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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年06月10日

インターハイ東京1回戦 駒澤大学高×堀越@清瀬内山

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kiyose0610.jpg第2試合は共に選手権での東京制覇を経験している強豪同士の対峙。赤の駒澤大学高と紫の堀越。会場は引き続き清瀬内山です。
関東大会予選は初戦でいきなり優勝した東久留米総合と当たり、PK戦の末に敗れた駒澤。迎えたインターハイ1次トーナメントは最激戦区に組み込まれながら、日本学園、暁星、東京朝鮮という3つの難敵を次々に退け、堂々と2次トーナメントへ進出してきました。「インターハイは獲りたいみたいで、3年生はみんな坊主にしてきた」と大野祥司監督。「気持ちを1つにしようと話して」(渡邊愛一郎・3年・インテリオール)挑んでいるこの大会で、得るべき成果はただ1つです。
一方の堀越も関東予選は初戦となった都立城東戦で完敗を喫したものの、今大会ではまたも激突した同じ相手にきっちりリベンジを達成して、この2次トーナメントへ。T2では東久留米総合を倒すなど、実力的には最後の2枠に滑り込める可能性も十分有しています。第1試合がPK戦までもつれ込んだため、一度気持ちを入れ直して臨むことになった1回戦屈指の好カードは、変わらぬ炎天下の下でキックオフされました。
まず、序盤から勢いよく飛び出したのは駒澤。2分に田邉彬人(3年・川崎フロンターレU-15)が左から蹴ったCKはDFにクリアされましたが、3分に再び獲得した左CKを田邉が入れると、GKは弾き切れずルーズボールに。松本将悟(3年・横浜茅ヶ崎中)が枠へ飛ばしたシュートは、堀越のゴールマウスを昨年から守っている鈴木悠生(3年・川崎住吉中)がキャッチしましたが、前へのパワーを打ち出します。
5分には堀越も小野幹斗(3年・三菱養和調布)が左へ付けると、10番を付けた角田悠之助(3年・FC Branco)がカットインから枠内シュートを放つも、駒澤GK市川晃平(3年・FC杉野)がしっかりキャッチ。6分には、右に流れた大川雅史(3年・フッチSC)のグラウンダークロスを、ニアで田邉が薄く当てたシュートはゴール右へ外れましたが、10分には大川のドリブルで得たFKを松本が蹴り込み、DFが何とかクリア。「立ち上がりは緊張気味に入った」とは渡邊ですが、駒澤ペースでゲームは推移していきます。
ただ、序盤の疾風を何とか耐えると、堀越が徐々に取り戻した自らのリズム。最後尾ではGKの鈴木も積極的に使いつつ、遠山幸太(3年・FC杉野)と赤羽洸哉(3年・TACサルヴァトーレ)のCBがゆっくりゆっくりボールを回しながら、隙を見た際のテンポアップは切れ味抜群。17分にはやはりCB2人のパス交換から、低い位置でボールを受けた石上輝(2年・練馬光が丘第二中)は40m近い位置を1人で持ち運び、左から中へ切れ込みながら枠の右へ外れるシュートチャレンジ。直後にも中盤アンカーを務める鈴木信司(3年・青梅FC)が左へ送り、角田の右足クロスを柿澤力也(3年・東京ウエストFC)がヘディングで狙ったシュートは、わずかに枠の右へ。「前からのプレスやマークのズレがあった」(渡邊)駒澤を相手に、機を見て人数を掛けた速い攻撃を繰り出す堀越の対抗。まさに一進一退。
そんな中、存在感を発揮したのは駒澤の10番。開始直後は1トップ気味の位置に入っていた大川が少し低い位置に下りながら、広範囲に動いてボールを引き出し始めると、再び掛かり出した前への圧力。24分に松本が入れた右FKから、最後に田邉が合わせたヘディングは鈴木にキャッチされるも、29分には大川を起点に右サイドを崩し、SBの真砂慶太郎(3年・POMBA立川FC)が上げたクロスを、走り込んだ柳澤歩(2年・フッチSC)はヘディングで枠内へ。ここは鈴木の正面を突き、先制とは行きませんでしたが、一気に引き寄せた流れ。
31分も駒澤。大川の突破から獲得した右CKを松本が蹴ると、堀越DFも何とかクリア。32分も駒澤。左SBの井浦正人(3年・Forza'02)が縦へ付けると、松本が左へ振り分け、柳澤のアーリー気味クロスは枠のわずか上へ。35分も駒澤。今度は負傷明けで早速のスタメン起用となった杉山康介(3年・ヴェルディSS相模原)のドリブルで得た右CKを、ここも松本が中へ送り、DFのクリアを杉山が押し返すも判定はオフサイド。押し込まれる堀越も、遠山と赤羽を中心に高い集中力で跳ね返し続けますが、駒澤がペースを握った格好で最初の40分間は終了しました。
ハーフタイムを挟むと、一層強まる駒澤の攻勢。44分には真砂のロングスローから奪った右CK。松本が蹴ったボールはゴールラインを割ってしまいましたが、45分にはその松本が左からカットインしながら、利き足とは逆の右足で枠の右を襲うシュートにチャレンジ。さらに52分には杉山に替えて、同じ最前線に大塚寛大(3年・リオFC)を送り込み、「インターハイはずっとこの形でやってきたから、コンビネーションはこっちの方がいいのかなと」勝負を掛けた大野監督。
燃える赤の結実。53分、真砂が右から投げ入れたロングスローへ、大塚も含めた数選手が殺到すると、こぼれたボールはドイスボランチの一角に入っていた尾門泰(3年・東急レイエスFC)の元へ。一瞬の躊躇もなく左足のダイレクトボレーで叩いた球体は、最高の放物線を描くとGKの頭上を越えて、ゴールネットへ飛び込みます。守備のスペシャリストが見せた獰猛な一撃。駒澤がとうとう1点のリードを手にしました。
「1点入ってからイケイケになった」(渡邊)止まらない駒澤。55分には左から井浦が2連続ロングスローで堀越ゴール前を脅かすと、58分にもビッグチャンス。右から松本が放り込んだCKを、渡邊が高い打点で打ち切ったヘディングは、ゴールライン上で堀越DFが何とか触ると、クロスバーの下に当たってピッチ内へ。日頃から自チームに厳しい大野監督も「大塚が入って何分間かは良かった」と認める、圧倒した時間帯。
2度目の歓喜は59分。左サイドでスローインの流れから尾門が上げ切ったクロスは、自信を持って跳躍した大塚の頭にハードヒット。懸命に伸ばしたGKの手も届かず、再び揺れたゴールネット。本職のストライカーが持つストロングをチームも自身も生かした形で、駒澤がリードを2点に広げました。
小さくないビハインドを負った堀越は、焦りからか前半のような落ち着いたポゼッションも取れず、縦へのスピードも繰り出せない展開に。65分には左に開いた石上が中へ送り、大河内直樹(3年・足立第十四中)が狙ったボレーも枠外へ。67分には柿澤と黒木隆平(3年・POMBA立川FC)を、74分には大河内と村上稜弥(3年・FCクレセル)を入れ替え、高さのアクセントにも着手しますが、駒澤も「ハイボールとジャンプ力には自信がある」と語る渡邊と紺野容(3年・練馬光が丘第一中)で組んだCBコンビが、長いボールはほぼ完璧にシャットアウト。また、角田対策として右SBに回っていた「地味だけどマジメでいいプレーヤー」(大野監督)の真砂も、その相手エースに前半こそやられるシーンがあったものの、後半は体の強さと気合で封殺。チャンスを創らせません。
ところが、79分に突然生まれた意外な得点機。堀越は左サイドから小野がアーリークロスを送り込むと、黒木が後方から倒される格好に。その地点はエリア内。追い掛ける堀越にPKが与えられます。キッカーは角田。中央に蹴ったキックは市川がスーパーセーブでストップしたものの、主審は駒澤の選手が先にエリア内へ入ったと判断して蹴り直しを指示。命拾いの角田が"2本目"はきっちり沈め、ようやく1点を返します。とはいえ、残された時間はごくわずか。その時間は確実に消し去った駒澤が「まだ自分たちにも落ち度はあった」(渡邊)と、最後にやや苦い薬を飲まされながらも、しっかりとベスト8へ勝ち進む結果となりました。
「まとまっているようで全然まとまっていないので」と苦笑いは大野監督ですが、個人的に今年の駒澤はかなり良いチームだと思います。特にプレーの力強さという面では、渡邊や紺野、真砂らDFラインの選手を筆頭に、3年前に選手権の東京予選を制したチームを髣髴とさせる部分があるのではないでしょうか。次に激突するのは、都内最強との呼び声も高い國學院久我山。「速いプレスを前提に、相手へ覆いかぶさるくらいの勢いで怯まずに勝ちたい。自信はあります」と渡邊。「実力的には向こうが上なので、応援も含めて戦うしかない。ベスト8から先は実力だけでは勝てないですから」とは大野監督。楽しみな一戦は16日、10時より駒沢補助でキックオフを迎えます。    土屋

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