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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年09月13日

T3リーグ優勝決定戦 正則学園×東京農業大第一@私学事業団G

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sigakudan0913.jpg約4か月のリーグ戦を勝ち抜いた者だけが立つことを許される"決勝戦"。T3リーグの王座を懸けた一戦は新小岩です。
8チームずつの2ブロックで構成されたT3リーグ。全7節の日程は7月中にその大半が終了しており、その両ブロックの1位同士が、統一王者の称号を獲得すべく激突するのが今日の優勝決定戦。
Aブロック1位は5勝2敗の正則学園。開幕戦となった実践学園Bとのゲームを3-5という打ち合いの末に制すと、以降も東亜学園に4-3、都立足立に4-2、桐朋に4-3など、ハイスコアでの勝利を重ねての優勝決定戦進出。ゴールを奪い合う展開はお手の物。「チームを立ち上げた所でコンセプトとしてやってきたことが、今は少しずつ形になってきている」と小澤寛樹監督も自信を見せた成熟度で、最後の1試合に臨みます。
Bブロック1位は6勝1分けの東京農業大第一。両ブロックを通じて唯一の無敗でリーグ戦を駆け抜けた彼らは、7試合で6失点という守備陣の健闘を感じさせる数字が目を惹きます。既に選手権予選で敗れているため、このゲームが新チームとしては初の公式戦。「上級生がいなくなって新たなメンツで色々トレーニングして、どれくらい通用するかは楽しみだったし、絶対優勝しようというのを合言葉にしてきた」と劒持純一監督。タイトル獲得で新たな船出を飾りたい所です。会場の私学事業団総合運動場は夕暮れから漆黒へ。18時ジャストに正則がボールを蹴り出して、"決勝戦"はその幕が上がりました。
ファーストチャンスの衝撃。3分、農大一は右から板倉将太(2年・多摩鶴牧中)が蹴り込んだCKに、中央で合わせた近藤澄也(2年・MKFC)のヘディングが二アサイドを襲うと、ボールはDFとGKを弾き飛ばすような格好でゴールネットへ収まります。まだゲームが落ち着く前に、いきなり生まれた先制点に「いい形で点が取れましたね」と笑ったのは劒持監督。2年生と1年生で構成された緑の若武者が早くもリードを奪ってみせました。
以降も「ここ数試合は立ち上がりが非常に悪く、課題としてやっていたが、まだまだチームとしてその意識が低い」と小澤監督も言及した正則を尻目に、ピッチを選手が躍動した農大一の時間帯。4分にも牧野裕也(2年・緑山SC)が右へスルーパスを送り、浅田拓郎(2年・FC渋谷)が放ったミドルは枠の右へ外れましたが、7分にも牧野、浅田と繋いで右へ展開すると、上がってきたSB冨田優太郎(2年・SC相模原)のクロスはファーまで届き、平信拓海(2年・目黒東山中)はボレーを合わせ損ねたものの、外連見のないアタックの連続。16分にも左に開いた杉木智大(2年・東京農業大第一中)のクロスがこぼれ、トラップから浅田が狙った決定的なシュートはゴール右へ逸れるも、優勝への意欲を前面に押し出した農大一の攻勢が続きます。
19分は正則。CBの河内佑弥(3年・C.A.アレグレ)が右へフィードを入れると、阿部亮介(3年・墨田中)はえぐって中へ。鋭いターンから宮澤優(3年・フッチSC)が枠に飛ばしたシュートは、農大一GK森本圭(2年・世田谷松沢中)にキャッチされましたが、ようやくチャンスを創ると、21分にも宮澤が左から際どいCKを蹴り入れるなど、徐々にゲームリズムを掴み始めます。ところが、次のゴールも緑の若武者たち。
24分、右サイドの高い位置へ持ち込んだ流れから杉木がエリア内へ侵入すると、マーカーともつれて転倒。主審は躊躇なくペナルティスポットを指差します。願ってもない追加点のチャンス。ファウルを受けた瞬間からボールを放さなかった杉木は、そのままスポットに立つときっちり、そして力強くPKをゴール左スミへ突き刺します。恐れを知らない1,2年生に広がった歓喜の輪。点差が広がりました。
さて、「前半はセカンドボールをほとんど拾われていた」(小澤監督)正則は、29分にも平信に決定的なシュートを見舞われ、何とかGK蔦谷恵太(2年・FC HORTENCIA)のファインセーブで回避すると、直後に1枚目の交替を決断。「1つオプションとしてどうなのかを試してみた」(小澤監督)アンカーの渡邊勝也(2年・調布第五中)を下げて、柴田謙(2年・フレンドリー)を投入。積田隼人(3年・江戸川松江第三中)をアンカーに落とし、その前に柴田と鈴木圭人(3年・江戸川小岩第一中)を並べて、中盤のてこ入れに着手します。
36分には平信、板倉、浅田の連携でCKを獲得し、その直後にもやはり板倉の蹴った左CKから、再び近藤があわやというヘディングを打ち込むなど、農大一が手数を出す中、積田を中心に少しずつボールの動き始めた正則にもビッグチャンス。40分、縦へのいいボールを宮澤はシンプルにフリック。右サイドを抜け出した柳竜馬(3年・市川高谷中)は、マーカーを切り返しで振り切ると、右スミへ落ち着いて流し込むファインゴール。「前線の3枚が連動していなかった」(小澤監督)前半の最後で、ようやくその連動が結果に直結。正則が1点差に詰め寄る格好で、前半の45分間は終了しました。
後半はスタートからエンジンの掛かり始めた正則に勢い。48分には左SBの岩浅拓斗(3年・ヴェルディSSレスチ)、阿部、宮澤の連動からCKを奪うと、50分には積田が枠の右へ外れるミドル。さらに56分には阿部のループパスに、2列目から飛び出した鈴木が応えたフィニッシュ。ここは森本がファインセーブで凌ぎましたが、「前線の3枚にトップ下がどう絡んでくるか」と小澤監督が考えていた攻撃のポイントを体現したシーンも生まれ、ゲームリズムは完全に反転します。
正則の中でも「あれだけやれることは重々わかっている」と指揮官も信頼を寄せる積田は、前半こそやや流れの中に埋没したものの、ボールが回り始めればやはり存在感を発揮。66分には右サイドへ綺麗なスルーパスを通し、SBの井原翔(3年・GRANDE FC)が上げたクロスを演出すると、68分にも左CKの流れから宮澤のパスを引き出し、ゴールまで30m弱はあろうという位置から、クロスバー直撃のミドルも披露。攻撃の中心としてタクトを振るい続け、こじ開けようと迫る同点への扉。
「疲れもあるが後ろからのコーチングがなかなかなくなって、どうやって守るかが不明確になってきた」と劒持監督も感じていた農大一は74分に1人目の交替を決断。右SHの牧野と中澤裕(2年・大豆戸FC)を入れ替え、サイドの守備も強化しつつ、何とか残り15分を保ちたい1点差。
75分は正則。岩浅のスルーパスに反応した阿部が右サイドを抜け出すも、懸命に戻ったCB小島順平(1年・大宮ソシオ)が決死のクリア。75分は農大一。バイタルで細かく繋ぎ、杉木のパスから浅田が狙ったシュートはクロスバーの上へ。76分には正則が柳と渡邉優樹(2年・クリアージュ)をスイッチさせ、とうとうゲームは1点差のままで最後の10分間へ。
82分は正則。積田が右へ展開し、渡邉優樹はドリブルからグラウンダーで中へ。宮澤が至近距離から狙ったシュートは、しかしここも森本がビッグセーブで応酬。84分も正則。柴田が左へスルーパスを操り、宮澤がカットインから放ったミドルも森本がキャッチ。85分には正則が渡邉由典(2年・クリアージュ)を、農大一が友井優太(2年・東京農業大第一中)を同時に投入し、正則はFW兼用のCB高橋壮太(3年・POMBA立川FC)を最前線に上げて、パワー勝負も視野に押し込みたい最終盤。
87分も正則。後方からのフィードを、先に追い付いたDFがクリアするも、そこに飛び込んだ高橋に当たったボールは、わずかに枠の左へ。88分も正則。井原が右からアーリークロスを放り込み、こぼれをミドルに変えた柴田のシュートは森本がキャッチ。「最後は剥がすことができない」(小澤監督)正則に、「先輩が残してくれたものを守りたいという気持ち」(劒持監督)で粘る農大一。アディショナルタイムは5分。
90+2分、農大一は丸山陽司(2年・世田谷駒留中)をピッチへ送り込み、直後に高橋が体を張って収め、渡邉優樹が打ち切ったシュートは枠の右へ。90+4分、農大一は丸山一樹(1年・FC府中)を最後のカードとして送り込み、直後に訪れた正則のラストチャンス。左サイドのエリアすぐ外で獲得したFK。キッカーの宮澤は短く蹴り出し、鈴木のシュートがこぼれた所に、渡邉由典はすぐさま反応して枠内へ打ち込みましたが、「合格点をあげてもいいかな」と劒持監督も言及した小島と近藤のCBコンビを含む農大一の人垣がボールを弾き出すと、しばらくして漆黒の夜空へ吸い込まれたホイッスル。「励みになるし、たぶん自信にもなったと思う。今後に向けての大きなステップになった」と劒持監督も評価した"新生"農大一が、堂々たる勝利でT3の王冠を新小岩の夜空へ掲げる結果となりました。
非常に見応えのある一戦だったと思います。その中で「農大さんの方が勝負に対して集中していたと思うし、そこの所はウチも見習っていかなくてはいけない」と小澤監督も認めた農大一の、タイトルを希求する気持ちがこのゲームに関してはほんの少しだけ上回ったのかなと。ゴール前で優勝の喜びを全員で分かち合った彼らが、「新しい代での初めての公式戦」(劒持監督)を最高の形で飾り、新たな1年への第一歩を力強く踏み出しました。       土屋

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