mas o menos

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2013/04

S M T W T F S
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

Jリーグレポート 2013年04月22日

J2第10節 横浜FC×神戸@ニッパ球

mas o menos
  • Line

mitsuzawa0421.jpg2006年にJ1昇格を目指し、激しく鎬を削ったのはもはや7年前。それ以来となるJ2での対戦は、日本が誇る横浜と神戸の"港町"対決です。
京都とのアウェイゲームを制し、浮上の兆しを見せつつ迎えた前節の長崎戦は、先制しながらも悪夢の逆転負けを喫し、順位を18位まで落とした横浜。今シーズンのリーグはいまだ大混戦の様相を呈しているとはいえ、これ以上の停滞は昇格という目標を達成する上でも大きなマイナス材料。難敵相手に反攻への足掛かりを掴みたい一戦です。
一方、開幕から順調に勝利を積み重ね、現在の勝ち点は2位に5ポイント差の22。もはや首位独走状態へ入っている神戸。今シーズンJ2屈指のボランチとの呼び声も高かったエステバンや闘将・北本久仁衛の離脱にも、安定のベテラン田中英雄やルーキーの岩波拓也が代役以上のパフォーマンスを披露し、層の厚さを見せ付ける結果に。この好調はホンモノでしょう。昨日に続いてコートが必要になるような寒さは気温10.4度。両サポーターがおなじみのチャントを送る中、神戸のキックオフでゲームはスタートしました。
わずか開始15秒でポポにイエローカードが提示されて幕を開けた前半。2分は横浜。松下裕樹の右FKを、大久保哲哉が合わせたヘディングは神戸GK山本海人がキャッチ。5分も横浜。武岡優斗の右クロスに、佐藤謙介が頭から飛び込むもオフェンスファウル。8分、大久保が右へ振り分け、武岡がクロスを送ると、今シーズン2度目のスタメン出場となった青木翔大はニアへ飛び込むも、ボレーはヒットせず。まずはホームチームが手数を繰り出します。
その横浜は前節まで採用していた4-1-4-1を、このゲームは4-4-2へシフト。1枚アンカーを務めていた松下の横に佐藤を置くドイスボランチをスタートからは今シーズン初めて選択し、右に武岡、左に小野瀬康介、前線に大久保と青木が並びます。これは「前半はできればゼロで抑えたかった」と山口監督が話したように、どちらかと言えば守備の安定を図るための処方箋。ただ、時にはハッキリとボールを蹴ることから、"前へのパワー"という副産物が生まれ、横浜は悪くない立ち上がりとなりました。
さて、「前半から難しい戦いになることはわかったいた」と安達監督も話した神戸のファーストシュートは10分。ゴール右寄り、約30mの距離から、ポポが直接枠へ飛ばした無回転FKは、横浜GK柴崎貴広が正面で弾き出し、拾った杉浦恭平のシュートは森下俊が体でブロック。14分にはマジーニョの左CKから、2度のシュートチャンスはどちらもあと一歩でシュートまでは行きませんでしたが、少しずつパワーを持って押し返し始めます。
神戸で目を引いたのは、ビルドアップ時にパスの逃がし所として、受けて捌いてを繰り返していた田中。「相手が組織的に取りに来るというより、前の2、3人で取りに来る感じだったので、それだったら走らせて精神的に疲れさせた方が90分間通して相手にダメージを与えられるかなと」いう思惑から、低い位置まで降りて、やや繋ぎに不安の残るイ・グァンソンと岩波のCBコンビをヘルプ。彼がタメを創っていたことが、パスのリズムを生み出し、流れを引き寄せた1つの要因だと思います。
25分は神戸。マジーニョのパスからポポが枠内ミドルを放つも、柴崎がキャッチ。以降も決定的なシーンまでは至らないものの、30分から41分までの約10分間に計5回のCKを獲得するなど、SBの奥井諒と相馬崇人も積極的に駆け上がることでサイドも優勢に。「蹴るのも悪くないし、繋ぐのも悪くない。一番良くないのは"やり過ぎる"こと。そのバランスを全員が意識している」と田中。ボールを回しながら窺うテンポアップの瞬間。
対する横浜も攻撃面ではシュートがなかなか打てないという部分はあったものの、守備では敵将の安達監督も「自分の感覚でプレーすることができる。ポジションは決めていない」というマジーニョが中へ中へ入ってくる所を、ドイスボランチがきっちり監視。田代有三の高さやポポのミドルレンジにも細心の注意を払いながら、インプレーからはチャンスを創らせません。44分には大久保、小野瀬と回り、佐藤が打ち上げたミドルは大きく枠外へ。「前半は狙いを持ったゲーム運びはできていた」と山口監督。神戸が基本的にはボールを握って進めた最初の45分間は、スコアレスでハーフタイムへ入りました。
後半はまず横浜が狙い通りに攻勢。46分、右サイドで創り直すと、SBの野上結貴が上げたクロスは大久保が手前で潰れ、青木へ届くもシュートには持ち込めず。48分には小野瀬が左から蹴り入れたCKを野上が折り返すも、シュートは打ち切れませんでしたが、これには田中も「来ましたね」と振り返ったように、横浜が勢いを持って残り45分間への決意を打ち出します。
ところが、神戸のカウンター一閃。50分、田代からのボールを杉浦が一瞬タメると、ポポが「自分で開いて創ったパスコース」へ絶妙のラストパス。右で受けたポポは「切り返して打った方がいいという判断で」、マーカーの森下をワンフェイントでインサイドへかわすと、冷徹に左足を振り抜きます。直後、揺れた"ゴールネット"と"アウェイサポーター"。神戸が1点のアドバンテージを手にしました。
54分も神戸。大屋が左へサイドを変えると、マジーニョは縦への勝負からフェイント、フェイントで1人かわし、強引に放ったミドルは枠の上へ。61分も神戸。相馬の華麗なスルーパスからマジーニョが抜け出し、少し詰まって戻したボールをポポは強引な枠外ミドル。「引いた相手を崩す1つの手になり得る」(田中)ミドルを、強烈な個性を放つブラジリアン2人が繰り出し合います。
先に動いたのは山口監督。選手の並びは後半途中で、大久保の下に右から青木、小野瀬、武岡というシャッフルを敢行していましたが、62分には交替策も決断。松下を下げて中里崇宏を「しっかりボールを受けて展開しなさい」という指示と共に、ピッチへ送り出します。
64分には神戸も、杉浦とのワンツーから大屋が枠内ミドルを放ったものの、ここからは横浜の反攻。69分、早速中里が左へ展開したボール。武岡はカットインしながら枠の右へ外れるシュート。70分、右サイドでボールを引き出した小野瀬は、左足でクロスを入れると、山本は1度ファンブルしながら、ライン上で何とかキャッチ。直後、再び動いた山口監督。青木を下げてスピードスターの黒津勝を投入。ここが横浜の勝負所。
72分は神戸に千載一遇の追加点機。岩波のクサビを吸収した杉浦のパスをポポはダイレクトで裏へ。抜け出した田代の1対1は、しかし柴崎が残した左足でビッグセーブ。「いい形だったので、アレで取れればベスト」と田中も自賛の決定機。ただ、スコアは動かず。安達監督も1枚目のカードを選択。「どうしてももう1点欲しい」状況で、杉浦に替えて送り込むのは吉田孝行。プロキャリアのスタートは横浜フリューゲルス。「自分のプロ生活の原点はすべてここにある」と語るベテランが三ツ沢のピッチへ立ちます。
俺たちの丘、沸騰。74分、ここも中里が右へ展開。小野瀬のクロスはDFのクリアに遭うも、右サイドで拾った野上。フリーでニアへ上げたボールに、頭から突っ込んだのはペ・スンジン。2階から打ち下ろしたかのような高い打点のヘディングは、ニアサイドのゴールネットへグサリ。両の拳に力を込めた山口素弘。CBが流れの中から豪快な一撃。両者の得点差は霧散しました。
残り15分。勝負の針はどちらに。76分は神戸。ポポのパスから吉田が放ったミドルは柴崎がキャッチ。77分は横浜。中里が右へ送り、小野瀬を経由して野上が入れたクロス。飛び込んだ大久保のシュートはヒットせず。80分は神戸。マジーニョの直接FKは大久保がブロック。ルーズを拾ったマジーニョと岩波の連続シュートに野上と森下が飛び込み回避。残りは10分。
勝利を手に入れるために82分、安達監督が導き出した回答は2枚替え。田代と大屋から、18歳の松村亮とCBが本職ながら「紅白戦ではやったことがある」(安達監督)ボランチ起用となった河本へスイッチ。ここが神戸も勝負所。
83分、主役は三ツ沢へ帰還した36歳。横パスを繋いだ先には左サイドの相馬。中を見た相馬。「クロスを上げる時に目が合った」吉田。CBの間に体を滑り込ませ、頭で変えた軌道の行く先は、GKの手を弾いて到達したゴールネット。そのまま飛び込んだサポーターの輪。「吉田は大事な時にばかり使ってしまう。状況が難しいと思うと使ってしまう」と指揮官も絶大な信頼を寄せる吉田の大仕事。1-2。神戸が一歩前へ出ました。
一気に苦境へ追い込まれた横浜。最後の交替は84分。武岡を下げて、負傷明けの内田智也。残り5分。88分、佐藤の右FKから、こぼれに反応した内田が左サイドから左足で繰り出したミドルは大きく枠外へ。アディショナルタイムは4分。焦る横浜はゴール前に迫れず。90+1分、ポポのミドルボレーはクロスバー直撃。そしてこれがゲームのファイナルシュート。「やっている選手も100%の内容じゃないと思っているが、1試合1試合勝って行くことが最終的な目標に繋がる」と田中。神戸が今シーズン3度目の連勝を達成し、首位をがっちりキープする結果となりました。
ホームでの連敗。なかなか思うように結果の出ない横浜ですが、山口監督は「下を向かずに、屈せずに戦おうと選手に伝えた」とのこと。10試合を終えての勝ち点9は、昨年とまったく同じ数字となりました。試合後のサポーターからはブーイングではなく、横浜コールが。「サポーターの方も非常に自分たちを勇気付けるようなコールを送ってくれたことに感謝しているし、逆にそれを返さないといけない」と山口監督。シーズンはあと4分の3。十分反攻は可能です。
ここまで落とした勝ち点はわずかに5。この好調は「正直予想していなかった」と安達監督も思わず口にするほど、神戸の歯車はうまく噛み合っています。3得点以上の選手を4人抱えているというのはリーグ最多。ゴールのバリエーションもカウンターあり、サイドアタックあり、セットプレーありと非常に豊富で、どこからでも点が取れているのは大きな強みでしょう。ただ、「今でこそ順位は1位だけど、まだ何も手にしていない」と気を引き締めたのは田中。吉田や相馬、田代、そしてこの田中といったベテランの経験は、この先もチームに大きなプラスアルファをもたらしていくのは間違いありません。           土屋

  • Line