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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
以前、ある媒体でこういう企画を書かせて頂いたことがあります。
テーマは「2点差は危険な点差?」。
よく、色々な場面で"2点差"は危険な点差だと言われることが多いんですけど、
それって本当なのかなと。
2点差を引っ繰り返した時のインパクトが強いだけで、
実際そんな頻繁に追い付かれたり、逆転されたりしているかなと。
ということで、今回は以前よりもう少し各種データを詳しく紐解きつつ、
「2点差は本当に危険な点差なのか?」を再考したいと思います。
ちなみにサンプルデータはJリーグブログでのご紹介ですから、
2012シーズンのJ1ということにしました。
まず、最初は大枠のテーマである"2点差"について。
今シーズンのJ1全306試合を調べて、
一時的に"2点差"が付いたアレコレを洗い出しました。
一時的に2点差が付いた試合は全部で129試合、
一時的に2点差が付いたシチュエーションは全部で158回。
90分間で2回以上"2点差"のシチュエーションが発生したのは27試合ありました。
ちなみに3回以上の"2点差"が発生したのは2試合。
1つは第9節の川崎×磐田で2×0、3×1、4×2(最終スコアは4×3)。
1つは第16節のG大阪×柏で0×2、1×3、2×4(最終スコアは2×6)。
この2つはかなりのレアケースと言えるでしょう。
続いては一時的に"2点差"が付いたゲームの勝敗の帰結です。
パターンは4つ。
①2点リードしたチームが2点差以上で勝利
②2点リードしたチームが1点差で勝利
③2点リードしたチームが追い付かれてドロー
④2点リードしたチームが逆転されて敗戦
129試合の内訳は以下の通りです。
①92試合(72%)
②23試合(18%)
③7試合(5%)
④7試合(5%)
なお、第18節の清水×柏は、
両チームが2点差で勝っているシチュエーションを経験していますが、
ここでは先に2点差で勝っていた清水で計算しています。
この数字で見ると、2点差でリードしたチームの勝率は90%ということに。
また、追い付かれる可能性は10%で、逆転負けする可能性は5%まで下がります。
つまり、2点差からの「世紀の大逆転」は
20試合に1試合起きるかどうかという確率になりました。
2012シーズンのJ1で起きた、そんな"20分の1"を以下に列記しておきましょう。
【1】第6節 G大阪3×2川崎
【2】第7節 札幌2×3川崎
【3】第7節 鹿島3×2C大阪
【4】第12節 FC東京3×2鳥栖
【5】第13節 G大阪2×3鳥栖
【6】第18節 清水3×5柏
【7】第27節 神戸2×3C大阪
なんか似たようなチームばかりが並んでいますねえ(笑)
続いては時間別の統計を見ていきましょう。
"2点差"がどの時間帯で付くかというのも気になる所です。
時間帯は6つに分けています。
158回の内訳は以下の通りになりました。
①試合開始~15分...5回(3%)
②16分~30分...18回(11%)
③31分~前半終了...26回(16%)
④後半開始~60分...38回(24%)
⑤61分~75分...37回(24%)
⑥76分~試合終了...34回(22%)
個人的に意外だったのは、
前半で"2点差"が付く確率が30%と思ったより高かったこと。
あんまりそんなイメージはなかったんですけどねえ。
今度は"2点差"を追い付いているチームが
どの時間帯に追い付いたかをまとめています。
①~⑥の時間帯は上記と同様です。
①0回
②0回
③0回
④0回
⑤8回
⑥7回
当然ですが15回すべてで、61分以降に追い付いています。
それでは、"2点差"を付けられたシチュエーションから
いつ追撃の1点を返しているかもまとめています。
①~⑥の時間帯は上記と同様です。
①0回
②3回
③6回
④3回
⑤3回
⑥0回
まあ、当然⑥で付いた2点差を跳ね返すことが
相当困難だというのはデータを見るまでもなくわかることですが、
少なくとも75分までに1点は返しておかないと
同点あるいは逆転は不可能という事実が
今回のデータからは出ました。
あと、特筆すべきは開始15分までに"2点差"が付いた5回は、
いずれもそのまま追い付かれることなく、リードした側が勝っていること。
やはり開始早々に背負った2点のビハインドには
気持ちを折られてしまうということでしょうか。
2点差を付けちゃうなら、開始15分までがオススメです(笑)
最後に、
①2点差を追い付いた、あるいは逆転したゲームで
1点差となるゴールが記録された試合時間
②1点差まで迫ったものの負けたゲームで
1点差となるゴールが記録された試合時間
のアベレージを出しました。
なお、②に関しては2回以上1点差へ迫った場合は、
最後に1点差へ迫った方を計算しています。
①の試合時間のアベレージは53.73分、
①の2点差を付けられてから1点を返すまで要した時間のアベレージは11.93分。
ちなみに一番早く1点を返した試合時間は19分、
一番遅く1点を返した試合時間は75分でした。
また、最も1点を返すのに要した時間は28分、
最も早く1点を返したのは2分でした。
一方、②の試合時間のアベレージは83.35分。
②の2点差を付けられてから1点を返すまで要した時間のアベレージは19.22分。
一番早く1点を返した試合時間は55分、
一番遅く1点を返した試合時間は90+5分。
また、最も1点を返すのに要した時間は39分、
最も早く1点を返したのは3分でした。
①と比べても顕著な数字が出ていますね。
特に1点を返すまでに要した時間で出た
8分間くらいの差が、同点までの重要な差と言えるかもしれません。
これらの数字を見て、
「危険だ」と思うか、「危険ではない」と思うかは
数字を見た皆さんに委ねたいと思います。
今回のリサーチから間違いなく言えそうなのは、
「"2点差"が付いたら、75分までに1点返さないと絶対に勝てない」
すなわち「75分以降に"2点差"を付けられていたら、絶対に負ける」
ということかなあと。
あと、これはザックリですけど
「"2点差"が付いたらだいたい勝てる」ということでしょうか(笑)
また、このデータ解析はやろうと考えているので、
"2点差"にまつわるコレを調べろ!というアイデアがあれば、
是非ご意見をお寄せ下さい!
土屋
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