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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

クラブ取材レポート 2013年01月26日

馬入の風に吹かれて~ただし、強い北風~

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今日は湘南ベルマーレの2013シーズン初となる
対外試合を拝見すべく、馬入グラウンドへ行ってきました。
とりあえず凄かったのは風。しかも強い北風。
その猛威たるや、曺監督も「この時期にこんな風吹いたっけ」と口にするほど。
それでも、河川敷には優に300人を超える"緑と青"な方々が詰め掛けていました。


11時からが元湘南の斉藤俊秀監督率いる藤枝MYFC戦。
13時からが昨年度は関東1部で躍進した日本体育大戦。
「この選手とこの選手の組み合わせを見たいなというような
ある程度狙いを持ってやりましたけど、全体的にプレシーズンは
できるだけ均等になるように組んでいこうと」(曺監督)いうスタンスの下、
ほとんど全員に近い選手が2試合のどちらかに出場する中、
藤枝MYFCには5-0で勝利を収め、
日本体育大とはスコアレスドローという結果でした。


新加入選手を含め、多くの選手を見ることができて
非常に楽しいトレーニングマッチだったのですが、
中でも個人的に良かったなあと思ったのは
四日市中央工業から加入したばかりのルーキー、田村翔太。
指揮官も「まだプロのレベルでのボールのもらい方や、
判断の所は磨いていかなきゃいけない」と前置きしながらも、
「非凡なものはあるのかなと思いますね」と一定の評価。
ここからは新人研修や日本高校選抜の合宿などで、
タイキャンプもフル参加とはいかないようですが、
今後の活躍に期待が持てるようなパフォーマンスだったのではないでしょうか。


あとは、「地味だ地味だと言われるんですけど」と曺監督も笑いましたが、
かなり的確な実力者を獲得した、ストーブリーグの充実ぶり。
栃木から宇佐美宏和と荒堀謙次、
東京Vから梶川諒太、熊本から武富孝介が加入。
J2各クラブでレギュラーを張っていた彼らは
間違いなくレギュラー争いに加わってきそうな雰囲気もあります。
「既存の選手の目の色が変わってる。それは俺の狙い通り」と曺監督。
この競争力も今シーズンの湘南にとってはプラスに作用しそうですね。
banyu2.jpg


試合終了後は、「寒いから中でやろうよ」という監督の心遣いもあって、
いつものグラウンドではなく、室内での囲み取材が行われました。
かなり面白いお話がたくさんお聞きできたのですが、
その中から今シーズンの補強に関するお話をご紹介したいと思います。


Q、J2からの補強が多かったように感じますが、
それは実際に対戦した選手という部分を重視したのでしょうか?


A、別にJ1かJ2かということにはこだわらなかったですけど、
自分たちのチームの特徴と合う選手というよりも、
僕の個人的な考えとしては"のびしろ"がないといけないと。
"計算できる"選手よりも、「この子がこういう風になったらこういう風になるだろうな」とか
今いる既存の選手にもそういう選手が多いんですけど、
"計算できる"というキーワードはあまり僕の中ではなかったですね。
"計算できる"ことが、イコール必ずしもいいとは思っていなかったんで、
やっぱりシーズンを通じた中でトライアンドエラーを繰り返しながら、
成長していけるだろうという選手が来ていると思っているので、
当然うまくいかないこともたくさんあると思うんですけど、
選手と一緒にそういうのを乗り越えていかないといけないと思っています。


Q、少し働きかければ、もっと伸びる選手たちに来てもらったと。


A、そうですね。
でも、お金が本当に無尽蔵にあるのであれば違うと思いますよ。
無尽蔵なんてことはないと思うけど(笑)、
そうならば例えばカバーニが欲しいとかになってくると思うんですけど、
でもそうじゃないのがJリーグのほとんどのチームで、
その中で既存の選手たちを自分たちが工夫しながら伸ばしていくしかないんです。
選手もうまくなりたいと思ってやっているヤツらがほとんどなので、
その気持ちと"実体験の実感"を組み合わせて、
チームを右肩上がりにしていくしかないと思うんです。
特に我々みたいなチームは、親会社があるわけではなく、
市民の方に支えられてきたチームなので、
そういう気持ちに応えるようなチームにしていかなくてはならないと。
ということは、スポーツだから勝ち負けの前提は当たり前ですけど、
1人のストライカーに頼ったサッカーじゃなくて、
2人、3人、4人、5人と連動するようなサッカーをやっていこう、
という所のメンバー選びですよね。
ボランチのポジションが足りない時に、ボランチができるこの選手が
契約的に獲り易いから獲ろうというような、安直な考えは全然ないです。
だったら、今いる選手をボランチにして育てた方がいいなという所ですね。


Q、そういう選手を"伸ばす"部分が監督ご自身も
凄くお好きだというのもあるでしょうか?


A、どうだろうね(笑)
でも、そんなのが嫌いな監督っていないと思うけど(笑)
好きだというか、逆に言ったら別の方法論が僕の中にはないんですよ。
本当に誰でも獲っていいよと言われたらすごい考えると思うんですけど、
それ以外の方法論が今の所あんまりないですし、
本当に1人のストライカーに頼ることでこういうことが得られたという
経験値も僕にはないから、それがあまりいいとも思ってないですし。


Q、こういう選手が欲しいなという選手はかなり補強できたと。


A、すごく地味だ地味だと言われるんですけど、
僕はいい選手が来たなと思っていますね。
逆にもう既存の選手の目の色が変わってますから。
彼らからすれば、なんで去年上がったメンバーがいるのに、
こんなたくさん補強したのかというのもあるじゃないですか。
それは僕の中ではすごく狙い通りというか、
絶対にどっちの選手も必要になってくる時がありますから。
既存の選手の立場からしたら「またチョウさんやクラブは俺らじゃなくて、
そういうヤツらを中心にチームを創っていくのか」と、とかくなりがちですけど、
僕はそういう風には全然思っていなくて、お互いにとっていいだろうなと思っています。
現に新加入の選手はアピールしようという気持ちが今日も強かったし、
逆に既存の選手も負けていられないと思ってますよ。
キリノとかも今日凄かったですから。去年札幌から来た時とは全然違います。
たぶんモチベーションなんですよね。
キリノも同じポジションにエジバウドが来て、
同じブラジル人として負けないぞと思ってやっているだろうし。
メリットはそういう所で、デメリットもあるだろうけど、
ウチのチームのポイントにないというか、テイストにない選手たちが集まってくれたので、
「色んなオプションが組みやすいな。マリノス戦どうしようかな」
というのは徐々に考えてますね(笑)


湘南ベルマーレ。やってくれそうな予感です!
banyu126.jpg
土屋

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