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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年06月17日

インターハイ東京準々決勝 駒澤大学高×國學院久我山@駒沢補助

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komazawa0616①.jpgイメージとすればまさに"柔"と"剛"の対峙。パワーとフィジカルに自信を持つ駒澤大学高と、テクニックに自信を持つ國學院久我山が雨の駒沢補助で激突します。
先月行われた1次トーナメントは最激戦区を見事突破。先週の堀越戦も1点差で潜り抜け、ベスト8まで勝ち上がってきたのは駒澤。ここ数年は東京の中でも上位進出の常連であり、特に今の3年生は全国でも躍進を果たした選手権を見て入学してきた世代。その時の再現を、あるいはそれ以上を狙う上でも、ここで負けるわけにはいきません。
対するはこれが今シーズンの"初"東京となる久我山。プリンス関東2部でも2位につける好スタートを切るなど、都内屈指の実力を持つとの評判も高いチームですが、「プリンスじゃ味わえない"東京"の雰囲気は全然違う」と李済華監督。グルリとピッチを取り囲んだギャラリーの多さも含め、この雰囲気にどう慣れるかは久我山であっても難しい所とのこと。さらに大会初戦というシチュエーションも相まって、どう実力を出し切れるかに注目が集まります。朝からの雨も小康状態ながら継続して降り続く中、今日も10時ちょうどに第1試合のキックオフを迎えました。
最初のチャンスは久我山。2分、シンプルなフィードを左で受けた松村遼(3年・久我山中)は1人かわして中へ。小田寛貴(3年・ジェファFC)のシュートは駒澤DFが体でブロックしましたが、まずは左の槍として成長著しい松村の突破から、惜しい形を創出します。
以降もボールを積極的に動かしていく久我山ペース。アンカーにどっしり構える平野佑一(3年・東京ヴェルディJY)とU-18日本代表候補の渡辺夏彦(3年・FCトリプレッタ)、そして小田の中盤3枚を中心にパスを紡いでいく中で、やはり前への推進力でアクセントになっていたのは左サイドの松村。10分に富樫佑太(3年・ジェファFC)のミドルが枠の左へ外れると、11分にはその松村が左サイドをぶっちぎり、わずかに枠の右へ外れる鋭いシュートチャレンジ。13分にも小田とのワンツーから、粘ってマイボールに収めた松村のシュートは駒澤GK市川晃平(3年・FC杉野)が足でのファインセーブで阻みましたが、1回戦同様に右SBへ人に強い真砂慶太郎(3年・POMBA立川FC)を置いた駒澤もなかなか勢いを食い止められず、押し込まれる時間が続きます。
「いつもは消しに来る中盤も完全に引いてきた。引いて守ってくるというのはちょっと予想外」と李監督も話したように、大野祥司監督は1つの久我山対策としてシステム変更に着手。4-2-3-1を敷いた先週から、入れ代わり立ち代わりでバイタルへ侵入してくる久我山のアタックを封じるべく、吉村進太郎(3年・FC東京U-15むさし)を中盤アンカーに置いた4-1-4-1気味の布陣にシフト。大野監督も攻め込まれると「ブロックを創れ!」としきりに指示を送るなど、守備の安定を最重視した戦い方を選択し、押し込まれる中でも1つ1つの守備機会を丁寧に凌いでいきます。
そんな駒澤にファーストシュートが生まれたのは16分。真砂が蹴ったFKを尾門泰(3年・東急レイエスFC)が頭で繋ぎ、スタメンに復帰した大塚寛大(3年・リオFC)を経由して、柳澤歩(2年・フッチSC)が枠へ収めたシュートは久我山GK仲間琳星(2年・ジェファFC)にしっかりキャッチされたものの、ようやく見せた反発力。18分には富樫、渡辺、飯原健斗(2年・横浜FC JY)が次々にエリア内へ侵入してきたターンを凌ぐと、守備面でも徐々に落ち着きを取り戻し、展開は少しずつ膠着した時間へ。
20分には大川雅史(3年・フッチSC)の左CK、21分には松本将悟(3年・横浜茅ヶ崎中)の左FKが久我山ゴール前に放り込まれると、25分には大塚がミドルを枠内へ収めて仲間にキャッチを強いるなど、守備の反発が攻撃の手数にも直結。26分には久我山も右から始めたショートコーナーから、富樫とのワンツーでエリア内へ切れ込んだ渡辺のシュートも、市川がファインセーブで回避。27分に再び富樫とのワンツーから渡辺が放ったシュートもクロスバーの上へ。変わらないスコアボードの数字。
突如として巻き起こった駒澤の決定機は27分。キャプテンの尾門が右へ振り分けたボールを、確実なトラップで収めた大川は縦へ持ち出し、運んで運んで鋭角にGKも触れない高速シュート。しかし乾いた金属音はボールがクロスバーを叩いた証。のけぞる駒澤ベンチ。このゲーム初の決定的なシーンも先制弾とはいきません。
「前も向かせてくれないし、足元へ入るとファウルもされるので攻撃にならなかった」とは富樫。「相手の後ろにウチの攻撃のスペースが足りなかったのかなと思う」とは李監督。いずれも駒澤の守備を評した言葉であり、37分には平野が左足枠内ミドルを打ち込むも、市川がキャッチ。なかなかエリア内でのスリリングなシーンを創出できなくなっていきます。
ところが、前半も終了間際の39分に動いたスコア。縦へのスピードアップを図ったパスを飯原がしっかり落とすと、渡辺は短いラストパス。GKが飛び出してくるのを見た富樫は「練習中に何度かあの局面があって、普通に狙って外していたので、GKが飛び込んできたら上を狙おうというのは、その練習中に見つけた」とフワリと浮かせたチップキックで、ボールをゴールネットへ送り届けます。「チームが苦しい時にはオレのゴールで勝たせようと思っている」というエースの一撃。久我山が均衡を破って、最初の40分間は終了しました。
ハーフタイムを挟むと駒澤に交替が。アンカーの吉村を下げて、1回戦ではスタメン起用されていた田邉彬人(3年・川崎フロンターレU-15)を1トップ下へ投入。ビハインドの状況下で、攻撃面の強化を主眼に置いた入れ替えを敢行すると、開始30秒でのチャンスは駒澤。右サイドでボールを持った大川がシュート。跳ね返りを再び大川が拾い、上げた高速クロスに体で飛び込んだ大塚のボレーは当たり切らず、ボールは枠の左へ逸れたものの、同点への意欲を強烈に打ち出します。
ただ、久我山も当然狙う2点目。43分、平野の右FKはファーでフリーになっていた飯原まで届くも、ボレーは枠の左へ。同じく43分、細かく繋いで富樫が左へラストパスを送ると、松村のフィニッシュは市川がファインセーブで阻止。47分には李監督も1人目の交替策として、飯原をルーキーの小林和樹(1年・ジェファFC)と入れ替え、そのまま左FWへ投入すると、続く久我山の攻勢。
49分、小田のパスから松村が打ち切ったシュートはクロスバーの上へ。50分、富樫が左へはたき、松村が粘って収めたボールをシュートに変えると、これもクロスバーの上へ。打てども入らない2点目に「練習の時からシュートにキレがなかったかな」とは李監督。圧倒的に攻め込む中でも、肝心の追加点にはなかなか手が届きません。
流れを引き寄せたい大野監督の決断は53分。前線のターゲットとして奮闘していた大塚を諦め、「トップ下の位置からドリブルができる」切り札の杉山康介(3年・ヴェルディSS相模原)をここでピッチへと解き放ち、大川を最前線にスライドさせ、その下に右から田邉、杉山、柳澤を並べる形で勝負に出ます。
すると、駒澤に訪れた今日2回目の決定的なチャンスは58分。中央を大川が抜け出し、エリア内から枠へ収めるシュート。ここは仲間がファインセーブで封じたものの、こぼれに詰めた田邉はGKのいないゴールへボールをプッシュします。転がるボール。集まるすべての視線。このターンの帰結は、懸命に戻った久我山のCB内藤健太(2年・Forza'02)がライン上で決死のクリア。李監督も「黙々と守備をやり切れる力強さは、ディフェンスとして一級品」と賞賛した守備の要が間一髪のビッグプレー。点差は縮まりません。
59分には李監督も小田と萩原優一(3年・横河武蔵野FC)を入れ替え、中盤にてこ入れ。60分には渡辺が左サイドからカットインしながら、枠内へ飛ばしたミドルも市川がファインセーブで応酬。開かない点差に大野監督は64分、柳澤を下げて山口将広(2年・足立千寿桜堤中)を投入し、これでシャドーの位置は全員が途中出場の選手に。フレッシュな足で狙う同点機。
67分は駒澤。松本の右CKは久我山DFがしっかりクリア。68分も駒澤。田邉の左CKを、ファーに潜ったCB紺野容(3年・練馬光が丘第一中)が頭に当てるも、ボールはゴール右へ。69分も駒澤。長いボールで押し込んだ流れから、ルーズボールを杉山がボレーで狙うも、ボールは枠の右へ。最小得点差でもつれ込むラスト10分の攻防。
72分に「FWなんで1点じゃ足りない」という富樫のシュートが枠の左へ外れると、李監督も「守備面で考えれば、勝つためには残り10分で守り切らなくてはいけない」と3人目の交替に着手。キャプテンの渡辺をベンチへ下げ、小熊悠介(3年・久我山中)を最前線へ投入。富樫が1列下がって、「苦しかったら前に速い小熊へ」という狙いを徹底させて、守備面でのクローズを図ります。
73分には小林のパスから中央を小熊が独走。運んで運んで放ったシュートは、しかしここも市川が足でビッグセーブ。75分には富樫が右へ流れながら放ったシュートは枠の右へ。「シュートの正確性が出てこない」と苦笑いの李監督。突き放せない久我山。
77分には駒澤に意外な好機。ルーズボールを仲間が蹴ったクリアが小さく、田邉の足元へボールが入りましたが、焦ったミドルはヒットせずに無人のゴールを捉えられません。そして、これが駒澤のラストチャンス。80+2分には小熊が右サイドを抜け出し、中央でフリーの富樫に合わせるも、「最後はヘロヘロで、当てようと思ったら弱かった」シュートは市川がこの日6本目のファインセーブで阻止。後半はスコア動かず。とはいえ、「引いて守ってきた相手をどう崩すか」(富樫)という課題は残ったものの、「初戦という難しさはあった」(李監督)中でも久我山がしっかり勝ち切って、全国へ王手を懸ける結果となりました。
駒澤は市川が再三見せたファインセーブにも、最後まで得点という形では応えることができませんでした。ただ、決定機は数多く創られる中でも渡邊、紺野、そして市川を中心にした守備面での粘り強さは今日も一定以上の水準を披露。冬に目指す成果を手に入れるためには、攻撃面でのプラスアルファをどこに見出すかが課題になってきそうです。
昨年は国士舘が相手だったとはいえ、1次トーナメント初戦で姿を消した久我山。「結果オーライで次へ駒を進められて良かった」と李監督は少し納得のいかない表情でしたが、今年は"初戦"をしっかりクリアし、あと1つで目標に手が届くところまでやってきました。1年時からのレギュラーを多く抱えるこの世代に対して、「全国に行ければそこそこやれると思うので、連れて行ってあげたい気持ちはある」と李監督。九州の地で再び久我山旋風を巻き起こせるか。決戦は22日に迫っています。      土屋

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