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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
シード校が初登場となる2回戦。ここフクダ電子アリーナでは、強豪校ひしめく千葉県予選を勝ち抜き、第85回大会ではベスト4の成績を残した八千代(3年ぶり9回目)が地元で初戦を迎える。対するは、第89回大会で県勢初の快挙となるベスト4入りを果たし、夏の高校総体でも2年連続ベスト4となり、今大会でも注目度の高い島根県代表・立正大淞南(2年ぶり12回目)。両校ともに選手権の最高成績は「ベスト4」。初の頂点を目指す強豪校同士の一戦は、立正大淞南のキックオフで試合が始まった。
序盤から、県予選で55得点を叩き出した得点力を誇る立正大淞南がペースを握る。本来のキャプテンで絶対的エースでもあるFW林大貴(3年・長野FC)は、大会直前に鎖骨を骨折するアクシデントに見舞われ欠場したが、代わりにキャプテンマークを巻いた田路大樹(3年・愛知FC)と、代わりに先発となった坂口健太(3年・泉ヶ丘東中)の2トップを中心に立正大淞南は八千代ゴールへと軽快にボールを動かしていく。
中央をドリブル突破したMF浦田雅之(3年・Erba FC)から前線の坂口へスルーパス。オフサイドの判定となったが、最終ラインからのロングボールに田路が反応するなど、スピード感溢れる多彩な攻撃を序盤から披露。一方の八千代も、CBでキャプテンを務める柳育崇(3年・鹿島アントラーズJY)と、2トップの一角に入るFW附木雄也(3年・阿蘇中)の180㎝を超える大型選手を中心に、攻守にバランスを取っていく。
先制は19分、八千代の攻め崩れに反応した立正大淞南が、攻撃のスイッチを一気に入れ八千代陣地に攻め込む。左SB高橋壮也(2年・サンフレッチェくにびき)が前に仕掛ける素振りを見せるが、中央でフリーになっていた浦田にパスを出し、豪快なミドルシュートを決める。ここから畳み掛ける攻撃力を持つのが立正大淞南だった。続く21分、八千代DFがクリアしようとしたボールに体を使ってブロックへ行くと、エリア内へこぼれたボールに田路がすかさず押し込み2-0とし、早くもリードを広げる。
29分、八千代は立正大淞南の猛攻に耐え続けていたが、ここで初のCKを与えてしまう。続いた3本目の右CK。キッカーMF隅田竜太(3本・岩田FC)が蹴ったボールにDF甲斐健太郎(3年・大阪セントラルFC)がヘッドで合わせ前半だけで3-0とする。
なんとか盛り返したい八千代は、前半から続く初戦の硬さが後半も拭えず、立正大淞南のダイヤモンド型の中盤が織りなす素早い仕掛けとプレッシャーに、最終ラインがさらに緩む。49分、縦へと繋いだボールに、坂口・隅田が狭いスペースをすり抜け、前半はシュートの無かった坂口が大きく引き離す4点目をあげる。
その後八千代は少ないチャンスの中で、附木が意地の1点を返すも、立正大淞南の猛攻はこれで終わらなかった。60分、浦田が中央突破を見せた場面では、並走をしていた坂口がラストパスを貰い落ち着いて決める。63分には、隅田のスルーパスが起点となり、田路から出されたボールに坂口が応え、ハットトリックを達成。一方の八千代も攻守の入れ替わりが激しくなった時間帯で、立正大淞南ゴールを目がけ攻めの姿勢を見せ続けたが、65分に生まれた得点はまたしても立正大淞南。ショートCKを蹴った隅田のボールに、坂口、田路で繋いだボールを甲斐が押し込み「7-1」。最後は得意のトリックプレーまで披露した。
試合終盤の75分には、大暴れをした田路と坂口の2トップを同時に下げた南健司監督。試合後は、「今日は、できすぎているくらい良い出来だったと思う」と初戦を振り返った。エース林の不在により、「全員が自分でやる、という強い気持ちで臨んだ結果」と語る、初戦のキャプテンを務めた田路。「1点取れてからは、いつもの淞南の形が出来ていたので、安心して見ていました」と応えてくれた林は、期間中は出場メンバーに帯同しながらも、初戦は応援団に混ざりスタンドからこの試合を見届けた。
初戦で敗退となった八千代・豊島隆監督は試合後「お互いのコントロールの部分だけでなく、距離感や位置取りに関してもミスが多くなってしまった。試合に飲まれてしまっていた」と話し、初戦の難しさを語った。立正大淞南の2013年は、「7得点」という大量得点で幕を開けた。ベスト16となる3回戦へ駒を進めた立正大淞南が目指すのは頂点。この攻撃力を封じる事の出来るチームは現れるのか。3回戦は中日を設けず連戦となる。1月3日もフクアリへ帰ってくる立正大淞南は、どこまで快進撃を続けてくれるのか。今後もさらに楽しみなお正月となった。 矢野
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