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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年02月18日

第11回千葉県クラブユース新人戦 柏U-18×千葉U-18@日立台

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hitachidai0218.JPG「この雰囲気でやれるということは本当にありがたいこと。最高の舞台」(柏レイソルU-18・下平隆宏監督)。今年の新人戦版ダービーは、ちばぎんカップの"後座"。会場は天然芝の日立台です。
例年必ずこの時期に行われていた柏U-18と千葉U-18のユースダービー。本来であれば日立台の人工芝が会場というパターンが多かった中、両クラブスタッフの努力が実り、今回はちばぎんカップ直後に日立台の天然芝で開催されることになりました。試合時間はトップチーム同士のゲームが終了してから約1時間後でしたが、メインスタンドはほぼ埋まってしまうほどの大盛況。また、柏のキャプテン中谷進之介(2年・柏レイソルU-15)が、「凄くサポーターが残ってくれていて嬉しかった」と言及したように、柏ゴール裏2階席には少なくないサポーターがそのまま居残り、トップチームと変わらない声援を送れば、アウェイ側のバックスタンドには千葉サポーターも集結。「モチベーションはかなり高かったし、メラメラしている雰囲気はあった」と下平監督。今年1発目のダービーは、最高のシチュエーションでキックオフを迎えました。
先にシュートを放ったのは千葉。2分、仲村京雅(1年・VIVAIO船橋)が右へ送ると、バリガ外山ジロ(2年・ジェフユナイテッド千葉U-15)は思い切ったミドルにチャレンジ。ボールは枠の左へ外れましたが、まずは勝負にこだわる姿勢を披露します。
「みんなアップから硬かった」(中谷)という柏は、「天然芝に慣れていないというか、ボールのテンポが上がらなくて苦労した所がある」と下平監督が話したように、会場の雰囲気から来る緊張もあってか、得意のポゼッションをそこまで打ち出せず、9分には白井永地(2年・柏レイソルU-15)、会津雄生(1年・柏レイソルU-15)、宮澤弘(2年・柏レイソルU-15)と繋ぐも、大島康樹(1年・柏レイソルU-15)はDFのブロックに遭いシュートを打ち切れず。攻撃の形を創り切れません。
11分は千葉。右から和田凌(2年・ジェフユナイテッド千葉U-15)が蹴ったFKに、新堀真也(2年・ジェフユナイテッド千葉U-15)が合わせたヘディングは枠の左へ。19分も千葉。安藤真樹(1年・三井千葉SC)の右CKは、トップチームも出場するXEROX SUPER CUPの前座"NEXT GENERATION MATCH"のJリーグ選抜にも選出されている柏のGK伊藤俊祐(2年・柏レイソルU-15)が果敢にキャッチ。20分も千葉。新堀のミドルはゴール右へ。千葉の積極的なアタックが目立つ展開で、ゲームは推移していきます。
とはいえ、25分過ぎからは「時間が経っていくごとに落ち着いてきた」(下平監督)柏のポゼッションとゲームリズムがようやくマッチし始め、徐々に相手エリア内まで侵入。27分には宮澤が高い位置でボールを奪い、大島はシュートまで持ち込めなかったもののチャンスを掴むと、直後に素晴らしい流れを創出。28分、白井、宮澤と回して、大島は右へ。堀越瑛斗(2年・足利両毛ユナイテッドFC)のシュートは左スミに飛び込むもオフサイドの判定になりましたが、フィニッシュへの道筋を明確に現してみせました。
32分にも柏に決定機。会津の狙い澄ましたスルーパスから、裏に走り込んだ堀越は最高のグラウンダークロスを送るも、宮澤がスライディング気味に放ったシュートは大きくバーの上へ。35分は千葉にビッグチャンス。伊藤翼(2年・ジェフユナイテッド千葉U-15)のフィードを収めた和田は、ドリブルでエリア内へ切れ込むと強引にシュート。ボールはわずかにクロスバーを越えたものの、「和田の一発は警戒していた」と中谷も語るなど、新10番がその実力を覗かせます。
そして試合が動いたのは、前半も終了間際の44分。中央で大島が落としたボールを、受けた会津はスルスルとドリブル開始。右へ流れて流れて、マーカーを引き連れながら、丁寧かつ正確に左スミへ転がしたシュートは、ゆっくりゆっくりゴールネットへ到達します。豪快な一撃ではなく、何とも"らしい"ゴールが飛び出し、柏が1点をリードして前半は終了しました。
後半は千葉が和田同様に縦へのパワーで効いていたバリガを、頭から交替で下げたこともあって、柏が主導権を奪取。50分には白井のスルーパスから、堀越が狙ったシュートはDFがブロック。52分、会津が溜めて溜めて繰り出したスルーパスを、上がってきた右SBの中込暁(2年・柏レイソルU-15)がグラウンダーで中へ送ると、ニアに飛び込んだ大島のシュートはわずかにゴール右へ。55分には白井がマーカーをうまく外して、枠を越えるミドルを放つなど、強める攻勢。
千葉も和田の仕掛けからチャンスの"芽"までは持ち込むものの、シュートで終わるまでには至らず。56分には同時に2人の選手を交替させ、ドイスボランチの一角だった仲村が右SHへ。ボランチには浦田樹(1年・ジェフユナイテッド千葉U-15)を、1トップ下には氣田亮真(中3・カナリーニョFC)を送り込み、最小得点差を撥ね返しに掛かります。
ただ、柏は「意外とフリーだったのにそこに気が付いていなかったので、健司から配球しなさいというのはハーフタイムに指示した」と下平監督も話したように、後半は中盤アンカーに入った山本健司(1年・柏レイソルU-15)が広範囲でボールを呼び込み始め、受けて散らしてを敢行。さらに自らも縦へのスルーパスを頻繁に狙うことで、相手のラインを押し下げながらポゼッションを一層高めることに成功します。
63分にはその山本を起点に大島が左へ送るも、宮澤のシュートはヒットせず。70分にも山本の鋭いスルーパスから大島が繋ぐも、宮澤のシュートはクロスバーの上へ。冴え渡る山本。74分にはセットプレーから決定機。宮澤の右CKに中谷がドンピシャで合わせたヘディングは、しかし千葉GK佐久間幸一(2年・ACカラクテル)がファインセーブ。迫り来る追加点の予感。
76分にも柏に決定的なチャンス。「本来は中盤の前目だけど、今は後ろも学んでもらいながらやっている」(下平監督)と、中谷とのCBコンビで出場している中山雄太(1年・柏レイソルU-15)のパスから、宮澤、中島玲央(1年・柏レイソルU-15)を経由して、大島がコースを狙ったシュートは右のポストを直撃。「個人的には相当期待している」と指揮官も言及する大島は、抜群の身のこなしから何度も惜しいシュートを放ちながら、なかなかゴールを奪うことができません。
すると、後半は押し込まれる時間の長かった千葉が突如として反撃。83分、仲村は得意の左足で嫌らしいバウンドのミドルを枠内へ。伊藤が何とか弾いたボールに、CBの秋山翔(1年・ジェフユナイテッド千葉U-15)が詰めると、ここも伊藤がビッグセーブで回避。84分も千葉の好機。投入されたばかりの御船翔太(1年・三井千葉SC)がスルーパスを出すと、追い越した仲村のシュートは枠を捉えましたが、またしても伊藤がファインセーブ。「1対1のシュートストップは、中村航輔(今年よりトップへ昇格)より上かもしれない」と下平監督も認める守護神が立ちはだかった柏ゴール。
そしてこの攻防が両者に訪れた最後の得点機。「いつもと違う環境の中でも勝てたことは大きい」と中谷が話した柏が、ウノセロながら勝負強さを見せ付ける格好で、ホームでのダービーを制する結果となりました。
やはり素晴らしい試みだったと思います。「サポーターの声援が凄くて、コーチングの声が届かなかった」と中谷が振り返るほど、大きな熱量がスタンドから送られた"後座"としての90分間。数多くの観客が見守る中で行われたこのゲームが、新チームとして始動したばかりの両チームにとってかけがえのない経験になったのは想像に難くありません。これが毎年日立台、フクアリと交互に開催されていくようになり、両ユースの選手が目指すべき舞台になる日が来ることを願いたくなるような、そんな素晴らしい空間でした。           土屋

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