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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
J1第21節
名古屋グランパス×柏レイソル@豊田スタジアム
解説:玉乃淳 実況:西岡明彦 インタビュアー:中田浩光
【名古屋グランパス 西野朗監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q、勝ち点1という今日の結果でしたが、
まずは90分を振り返っていただけますでしょうか?
A、タフに試合を進めてくれたと思いますし、
前半から少し飛ばし気味かなと思うくらい
全体が連動して試合が進んでいたと思います。
先制して、ただゲームが間違いなく
あのまま終わるとは思っていなかったので、
ハーフタイムに後ろに重心を置かないように
全体でバランスを取りながら追加点を狙いに行かなきゃいけない、
絶対このまま終わらないということで、
非常に仕掛けた部分はあったし、チャンスはありましたけど、
まあ失点というよりは追加点を取りきれなかったという所。
チャンスはない訳じゃなかったので、
両チーム少しオープンになった所や、
いい時間悪い時間はありましたけど、
やっぱり今日は2点目が。
どうしても守り切りたいという形になって
ああいう形になったと思うんですけど、
内容的にも納得しなくてはいけないかなという結果だったなとは思います。
Q、失点をしてしまったことより追加点が奪えなかったという
監督のお話がありましたが、
今日はそんな中で川又選手がスタメンで、
ケネディ選手の交替後は1トップに入りました。
2つのポジションをこなした川又選手の90分間は
どう映っていましたでしょうか?
A、最後はフルタイムやったゲームというのは
久々だったと思いますし、
非常に引っ張りすぎたかなという感じはしますけど、
最後までチャンスメイクしてくれたり、
前半から永井と川又には本来の前線の仕事というよりは
ワイドの中でまず守備という所から出て行く、
そういうアップダウンを繰り返して、
最後の所でパワーが使いきれなかったとかなと。
川又もそうですし、永井もそうなんですけど、
不慣れなワイドをやりながら、よくゲームに入っていたと思いますし、
よくやってくれたと思います。
Q、不慣れなポジションということもありましたが、
レアンドロ・ドミンゲス選手とケネディ選手との
コンビネーションはいかがだったでしょうか?
A、ワイドで直線的なプレーが多かったので
細かいコンビネーションはなかなかできなかったと思いますけど
それでも距離感が近い中で
確実にプレーをしようとしている意識もありましたし、
まあ最初ですから、本当にスタメンのデビュー戦ですし、
それにしてはすべて良くやったということだと思います。
Q、次節以降は前線の選手に期待という所でしょうか?
A、しっかり戦術を理解した上で
やっぱり最少得点ではまだ勝ち切れないということだと思います。
【柏レイソル ネルシーニョ監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q、アウェイで追い付いて勝ち点1を分け合う形になりましたが、
まずは90分を振り返っていただけますか?
A、最初から最後までレイソルの力と姿勢というのは
出し続けられたと思います。
前半はセットプレーから失点されたんですけど、
彼らは組織的には崩れていませんでしたし、
意図することが形で出ていましたので、
後半も前半と同じように彼らはさらに献身的なプレー、
姿勢というのを見せてくれて、押し込んでいましたし、
後半は前半とは違って我々が押し込んで
名古屋がカウンター1本という形の内容になったと思いますけど、
選手たちが献身的に最初から最後まで純粋にやってくれたことによって、
前半のビハインドを追い付くことができたと思います。
結果は引き分けですけど、名古屋のように力と経験のあるチームと、
アウェイでこの状況の中で引き分けたのは大きなことだと思っています。
Q、後半追い掛ける展開で
先にカードを切ったのはネルシーニョ監督で、
茨田と太田、2枚同時に投入したんですけど、
あの意図を教えていただけますか?
A、チーム全員でここへ勝ちに来ていますので、
あとは試合の状況の中で、
選手のコンディションとボリュームを見ながら、
チームのクオリティを落とさないように
交替を使っていこうと思っていましたし、
ミッドウィークに120分やっているチームですから、
必要に応じては考えていた所ですね。
選手はしっかり応えてくれたと思います。
Q、最後のCKなんかを見ていても、
最後まで勝ち点3を選手、監督がみんなで
取りに行っている印象を受けました。
A、特に後半非常にゲームボリュームも上がって、
最後まで強度を落とすことなく攻め続けられたと思います。
我々はミッドウィークに試合をしている中、
相手は休めている選手が大半の中、
こういう戦いをしてくれた選手に感謝したいと思います。
【玉乃淳氏のレビュー】
(名古屋)
試合後のグランパスサポーターのブーイング。
確かに内容、気迫に凄まじいものがあって、
拍手を送りたい気持ちもあると思うんですよ。
ただ、この厳しさ。
我々はこの現状に満足していないんだというメッセージ。
こうやって選手って成長していきますから、
僕はこの光景に拍手を送りたいですね。
サッカーがエキサイティングなスポーツである象徴のような、
この試合が終わった後の両ベンチの表情、悔しさ、
両サポーターの思惑、選手への愛。
すべてをスタジアムから感じることができるので、
サッカーって素晴らしいですね。
私は名古屋に対してあまり悲観していないですね。
前への推進力も川又が入って、
川又対永井、チームメイト同士で見られたような
「俺が点を取るんだ」というようなシーンも
いくつも見られましたし、純粋に面白かったですよね。
玉田がベンチになるぐらいですから。
玉乃がベンチになるのとは訳が違いますから。
それだけの選手層です。
正直、川又がこの位置に入って
ロングボールを多用してしまうんじゃないかなという
心配もあったんですが、しっかりボールに絡んで、
ボールに触って前に出て行くということができていたので、
相手の陣地でプレーができていましたよね。
前半あれだけハイペースでやって、
後半どのタイミングで落ちるのかなという心配もあったのですが、
押し込まれたのはしょうがないと思います。
ただ、この上積みですね。
玉田が入ったり、松田が入ったり、小川もいますし、
上積みしていければそれをカバーしていけるので、
常に前半から面白くて強いサッカーができるということを
今日の名古屋は証明しましたので、また続けて欲しいですね。
完封できないことよりもやはり得点でしょう。
取らなければいけないメンバーがいますし、
どれだけ点を取っても名古屋は満足いかないでしょうね。
それだけ期待値が高いので
ああやってブーイングが出てしまったりしますけど、
何かのキッカケ1つでポコポコ点の取れるチームに
変貌してくれることを祈りたいし、追い続けたいですね。
この位置にいてはいけないナンバーワンのチームですから。
西野監督の期待以上に選手たちが前半からガンガンやってくれたと。
嬉しい悩みとして捉えてもいいんじゃないでしょうか。
ゴールに飢えているというか、
そういうシーンが名古屋全体から見られたので、
あとはそういうチームには明るい希望しかないと思いますね。
守って、守って、守って、ではなくて、
やはりもっと点を取りに行きたいという姿勢があるので、
このスタジアムでこの一体感を創ることができれば、
負けないというよりは勝てるはずですから。
(柏)
柏からすれば出来が良くない中、
しかも天皇杯で延長を終えて疲れている中、
この状況で勝ちに行きましたからね。
それでもネルシーニョ監督の満足の行っていない表情。
この監督は凄いですね。
相当勝ちたかったんですね。
こういう采配だったり、こういうサッカーを見せてくれたら
Jリーグを見ない訳には行かないですよね。
確かにプレミアも面白い、リーガも面白い、
でもちょっと待てよとなりますよ。
永井はなんで決められないんだと一見思うかもしれませんが、
あれは無理でしたね。
すべてのコース、何万通りとあるコースを
すべて消していましたから、"スゲノイアー"でしたね。
ニアの上も消しながら、股下も消しながら、
ゴールに戻れるようなポジショニングも取りながらですから、
GKを目指しているような子供は何回でも見て欲しいですね。
あれを見て僕はキャッチャーになりたいとはならないと思うので、
是非サッカーをやって欲しいですね。
野球をやっても彼はうまいですけど、
よくぞサッカー界に残ってくれた!
天皇杯もなくなりましたし、あとはこのリーグ戦。
今のポジションも全然悪くないですし、
行ける所まで行きましょう。
あのネルシーニョの采配は、
いかに私が未熟かということを再認識できる采配となりました。
これだったら絶対点取れないよと思っていたんですが、
ああやってチャンスを創って、してやったりでしょうね。
ゴールも偶然のものではなかったですから。
流れを読んで変えなかったという所でしょうね。
同点になってからもさらに満足いっていませんでしたし、
勝ち越し点を取りに行くような気迫、気概も見られたので、
このチームの成長は計り知れないでしょうね。
ネルシーニョ監督は最後も勝ちに行っていましたし、
ある程度難しい戦いの中でも必ず勝ちに行くという姿勢は
持ってくれるので、レイソルはアウェイで見ても
ホームで見ても楽しいですよね。
まず守備的に入らないですからね。
立ち上がりからゴールに向かっていましたし、
相手がどこであろうが、どこの場所であろうが、
それを貫くという姿勢が数々のタイトルをもたらす
要因になっているんじゃないかなと。
目先の試合で失点をしたくない、勝ち点1を取りたい、ではなくて、
絶対的に優勝するんだという目的を掲げるのであれば、
必ず点を取らなくては勝てないですから、
目標の高さが違うんでしょうね。
【Jリーグブログ的データ】
J1第21節
名古屋グランパス 1-1 柏レイソル
入場者数:15,124人 天候:雨、無風
気温:24.3度 湿度:83%
主審:松尾一
副審:相樂亨、平間亮
第4の審判員:川崎秋仁
《得点者》
<名古屋>
25'田中マルクス闘莉王⑥
<柏>
84'太田徹郎①(アシスト:橋本和)
(名古屋)
GK楢﨑正剛□...セーブ自体は多くなかったがさすがの安定感を披露
DF矢野貴章...川又との縦関係である程度攻め上がりは自重
DF牟田雄祐...前回のホームで味わった悔しさを払拭する好パフォーマンス
DF田中マルクス闘莉王⑥...アシストとゴールを1人で完遂する先制弾は圧巻
DF本多勇喜...守備では徐々に落ち着きが。攻撃にももう少し関与したい
MF田口泰士...あまりボールが集まらず。もっと起点になれるはず
MFダニルソン...瞬間の出力は相変わらずもやや持続性に欠けた
MF川又堅碁...慣れないワイドで奮闘。90分間出場したことが最大の収穫
MFレアンドロ・ドミンゲス□...古巣相手に一発の脅威を常に懐へ忍ばせた
MF永井謙佑...終盤の決定機は何が何でも決めたかった
FWケネディ...ターゲットにはなるも本来の出来にはまだ戻っていない
(→FW松田力...投入でチームの推進力が上がる。貴重なジョーカー)
《選手寸評》
(柏)
GK菅野孝憲...永井の決定機阻止はまさに"スゲノイアー"
DF鈴木大輔...終盤は新潟同期入団の川又に仕事をさせず
DF増嶋竜也□...最後は相当疲労したが1失点に抑え切った
DFエドゥアルド...運べて蹴れる。ポジションをガッチリ確保した感も
MF藤田優人...彼の攻守に丁寧なプレーはチームに欠かせない
(→MF太田徹郎①...簡単に決めたが難易度はかなり高いゴールだった)
MF小林祐介...懸命に触ってリズム創出にチャレンジも細かいミスが多い
(→MF茨田陽生□...あの才能を持って控えに甘んじている訳にはいかない)
MF大谷秀和□...3日前の120分間を感じさせない運動量でドローに貢献
MF橋本和...普段の出来とは程遠かったが最後にアシストで一仕事
MF工藤壮人...ポジションを考慮する必要はあるがシュートを打ち切れない
MF高山薫...シャドーに入ってフィニッシュへ絡む回数は激増。あとは正確性
FWレアンドロ...後半はシュートを1本も打てず交替もやむなし
(→FW木村裕...最後のカードとして意欲は見せた。あとは結果が欲しい)
再放送スケジュールは
8月27日(水)午後4:45~午後7:00 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!
土屋
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