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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年12月20日

インカレ準々決勝 鹿屋体育大×関西学院大@麻溝

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asamizo o 1220.jpg頂点のみを狙う薩摩からの刺客と西宮の実力派がクォーターファイナルで激突。舞台は相模原。麻溝公園競技場です。
昨年度の大会は関東の絶対王者・専修大をPK戦で倒してのベスト4進出。今年度は福岡大を抑え、堂々たる九州王者として全国切符を勝ち取ると、初戦となった2回戦では中京大を怒涛の6ゴールで粉砕した鹿屋体育大。最終ラインに栃木への入団が内定している坂田良太(4年・大津)、ボランチには鳥栖の特別指定選手としてJ1のリーグ戦にも出場した福田晃斗(3年・四日市中央工業)など好タレントも擁し、九州勢の大会初制覇を目指します。
ハイレベルな関西リーグを3位で抜け出し、4年ぶりに冬の全国へと帰ってきたのは関西学院大。初戦で当たった中国王者の広島修道大を、今大会屈指の点取り屋との呼び声も高い呉屋大翔(2年・流通経済大柏)のハットトリックで撃破すると、一昨日の2回戦ではディフェンディングチャンピオンの早稲田大相手に、交替なしの11人で見事な逆転勝利を収め、このステージまで勝ち上がってきました。朝から降り続いていた雨こそ上がったものの、冷たい風が吹き付ける相模原の寒空の下、関学大のキックオフでゲームはスタートしました。
ファーストシュートは関学。3分、右から関皓平(4年・ガンバ大阪ユース)が蹴ったCKをニアで小林成豪(2年・ヴィッセル神戸U-18)がフリック。最後は注目のストライカー呉屋が合わせたシュートは枠の右へ外れましたが、先にチャンスを創ると、7分には決定機。小幡元輝(3年・名古屋グランパスU18)が残したボールを小林が繋ぎ、呉屋はマーカーの前に潜ってGKと1対1に。ここは鹿屋のGK吉満大介(3年・神村学園)がファインセーブで凌いだものの、注目のストライカーが早くも2度のチャンスに顔を出してみせます。
ところが、スコアを動かしたのは序盤から押し込まれ、「もうこの試合は耐えるしかないかなという展開」と青木竜監督も考えていた鹿屋。中原優生(2年・佐賀東)が直接狙ったFKを枠の上に外した2分後の11分、小谷健悟(2年・神村学園)がエリア内へボールを付けると、米良知記(3年・大津)は少し溜めて短く右へ。フォローに入った大山直哉(4年・神村学園)は右に持ち出しながら腰を回し、逆サイドを狙ったシュートにトライすると、ボールはゴール左スミへ吸い込まれます。「2トップは時々点を取ってくれるんです(笑)」とは青木監督でしたが、その2トップで奪ったゴールは貴重な先制弾。まずは鹿屋がアドバンテージを握りました。
さて、早くもビハインドを追い掛ける格好となった関学は、「相手の左からはクロス、右からはドリブルで来ると分析していた」と敵将の青木監督が話したように、右SHに入った泉宗太郎(3年・桐蔭学園)の切れ味鋭いドリブルをアクセントに、ボールを握りながらサイドアタックを仕掛けて押し込む流れ。小林と小幡もよくボールに絡み、呉屋は持ったらシュートという意識を徹底。17分には呉屋の強引なミドルから奪った左CKを関が蹴り込み、ニアで合わせたCB福森直也(3年・金光大阪)のシュートは枠の左へ。27分にも左サイドで呉屋が落とし、小幡はDF2人の間をすり抜けるとそのままクロス。吉満が掻き出したボールを、ミドルレンジから徳永裕大(1年・ガンバ大阪ユース)のシュートチャレンジは枠を越えるも、ある程度はボールを支配しながら、同点機を伺います。
一方の鹿屋は長いボールをベースに使いつつ、1つの活路は「攻撃力のある選手で、スピードもある」と指揮官も認める左SBの下坂晃城(2年・東福岡)。同サイドの泉とやり合いながら、徐々に上がっていくタイミングを掴んだ印象で、32分には福田が左へ回し、溜めた福森健太(1年・FC東京U-18)の外側を下坂がダッシュ。クロスは関学GK一森純(4年・セレッソ大阪U-18)にキャッチされたものの、39分にも中原のパスを引き出した下坂は左から好クロス。DFのクリアを大山が叩いたボレーは枠の右へ逸れるも、惜しいチャンスを創出。40分も下坂。福森の内側を駆け上がってボールをもらい、折り返しを中原が狙ったミドルは一森がキャッチしましたが、確実に相手へ植えつけた"左"の脅威。
前半の内に追い付きたい関学の反攻は45分。関が左から放り込んだCKへ、中央から沓掛勇太(4年・ジェフユナイテッド千葉U-18)がフリーで飛び込み、決定的なヘディングはクロスバーの上へ消えたものの、鹿屋ディフェンスの喉元に失点の予感を突き付けると、そのまま掻き切ったのは45+1分。右SBの原口祐次郎(3年・藤枝明誠)を起点に、受けた泉はピンポイントクロスを中へ。DFを引きずりながらダイビングヘッドを敢行した呉屋の視界に飛び込んだのは、ボールの突き刺さったゴールネット。やはりゴールは"右から呉屋"。前半終了間際に力強く追い付いた関学。スコアは振り出しに引き戻され、最初の45分間は終了しました。
後半に入ると繰り出し合う手数。48分は鹿屋。左に開いた小谷が中へ付け、米良が溜めるも大山はシュートまで打ち切れず。50分は関学。中央、ゴールまで約30mの距離で獲得したFK。スポットから短く出されたボールを呉屋は枠へ強烈に飛ばすも、吉満が横っ飛びでファインセーブ。54分は鹿屋。福森が右へ回し、SBの粕川正樹(4年・前橋育英)がアーリーを放り込むと、ニアでわずかに大山が触ったボールは、こちらも一森がファインセーブ。
直後のCKを左から中原が入れると、坂田が一森と競り合ったボールはゴール前で混戦を生み出すも、辛うじて関学DFが大きくクリア。62分は関学の"デルピエロ"。左サイドから関が蹴ったフィード。ほぼ真後ろから来たボールを、ダイレクト右足ボレーで合わせた呉屋のシュートはわずかに枠の上へ外れたものの、本家顔負けのハイレベルなボレーに沸き上がる関学応援団。お互いに一歩も引きません。
大枠の展開は変わらず、関学がボール自体は支配しながら、鹿屋はサイドも含めた速い攻撃にトライ。キーゾーンは"鹿屋の左"、"関学の右"。先にカードを切ったのは関学の成山一郎監督。70分、少し運動量の落ちてきた泉に替えて、投入したのもドリブラーの森俊介(1年・東山)。着手した"右"へのてこ入れ。残された時間は20分。
73分は関学。右に入れ替わっていた小幡が中に戻し、小林が狙ったミドルは枠の上へ。74分は鹿屋。吉満のパントキックはグングン伸び、大山がバイタルで懸命に収めると、中原のミドルは枠の左へ。76分は鹿屋。下坂の突破から獲得した左CK。中原が蹴り込んだボールがこぼれ、小谷が狙ったシュートは関学DFが体でブロック。残された時間は10分。
84分に訪れた決定機は関学。右サイドへ森が1人で切れ込み、DFを振り切って至近距離から放ったシュートは吉満が気合のビッグセーブ。直後の84分に訪れた決定機も関学。左サイドを駆け上がった小幡の正確なクロスはファーまで届き、ここに小林がフリーで走り込むも、ヘディングで狙ったボールは枠の左へ。続けて頭を抱えたピッチ、ベンチ、そして応援席。
「終盤は関学のプレッシャーが緩くなった感じはあった」(福森)「関学の運動量が落ちたなとは思った」(福田)。輝きを放ったのは"鹿屋の右"。85分、「あの終盤でも走れるのが自分の強み」という福田は、粕川に預けるとそのまま右のハイサイドまで。粕川のリターンを受け、冷静に中央を確認してからマイナスに折り返すと、ここにいたのは「マイナスにボールが来るなと思っていたので、一発で仕事をしようと思っていた」福森。右足でコースを狙ったボールは、ゴール左スミへ飛び込みます。「2列目から出れば付いてこないというのは分析で出ていた」と福田が語れば、「学生が作った分析ビデオにも、追い越していく動きが相手のディフェンスラインを崩すというのもあったので、あのシーンが来た時には『コレだな』と思った」と青木監督。まさにスタッフも含めた"総力戦"の結実。土壇場で再び鹿屋が1点のリードを奪いました。
一気に追い込まれた関学は相次いでアタッカーを投入。86分には出岡大輝(1年・ガンバ大阪ユース)、88分には浅香健太郎(3年・サンフレッチェ広島ユース)を送り込み、最前線には出岡と呉屋、中盤は関をアンカー気味にシャドーへ森、小林、浅香が並び、小幡が左SBへ落ちる超攻撃的布陣で、1点を奪う最後の勝負に。鹿屋もここへ来て1人目の交替を。89分に先制弾を挙げた大山を下げて、湯浅寿紀(2年・FC東京U-18)をピッチへ解き放ちます。
奏功した交替策。歓喜のベンチは後者。90分、右のハイサイドで中原のスルーパスを追い越して受けたのは、またも福田。「ウチのエンジン」と指揮官も信頼を寄せるドイスボランチでサイドを崩すと、福田はデジャブのようなマイナスクロス。このボールを左足ダイレクトでゴール左スミへ流し込んだのは、これがファーストタッチだった湯浅。「去年の10月に足首の大きなケガが3つ重なって、戻ってくるのに1年掛かった。『頑張ってこいよ』と送り出したので本当に嬉しかったし、涙が出そうになった」と青木監督も語った"アンパン"の復活弾は貴重な貴重な追加点。「球際とか切り替えとか、どこのチームに行っても原則というか、そういうことはクラさんに叩き込まれて、それがベースになっている」(福森)という"倉又イズム"の体現者による連続ゴール。一気に鹿屋が突き放しました。
2点差くらいでは怯まない関学の執念を超えた執念。90+3分に右から関が蹴ったFK,、90+4分に左からここも関が蹴ったCKに際し、前線まで駆け上がってきていたGKの一森はインプレーの流れになってももはやゴールマウスへ戻らず、そのままペナルティエリア内に。90+4分、小幡が左から放り込んだフィードへ誰より高く強く飛び付いたのは一森。頭で右に流したボールを、二アサイドへぶち込んだのは沓掛。GKが見せた"頭"でのアシスト。三日月魂の執念。3-2!3-2!1点差!1点差!
終わらない関学のアタック。当然一森も再び前線へ。90+5分、右サイドから放り込まれたボールへ殺到する関学攻撃陣。懸命にクリアした鹿屋守備陣。これが最後のCKかと思われた瞬間、岡宏道主審が告げたのはタイムアップのホイッスル。ベンチからのCKを蹴らせてくれと要求する悲痛な叫びも届かず。壮絶なクォーターファイナルを制した鹿屋が、2年連続でベスト4へと駒を進める結果となりました。
昨年のインカレ、今年の総理大臣杯に続き、3大会連続での全国4強を勝ち取った鹿屋ですが、「まだ"カノヤ"と読んでもらえない時があるので、もう1つ足りない所があるかなと思う」と青木監督が話せば、「他のチームが僕らをナメてる部分もあるかもしれないけど、これで少しは名前を知ってもらえるかなと思います」とは福田。抱えているモノは全国へその名を轟かせる野心と、「一緒にゴミ拾いをしてくれたりしている地域の人たちが応援して下さっているので、その方たちを元気にしたいなというのはみんなで言っている」(青木監督)という"鹿屋"への恩返し。「優勝カップを九州に持ち帰ることが目標」と指揮官が口にした日本の頂へ。国立で凱歌を上げるために必要な勝利は、あと2つです。          土屋

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