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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年07月19日

T1リーグ第9節 国士舘×東京朝鮮@駒沢補助

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komaho0719.jpgインターハイ予選は共に1次トーナメント決勝で敗れ、悔しい思いを経験した両者の対峙。前半戦ラストゲームは駒沢補助です。
なかなか白星に恵まれず、苦しい戦いを強いられていたリーグ戦でしたが、前節は都立駒場と激しいシーソーゲームを繰り広げた末にとうとう初勝利を手に入れた国士舘。ここで連勝を飾り、降格圏脱出へ向けて一気にエンジンを掛けたいゲームになります。
一方、開幕から4試合未勝利と厳しい序盤戦となった東京朝鮮。ただ、5月以降は3勝1敗と復調傾向に。前節は3ゴールを奪って快勝しており、上昇気流に乗るための今季2度目となる連勝を手にしたい一戦です。ポツポツと降り始めた雨も、暑さを緩和するまでには至らず。まだまだ熱も湿気も残る18時15分、ゲームはスタートしました。
先に思い切ったチャレンジを見せたのは国士舘。3分、ミドルレンジから甲斐吏(3年・町田ゼルビアJY)は強引にシュートチャレンジ。ボールは大きく枠を外れたものの、まずは先制への決意を滲ませます。ところが以降のリズムは東京朝鮮。6分にシン・ヨンジュ(3年・東京朝鮮中)が左からのカットインシュートを枠の左へ飛ばすと、12分にもリャン・ソッチュ(2年・大宮アルディージャJY)が左サイドを1人で運び、わずかにゴール左へ逸れるシュート。左サイドからのアタックで攻勢を強めます。
12分も東京朝鮮。シンプルなフィードを収めたハン・ヨンテ(2年・東京朝鮮第一中)が、今度は右から中へ切れ込み、きっちり枠内へ放ったシュートは国士舘GK谷内大輔(3年・世田谷FC)がファインセーブ。その右CKをキム・サンドク(3年・東京朝鮮中)が蹴ると、こぼれをムン・スヒョン(3年・埼玉朝鮮中)が打ち切ったボレーはDFが体でブロック。セカンドユニフォームの青を纏った東京朝鮮の躍動。
するとスコアを動かしたのは、勢いそのままの青。15分、左へ展開したボールを受け、SBのコ・ジャンギ(3年・ジェフユナイテッド千葉U-15)は完全にサイドを切り裂いて中へ。このボールを「昔から重要な場面で決めるのは得意。落ち着いて蹴ることができた」と語ったキム・サンドクが綺麗に右スミへ流し込みます。高隆志監督も「あの子はウチで一番うまい」と太鼓判を押した10番の先制弾。東京朝鮮が1点のアドバンテージを手にしました。
18分にもキム・ヤンジュ(3年・東京朝鮮第五中)のパスをムン・スヒョンが捌き、シン・ヨンジュのシュートは枠を捉えられませんでしたが、東京朝鮮の好リズムは積極的なサイド攻略が肝。右のムン・スヒョン、昨シーズンからレギュラーに定着していた左のコ・ジャンギと、両SBも果敢なオーバーラップを繰り返し、ここに3シャドー気味のキム・サンドク、シン・ヨンジュ、リャン・ソッチュがある程度流動的に絡むことで、厚みのある攻撃が可能になっていた印象です。
さて、相手の勢いをまともに受ける格好で手数を繰り出せない国士舘でしたが、25分過ぎからはようやく攻撃にリズムが。中盤の中央に位置する山戸大輝(3年・国士舘中)がサイドに振り分け、右の高山大(3年・FC東京U-15むさし)と左の外村裕太(3年・Forza'02)の推進力を生かしながら、ハイサイドへと侵入する回数が増加。35分にはやはり山戸を起点に、キャプテンマークを巻いたCBの田口圭介(3年・帝京FC)が右へ。上がってきたSBの平野雄馬(3年・横浜栄FC)はそのままエリア内へ飛び込み、2人のマーカーを外しながらフィニッシュまで。ボールはクロスバーを越えたものの、ようやくシュートらしいシュートシーンを創出。終盤はほとんどフィフティに近い展開まで国士舘が押し戻し、前半の45分間は終了しました。
先に動いたのはビハインドの国士舘。中盤のアンカーとして守備に奮闘していた栗山健吾(1年・パルチーダFC龍ヶ崎)に替えて、仲山恵一朗(3年・三菱養和巣鴨)を1トップ下へ投入。中盤の構成に変化を加え、掴みかけたペースを一気に奪いに掛かると、後半のファーストチャンスは国士舘。
47分、左サイドをドリブルで突き進んだ酒巻崚(3年・湘南ベルマーレJY)は、鋭い加速から強烈な枠内シュート。東京朝鮮のGKチョ・ヨンギ(3年・千葉朝鮮中)がファインセーブで凌ぎ、こぼれに詰めた高山のシュートはわずかにゴール右へ。同点弾とはいきませんでしたが、その予感は十分。ここからは国士舘がトータルでのゲームリズムを握りながら、お互いに攻めあうアグレッシブな展開に。
49分は東京朝鮮。リャン・ソッチュ、ハン・ヨンテと繋ぎ、キム・ヤンジュがトライしたミドルはゴール右へ。52分も東京朝鮮。左サイドを1人で切り崩したリャン・ソッチュの折り返しを、ハン・ヨンテが狙ったシュートは谷内が冷静にセーブ。54分は国士舘。CBの篠田昂冶(2年・三菱養和調布)が左へ流すと、SBの箭内豪(3年・三菱養和巣鴨)はオーバーラップから中へ戻すも、外村のシュートは枠の左へ。目まぐるしく入れ替わる攻守。
56分は東京朝鮮。右サイドの崩しから最後はハン・ヨンテのシュートが枠内を急襲するも、谷内が果敢にセーブ。58分は国士舘。酒巻が左へ送ると、外村はカットインしながらこちらも枠へきっちり飛ばし、チョ・ヨンギが何とかセーブ。60分は東京朝鮮。キム・サンドクのヒールワンツから、ハン・ヨンテが狙ったシュートは谷内がキャッチ。次に記録されるのは同点弾か、追加点か。
64分、甲斐を下げて長谷川未来(1年・三菱養和巣鴨)を送り込み、前線のパワー強化に着手した国士舘は、1列下がった酒巻がボールを集めて散らし、攻撃のリズムを創出。66分には高山の左FKに田口が競り勝ち、箭内が狙ったボレーはDFがブロック。67分には右から高山が投げたロングスローから、田口が打ったシュートもDFが体でブロック。「言い訳にはしませんが」と前置きしながら、「修学旅行で2週間練習をしていなかった」と高監督が明かした東京朝鮮は足が止まり始め、強いられた「我慢の時間帯」(キム・サンドク)。75分も国士舘。高山がドリブルから縦に付け、平野が正確なクロスを送ると、長谷川のボレーはチョ・ヨンギに防がれましたが、上がった赤青のボルテージ。それは応援席も同様に。
東京朝鮮はリ・キョンチョル(1年・東京朝鮮中)とチョ・ゴンジョ(3年・西東京朝鮮第一中)が、国士舘は工藤聡士(3年・世田谷千歳中)がそれぞれピッチに解き放たれ、残り10分間の攻防へ。ここでしたたかさを発揮したのは「我慢してカウンターという形で、チーム的にまとまった」と高監督が振り返った東京朝鮮。79分はカウンター。よくボールを収めていたハン・ヨンテのスルーパスから、シン・ヨンジュのシュートは飛び出した谷内がファインセーブ。81分もカウンター。アバウトなフィードを収めたハン・ヨンテは、ゴールまで30m近くの距離もほんのわずかにクロスバーを越えるミドルを披露。82分には国士舘が高山のCKからゴール前の混戦を創り、篠田が丁寧に放ったシュートもDFが全身を投げ出してクリア。研ぎ澄まされる集中力。
83分にも相手のCKからカウンター発動。リャン・ソッチュがドリブルから左へ付け、チョ・ゴンジョがトーキックで狙ったシュートは谷内に阻まれましたが、見逃さなかった直後のエアポケット。84分、国士舘は自陣でのパスワークが乱れ、中央の深い所でボールロスト。拾ったリャン・ソッチュは走って走って、そのままエリア外からゴール左スミへボールを送り届けます。「苦しい時間帯を我慢できて良かった」と、この時はベンチに下がっていたキム・サンドク。押し込まれる時間の長かった東京朝鮮が点差を広げます。
決着を付けたのは途中出場の3年生ストライカー。追加点から2分後の86分、収めて捌くことでカウンターのキーマンになっていたハン・ヨンテが右へスルーパス。完全に抜け出したシン・ヨンジュは優しくニアへ転がすと、最後に押し込んだのはチョ・ゴンジョ。「ウチは昨年と違ってスターがいない分、3人目の動きは意識させている」と高監督。鋭利なジャックナイフで連続ゴール。勝敗は決しました。
諦めない国士舘も最後の意地。87分には仲山のパスから、投入されたばかりの工藤夏仁(1年・三菱養和巣鴨)が打ち切ったシュートはわずかにゴール左へ。90分には田口の左FKから、これまた投入直後の蟇田燎(3年・小平第三中)がこぼれをシュートに変えるも、チョ・ヨンギがキャッチ。90+5分のラストチャンス。蟇田が右サイドから懸命に上げたクロスは、ドンピシャで仲山に届くも、ボレーはチョ・ヨンギがしっかりキャッチ。「完璧なコンディションではない中で、後半は良く耐えた」と高監督。終わってみれば東京朝鮮が2試合連続となる3ゴールを奪い、勝ち点3を掴み取る結果となりました。
国士舘は随所にタレントを揃えた好チームでした。10番という背番号からもわかるように、おそらくキャプテンの田口はもう1列前の選手。1年生の栗山も健闘していましたが、おそらく田口がアンカーで潰しと散らしに加わると、違った色も出るのかなと。また、最初は1.5列目気味に位置し、後半はボランチに落ちた酒巻もボールを握れるキープレーヤー。より彼がボールに触れた後半は良いリズムを創り、一時は一方的に押し込む時間帯も。この順位にいるのが不思議な印象を受けました。
「だんだん子供たちが力を付けてきたのは感じる」と高監督が話したように、東京朝鮮はチームとしての総合力が春先より高まってきたように見えました。昨年の強力2トップが抜け、「みんなで走って補わなくてはいけない」と高監督。10番を付けて攻撃のタクトを振るうキム・サンドクも「エースがいない部分をプラスにしていきたい。みんなで崩してというのが、今年のチームのいい所」とキッパリ。組織の伸びしろがある分だけ、残り数ヶ月でどんな化学反応が起こっていくのかが非常に楽しみです。      土屋

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