間帯を創り出します。
80分に松本の左FKから新垣がクロスバーを越えるシュートを放ったシーンを経て、下平監督は2枚替えを決断。大島と白川を下げて、浮田健誠(2年・ミナトSC)と伊藤達哉(2年・柏レイソルU-15)を同時にピッチへ送り出すと、82分にも麦倉と加藤颯人(3年・柏レイソルU-15)を投入し、整えた次へ繋げるラスト10分への態勢。
84分は流経柏。伴が右へ展開したボールを、途中出場の水野晧太(3年・FC多摩)はピンポイントクロス。儀保のヘディングは木村がファインセーブで応酬しましたが、5点目への意識もはっきりと。85分は柏。浮田とのワンツーから、中山のミドルは枠の上へ。86分は柏の波状攻撃。粘って粘って5本近いシュートを打ち込むも、その5本はことごとく流経柏ディフェンスが体で連続ブロック。「最後の所で根性を出して守ってくる」(下平監督)本田軍団の本領発揮。ゴールへ鍵を掛け続けます。
「ちょっとしたプラス材料」(下平監督)は意地の90分。加藤から縦パスを受けた伊藤は躊躇なくドリブルを開始。左から中央へグングン入っていくと、右サイドまでボールを運び、1つ溜めてから最高のラストパス。ここへ走り込んできた会津のシュートはニアをぶち抜き、ゴールネットを激しく揺さぶります。「ちょっと違う切れ味を出してくれた」と指揮官も認めた2年生のアシストで、3年生が一仕事を果たしましたが、ファイナルスコアは4-1。「ウチももうちょっとやられただろうけど、あと2、3点取れたよね」とは本田監督ですが、流経柏がダービーでの勝利を、ホームの雰囲気を創り続けた大応援団に届ける結果となりました。


柏はセットプレーで失点を重ね、数的不利まで被る難しい展開を強いられた中でも、「負けたけど最後にちゃんと1点取れたし、逆に最後まで凄く良いトレーニングになった」という下平監督の言葉にも頷けるパフォーマンスを、終盤には見せてくれました。あとは、「最後の仕上げの所の背後を取る、バイタルまでポンポンと入っていった後の最後の所で行くのか行かないのか」(下平監督)という局面での判断は成長の残された余地。「最後の所でのもう一ひねり」(同)がどういう形で出てくるのかは、今後へ向けての課題でもあり、楽しみでもあると思います。
高沢優也(3年・ジェファFC)と相澤祥太(3年・ジェファFC)という2人の主力を同時に出場停止で欠きながら、終わってみれば大差でダービーを制してみせた流経柏。当然ピッチの中の選手の躍動感も光りましたが、再三ご紹介しているように、ピッチ脇を彩り、90分間途切れずに声を出し続けた大応援団のパワーも、間違いなく勝利を呼び込んだ小さくない要因だったように感じました。そして、「どんどん世界は変わっているし、どうしてあんな速いプレスの中で組織立ってできるんだろうというのがあって、それを生で見たかった」と「ドイツ語も話せねえのに(笑)」たった1人でドイツまで20日近い勉強旅行を敢行された本田監督のパワフルさは相変わらず。「ドイツに行って、少し自分の頭の中が凝り固まっていたのが、少しほぐれたというか、『ああ、やっぱり勉強しなきゃダメだな』って。もうそろそろ終わりなんですけど(笑)、終わりまで勉強しようと思っているんですよね」と話す姿からは、まだまだ"終わり"なんてまったく考えてなさそうな意志も窺え、このチームが強い理由を今更ながら改めて思い知らされたような気がしました。      土屋

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