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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年10月04日

T2リーグ・グループB第9節 都立三鷹×暁星@駒沢補助

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komaho1004.jpgここまで驚異の全勝で駆け抜けてきたチームが目指す"パーフェクト"。リーグ最終節のナイトゲームは駒沢補助です。
8試合で積み重ねた勝ち点は24。「今回はレギュレーションが厳しいので、最初は正直に言って残留が目標だった」と佐々木雅規監督も言及した厳しいT2リーグで、ここまで無敗どころか全勝という快進撃を続けている都立三鷹。既に先週のゲームでブロック優勝は決めていますが、「ずっと勝ってきたので、選手権に向けてしっかり勝って全勝で終わろうというゲーム」(佐々木監督)に臨みます。
対するは昨年度の選手権ファイナリストでもある古豪・暁星。都で堂々の準優勝に輝いたチームは、1,2年生が多かったこともあって、今年はその大半が残った勝負の年。リーグ戦では現在4位に付けており、T1昇格を考えてもここで星を落とすのは何としても避けたい所。国体決勝の解説を終えたばかりの林義規監督も、選手に気持ちを注入してピッチへ向かわせます。やや雲行きも怪しくなってきた夕闇の駒沢補助。三鷹ボールのキックオフでラストマッチはスタートしました。
意欲的な立ち上がりを見せたのは暁星。開始わずかに53秒、左からのクロスへ勢い良く飛び込んだのは西村修一(3年・暁星中)。ヘディングは枠の右へ逸れたものの、まずはCBのフィニッシュで気勢を上げると、4分には三鷹のボランチに入った立迫将一(3年・小平第三中)のミドルもGKの加藤克弥(3年・暁星中)がファインセーブで阻止。逆に8分には右からのクサビを臼倉宏(3年・暁星中)がうまく落とし、江藤綸汰朗(3年・暁星中)が枠内シュート。今度は三鷹のGK喜岡太郎(3年・FCトッカーノ)がファインセーブで応酬しましたが、右の江藤と左の臼倉を中心に前へのパワーで上回った暁星がペースを掴みます。
ところが、14分に飛び出したのはドライブシュート。中盤でボールを収めた立迫は、ゴールまで30m以上はある位置から、思い切ったミドルにトライ。美しい弧を描いた軌道は、GKを越えてから急速に落下すると、そのままネットへ飛び込みます。やや押し込まれる展開にも、「最初の10分では絶対に点は取られない」(佐々木監督)という共通目標を達成した直後の先制弾。三鷹がアドバンテージを手にしました。
畳み掛けた三鷹。19分には高速カウンター発動。右へ展開した流れから、SBの古屋翔大(3年・AZ'86 tokyo-ome)は好クロスをファーへ。ここに潜っていた木下真麟(3年・府ロクJY)のシュートはゴール右スミへ吸い込まれ、早くも2点のリードを奪うと、21分にもハーフカウンターから渡部圭(1年・三鷹F.A.)が綺麗なスルーパス。GKとの1対1を冷静に制したのは巽健(2年・SC相模原)。落ち着いたプレーが目立つ1年生のアシストで3点目。思わぬ大差が付いてしまいました。
三鷹で目立ったのは「チームの約束事として言ってきた」(佐々木監督)攻守の切り替え。特に守から攻へ切り替わった時の、反応速度と前へ出て行く思い切りは圧巻。結果的に2点目も3点目も、切り替えの速さを最大限に生かしたカウンターから。チームの強みを存分に発揮した三鷹が3点をリードします。
すぐさま反発した赤い彗星。失点直後の22分、右サイドからオーバーラップを仕掛けたSBの白藤颯(3年・暁星中)は、ドリブルで果敢にエリア内へ。1人かわし、2人かわし、3人目をかわしてそのまま左足を振り抜くと、喜岡もよく反応しましたが強烈なシュートはその手を弾き、ゴールの中へ収まります。3-1。早くもゲームは打ち合いの様相を呈してきました。
とはいえ、以降も前線の4枚が流動的に動き回る三鷹ペースで推移。27分にはアジリティを生かし、1トップで存在感を見せていた村田宏介(3年・国分寺第三中)が粘って繋ぎ、牧島利輝(3年・東京久留米FC)が狙ったミドルはDFに当たって枠の上へ。33分は左サイド、ゴールまで35m近い位置から、左SBの傳川祐真(2年・東村山第七中)が無回転気味に枠へ飛ばしたFKは、加藤が何とかセーブ。37分には暁星も左サイドで臼倉が粘って粘ってシュートを放つも、喜岡が冷静にキャッチ。44分には巽に、45+1分には村田に惜しいフィニッシュも飛び出すなど、最後まで三鷹が主導権を握った格好で、前半の45分間は終了しました。
ハーフタイムを挟んでも流れは変わらず。51分は三鷹。後方からのフィードをバイタルで受けた巽は、鋭い切り返しで2人のマーカーを外し、蹴り込んだシュートは加藤のファインセーブに阻まれたものの、いきなり決定機を創出すると、直後にもビッグチャンス。牧島が裏へ落とし、抜け出した村田はシュート気味にファーヘ。詰めた木下のフィニッシュはクロスバーにヒット。56分にも渡部の右CKから、キャプテンのCB高瀬樹(3年・FC.GONA)がわずかに枠を越えるヘディングを放つなど、全勝優勝への意欲は一向に衰えません。
57分の結実。中央をドリブルで突き進んだ立迫は、溜めて溜めて左へラストパス。走り込んだ木下がダイレクトで叩いたボールは、対角線上の右スミギリギリを捉え、飛び付いた加藤もわずかに及ばず。ここも変幻自在のアタッカー陣で取り切った大きな追加点。再び点差は3点に開きました。
かなり苦しい展開を強いられた暁星。60分にはゴール前でスムーズなパス交換を披露し、最後はボランチの林谷泰尚(3年・暁星中)が打ち切ったシュートは、しかし喜岡がファインセーブ。70分にも臼倉が左へ送ると、SBの宮崎圭輔(3年・暁星中)は鋭いクロスを中へ。GKの弾いたこぼれを江藤が叩くも、ボールはわずかに枠の右へ。71分に巽、72分に立迫、74分に木下と3連続で打たれたシュートも何とか凌いだタイミングで、林監督が決断したのは2枚替え。安井迅郎(3年・暁星中)と佐藤優将(2年・横河武蔵野FC JY)の長身コンビを前線に投入すると、すぐさま動いたスコア。
75分、右サイドへ丁寧に展開したボール。江藤が高速グラウンダーを中へ送ると、逆サイドから走り込んできた臼倉は、ダイレクトでのシュートを選択。しっかりミートしたボールはゴール左スミの狭い所を、弓矢のように射抜きます。やはりここぞという場面で輝いたのは"両ウイング"。点差は2点に。
「暁星さんはすごくスピードがあって、パワーがあるチームなので、隙を見せるとやられてしまう」と佐々木監督も評した名門の反攻はここから。76分、ルーズボールをいち早く回収したのはここも臼倉。左サイドを独走してフィニッシュまで持ち込みましたが、ここは喜岡が絶妙の飛び出しでシュートブロック。84分、右に開いた安井が低空クロスを放り込むと、臼倉が放ったシュートはボール1個分だけ枠の左へ。暁星が見せた最終戦へ懸ける執念。
それでも高瀬と小村直人(3年・三鷹F.A.)を中心に、三鷹も目標達成に向けて搾り出す最後の気迫。89分に臼倉が35m強のミドルを放つも、ボールはクロスバーの上へ。90+2分に臼倉が左から蹴ったCKもオフェンスファウルでやり過ごすと、純白を纏ったイレブンの耳に届いたのは9勝目を告げる試合終了の笛。「ここを乗り切ったら、本当に力が付いたかなという感じだった」(佐々木監督)という"ここ"も乗り切った三鷹が、歴史に残る全勝でのブロック優勝を達成する結果となりました。
やはりどちらのチームも選手権に向けて、きっちり仕上げてきているなという印象を受ける90分間でした。特に三鷹は前述した通り、守備から攻撃へと移る際のスピード感は間違いなくT1レベル。最終ラインに聳え立つキャプテンの高瀬も存在感があり、攻守に穴の少ないチームと言えそうです。「どういうわけか開幕戦から結果を出していって、まだまだどうかなという感じだったが、今日のゲームでやっていけるかなという感じはする。子供たちも一戦一戦自信に繋げているかなというのはある」と佐々木監督。最後の大会で見据えるのは昨年のリベンジ。T2からの"下克上"に手を掛ける準備は整っています。        土屋

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