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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年08月15日

9th COPA SEIRITZ 2013 予選リーグCグループ 四日市中央工業×川崎U-18@裾野グラウンドH

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copa0815①.jpg今回で9度目を迎えるCOPA SEIRITZもいよいよ今日から開幕。Cグループのオープニングマッチは高体連とクラブユース勢が激突します。
「トップチームをバックアップする選手(Bチーム)の強化、育成を図る大会として発足し、トップチームの強化はさることながら、それをバックアップする選手にも、高い目標と、高いモチベーションを持って常日頃のトレーニングに取り組む事が、チーム全体のモチベーションにつながり、強化につながるのではないかと考え、COPA SEIRITZの開催を考えました」というのが、大会パンフレットに掲載されている成立学園の宮内聡総監督による"開催について"のメッセージ。東は群馬から、西は岡山まで全国から16にもおよぶ強豪チームの"Bチーム"が顔を揃える非常に意義深いサマーカップの存在を、やはり成立学園の森岡幸太コーチからお聞きして、今回参戦させてもらうことになりました。伺ったのは大会初日。裾野グラウンドの3面と時之栖グラウンド1面の中から、開幕戦は裾野グラウンドHの四日市中央工業と川崎フロンターレU-18の対戦をチョイスしました。
インターハイでは県予選敗退という悔しい結果に終わり、選手権での捲土重来を誓う四中工。出雲に遠征しているトップチームから離れ、時之栖に馳せ参じたのは「大げさに言えばこの夏の最終選考」(四中工・山﨑崇史コーチ)にトライする精鋭16名。「この子らが秋にレギュラー争いに加わってくるのか、25名の中にに入ってくるのかという位置付け」(同)の大会に挑むことになります。
対するは「Bチームの選手が公式戦に絡む機会が少ない中で、勝負にこだわっていこうと」(川崎U-18・長橋康弘コーチ)、モチベーション高く静岡にやってきた川崎フロンターレU-18。「ウチのチームでは重要視している」と長橋コーチも認めるこの大会で、個人もチームもさらなるレベルアップを狙います。
お互いに探り合うような立ち上がりから、先にシュートを放ったのは川崎。11分、河村英侑(3年・川崎フロンターレU-15)のチップキックに反応した猪狩和真(1年・川崎フロンターレU-15)のシュートは四中工GK小林蒼(1年・FCクラッキス松戸)がキャッチ。15分にもやはり河村が裏へ落とすと、柴原周平(1年・川崎西中原中)はオフサイドを取られましたが、左SBに入った河村の"裏"がまずは光ります。
一方、前線に馬力のある選手を揃えた四中工は16分にチャンス。上條翔太(2年)を起点に、阪倉幹太(1年)、伊藤圭都(1年)と右へ繋いで、最後に大屋光希(2年)の放ったカットインシュートは枠の右へ外れたものの、「今日のゲームでは確かに2トップが生命線」と山﨑コーチも言及した、前線で並ぶ上條と大屋が絡んだ形から記録したチームファーストシュート。
このプレー以降は2トップに加え、右の山口龍人(2年)、左の伊藤とSHも縦への推進力を発揮し、四中工が攻勢に。21分にも伊藤のドリブルからCKを獲得するなど、手数を掛けないシンプルなアタックが効き始めると、勢いそのままに先制したのはやはり四中工。28分、左SBの山川雄也が果敢なインターセプトを成功させると、上條の丁寧な落としから伊藤がミドル。ボールは低空飛行でゴール左スミへ吸い込まれます。最初の30分間は四中工が1点をリードして終了しました。
後半はスタートから川崎にリズム。「ハーフタイムで『ボールを持つ時間が長いので、もっとボールを動かして、ボールを見えている人間をシンプルに使っていこう』という話はした」という長橋コーチの言葉を受けて、37分には長谷川隼(1年・川崎フロンターレU-15)のスルーパス1本で抜け出した緒方和(2年・川崎フロンターレU-15)のシュートは枠の右へ外れるも、39分にも大山がシンプルに裏へ落とし、一瞬早く小林にキャッチされましたが、ボールを回す所と裏へ簡単に入れる所の使い分けが整理された川崎が、少しずつ主導権を握っていきます。
33分には「最終ラインを安定させたかったので」(山﨑コーチ)、濱野稜馬(1年)をボランチに投入し、ボランチの藤田光貴(2年・伊賀FC JY)を右SBにスライドさせた四中工も42分にチャンス。大屋が短く出すと、上條は左へスルーパス。走り込んだ伊藤のシュートはDFのブロックに遭い、追加点とはいきません。
すると、流れをしっかり掴んだ川崎の同点弾は43分。金子俊志(2年・川崎フロンターレU-15)のパスを受けた大山は絶妙スルーパス。フリーで抜け出した緒方は、冷静にGKを見定めるとゴール左スミへ確実にボールを送り届けます。「前半よりも後半の方がシンプルにやってくれたかな」と長橋監督。スコアは振り出しに戻されました。
"生命線"の輝き。後半は決定機を創れなかった四中工に、2度目の歓喜をもたらしたのもやはりこの2人。44分、中央でボールを持った大屋はそのまま球足の長いスルーパス。上條はGKとの1対1も難なくゴールへ流し込みます。今回のメンバーでもおそらく今後のAチーム入りへ期待を集めているであろう2人のコンビネーションで、再び四中工が1点をリードしました。
さて、しっかりボールもゲームリズムも握っていたにもかかわらず、ワンチャンスで失点を喫してしまった川崎。45分には金子のパスから途中出場の瀬川ヤーシャ(2年・川崎フロンターレU-15)と長谷川が相次いで、46分には大山のクサビから金子が、それぞれフィニッシュまで持ち込むも共に枠外。51分には濱野のラストパスから伊藤にあわやというシュートを見舞われるなど、追い付けないままに時間ばかりが経過していきます。
ここでチームを救ったのは「このチームを引っ張っていく姿勢は凄く出ているので、キャプテンとしてやってもらった」と長橋コーチも話したあの男。55分、大山は金子とのワンツーで左のハイサイドへ侵入すると、折り返しを中へ。エリア内の瀬川が相手DFに倒されると、主審はPKを宣告します。キッカーは大山。右サイドを狙ったキックは、読んでいた小林も触りましたが、ボールの勢いが勝り、ゴールネットへ到達。Aチームでもプレーしているキャプテンがマークした2度目の同点ゴールは、しかしあくまでもさらなるドラマの序章。
幕切れは唐突に。58分、河村が左へ付けると猪狩は中央へダイレクトでスルーパス。オフサイドラインギリギリで2人が抜け出し、最後は瀬川のトーキック気味に狙ったシュートが、GKの股下を破ります。3つ目のゴールは今日初めてのリードとなり、それがそのまま決勝点に。うまさだけではなく、力強さも披露した川崎が劇的な逆転で勝ち点3を獲得する結果となりました。最後の最後まで目が離せない、素晴らしいオープニングマッチでした。        土屋

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