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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
2007年11月11日、高校選手権東京都予選準決勝。
あの日の西が丘で見た試合は
今まで全国も含めて数多く見てきた高校年代の試合の中でも、
強く印象に残る一戦として記憶しています。
大津祐樹、菅野哲也、フィッツジェラルド・マイケル・ジェームズと
3人のJリーグ内定者を擁し、優勝候補本命と言われていた成立学園。
一方、この年のインターハイではベスト8に入ったものの、
選手権では4年間も全国の舞台から遠ざかっていた帝京。
都の準決勝というステージで両者が激突した一戦でしたが、
その実力的には全国の準決勝で対戦したとしても、
誰も文句は言わないレベルだったはずです。
メインスタンドもバックスタンドもほとんど空席の見当たらない中で
キックオフされた"十条ダービー"はスタートから成立がラッシュ。
7分には大津が鋭いシュートを放つも、
こちらも横浜FCへ入団することになる帝京GK大久保択生が
辛うじて触り、ボールは左ポストを直撃します。
すると、直後の先制弾は帝京。
8分、鯨岡佑太の強烈なミドルがゴールに突き刺さり、
カナリア軍団がリードを奪いました。
さらに成立へ降りかかった"追い討ち"は14分。
新潟入団内定のフィッツジェラルド・マイケル・ジェームズが
まさかの2枚目となるイエローカードを提示され、
70分近くを10人で戦うことになってしまいます。
しかし、数的不利にもかかわらず、その後もペースは成立。
そして33分、高速カウンターから最後は菅野が
さすがの決定力で同点弾を叩き込み、
1-1で前半を終えました。
後半は1人多い帝京が
新裕太朗と奥山慎の2トップを中心に攻め続け
最後尾ではキャプテンの浦田延尚が
1人少なくても切れ味は鋭いままの相手カウンターにも的確に対処し、
主導権は完全に握りますが、成立も何とか応戦。
試合は80分間で決着付かず。前後半10分ずつの延長戦に入ります。
延長もお互いが勝利への執念を前面に押し出し、
83分には帝京の椎名正巳が素晴らしいミドルを放つも、
ボールが選んだのはクロスバー。
付け加えられた20分間でもスコアは動かず、
ファイナルへの切符はPK戦へと委ねられました。
この緊張感溢れる11メートルの勝負で輝いたのは大久保。
成立の1人目を気迫でセーブすると、
決めれば勝利だった帝京5人目が外した直後、
成立5人目のキックを再びストップ。
壮絶な100分間プラスアルファは帝京に軍配が上がりました。
本当に凄いゲームでした。
今でもあの日の光景はハッキリと思い出すことができます。
成立で悔やまれるのは、その2年前に全国へ出場した選手権でも
1年生ながらレギュラーとして活躍していた
小檜宏晃が負傷で欠場していたこと。
ただ、そんなエースを欠いても
アレだけのゲームをしてみせた成立は本当に強かったなあと思います。
PK戦での決着がもったいないような、
いつまでも見ていたい熱戦でした。
このゲームは、私が高校サッカーの現場に
よりこだわりを持って足を運ぶキッカケになった一戦なので
ふと思い出してご紹介してみました。
土屋
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