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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年10月01日

T1リーグ第17節 都立駒場×実践学園@駒沢補助

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komazawahojyo1001②.jpg共に全国出場経験を有し、当然2週間後に再開される選手権では頂点を目指しているチーム同士の対峙。10位と5位の激突は続けて駒沢補助です。
前節は国士舘から3ゴールを奪う快勝で、16試合目にしてリーグ初勝利を挙げた都立駒場。今日は国体の関係で山下正人監督が不在。スタメンは全員が1、2年生というフレッシュな顔触れで、ある意味では再来週へ向けたサバイバルマッチに挑みます。
一方、勝ち点1差の中に5位から8位がひしめく混戦となった中位の中でも、一番上の5位に付けている実践学園。このゲームは「来週の13日に照準を合わせて負荷を掛けたい」(深町公一監督)一戦であり、都立駒場同様に何人かの選手にとっては、その"照準"の中に割って入りたい所。お互いに似たようなモチベーションを抱く中、12時15分にゲームはキックオフされました。
フィフティに近い流れで立ち上がった中、先にビッグチャンスを掴んだのは実践。6分、左から大瀬貴己(3年・AZ'86 tokyo-ome)が蹴った高精度CKに、高橋龍世(2年・FC多摩)がドンビシャで合わせたヘディングはわずかにゴール左へ外れますが、まずは「かなり練習からやっているセットプレー」(深町監督)で決定的なシーンを創出します。
一転、危ないピンチを凌いだ駒場に千載一遇の先制機。9分に左サイドの攻防で笛が吹かれると、主審が指し示したのはペナルティスポット。PKを獲得します。キッカーは塚田幸太(2年・ヴェルディ-S.SAJUNT JY)。力強く左へ蹴り込んだキックは、しかし実践GK遠藤透(3年・FC.GONA)が抜群の反応でストップ。こぼれを秋葉遼太(2年・練馬開進第一中)が中へ戻し、真崎康平(2年・POMBA立川FC)が狙ったシュートも今度はクロスバーにヒット。頭を抱えるイレブンとベンチ。アドバンテージを握れません。
すると、「相変わらずのんびりした入り方の15分」(深町監督)を過ぎると、徐々にゲームリズムを取り始めたのは実践。その15分には近藤大洲(3年・帝京FC)、高橋と繋いで、富田峻介(3年・町田JFC)が放ったミドルはクロスバーの上へ。17分には右から田嶋翼(3年・FC.Branco)がグラウンダーで入れたクロスに、ファーへ岩館たく美(3年・練馬開進第二中)が飛び込むもわずかに届かず。23分にも村田昇之(3年・FC.VIDA)が裏へ落とし、田嶋を経由して富田が狙ったシュートはDFがブロック。クサビと裏の使い分けで攻勢を強める実践に、北澤遼平(2年・インテリオール)と小松謙佑(2年・Forza'02)のCBコンビとボランチの冨永晃平(1年・フレンドリー)を中心に何とか耐える駒場。
スコアが動いたのはやはりセットプレーから。25分、右から大木駿介(3年・FC杉野)が蹴ったCKは一旦クリアされたものの、こぼれを拾った渡邉東史也(2年・八王子由井中)の左クロスに、滞空時間の長いヘディングで応えたのは高橋。ボールは綺麗な軌道でゴールネットへ収まります。CBのクロスをCBが叩き込む先制弾。実践が1点のリードを奪いました。
29分にも田嶋のスルーパスに抜け出した森田竜太(3年・FC府中)の決定的なシュートを、何とかGKの芹澤遼太(2年・目黒中央中)がファインセーブで凌ぎ、31分にも田嶋のパスから富田が切り返して放ったシュートもDFが体を投げ出して防ぐなど、押し込まれる時間が続く駒場。とはいえ、最前線の片岡勇介(1年・FCトリプレッタ)を生かしたカウンターには可能性が。39分、そのカウンターから片岡が左サイドを抜け出して中へ。真崎のシュートは大瀬がしっかり対応し、遠藤にキャッチされましたが鋭い攻撃を披露。
40分も駒場。左サイドを再び片岡が疾走し、自ら枠へ飛ばしたシュートは何とか遠藤がセーブ。45+1分も駒場。三たび片岡が左サイドへ流れてドリブルで運び、中に入れたボールを秋葉が狙うもヒットせず。最後の5分間は駒場にもゴールの匂いが漂い始める中、実践が1点のリードをキープして前半は終了しました。
後半はスタートから実践が2枚替え。溝口和也(3年・練馬豊玉第二中)と福岡将太(3年・JACPA東京FC)を送り込み、サイドと中盤の強度を高めに掛かると、立ち上がりからフルスロットルで前へ。47分には左サイドを、48分には中央を共に田嶋が抜け出し、どちらも芹澤のファインセーブに阻まれたものの、前線の連携から立て続けにチャンスを創出。51分にも溝口のスルーパスに田嶋が反応し、ここは駒場の右SB奥谷康平(1年・FC町田ゼルビアU-15)がよく食らい付いてクリアしましたが、いっそう強まった攻勢。
55分にも大瀬の左CKを、福岡が高い打点で叩いたヘディングはわずかにゴール右へ。61分にも右CKのこぼれを拾った福岡がピンポイントクロスを送ると、森田のドンピシャヘッドは右ポストを直撃。1、2年生の若武者たちはこの圧力にどこまで耐えられるか。
決壊は65分。右CKがここもファーへ流れると、左サイドで拾った福岡はマーカーを剥がし、そのままグラウンダーの高速クロスを中へ。待っていた高橋は難なくプッシュ。湘南ベルマーレへの入団が内定している福岡の好アシストで、CBの高橋がドッピエッタとなる追加点。実践に2つ目のゴールが記録されました。
「ちょっと余裕を持ってやっていましたね」と深町監督も振り返った10番のアシスト再び。67分、右サイドへ展開されたボールに走った福岡は、速いボールで浮かせたクロスを放り込むと、飛び出したGKも一歩及ばず、がら空きのゴールへ溝口が頭で流し込みます。3分間で2つのアシストはさすがの一言。点差が開きます。
何とか1点を返したい駒場でしたが、実戦経験の差もあってか、少しずつ相手の出足に後手を踏む機会も多くなり、特にサイドアタックのスピードに付いていけません。必然的に攻撃の時間も長くは創れず、前には出て行けない状態に。そんな相手を尻目に容赦ない実践のラッシュ。75分、大瀬の左FKに富田が飛び込み、最後は高橋がプッシュして4点目。高橋はCBながらハットトリックの快挙を堂々達成。78分、右ショートコーナーから途中出場の中村仁哉(3年・TACサルバトーレ)が利き足の左を振るうと、ファーに飛び込んだ大瀬のヘディングがゴールに吸い込まれ5点目。大勢は決しました。
折れなかった"トリコマ魂"。83分に副島陸(1年・FC東京U-15むさし)が右から蹴ったFKはDFのクリアに遭いますが、87分には左SBの山口将弥(2年・北区赤羽岩淵中)が中央に潜ってスルーパス。片岡はわずかに届かなかったものの、少しずつ、ただ確実に捉え始めたゴールへの道筋。結実は90分。再三チャンスに絡んでいた片岡が左からエリア内へ侵入してシュート。GKが弾いたボールへ詰めていたのは、前半に悔しいPK失敗を経験した塚田。堂々と正面から相手ゴールを打ち破り、未来へと繋がる1点を手にしました。
「最後点数が離れて、足元で余計なことをし始めた」と深町監督も渋い顔の実践は痛恨の失点を喫しましたが、ファイナルスコアはしっかりと自分たちで。90+2分、右サイドで崩した流れから、最後は溝口の左クロスに小柄な中村が巧みなヘディングで6点目。途中出場の2人が嫌な流れで終わりかけたゲームをゴールでクローズ。「これで勝ったことによって順位もなんとなく見えてきたので、いい方向に来ているかな」と深町監督も評価した実践が、残留という意味での大きな勝ち点3を獲得する結果となりました。
「日頃使わない子を2人使ったが、それなりに合格点を出せるかな」と試合後に話してくれたのは深町監督。1人はCBの渡邉で、もう1人は右SHに入った岩館。特に3年生の後者について、「初めて使った」と切り出した指揮官は、「先週のトレーニングマッチで、2本目の出場だったけど、誰よりもチームのために走ってくれていたので、チャンスを与えた」と続けてその起用理由に言及。今日のゲームに関しても「誰よりもスペースへ出たり、斜めにカットインして動いてくれたので、正直ああいう子が欲しいんですよ」と高評価を口にしていました。この時期に来て、初めて使われた公式戦でしっかりと結果を出せる最上級生の存在は、"心で勝負"を掲げるチームにとって何よりの強み。現在は何人かのケガ人が戻ってくるのを待っている状況だということですが、ひょっとすると連覇に向けての"ラストピース"は、この試合で埋まったのかもしれません。        土屋

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