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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2013年01月27日

東京都クラブユースU-17サッカー選手権大会2次リーグ 東京Vユース×FCトリプレッタユース@ヴェルディG

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land0127.jpg東京都クラブユース界の新人戦も2次リーグの二回り目に突入。今日はランドで東京ヴェルディユースとFCトリプレッタユースが対峙します。
昨年は強豪居並ぶプレミアEASTを圧倒的な成績で制し、その実力を改めて全国へ強烈にアピールした東京V。今年もトップに6人が昇格し、冨樫剛一監督も「まずは今シーズン中にトップに出場する選手を出すこと。これはクラブの変わらぬ目標」と語るなど、育成と結果の両面で考えても日本屈指の下部組織であることは間違いありません。
対するは渋谷に拠点を置く、街クラブのトリプレッタ。昨年はT2リーグでブロック2位に入り、T1リーグ昇格決定戦へ。惜しくも東海大高輪台との壮絶な打ち合いの末に昇格はなりませんでしたが、近年は高体連も含めた都内の高校年代でも着々とその名前は浸透してきているように感じます。2次リーグ初戦は昨年度4位の町田ゼルビアユースを5-0と一蹴。勢いを持って難敵に挑みます。比較的暖かい陽射しが差し込む中、13時にゲームはスタートしました。
ファーストシュートはトリプレッタ。開始33秒、村川薫平(2年・FCトリプレッタJY)が巧みに落とし、中嶋脩人(2年・FCトリプレッタJY)が枠内ミドル。東京VのGK長谷川洸(2年・ヴェルディSS相模原)にキャッチされましたが、2分にもFKから相手ゴールに迫るなど、まずは先週の好リズムをそのまま持ち込みます。
ただ、徐々にペースを握っていったのはホームチーム。「今いるメンバーで最大限の力を出せることと、トップチームを意識しての部分も多少ある」と冨樫監督が話したように、システムは中盤ダイヤモンドの4-4-2へシフトチェンジ。「1人であそこを仕切れればより攻撃的にもなれるし、澤井や山口も去年より高い位置でプレーできる」(冨樫監督)と三竿健斗(1年・東京ヴェルディJY)をアンカーに置き、右に澤井直人(2年・東京ヴェルディJY)、左に山口陽一朗(2年・東京ヴェルディJY)、そして2トップ下には田代蓮太(1年・東京ヴェルディJY)という、相当強烈な4枚を中盤に並べ、前線には菅嶋弘希(2年・東京ヴェルディJY)と中野雅臣(1年・東京ヴェルディJY)を配すと、「チームとして何かを創ってというトレーニングはしていない」(冨樫監督)中でも、"個"のアイデアの連鎖で次々とチャンスを生み出していきます。
4分、右サイドでボールを繋ぎ、山口のミドルはクロスバーの上へ。8分、右から山口が蹴り込んだCKを、中野が頭で狙ったシュートはゴール左へ。そして10分、山口のパスを受けた菅嶋は、右からカットインしながら地を這うミドルを枠の右スミへ送り届け、先制ゴールは東京Vが奪いました。
この一撃をきっかけにして、荒波の如く襲い掛かる緑の猛獣。11分には高い位置でボールを奪った菅嶋のシュートが枠を越えますが、14分には田代、小田嶋怜(1年・東京ヴェルディJY)と回し、エリア内で2人の間をぶち抜いた中野が柔らかいラストパスを送ると、澤井が難なくプッシュして2点目。19分にも左サイドで中野のリターンを受けたSBの小田嶋が、最高のグラウンダーアーリーを送り届け、田代が押し込むだけのシュートを沈めて3点目。一気に得点差が開きます。
さて、「先週でちょっとやれるかなと思ったけど、今日はいきなりやられましたね」と米原隆幸監督も苦笑いしたトリプレッタは、22分に「ウチのキーマン」と指揮官も評価するものの、負傷を抱えながらプレーしていた左SBの眞壁亮太(2年・FCトリプレッタJY)をベンチに下げて、老川嵐士(2年・成立学園高)を投入。24分にはシュートパスを繋ぎ、ここも村川のポストプレーから中嶋が枠を越えるミドル。村川と中嶋のラインは時折開通するものの、周囲との連携まではなかなか創り出せません。
3点のリードである程度抑えながらゲームを進めていた東京Vも、27分には澤井が右に流れながら枠の左へ外れるシュートを放ち、36分にはCBの畠中慎之輔(2年・東京ヴェルディJY)が強引なミドルにチャレンジ。41分にも相手のミスパスから、中野がわずかにゴール左へ逸れるシュートを繰り出すなど、追加点への意欲は継続。
すると、前半終盤に再び動いたスコア。45分、山口が右へ送り、開いた三竿のピンポイントクロスを澤井がダイレクトで叩いたボレーは、クロスバーに当たりながらも上のネットに突き刺さる4点目。45+2分、安在達弥(1年・東京ヴェルディJY)、澤井、田代の連携から中へ入ったボールを、中野はうまい体裁きで収めて確実にゴールへ流し込む5点目。「前半は割といいゲームができた」と冨樫監督。東京Vが大量5点のリードを手にして、最初の45分間は終了しました。
ハーフタイムを挟むと東京Vに交替が。先制ゴールをマークした菅嶋に替えて、室町仁紀(1年・東京ヴェルディJY)をそのまま最前線に投入すると、後半もスタートからチャンスは東京V。46分、澤井が左へ振り分け、小田嶋が上げたクロスのクリアボールを、田代が打ち込んだボレーはクロスバーの遥か上へ。49分、澤井が右サイドをぶち抜いて低空クロスを送り込み、飛び込んだ室町のボレーは枠を捉え切れず。6点目への欲求を隠しません。
ただ、トリプレッタも51分にはFKのチャンス。やや左、ゴールまで約35mの距離から大久保広一(2年・FCトリプレッタJY)が無回転で狙ったシュートはカベに直撃しましたが、この辺りからようやく「流動的にやっていいと言っている」(米原監督)3トップと、逆三角形で組んだオフェンシブな中盤2人が、"村川-中嶋ライン"以外にも結ばれ始め、53分には「アイツにはもっとやってもらわないと困る」と指揮官も期待を口にした宮澤俊太朗(1年・FCトリプレッタJY)のスルーパスが炸裂。田山真吾(2年・FCトリプレッタJY)にはわずかに届きませんでしたが、攻撃の狙いを体現していきます。
そして60分、中嶋、村川と繋ぎ、「頭が良いので上がるタイミングもいい」と米原監督も評した、右SBのキャプテン沼池祐斉(2年・FCトリプレッタJY)がラストパス。大久保の決定的なシュートは長谷川がファインセーブで回避したものの、直後に広がった青い歓喜の輪。左から田山がショートで始めたCK。沼地はすぐに戻すと、田山がシュート気味に蹴り入れたクロスは、中央の密集を潜り抜けて、そのままゴール右スミへ吸い込まれます。強豪からの得点に喜ぶトリプレッタのイレブン。5-1とはいえ、セットプレーを獲得した流れも含めて、胸を張るべき1点が記録されました。
序盤で実質勝敗も決まってしまい、難しいゲーム運びを強いられる中、「想定の範囲ではあった」(冨樫監督)ものの攻撃がフィニッシュで終わらず、差し込まれる時間の続くホームチーム。69分には田代と交替した太田怜(1年・Wings U-15)が2トップの一角に入り、中野が2トップ下へスライドしたものの、74分の決定機もトリプレッタ。後半はチームに推進力を与えていた沼池と宮澤の連携から、村川が抜け出して狙ったシュートはゴール右へ。この時間帯の予感は、"6点目"より"2点目"だったと思います。
それでも、最終盤は東の王者が貫禄のラッシュ。78分、室町のミドルはトリプレッタGK宇田川優心(2年・豊島学院高)がファインセーブ。82分、安在、三竿と回して、太田のシュートも宇田川が掻き出し、こぼれを最後は山口が右足で狙うも枠外へ。そして83分、中央から抜け出した室町が、1対1を確実に制して6点目を奪い、ここで打ち止め。後半こそトリプレッタの反撃に苦しむ時間帯もあり、「前半と後半で2チームありましたっけというゲーム」と冨樫監督も振り返ったものの、終わってみれば圧巻の攻撃力を披露した東京Vが、完勝を収める結果となりました。
トリプレッタは「5点入ってからですからね」と米原監督は言及したものの、後半のいい時間帯には積み上げてきたスタイルの一端を、東京V相手にもある程度出せていた部分もあったと思います。攻撃陣には昨年からのレギュラーも多く含まれているということで、そのコンビネーションがさらにゴールという部分に向いていけば、都内の枠を超えた結果を出す可能性も十分ありそうな印象を受けました。
一方の東京Vは、「去年のこの時期より技術的な部分は低いですね」と富樫監督は語りましたが、それは日本一になったチームとの比較という高次元での話。とにかく強いです。個人的には2トップの一角と、少しだけ2トップ下にも入った中野が、ボールも収まるしシュートも打てて、いい選手だなあと。冨樫監督曰く「ケガで中3、高1とほとんど試合には出ていなかったが、質が高いのはわかっていた」とのこと。まだまだこういう選手が出てくる所に、このチームの底知れないポテンシャルを感じました。         土屋

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