mas o menos

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2014/01

S M T W T F S
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

クラブ取材レポート 2014年01月18日

2014年柏レイソルスタートミーティング"プチ"レポート・前編

mas o menos
  • Line

昨年までの新体制発表会という名称から、
装いも新たに"スタートミーティング"という名称へ生まれ変わった、
柏レイソルにとっては毎年恒例のこのイベント。
天皇杯の早期敗退自体は残念だったものの、
そのおかげで日程も十分余裕があったため、
昨年の平日開催が土曜開催となったことで、
1400人という大勢のサポーターが詰め掛けました。
今回も要点を絞って"プチ"レポートという形でお届けしたいと思います。


司会を務める桑原学さんの"マイクの音が出なかった"という
超初歩的なボケ(笑)からスタートしたミーティング。
今回は諸事情により寺坂利之常務の挨拶でスタートしたのですが、
実は寺坂常務、今回で9回目を数える同イベントに全出席とのこと。
先にサポーターへ「9回すべてに出席された方はいらっしゃいますか」と聞きながら、
「実は私もすべてに出席しています」と告白。
しかし、毎年サポーターの質問に渋い顔で回答するのは恒例行事でしたが、
こういう形で挨拶をするのは初めてだということで、
「社長のいぬ間に私の話を聞いてもらえれば」と"生き生き"モードでご挨拶。
ACLのベスト4で対戦した広州恒大を引き合いに出して、
強く感じたクラブの差を埋めるためには、
「資金面はあっさりあきらめて(笑)、自分たちで育成の強化を進めていくこと」と
場内の笑いを誘う巧みなスピーチで存在感を示していました。


続いては今回で2度目の登場となった
吉田達磨ダイレクターの補強方針説明。
U-15が遠征しているカタールから帰国したばかりにもかかわらず、
相変わらずの理路整然っぷりで説明に入ります。
トータルのトーク時間は12分42秒。
その中で新加入選手全員の獲得理由にも触れていた中、
この2人の獲得理由がレイソルの強化方針を
より顕著に表わしていたように感じたので、
その部分を抜粋してご紹介します。
なお、クラブ広報担当の方からは掲載の了承を頂いています。


まずは水戸ホーリーホックから完全移籍で加入した輪湖直樹選手。
彼はレイソルの下部組織出身であり、吉田達磨ダイレクターの教え子。
昨年の太田徹郎選手に続いて、クラブ史上2人目の"Uターン"選手です。


「輪湖に関してはもちろん僕がよく知っている選手で、
彼がここでプレーをしたいという気持ちも理解しています。
輪湖に関しては山中の話もあって、山中がジェフにレンタルで1年間出ますけど、
ありふれた言葉だと出場機会を求めてのレンタルということになります。
山中がいない、来季の左サイドバックと左のアタッカーの所で、
ふさわしい選手は誰がいるだろうという所で輪湖と。
簡単に言えばそういうことです。


輪湖は甲府にいて、徳島にいて、水戸にいてと、
J2で100試合くらいの経験を積んでいます。
僕はJリーグのすべての選手の映像を見ていますけど、
輪湖は生でこの2年間で15、6試合以上見た中で、
今年の夏以降の彼が持ってきた安定感、
ややもすれば切れがちだった90分間の集中力、
そういったものが改善され、ここでプレーするにふさわしい状態になったと。
そういうことで何かあった時のためには力になってくれる選手だということで、
常に我々のリストの中にはいた選手でしたし、
そういうタイミングもあって彼にオファーをすることができました。
もちろん即答してもらい、晴れて我々と一緒にできるかなということになりました」


なんと吉田ダイレクター、ここ2年間で水戸のゲームを15、6試合生で見ていたということ。
これを伝え聞いた輪湖選手は「嬉しいですけど、怖いなと思いました(笑)」と
正直な感想を漏らしていましたが(笑)、
こういう綿密なリストアップから獲得した選手だということが
よく伝わってくる話だと思います。


もう1人はユースから昇格する中谷進之介選手。
彼には吉田ダイレクターも昇格にあたってかなり詳細な説明をした模様。
そのことも今回の話の中で触れられています。


「中谷はユースから1人昇格しました。
彼の今持っている力で言えば、ちょっと(他の選手と)離れていると。
それは正直に彼にも話はしています。
まだやらなきゃいけないことはたくさんありますし、
まだまだだよという話はしています。
彼のこの1年間の精神的な成長というのは
我々も見てきましたし、私も見てきました。
ユースの監督である下平の方からも
常々彼に関する報告というのは上がってきます。
その中で進之介をプロにするのかどうかという所では、
精神的な所で自分の能力というものを信じるんだけど、
まだ足りていないという所を理解すると。


今年のチームは27人でやるという話をしましたけど、
おそらくレギュラークラスと言われる選手が20名前後いる中で、
なかなかメンバーに入れず、プロで言えばもがき苦しむ選手もいます。
そういった所にいる選手がチームのために
トレーニングをし続けるというのは想像以上に難しいことです。
なかなか試合に出られない、メンバーにすら入れない、
そういった時に何をしていくか、どういう努力をしていくか。
チームのためにも貢献しなくてはいけないし、
自分の力も付けていかなくてはいけないと。
そういう所で努力ができる人間性だったり謙虚さ、
そういったものを身に付けてきていることが確定的になったので、
それじゃあ進之介と契約をしようということになりました。
彼は特に足が速いわけではなく、ヘディングが凄い強いわけでもないですが、
とても賢く、とてもサッカーを理解して、
もちろんサッカーが好きで、レイソルでやるサッカーを愛していると。
そういう選手が実はチームを支えているという
チーム編成をしたいということがありますので、
メンバーになかなか入れないけれども頑張る選手だと思っています。


例えば一昨年優勝したシーズンであれば、
酒井(宏樹)であるとか京都から加入した増嶋(竜也)であるとか、
入団の時点でスタートリストに出てこない選手が力を付け、
それがチームの力に直結したということがありました。
そういう意味では今年入る中谷や輪湖も
そういった努力をし続けられるはずで、
そういったモノを持っているのがウチで育った選手の
他にはない良い所なんだと思います。
だから、20何番目の選手、27人の中の27番目かもしれないですけど、
その27番目の選手がひょっとしたら11人の中に、
18人の中に入ってくる瞬間を迎えた時には、
僕らのチームの力はかなり上がっているんじゃないかなと思います」


27人というチーム編成は決して多い訳ではありません。
その中でGKが4人いることを考えれば、
例えば紅白戦をする時にピッチへ入れないのは
1人ということだってあるはずです。
その1人になってしまった時にどういう姿勢で練習へ臨めるのか、
どういう態度で次の機会を掴み取ろうとするのかというのが
おそらく輪湖選手と中谷選手には求められているのだと思います。
そして、彼らがそういう状況でも決して腐ることなく、
最善の努力をし続けられる選手だと確信しているからこそ、
吉田ダイレクターはチームへの加入を決断したようです。
今年のチームが果たしてうまく回っているのかどうかは、
ひょっとすると練習中の輪湖選手と中谷選手を見れば
見えてくるのかもしれませんね。


柏レイソルU-19の一員として、中谷選手も参加していた"コパ・サンパウロ"。
この大会にはブラジルへ帰国中のネルシーニョ監督も視察に訪れていたそうで、
第2部の冒頭では桑原さんがそのことについて質問をしています。
そのネルシーニョ監督の回答もご紹介しておきましょう。


「反響は非常に良い意味で大きかったです。
ブラジルのサッカー関係者、各メディアが
我々レイソルのユースのサッカーを見て、
非常にクオリティの高い、戦術の整備されたサッカーをやると言っていました。
私も最初の2試合を見たのですが、
非常に堂々と自分たちのサッカーをやっていましたし、
良い結果を残せたと思います。
サッカー関係者や各メディアからは
『レイソルユースはどういう練習をしているのだ』と
非常に興味を持たれていまして、
良い印象とインパクトを残して帰ってきたのではないかと思います。


この大会は40年以上続いている非常に伝統のある大会で、
私も選手の駆け出しの頃に参加したことがありますし、
ブラジル人で世界に旅立っていった有名な選手たちも
1人残らず参加している大会ですから、
そういう大会でレイソルユースがしっかり結果を残してきたというのは
彼らにとっても非常に大きな経験であったと嬉しく思っております」


レイソルU-18は昨年12月の昇格決定戦を勝ち抜き、
今シーズンからは高円宮杯プレミアリーグEASTという
この年代のトップディビジョンに位置するカテゴリーで
1年間リーグ戦を戦うことになります。
今後のアカデミー、そしてアカデミー出身者にも
是非注目して欲しいと思います。


なお、今シーズンはユニフォーム自体の新調はなし。
ただし、昨シーズンも終盤のゲームで選手が着用していた
"アンセムジャケット"のお披露目があり、
登場したのは不動のキャプテンである大谷秀和選手。
はっきり言って相当カッコ良かったです(ジャケットもキャプテンも)。
そして胸に輝く星はとうとう4つに。
その内の3つに大谷キャプテンは関わっているとのことで、
「ここを増やすためにやっている」と完璧なコメント。
10年以上前の"金髪"ネタを桑原さんが振っても華麗にスルー(笑)
今年もキャプテンには大きな期待を寄せて良さそうですよ!


ちなみに新シーズンのスローガンは
「新しくはないんですが(笑)、ご想像の通り」(ネルシーニョ監督)"Vitoria"。
公文通訳がサポーターへ向けて掲げたパネルだけが
どうやら新調されたとのことでした(笑)


ということで、やはりレイソルの未来は
アカデミーにあるということを改めて実感するような
いくつかのトピックスをご紹介させて頂きました。
詳細は公式HPで議事録の公開があるということですので、
そちらをお楽しみに。
そして、明日は"プチ"レポート後編として
今シーズンの鍵を握ってくるであろう2人の"アカデミー出身者"に
お聞きしてきたショートインタビューを掲載します。
ご期待下さい!


土屋

  • Line