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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2014年05月27日

インターハイ東京1次トーナメントF決勝 高輪×関東第一@駒沢第2

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0525koma2 3.jpg昨年戦った都内のコンペティションは夏も冬も無念の初戦敗退。今シーズンに復権を期す関東第一の1次ファイナルは高輪との一戦。舞台はこの日3試合目となる駒沢第2です。
昨年はベスト8からの登場となったインターハイ予選で成立学園にPK戦で敗れ、選手権予選も初戦で都立国分寺の一発に沈み、悔しい1年を強いられた関東第一。新チームの初陣となった新人戦も地区予選でまさかの敗退を喫し、今大会も1次トーナメントからの登場となりましたが、「1回底辺まで落っこちているので、1つ1つ勝ってやれればいいなと。苦しいけどやっていくしかない」と決意を口にした小野貴裕監督の下、都立三鷹、かえつ有明と難敵相手のゲームを共に完封で制して、ネクストラウンドへ王手を懸けています。
一方、昨年の選手権予選では立正大付属と大成を相次いで撃破し、堂々のベスト8進出。最後は同地区対決となった東海大高輪台との激闘の末、延長で姿を消すことになりましたが、一躍その名を知られる所となった高輪。今大会の支部予選では目白研心相手に10-9というPK戦を制し、東京成徳を倒して1次トーナメントへ。先週のゲームでは関東第一が新人戦で敗れた都立葛飾野を5-0と一蹴して、このファイナルへと勝ち上がってきました。1次トーナメントのラストゲームということもあって、スタンドには各校の監督もチラホラ。2次トーナメント最後の一枠を巡る戦いは、高輪のキックオフでその幕が上がりました。


高輪が滲ませたジャイアントキリングへの決意。2分、前線の渡辺りょう(3年・渋谷代々木中)が左へ振り分けると、SHの榮谷健太(2年)がシュート気味に上げたクロスは枠を越えていきましたが、まずはゴールへ向かう意識を。5分にはボランチの斉藤雄太(3年・インテリオールFC)が右サイドへ展開し、SHの風間慧(3年・三鷹FA)がドリブルにトライ。最後はDFにカットされたものの、左右それぞれのSHがアグレッシブさを披露し、悪くない形でゲームへ入ります。
「ウチとしては前から来るか、意図的に引くかどっちかを想定していたが、相手が一番中間の状態で割合ボールを動かしやすかった」(小野監督)関東第一は12分にファーストシュート。CBの戸室公輔(3年・クリアージュFC)がDFラインの裏へ落とし、走り込んだ岡崎仁太朗(2年・大宮ソシオ)のループは枠の左へ外れるも、決定的なチャンスを1本のフィードから。13分にはキャプテンマークを託された角口大征(3年・FC府中)の左足ミドルが枠の左へ外れましたが、ボールキープを2つのフィニッシュへ結び付けます。
13分は高輪。カウンターから風間が左へ送り、渡辺のループミドルは大きくクロスバーの上へ。18分も高輪。神戸徹正(3年・インテリオールFC)の右FKを榮谷が繋ぎ、赤石海斗(3年)が打ったシュートはDFがブロック。直後も高輪。斉藤のミドルはクロスバーの上へ。22分も高輪。風間、渡辺とボールが回り、神戸の枠内ミドルは関東第一のGK岸将太(3年・FCクラッキス松戸)がしっかりキャッチ。ゴールこそ奪えなかったものの、10分間の間に4本のシュートを集中させるなど、ピッチに漂う高輪の"やれる感"。
この手数を出される状況にも、「実際ボランチが前に立っていたので、あそこの位置から枠に飛んでこなかったし、アプローチしてボールを拾えるのが一番いい形だけど、あそこに関してはあまり問題はなかった」と捉えていたのは関東第一の守護神を任されている岸。それはおそらくイレブンの共通認識であり、23分には一瞬で剥き出した鋭い牙。右のハイサイドを取った角口のクロスを、ファーサイドで待っていた岡崎は丁寧に落とし、ここに3列目から走り込んできた浦川眞世(2年・三井千葉SC)が右足を振り抜くと、完璧な軌道で右スミへ向かったボールはゴールネットへ飛び込みます。「右の奥を角口が取って、左の奥を岡崎が取って、真ん中の浦川がポッカリ空いてという形」(小野監督)はまさに狙い通り。関東第一が1点のアドバンテージを手にしました。
ゴールという後ろ盾を得て、「右から左、左から右というボールの入れ替えの所が遅かった」(小野監督)部分も、浦川と坂東智也(3年・VIVAIO船橋)のドイスボランチを中心にスムーズさを増した関東第一。24分には坂東が右の裏へ送り込み、マーカーに走り勝ったSBの菊地優生(3年・三菱養和調布JY)が入れたシュート気味ともとれるクロスはゴール左へ。26分にも岡崎、浦川と回ったボールを角口がミドルレンジから枠に収め、高輪のGK阿部太郎(3年)にキャッチされるも、徐々に幅を使った攻撃がゴールへの脅威に直結し始めます。
そんな流れの中で高輪が創ったビッグチャンスはシンプルな形。33分に最終ラインからCBの樋口雄希(3年・高輪中)がフィードを入れると、ポッカリとフリーになっていた渡辺はそのままループ気味のヘディングにトライ。ここは「だいぶ自分の飛ぶタイミングと、ボールがここに飛んできているから、そこで体を残せるかというコツは掴んできた」という岸が懸命のフィスティングで掻き出したものの、あわやというシーンを。35分にも渡辺が粘って残し、神戸がクロスバーの上へ外れるミドルまで。盛り上がる赤い応援団。
成功した指揮官の采配。振るったのは小野監督。36分、中央を坂東と角口で運び、ボールを引き出した鈴木隼平(2年・Forza'02)は右へ絶妙のスルーパス。エリア内へ入った岡崎が、右に流れながら右足で放ったシュートはGKのニアサイドをぶち抜き、ゴールネットを揺らします。「岡崎と鈴木は同じ学年で、2トップでうまく流れながらやっていけばチャンスは入ってくるかなと思っていた」という小野監督は、30分前後に前線の音泉翔眞(3年・VIVAIO船橋)と左SHの岡崎を入れ替えており、この配置転換が奏功した格好に。期待に応える2年生2トップのコンビネーションで点差が広がりました。
さらなる明暗が両者に。38分は高輪の右サイドで獲得したFK。キッカーの神戸は極上のボールを中央に蹴り込むと、突っ込んだ樋口が頭で押し込んだボールはゴールネットへ届くも、副審と主審はオフサイドをジャッジしてノーゴール。40+1分は関東第一。最終ラインで処理にもたついたDFのボールをかっさらった岡崎は、独走からGKを左に外すと無人のゴールへ優しくボールを流し込みます。「相手が怖がらないでサッカーをやってくるというのもわかっていたので、絶対にウチも怖がっちゃいけないと」(小野監督)ピッチへ送り出されたイレブンの完璧に近いゲーム運び。関東第一が3点をリードして、最初の40分間は終了しました。


劣勢のイレブンに灯った勇気。42分に発動された高輪のカウンター。中盤でボールをかっさらった渡辺は、少し運ぶと右へラストパス。エリア外から風間が思い切り良くチャレンジしたシュートは、完璧なコースとスピードでニアサイドのゴール右スミへ吸い込まれます。沸騰したスタンドとベンチ。堂々たる正面突破。点差は2点に縮まりました。
「一番やられちゃいけない形でポンとやられた」(小野監督)「失点直後は少しだけ慌てていた」(岸)関東第一を尻目に、一気呵成の高輪。43分、斉藤が後方から飛び出し、佐々木健人(2年)を経由したボールを渡辺が放ったミドルは枠の左へ。44分、CBの服部元騎(3年・渋谷広尾中)がゴールまで40m近い距離から直接狙ったFKはクロスバーの上へ。45分、神戸の左FKは岸にキャッチされましたが、この時間帯の勢いは高輪に。
ベンチもこのタイミングで2枚替えを決断。榮谷と佐々木の2年生アタッカーを、山崎大貴(2年・つくばFC)と五十嵐佳祐(3年・高輪中)に入れ替え、前線とサイドへさらなる推進力を注入。山崎は投入直後にイエローカードをもらってしまいますが、それもある意味では気合の証。54分には神戸の縦パスから、渡辺がオーバーヘッドを敢行。枠は捉えられませんでしたが、「10番がゴールに近いのは厄介だった」と敵将も認めた渡辺と、風間、神戸の両MFが積極的にボールへ関与し、嗅ぎ分けた勝負所を逃すまいとラッシュを仕掛けます。
ただ、55分に鈴木のスルーパスへ岡崎が抜け出し、GKもかわしてトーキックで放ったシュートはマーカーの厳しいチェックもあって枠の右へ逸れましたが、この前後から「ハーフタイムの時に1点取られても慌てるなという指示が出ていたし、残りの時間をしっかり集中して戦おうというのは中で話をしていたので、点を取られて早めの時間帯で落ち着けたのは良かった」と岸が振り返ったように、関東第一が醸し出した"騒がず慌てず"の雰囲気。
小野監督も65分には相手のスクランブル的なアタックに備え、浦川を下げて尾山直己(3年・クリアージュFC)を送り込み、ヘディングとセカンド奪取のパワーを増強。67分に服部が約35mのFKをクロスバーの上へ打ち込むのを見届け、直後には鈴木と石川喬一(3年・Forza'02)もスイッチさせて、前線からのチェイスと縦へのスピードアップにも着手すると、72分には岡崎のパスから左SBの佐藤勇斗(3年・VIVAIO船橋)が足裏のダブルタッチ連発で華麗に2人を抜き去り、フィニッシュは枠の右へ外れたものの、スーパーなドリブルシュートを披露。この終盤でSBが"関一らしさ"を最大限に体現してみせます。
73分には関東第一が音泉と窪田アルファサワネ(3年・ヴェルディSS AJUNT)を、高輪も斉藤と高木蒼弥(2年)を同時にスイッチさせ、迎えた最後の5分間は諦めない高輪の執念。78分、右からのフィードが放り込まれ、中央で倒れ込みながら風間が狙ったシュートは岸が丁寧にキャッチ。80+3分のラストプレー。渡辺が懸命に残すと、最後のカードとして投入された浅川大樹(3年・インテリオールFC)がシュートまで持ち込むも、ボールはクロスバーの上に消えると程なくして吹かれたタイムアップのホイッスル。「三鷹とかえつも良いチームだけど、高輪が3つの中で一番強いと話していた」という小野監督の言葉にも頷ける高輪の健闘も光りましたが、終わってみれば関東第一が前半のリードを生かし切り、ネクストラウンドへの切符を獲得する結果となりました。


都立三鷹、かえつ有明、高輪といずれも歯応えのある相手との3連戦を勝ち抜き、"あと3つ"まで到達した関東第一。「1試合目より2試合目の方が、2試合目より3試合目の方が少しずつやれることが多くなってきているのかなと思う」と小野監督も話し、守護神の岸も「少しずつ自信は付いてきていると思う」と口にしたように、勝利という要素を自信や成長に繋げられたという意味では、この1次トーナメントの3試合は大きな収穫だったと言えそうです。「勝ってこいと送り出すだけじゃなくて、彼らと一緒に『勝ちたい』という気持ちを共有したいので、そこはトレーニングの中から1つ1つ細かく言うようにはしているし、こっちの言うことに対して反応は出てきている」と小野監督。6連勝の先に待つ山梨へ向けた関東第一の旅路は、ちょうど中間地点を突破しました。       土屋

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