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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年08月19日

SBSカップ国際ユースサッカー 静岡ユース×U-18日本代表@エコパ

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ecopa0818.jpg数えて36回目という伝統を誇り、国内有数の国際大会として名高いSBSカップも今日が最終日。王国の地で同年代の"代表"と"選抜"が、覇権を巡って激突します。
今年に入って鈴木政一監督を日本体育大学から迎え入れ、4大会ぶりの"世界"を目指して編成されているU-18日本代表。松本昌也(大分トリニータ)や三浦弦太(清水エスパルス)、望月嶺臣(名古屋グランパス)をはじめとするJリーガーと、金子翔太(3年・JFAアカデミー福島)や宮市剛(3年・中京大中京)などJリーグ入団が内定している高校生が混在しているチームは、初戦のウルグアイ戦で2‐0と勝利を収めると、次に当たったロシアからは4ゴールを奪って完勝。「アジア予選へのシミュレーション」(鈴木監督)と位置付けているこの大会ですが、連覇を懸けて最後の1試合に臨みます。
迎え撃つのは3年前の山口国体優勝メンバーを中心に、磐田と清水のJユース勢と静岡学園、藤枝東、浜松開成館の高体連勢で連合軍を組織し、"ホーム"での戴冠を狙う静岡ユース。こちらもロシアに3‐2で競り勝つと、ウルグアイには最小得点差で辛勝。「3年生にとって静岡県選抜でのプレーは、勝っても負けても今日で最後」(静岡ユース・廿日岩亮監督)という正真正銘のラストマッチがこのゲームであり、タイトル獲得という有終の美を飾りたい一戦です。同じ高校年代であり、おそらく個別の対戦経験も十分に有する両者にとって、優勝という成果以上に「負けたくない」という気持ちは間違いなく強烈なはず。30度を超えそうな炎天下の中、会場となるエコパに詰め掛けたのはサッカー少年を中心に7206人。晩夏に訪れたビッグマッチは、静岡ユースのキックオフでスタートしました。
ファーストチャンスはU-18日本代表。2分、右SBの広瀬陸斗(3年・浦和レッズユース)が鋭いボールカットから、そのまま持ち上がってクロス。金子がボレーで捉えたシュートは静岡ユースGK石田貴俊(3年・浜松開誠館)がキャッチしましたが、サイドアタックからフィニッシュまで。対する静岡ユースも3分、土居柊太(3年・浜松開誠館)と須藤駿介(3年・静岡学園)の連携で裏へ落とし、抜け出した右SBの柳沢拓弥(3年・清水エスパルスユース)にはDFが寄せてフィニッシュには至らずも、まずはお互いにいい形を創り合って立ち上がります。
8分には静岡ユースにセットプレーのチャンス。ピッチ中央、ゴールまで約25m強。自らが倒されたFKを須藤が直接狙うと、ボールはわずかにクロスバーの上へ。11分にも須藤が左へ付けると、金原唯斗(3年・ジュビロ磐田U-18)が縦にスルーパス。走り込んだ中野誠也(3年・ジュビロ磐田U-18)はわずかに届かなかったものの、チャレンジ自体の質は秀逸。12分には上原力也(2年・ジュビロ磐田U-18)が相手GKを見て、50m近いロングシュートにトライするなど、攻撃的な姿勢をハッキリと打ち出します。
14分はU-18日本代表。望月と松本のパス交換で左サイドを崩し、金子がエリア内でドリブルを敢行すると、こぼれに反応した越智大和(3年・サンフレッチェ広島ユース)のシュートは枠の右へ。20分もU-18日本代表。望月が左からカットインしながら放ったミドルはクロスバーの上へ。24分もU-18日本代表。左に開いたボランチの川辺駿(3年・サンフレッチェ広島ユース)がクロスを送り、越智はトラップでコントロールを試みるも、絞っていた静岡ユースの左SB渥美瑛亮(3年・ジュビロ磐田U-18)がしっかりクリア。ボールはある程度U-18日本代表が支配する中で、最後の局面は静岡ユースもCBの鈴木準弥(3年・清水エスパルスユース)と長島來雅(3年・静岡学園)を中心にゴールへ鍵を掛け、決定的な侵入は許しません。
29分には静岡ユースにチャンス。須藤を起点に金原が巧みなコントロールでDFラインの背後へ落とすと、走り込んだ中野のボレーは薄く当たり、U-18日本代表のGK田口潤人(2年・横浜F・マリノスユース)がキャッチしましたが好トライ。29分にはU-18日本代表も越智との連携からミドルで、35分には松本のサイドチェンジから関根貴大(3年・浦和レッズユース)のクロスをヘディングで、40分にはやはり越智との連携からエリア内で、いずれも金子がシュートを放つも、いずれもゴールには至りません。今大会の得点ランクトップを走る金子の積極性は光ったものの、U-18日本代表が攻勢に出た40分間はスコア動かず。0‐0でハーフタイムに入りました。
後半はスタートから両ベンチに動きあり。静岡ユースは土居に替えて、小谷春日(2年・藤枝東)を投入。U-18日本代表は関根に替えて、小川直毅(3年・ガンバ大阪ユース)を投入。共に16番のサイドアタッカーを送り込み、縦への推進力を中盤のレンジで高めに掛かります。
U-18日本代表のキックオフを経て、先に後半のファーストシュートを繰り出したのは静岡ユース。42分、左から須藤がクロスを送り、こぼれを上原がワントラップボレー。先に後半最初の決定機を創り出したのはU-18日本代表。44分、越智が巧みなポストプレーで右へ振り分け、再三上質なクロスを上げていた広瀬がここもレーザービーム。ボールは金子の頭にドンピシャでしたが、シュートは石田の正面。48分もU-18日本代表。右サイドで小川が鋭い突破からクロスを送り込み、金子がダイレクトで落としたボールは越智が打ち切れず。お互いにサイドを使った形から、惜しいシーンを生み出します。
ただ、徐々にリズムを掴み始めたのは"ホームチーム"。54分には松本に惜しいシュートを許したものの、「小谷には積極的にどんどん裏を取る、あるいは足元で受けてどんどん縦に仕掛けろということで彼もそれを十分理解してやってくれたので、そこで右サイドを押し込めた」と廿日岩監督が話したように、後半から登場した小谷が右サイドで"槍"として機能。これでSBの柳沢も前に出てくる回数が増加し、その勢いは逆サイドの渥美と金原にも波及。58分には渥美が金原とのワンツーから、やや無回転の狙いが外れたミドルを枠内へ。60分にも小谷を起点に、アンカーの榎木拳太郎(3年・浜松開成館)が右のハイサイドへ。加速してマーカーを振り切った柳沢の折り返しに、金原がダイレクトで叩いたシュートは枠の上へ外れましたが、「静岡の誇り、静岡の魂を大いに見せ付けてやろうという話はした」(廿日岩監督)という王国の若武者が、サイドアタックをベースに解き放った持てるポテンシャルの高さ。スタンドへ広がる期待感。
67分も静岡ユース。須藤、小谷、土居、金原と中盤の4人がボールに絡み、最後は速いパスを中野が止め切れず、フィニッシュは取れなかったものの、「静岡はオンのプレーヤーのマーキングが甘いと、ドリブル突破もあるし、パスでの突破もある」と鈴木監督も認めた"オン"のスムーズな連鎖で、相手ゴールを脅かす時間が続きます。
「3試合目で非常に疲れている中でも、我慢強く、粘り強くという所でプレーしていた」(鈴木監督)U-18日本代表に訪れた、千載一遇の先制機。68分、越智が粘って右へボールを繋ぐと、小川は抜群のスピードでサイドをぶっちぎって正確に中へ。しかし、望月に替わって途中投入されていた北川柊斗(3年・名古屋グランパスU18)は少し突っ込み過ぎてしまい、シュートをしっかり当て切れずにボールはクロスバーの上へ。スコアボードの数字を変えられません。
76分には左寄り、ゴールまで25m弱の距離から金子が直接狙ったFKもクロスバーの上へ。「初戦に比べれば守備の部分はだいぶ修正できた」と三浦も手応えを口にしたU-18日本代表も、「選手個人であったり、集中力であったり、このゲームに臨むメンタリティであったり、そういう所は代表にも負けない非常に素晴らしいものを見せてくれた」と廿日岩監督も賞賛した静岡ユースも両者譲らず。カップの行方が委ねられるPK戦を、スタジアムの大半が覚悟した79分に輝いたのは、既にJ1の舞台を経験している17歳。
終盤にピッチへ送り込まれた宮市がドリブルから縦に付け、受けた北川が右へ流すと、ここに3列目から上がってきたのは「走っている途中から『来る!』と思っていた」という川辺。やや角度のない位置から「思い切り蹴ろうと」渾身の力を籠めて蹴り込んだシュートは、ゴールネットを激しく揺らします。機を見て最前線に飛び出したボランチの意外な一撃は、そのまま決勝弾に。「無失点でしっかり勝ち切れたのが良かった」と三浦も話したように、終わってみれば1つのゴールも許すことなく3連勝を飾ったU-18日本代表が、見事に連覇を達成する結果となりました。
個人的には静岡ユースの奮闘が印象に残りました。「内容的な部分も選手は本当に良くやってくれて、今までのこのチームの中でも最高のゲームができたんじゃないかと思っています」と廿日岩監督も言及したように、後半は押し込む時間も十分に創るなど、「国体をスタートとして約3年間の集大成」(廿日岩監督)への高い意欲を存分に発揮してくれました。結果は何とも残酷なものになってしまいましたが、チームとしての組織力は王国の名に恥じないレベルを披露。「自分自身も本当に彼らに助けられて、国体から始まって今日のSBSの最終戦を迎えるまで、すごくいい経験をさせてもらいましたので、彼らにありがとうと言いたいです」と語った指揮官の下、"代表"と互角以上に戦った"選抜"の彼らに大きな拍手を送りたいと思います。       土屋

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