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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年02月03日

群馬県高校新人大会準決勝 前橋育英×高崎経済大付属@敷島

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shikishima0203.jpg鵬翔の初優勝で幕を閉じた高校選手権。そのファイナルとまったく同じ日に開幕した群馬県の新人戦も、残すは準決勝と決勝のみ。今日は準決勝2試合が聖地・敷島で行われます。第1試合は県内屈指の強豪・前橋育英と高崎経済大付属が激突することになりました。
2年ぶりの全国となった高校選手権では、初戦で宮古に5-1と大勝を収めたものの、鹿児島城西に最小得点差で敗れ、2回戦で姿を消すことになった育英。新チームでのリスタートとなる今大会は、「メンバーも毎回変えながらやっている」(山田耕介監督)中でも、「DFには何枚か昨年のレギュラーもいるので、アドバンテージにはなると思う」と指揮官も話したように、CBの樋口慎太郎(2年・横浜F・マリノスJY)や左SBの高田龍司(2年・FC東京U-15深川)はそのまま今年も主軸に。攻撃陣では廣瀬慧(2年・柏レイソルU-15)と小口大司(2年・裾花FCヴィエント)は負傷で欠場していたものの、鹿児島城西戦に出場した6人が今日のスタメンにも顔を揃えるなど、本気度の高い布陣で臨みます。
一方、昨年の選手権はまさかの1次予選敗退という結果に終わった高経。石原直樹(広島)や沼田圭悟(G大阪)など、何人ものJリーガーを輩出している中、ここ数年はなかなか好成績を収めることができませんでしたが、今回のベスト4という躍進に、田中則久監督も"あと2つ"を真剣に狙います。会場は北風吹き荒ぶ敷島。観戦者には"荒行"のような寒さの中、育英のキックオフでセミファイナルはスタートしました。
ファーストシュートは5分の育英。右寄り、ゴールまで約25mの距離から上田竜哉(2年・鹿島つくばJY)が直接狙ったFKは枠の右へ外れましたが、7分にもDFのクリアが跳ね返った所を渡邊凌磨(1年・クラブレジェンド熊谷)がわずかにゴール左へ外れるシュート。やはり立ち上がりから、育英が主導権を握ります。
「チームとしてというよりも、個の力とかグループでどれくらいやれているか見ている状態」(山田監督)というタイガー軍団の中盤を取り仕切っていたのは、今年開催のU-17ワールドカップ出場も期待されている鈴木徳真(1年・FC古河JY)。伝統の14番を背負い、守備バランスの舵取りはもちろんのこと、昨年よりも積極的にスルーパスを狙うような場面も見られ、主軸としての意識を感じさせるようなプレーを披露してみせます。
とはいえ、チームとしてはボールを保持する時間こそ圧倒的に長い中で、"風上"というアドバンテージがあまり生きないほどの強風と、「自然と相手に引かれてしまって、スペースがない状態」(山田監督)で、なかなか効果的な手数は繰り出せず。23分には上田慧亮(2年・横浜F・マリノスJY)のパスから、鈴木が狙ったミドルは高経GK片岡心(2年・高崎FC)がキャッチ。25分には上田竜哉が左から蹴ったCKを、ドンピシャで渡邊良太郎(2年・グランセナ新潟FC)が合わせたヘディングは、ここも片岡心がマジックハンドを使ったかのようなパーフェクトキャッチ。"赤城おろし"を除いては、ゴールネットを揺らせません。
対する高経は、時折「アイツはボールを持てる」と田中監督も評した寒梅琢巳(1年・ジラーフ赤堀)に入ると一瞬タメができますが、そこからもう一手を繰り出すまでには至らず。宮尾快斗(1年・高崎大類中)が担当するセットプレーも育英ディフェンスに跳ね返され、前半はシュートを打てないままで終わってしまいます。
28分も育英。上田慧亮が左へ送り、高田のクロスにニアへ上田竜哉が飛び込むも、シュートは枠の左へ。34分も育英。鈴木のラストパスから、上田慧亮が反転しながら枠へ飛ばしたシュートは、片岡心がファインセーブ。39分も育英。鈴木のパスを受けた小柏裕亮(2年・前橋FC)が、右へ持ち出しながら放ったシュートはクロスバーの上へ。最初の40分間でスコアボードの数字は動かず、ハーフタイムへ入りました。
後半はスタートから両チームに選手交替。育英は小柏を下げて、同じ2トップの一角に青柳燎汰(1年・クマガヤSSC)を投入。一方の高経はボランチの小針蓮(1年・前橋FC)に替えて、右SHへ小柏洋斗(2年)を送り込み、岡村仁志(1年・高崎八幡中)がボランチへスライドする布陣変更を施します。
44分は育英。鈴木のパスから、上田竜哉が打ったシュートは片岡心がキャッチ。50分も育英。左から上田慧亮がクロスを上げると、こぼれを狙った上田竜哉のシュートは枠の上へ。鈴木の配給とアタッカー陣の積極性で、後半も押し込む育英。53分には上田竜哉と女屋凌(2年・前橋FC)も入れ替え、前線に変化を加えてきました。
高経がようやく掴んだチャンスは56分。寒梅が左へ送ると、宮尾はカットインから果敢にミドルへチャレンジ。ボールは大きく枠を越えましたが、これがチームにとってもファーストシュート。期せずして応援席からも拍手が巻き起こります。ところが、その応援席の歓声が悲鳴に変わったのは直後のこと。
58分、左から高田が放り込んだFKはゴール前で混戦に。そのこぼれ球にいち早く反応したのは、途中出場の青柳。左スミへコントロールされたボールは、ここまで懸命に凌いできた片岡心もわずかに及ばず。セットプレーをしっかり結果に結び付けた育英が、遂に1点のアドバンテージを獲得しました。
こうなると「風下になってスペースもいっぱいできたので、後半の方がやりやすかったと思う」と山田監督が話したように、前に出ざるを得ない高経を尻目に、冷徹なカウンターも含めて育英が一層ラッシュ。63分には上田慧亮、高田と繋ぎ、女屋のシュートは片岡心がセーブ。詰めた渡邊のフィニッシュも片岡心が防ぎ切ったものの、一方的に攻め続けます。
そして、追加点が生まれたのは73分。佐藤祐太(2年・横浜F・マリノスJY)が右へ振り分け、上がってきたSBの池田壮磨(2年・東京ヴェルディJY)が鋭いクロスを蹴り込むと、ニアサイドでDFがクリアしようとしたボールがそのままゴールラインを割ってしまいます。1点目同様、サイドバックが絡んでの追加点。決定的とも言うべき2点目が育英に記録されました。
苦しくなった高経も最終盤はCBの渡邊光喜(2年・高崎豊岡中)を前線に上げて、何とか反撃を試みようとするものの、渡邊と樋口を中心に育英守備陣が掛けた強固な鍵は、最後までこじ開けられず。育英が7年ぶりの新人戦優勝に王手を懸ける結果となりました。
「2トップも毎回変わっているし、色々見ながらやっていきたい」と山田監督が話したように、育英は相変わらず選手層が厚いなあといった印象です。何と言っても、今日はベンチ外だったメンバーの中にも国体選抜の選手がまだ7人も控えていますから。「地道に積み重ねていきます」と山田監督。もはや宿願の選手権全国制覇へ向けて、上州の虎が今年も着々と牙を研ぎ始めています。         土屋

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