最近のエントリー
カテゴリー
アーカイブ
このブログについて
J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
第91回選手権大会も準々決勝第2試合を迎えた。フクアリ会場では、これまでに7試合が行われ、この1試合を最後に、舞台を国立競技場へと移す。2回戦からの出場となった石川県代表・星稜(14年連続23回目)は、初戦の松山工業(愛媛)をFW采女優輝(3年・千里丘FC)の2ゴールで勝利。続く3回戦では16年連続18回の出場を誇る強豪、青森山田(青森)と対戦。この試合では、後半途中から出場をしたMF寺村介(2年・FC四日市)とFW今井渓太(3年・長野東北中)のゴールで試合を決め、2戦連続2-0というスコアでベスト8まで勝ち進んだ。
大阪府代表・東海大仰星(8年ぶり4回目)は、大阪桐蔭や近畿大附など強豪校ひしめく大阪府予選を勝ち抜き選手権の出場権を獲得。こちらも2回戦からの出場となった東海大仰星は、準々決勝までの2試合をチームのエースFWである日下部孝将(3年・豊中FC)と田中翔(3年・大阪高倉中)が結果を残し、初のベスト8入りを決めた。試合は、白のユニフォームを纏った星稜のキックオフで始まった。
星稜は、前半の立ち上がりから後方からのビルドアップで攻撃を組み立て、3分にはMF井田遼平(3年・星稜中)のクロスに采女がヘディングシュート。5分には、ボランチMF植田裕史(3年・京都サンガU-15)のロングシュートが枠を捉え、GK加藤広通(2年・京都サンガU-15)が決死のセーブを見せ、東海大仰星のゴールを守った。
スコアが動いたのは前半終了間際の39分。星稜最終ラインのコントロールミスを突いた日下部が、キャプテンGK置田竣也(3年・セレッソ大阪U-15)へプレッシャーをかけボールを奪取、中央へ走り込んだ田中にパスを送り、田中が2試合連続となる先制弾を決め良い時間帯に1-0とする。
後半に入り、星稜はFW村上駿(3年・ガンバ大阪JY)に代えて今井、MF稲垣拓斗(2年・ヘミニス金沢FC)に代えて寺村を同時に投入し攻撃を活性化させる。両校ともに中盤でのリスク管理を徹底していた為か、互いにボールが落ち着かず、攻守が激しく入れ替わる時間帯が続いた。
試合は、1-0で東海大仰星がリードしたまま、両校のブラスバンドを擁したスタンドの応援はさらに熱が入り、会場内は盛り上がりを増していた。何とか同点に追い付きたい星稜は、左右のサイドを使った攻撃が目立ち始めた頃、右サイドで仕掛けた井田からのクロスに、途中出場の今井が左足で押し込み57分に同点に追いつく。
逃げ切れなかった東海大仰星だったが71分、中央でボールを持ったMF安井修平(2年・FC TIAMO)から、右サイドでボールを受けた日下部が中へ切れ込んでシュート。これはGK置田にファインセーブをされるも、この後も個の突破やセットプレーなどで星稜ゴールに攻め込んでいく。
残り時間もわずかとなった76分には、東海大仰星が日下部に代えて、FW原田樹生(2年・FC TIAMO)を投入。中盤でポジション変更をした萬雄大(3年・ガンバ大阪門真JY)と、原田を中心とした前線の選手達が時間の限り攻め続け、80分には萬が放ったシュートがポストへ跳ね返される決定的な場面も生まれた。その後は両者ともに前掛かりに攻撃に出ていた為、お互いのゴール前を行き来する展開が続くが、無情にも後半終了のホイッスルが鳴り、スコアは1-1のままPK戦へ。
先攻の東海大仰星1人目は、キャプテンの萬。慎重に蹴り込むもGK置田が会心のセーブ。自らのミスで招いた失点の場面を取り返すかのように、萬のPKを止めた。その後両チーム全員が成功し、スコアは4-4となった星稜の5人目。キッカーは、2戦連続途中出場から得点をあげた今井。本人は「上手く当たらず失敗してしまいました」と振り返ったが、今井の蹴り込んだボールはしっかりゴールネットを揺らし、星稜が8年ぶりに国立への切符を掴み取った。国立行きを決めた最後のキッカーを担った今井は、すぐさまGK置田の元へ行き、準決勝進出の喜びを分かち合った。
勝敗がどちらに転ぶかが最後まで分からなかったこの試合。最後は本田圭佑(CSKAモスクワ)を擁した第83回大会以来のベスト4進出となった星稜が国立行きを決めた。前回ベスト4入りをした際のチームとの違いを聞かれた河崎護監督は、「前回は本田頼みのチームでもあったと思う。今年のチームは、個人でレベルの高い選手がいない分、組織立った守備と攻撃の役割を徹底して出来ている」とここまでの勝因を話した。準決勝では、準々決勝で立正大淞南(島根)を3-1で下し、宮崎県勢初のベスト4という快挙を達成した鵬翔と戦う。どちらが勝っても初めての決勝進出となる鵬翔対星稜の1戦は、1月12日(第1試合)に国立競技場で開催される。夢の舞台でプレーする選手達が目指す頂点まであと2勝。大勢の観衆の前で、それぞれの学校のスタイルと持ち味を生かした見応えのある1戦に期待したい。 矢野
J SPORTS フットボール公式Twitterをフォローしてフットボールの最新情報をチェック!