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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2014年02月19日

T2リーグ第2節 多摩大目黒×都立駒場@駒沢第2

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koma2 0219.jpg先週末に予定されていたT1とT2の第1節が大雪で延期となったため、事実上の2014年Tリーグ開幕戦。多摩大目黒と都立駒場のオープニングマッチは駒沢第2です。
インターハイ予選は1次トーナメントで、選手権予選は地区予選代表決定戦でそれぞれ敗退と、トーナメントのコンペティションではなかなか結果が出なかった昨年の多摩大目黒。とはいえ、T2リーグでは終盤に怒涛の5連勝を達成するなど、堀越とFCトリプレッタユースの"昇格組"以外には無敗の6勝1分け2敗でグループ3位と大健闘。昨年からの主力が多く残った今年は、経験値をどれだけ結果に繋げられるかに注目が集まります。
T1リーグでは無念の降格を強いられたものの、選手権予選では全国的にも注目校に挙げられていた國學院久我山と接戦を演じ、改めてその存在感を示した都立駒場。今日は主力選手数人を負傷で欠く状況ですが、東京を代表する名将・山下正人監督は「リーグ戦をやるからにはこういうことも覚悟してやらないといけない。それでチーム力がアップすればいいかなと思っているよね」と余裕の表情でこの一戦に臨みます。実はこの両者は12月に行われた新人戦の地区予選決勝でも対戦しており、その時は多摩目が3-0で快勝。それから2ヶ月。この冬の成長を図る意味でも、格好の相手と激突する"開幕戦"です。平日ナイターにも関わらず、極寒の駒沢第2には真のフットボールファンが集結。多摩目のキックオフで2014年のTリーグは幕が上がりました。
2分の衝撃。右サイドでCKを獲得したのは多摩目。キャプテンマークを巻く堀越大蔵(2年・多摩大目黒中)が鋭いキックを蹴ると、ゴール前で混戦に。その中から粘って粘って最後に廣田雄哉(2年・SC相模原)がプッシュしたボールは、ゴールネットに飛び込みます。オープニングゴールは屈強な右サイドバック。多摩目が先にスコアを動かしました。
6分の衝撃再び。右サイド、ゴールまで約30mの距離で奪ったFK。スポットには2人の選手が立つ中、左SBの金城英也(2年・多摩大目黒中)が左足から繰り出した弾丸は、一直線にゴール左スミへ突き刺さります。軌道の美しさとそのスピードにスタンドから上がった感嘆の声。「サッカーには色々な得点があるが、やっぱりセットプレーでの得点は大きいので、重点的にトレーニングしている」とは塩川岳人監督。レフティのスーペルゴラッソが飛び出し、点差は2点に開きました。
以降も「一度12月に対戦している相手なので、その時よりも向こうは気持ちを入れてくると思っていた。『それを上回らなくては勝てない。まず気持ちの面で負けないようにしよう』と立ち上がりだけはよく注意させた」と塩川監督も強調した"立ち上がり"に最高の形で入った多摩目が攻勢。8分には金城が今度はロングスローで駒場ゴール前を脅かすと、13分には1本のフィードからFWの辻川嵩人(2年・多摩大目黒中)がゴール左へ外れるミドル。3点目への意欲を隠しません。
ところが、次に記録されたのは追撃弾。15分は駒場。右サイドでボールを持った櫛田拓朗(2年・江戸川松江第六中)が中央へフワリと浮かせて放り込むと、走り込んだ片岡勇介(1年・FCトリプレッタJY)のループシュートはGKの頭上を破り、ゴールへ弾み込みます。「アレはまだこれからの子だけど、うまいし速いよ」と山下監督も期待を寄せる1年生FWが華麗な一撃。スコアは1点差に縮まりました。
とはいえ、主導権は相変わらず多摩目。21分には中盤からのスルーパスにボランチの石井亮佑(2年・FCトリプレッタJY)が飛び出し、GKもかわしたもののシュートには至らず。25分にも石井がショートドリブルからスルーパスを通すも、堀越はシュートを打ち切れず。30分にも石井のスルーパスから堀越が決定的なシーンを迎え、ここも駒場GK芹澤遼太(2年・目黒中央中)にファインセーブで阻まれましたが、3列目から積極的に飛び出す石井と左サイドで裏に潜る堀越を推進力に、多摩目がチャンスを創り続けます。
すると、やはり次の得点もこの2人から。33分、ここも後方から斜めに飛び出してきた石井がラインの裏を取り、右へ流れながら好クロスを中央へ。このボールをDFの間で待っていたのは堀越。叩いたヘディングは、3度目の正直とばかりにゴールネットへ到達します。ようやく結実した10番と20番のホットライン。再び点差は2点に広がります。
駒場の反攻は1分経たない内に。33分、左SBの副島陸(1年・FC東京U-15むさし)が縦へ付けると、片岡は巧みな浮き球をエリア内へ。ここに走り込んで来た朝比奈賢伸(2年・目黒第十中)がマイナスに折り返したボールを、ワントラップで収めた櫛田は左足でゴール右スミへ流し込みます。「数少ない攻撃で点を入れるしかないんだけど、入れ方は綺麗だったよね。パンパンパンパンって」と山下監督も納得の笑顔を見せた華麗なパスワークが炸裂し、あっという間に2点差は霧散しました。
勢いは駒場へ。42分にはキャプテンの篠原力(2年・FC東京U-15むさし)が左から絶妙のロブを逆サイドに落とし、狙った片岡のシュートはわずかに枠の右へ逸れるも、あわやというシーンに意気上がるイレブン。43分にも櫛田が右から上げ切ったクロスに、飛び込んだ吉澤泰成(2年・横河武蔵野FC JY)のヘディングは多摩目のGK渡辺稜(2年・川﨑フロンターレU-15)にキャッチされましたが、同点の予感もピッチに漂い始めます。
嫌な流れを断ち切る追加点は11番のストライカー。アディショナルタイムに突入した45+1分、右から冨樫諒(2年・川崎犬蔵中)がDFラインの裏へピンポイントフィード。うまくラインブレイクした辻川は、右に持ち出しながらシュートを放ち、一度はクロスバーに跳ね返ったボールを自ら頭でプッシュします。「3-2にした時点で我慢してれば1点は返せるかもしれないけど、あそこで簡単にポコポコってやられちゃうようだと踏ん張り所をまだわかってないよね」と山下監督を嘆かせた"次の得点"は多摩目が奪い、激しく打ち合った45分間は4-2というスコアでハーフタイムへ入りました。
「最初の2点であんなやられ方をしているようじゃ入り方が悪いよ。鍛えられていないチームだよね」と山下監督も厳しい言葉を紡いだ駒場でしたが、後半はスタートから三たび1点差へと迫るべくアタックを。47分には左サイド、ゴールまで30m弱の距離から吉澤が直接狙ったFKはカベにブロックされるも、49分には副島の左CKもフィニッシュの一歩手前まで。53分にも篠原が左へスルーパスを送り、朝比奈のシュートは渡辺稜にキャッチされるも、同じ相手との連敗を阻止すべく、ゴールへの意欲を滲ませます。
逆に前半は2失点を喫した多摩目守備陣の中で、久々のスタメンとなったCBの原幸平(2年・川崎西中原中)が少し落ち着かないと見るや、「やればできるんだから落ち着いてやれ」というメッセージを授けた指揮官。その言葉に奮起したかのように、後半の序盤を凌いだ原と小山義隆(2年・多摩大目黒中)のCBコンビも少しずつ安定感を取り戻し、ボランチの竹下聖真(2年・インテリオール)を含めた周囲との連動で相手のチャンスを"芽"の段階で1つずつ潰していきます。
55分は多摩目。右から堀越が蹴ったCKを、辻川が合わせたヘディングはクロスバーの上へ。56分も多摩目。石井が左へ展開し、上がってきた金城はエリア内へと仕掛け、そのまま強引に放ったシュートは左ポストに激しくヒット。57分も多摩目。堀越がきっちり繋ぎ、長南龍哉(2年・多摩大目黒中)が枠へ飛ばしたシュートは芹澤がキャッチしましたが、守備の安定が下支えする攻撃のリズム。
先にカードを切ったのは山下監督。60分、右SBの大塚潤也(1年・FC駒沢U-15)に替えて、秋葉遼太(2年・練馬開新第一中)をピッチへ送り込み、数人の配置転換でバランスを整えつつも勝負に出ましたが、多摩目の歓喜はその2分後。62分、右サイドに開いた辻川がアーリー気味に入れたボールを、中央へ入った石井はわずかにフリック。ファーで待っていた堀越は、飛び出したGKを冷静に外すと、無人のゴールへ丁寧にボールを送り届けます。「Tリーグはリーグ戦なので失うものなく攻めてくる。その分、裏のスペースは絶対に出てくる」という塩沢監督の狙いを体現した決定的な一発。5-2。勝敗を左右する1点は多摩目が奪いました。
64分のトドメは真打ちのお出まし。相手陣内、ゴールまで30m強のポイントで獲得したFK。スポットに立ったのは堀越、金城、そして石井。先制弾の金城がまたぎ、最後方から走り込んだ石井が右足で振り抜いたボールは、壁の下をすり抜けてゴール左スミギリギリを捕獲します。前半から強烈な存在感を放っていた10番の咆哮。4点差。多摩目強し。
ここからお互いに選手を複数入れ替えていく中でも、大きな流れは変わらず。68分は多摩目。冨樫のミドルは芹澤がファインセーブで回避。77分も多摩目。辻川のミドルループはわずかにクロスバーの上へ。78分も多摩目。堀越のスルーパスに抜け出した篠崎航佑(2年・川崎宮前平中)のシュートはここも芹澤が果敢に飛び出しビッグセーブ。大量失点は喫したものの、芹澤は何度も裏へと抜けてきたボールに対応するなど、随所に好守を見せていたのが印象的。最後まで気持ちを切らさずに、ゴールマウスへ立ち続けていたと思います。
90+4分のラストプレー。廣田の右FKから小山が枠を越えるヘディングを放つと、底冷えの駒沢に響いたホイッスル。ファイナルスコアは6-2。主力級の4、5人が負傷離脱中ということでしたが、「新チームになってから"2チーム分"は頭に入れながら練習も試合もこなしていたので、想定を上回るようなパフォーマンスをしてくれた」と塩川監督も一定の評価を口にした多摩目が華々しく6ゴールを打ち上げ、オープニングマッチを制する結果となりました。
試合後にお話を伺うと、まず「やっぱり多摩目の方ができあがってるね。ゲーム慣れしているし、うまいし球際も強いし、反応が速いよ」と相手を賞賛した山下監督でしたが、自らのチームに対しては「それにしても元気なさ過ぎだよ。6点も取られりゃ元気もなくなると思うけど」と苦々しい表情を浮かべながらも、「ここからこんなもんじゃねえよというのを見せなきゃいけないしね」とニヤリ。「目標もできて良かったし、またやりがいはあるんじゃない」という言葉はおそらく本心。歴戦の指揮官が率いる駒場の伸びしろが、今後要注目であることは間違いありません。
開幕戦でいきなりの大勝を飾った多摩目。「他の新チームはまだ立ち上げたばかりだけど、彼らは1年生の頃からずっと試合に出ていて色々と伝えてきたので、今はその貯金があるだけ」と塩川監督は話しましたが、現時点での仕上がりには目を見張るものがありました。「このチームは中学のスタッフ、高校のスタッフが力を合わせて創り上げてきたチーム」と塩川監督が言及したように、現在の2年生は全国中学校大会に出場した代ということで、中高一貫の強みもフルに生かした今年のチームは言わば勝負の代。今年の目標を問われ、「"頂"を戴きに行くつもりでやっています」と冗談めかして語った指揮官の言葉もおそらく本心。多摩目のさらなる高みを目指す1年が、いよいよ本格的に幕を明けました。         土屋

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