mas o menos

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2013/12

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年12月21日

インカレ準々決勝 流通経済大×国士舘大@麻溝

mas o menos
  • Line

asamizo1221.jpgクォーターファイナルで実現した関東勢同士の潰し合い。総理大臣杯のチャンピオンと冬の王座に4度就いている名門が激突するのは、引き続き麻溝です。
決勝は同じ関東の明治大相手に2点差を引っ繰り返し、夏の大学王者に輝いた流通経済大。インカレ自体は4年ぶりの登場になりますが、実は過去8回の出場を振り返っても最高はベスト4。しかも過去4度ベスト4へ挑戦しているものの、意外にも決勝進出は1度もなし。2回戦からの登場となった初戦は、復活したキャプテンの椎名伸志(4年・青森山田)の決勝ゴールで愛知学院大を下し、ベスト8への挑戦権を獲得。今大会に同校初の夏冬連覇、すなわち初のインカレ制覇を狙います。
過去には連覇を達成するなど、大学サッカー界でも名門の1つに数えられる国士舘大。しかし、ここ数年はなかなか結果を出し切れず、インカレ出場自体も3年ぶりとのこと。今シーズンも中断前まではリーグ最下位という苦しい状況でしたが、「それをやれば絶対後期はいい結果が残せると信じてやった」とFWの平松宗(3年・アルビレックス新潟ユース)も振り返る厳しい夏合宿を経ると、9月から再開したリーグ戦では8勝4分け1敗という驚異的な数字を叩き出し、"後期優勝"で今大会へ。初戦となった2回戦で5人のJクラブ内定選手を擁するタレント集団の阪南大を3-1で撃破して、麻溝まで到達しています。第1試合の終盤には差し込んでいた陽射しも消え去り、立ち込めた厚い雲は波乱の予兆か。クォーターファイナルのセカンドラウンドは流経のキックオフでスタートしました。
立ち上がりから勢いを打ち出したのは「運良くエンドが取れたので、風を使って押し込むという面では作戦通り」とキャプテンの石川喬穂(4年・広島皆実)が明かした国士舘。徐々に風雨が激しくなる悪天候の中で、間違いなく後押しされた風上の優位性。すると、先にスコアを動かしたのもやはり"風上"の白。8分、進藤誠司(3年・流通経済大柏)を起点に平松は左サイドへ潜り、ドリブルで運んでから中へ。ここへ飛び込んできた佐々木陸(3年・東福岡)のシュートはゴールネットに収まります。自然の力すら今は味方か。国士舘が1点のアドバンテージを手にしました。
15分も国士舘。2トップの一角を占める新村武玄(4年・東京ヴェルディユース)のミドルは、流経のGK八巻楽(4年・聖望学園)がキャッチ。18分も国士舘。橋本拓門(4年・柏レイソルU-18)の右CKから、最後は松本和樹(3年・西武台)が狙ったミドルは枠の右へ。19分も国士舘の決定機。進藤が左から中へ入れると、3列目から飛び出した橋本がフリーでフィニッシュ。ボールはクロスバーの上へ消えましたが、漂う追加点の気配。
次に沸いたのも白と水色の元気な応援団。23分、右SBの石川が付けたボールを新村は丁寧に右へ。うまく膨らんだ平松の「あまり大きく振り過ぎないでミートするイメージで打った」シュートは、逆サイドのゴールネットへ一直線に飛び込みます。「毎日のように練習をやっているので、そういう感覚で入ったと思う」と細田三二監督が話せば、平松自身も「あの位置のシュートは練習からやっているので自信はあった」と言及。積み重ねた反復の結実。点差が広がりました。
さて、雹まで降り出す状況下の風下を強いられ、なかなか前へのパワーを出し切れない中で、2点のビハインドを負った流経。25分には右から椎名の上げたクロスがこぼれ、古波津辰希(2年・流通経済大柏)が放ったミドルも国士舘DFがブロック。最前線の田上大地(2年・流通経済大柏)と、その下に位置する石井雄輔(4年・流通経済大柏)にボールが入らず、長いボールもすぐに押し返される時間が続きます。
30分も国士舘。左から橋本が蹴ったCKがDFに当たると、ファーでフリーになった仲島義貴(2年・ヴィッセル神戸U-18)まで届くも、決定的なヘディングは枠の右へ。32分も国士舘。左SBの藤嵜智貴(1年・清水エスパルスユース)が入れたクロスから、最後は石川が思い切って打ったミドルは枠の上へ。35分も国士舘。左サイドでパスを呼び込んだ進藤はそのままシュートまで持ち込み、ボールは枠を捉えられなかったものの、「立ち上がりは苦戦するだろうと思っていたが、先に2点取れたので気持ち的にはすごく楽になった」と石川も話したように、いい意味での余裕がもたらす主導権の確保。
狙っていたワンチャンス。40分は流経。中山雄登(4年・サンフレッチェ広島ユース)が左から蹴り込んだFKは、ゴール前で混戦に。このボールへいち早く反応した石井のシュートはゴール右スミへ向かうと、必死に阻もうと体を投げ出したDFも一歩及ばず。一瞬の隙を見逃さない集中力はさすが流経。悪天候下の45分間は国士舘が1点をリードして、ハーフタイムに入りました。
後半は追撃弾を勢いに繋げたい流経がセットプレーからラッシュ。49分に中山が蹴った右FKはDFのクリアに遭いましたが、50分にも椎名の右ショートコーナーを中山が戻し、椎名が上げた右足クロスはDFがCKへと回避。今度は中山の左ショートコーナーを椎名が戻し、中山が入れたクロスはゴールラインを割りましたが、赤のパワーが少しずつ白を侵食し始めます。
ところが、「ああいう所で"行く"プレイヤーというのは少ない」と細田監督も評価する"個"の煌きは53分。左サイドで仕掛けた進藤はDFとの1対1にも、厳しい体勢になりながら粘って粘ってキープして前へ。マーカーもよく我慢しましたが、最後は進藤の粘り勝ち。国士舘にPKが与えられます。キッカーは務めるのは橋本。7番の司令塔が選択した、ほぼど真ん中への強烈なシュートが豪快にネットを揺らし、1-3。再び点差は2点に開きました。
「後半ピッタリと止みましたね」と細田監督が話したように、後半に入るとあれだけ吹いていた風の勢いもすっかり弱まり、風上の優位性がなくなってしまった流経でしたが、2点を追い掛ける状況で少しずつ取り始めた両ハイサイド。57分には左サイドのスローインから、田上がやや強引なボレーミドルを枠外へ。58分には左から椎名が無回転気味に入れたCKに、ファーへ走り込んだCBの川崎裕大(3年・成立学園)はわずかに届かなかったものの、61分にも中山が国士舘のGK小澤章人(3年・西武台)にパンチングを強いるCKを蹴り込むなど、セットプレーを量産しながらまずは1点を狙います。
先に動いたのは細田監督。61分、新村を下げて投入したのは福田真也(4年・日本航空)。いつもの交替で前線の活性化を図るも、62分には中山の右CK、63分には椎名の左CKと、続く流経のセットプレー攻勢。65分には国士舘も藤嵜の左クロスを佐々木が繋ぎ、平松が反転からシュートを放つも八巻がキャッチ。逆に直後は流経。ここも中山の右CKから、こぼれを拾った椎名が右へ戻し、中山のクロスに合わせた田上のヘディングはクロスバーの上へ外れましたが、勢いは間違いなく流経に。
67分の決断は中野雄二監督。左SBで奮闘した藤原雅斗(1年・セレッソ大阪U-18)に替えて、ピッチへ送り出されたのは富樫大介(2年・鶴岡工業)。田上と富樫が最前線に並び、石井は右SHへ、椎名は左SBへそれぞれスライドして、攻撃へ重心を大きく傾けて勝負に出ます。
69分には国士舘に試合を決め得る決定機。綺麗なカウンターから相手陣内までドリブルで運んだ福田は、右へ完璧なラストパス。駆け上がってきた平松も縦に持ち出してシュートを放つも、ボールはわずかに枠の上へ外れると、記録されたゴールは追い上げる赤。73分、左サイドのスローインからSBの椎名が中へ放り込むと、田上がうまく当てたシュートは左のポストを叩きましたが、このボールへ誰よりも早く反応したのは6分前に投入されたばかりの富樫。采配ズバリ。2-3。たちまち両者の点差は1点に変わりました。
「声も少なくなって相手に押し込まれる時間が多くなった」(石川)「相手の勢いが凄いなというのは感じた」(平松)と2人が口を揃えた国士舘を尻目に、流経の目的はあまりにも明確。75分は中山の右CK、77分は中山の右FK、78分は椎名の左CK。押し込むからこそ高い位置で奪えるセットプレーの連続。79分には1本のフィードを田上がフリック。抜け出した石井のシュートは小澤が果敢に飛び出して何とか回避。押し込む流経。耐える国士館。残すは10分間とアディショナルタイム。
動くしかない中野監督も82分には江坂任(3年・神戸弘陵学園)と川崎雄太(1年・広島観音)を、86分には石井と総理大臣杯ファイナルの記憶も新しい久保武大(4年・アビスパ福岡U-18)を入れ替え、前線のパワーアップを図って最終盤へ。「みんなを鼓舞して集中させるために声を出し続けていた」とは石川。国士舘も仲島と今瀬淳也(3年・市立船橋)の両CBを中心に、耐え抜く覚悟をピッチへ滲ませます。掲示された第4の審判のボード。アディショナルタイムは5分。
90+5分に生まれたのはこのゲームのラストゴール。奪ったのは投入から1分も経っていなかった1年生。石川が浮かせて入れたボールが福田を経由すると、右サイドでボールを持った田中智也(1年・横浜F・マリノスユース)はスルスルとエリア内へ侵入すると右足一閃。鋭くゴールに向かったボールは、左のサイドネットへそのまま飛び込みます。「ポロッと1年生が行ったら入っていた。我々もビックリした」と笑った細田監督。勝ったのは「まさしくどん底を見て這い上がっていったので、怖いものはない」(細田監督)復活の志士。国士舘が激闘を制し、セミファイナルの西が丘へと勝ち進む結果となりました。
「前期とは違って1人1人が自信を持ってきた」と細田監督も手応えを語った通り、阪南大に続いて流通経済大を撃破した国士舘の勢いは間違いなくホンモノでしょう。それでもチームを統率する石川は「自分の中では4試合やるのが当たり前なので、1勝したから、2勝したからといってまったく慢心の気持ちはないですし、ここで喜んでも次があるので、喜んでる暇はないかなと思います」とキッパリ。チームに浮かれている様子はまったくありません。「練習の雰囲気から凄くいい。1つのチームとしてまとまっている」と平松も話したように、90分間声を張り上げ続けた応援団の雰囲気も含めてチームのムードは最高潮。「インカレに入る前からあそこに立ってカップを掲げるイメージはできているので、あとは2試合勝ってあそこに立つだけ」と石川。"あそこ"とは言うまでもなく、聖地の表彰台に他なりません。        土屋

  • Line