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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2012年12月20日

インカレ1回戦 専修大×関西大@BMWス

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BMW1220.JPG第2試合は関東と関西の実力派が早くも対峙。連覇を狙う関東王者の専修大と、2年ぶりのタイトル奪還に燃える関西第2代表の関西大という1回戦屈指の好カードです。
昨年は2部からの復帰初年度でいきなり関東を制すと、そのままの勢いでインカレまでかっさらう大躍進を遂げた専修。今年も夏の総理大臣杯で全国準優勝を果たし、関東は堂々の連覇。この2年で最も結果を出している大学チームと言えるでしょう。
一方、一昨年度は見事にインカレ優勝に輝いたものの、昨年は関西4位に終わり、冬の全国出場を逃した関大。1年時から主軸として活躍してきた岡崎建哉(4年・G大阪ユース・G大阪内定)と田中裕人(4年・G大阪ユース・磐田内定)も最高学年を迎え、当然一番高い所を目指しているのは間違いありません。両校共に個性的な応援団がスタンドを彩り、賑やかな雰囲気の中、専修のキックオフでゲームの幕は上がりました。
立ち上がりからラッシュを掛けたのはディフェンディングチャンピオン。5分、下田北斗(3年・大清水)のドリブルで獲得したFK。ゴール左、約25mの距離から長澤和輝(3年・八千代)が直接狙ったキックは枠の右へ。9分、右サイドを抜け出した下田のクロスに、突っ込んだ稲葉圭吾(3年・帝京第三)のシュートは枠の右へ。
続く攻勢。12分、左から下田が蹴ったCKをファーで鈴木雄也(4年・武相)が折り返し、萩間大樹(1年・川崎U-18)のヘディングは、関大GK金谷和幸(3年・G大阪ユース)が懸命のセーブで阻止。直後に長澤が右からCKを蹴ると、山崎貴雅(3年・岐阜工業)が頭で繋ぎ、仲川輝人(2年・川崎U-18)のボレーはクロスバーを越えましたが、強烈な先制攻撃を加えていきます。
「相手の前への勢いが凄くて、自然とズルズルいってしまった」と岡崎が言及したように、関大はなかなかボールをフィフティでは握れず、「ずっと繋ぎたいチーム」(島岡健太監督)だけにストレスの溜まる展開に。15分に田中のパスから中島龍基(3年・青森山田)が強引に狙ったミドルは、DFに当たって枠の左へ。頼みの岡崎にもパスが集まらず、チャンスはもちろん、自分たちのスタイルを披露しきれません。
18分も専修。右サイドから長澤が放ったカットインシュートは枠の右へ。22分も専修。下田が右サイドへフィードを送り、稲葉が粘って中へ。長澤のシュートは枠外も、惜しいシーンを創出してみせます。すると、"らしい"崩しから生まれたファインゴール。29分、細かいパスワークから星野有亮(2年・静岡学園)の付けたボールを、仲川は右へラストパス。受けた長澤のシュートは、まさに"ゴールへのパス"と形容したくなるくらい、柔らかくかつ正確に枠の左スミへ飛び込みます。複数人が絡んでの華麗な一撃。まずは専修が1点のアドバンテージを握りました。
以降も「相手の"表"ばかりで、人とではなくボールとしかやれていない」と独特の言い回しで島岡監督が表現した関大を、専修が押し込み続けます。30分、長澤は重心を後ろに残しながら強いシュートを枠内へ飛ばし、金谷が何とか回避。31分、長澤の右CKを鈴木がボレーで狙うも金谷がキャッチ。37分、「背後に抜ける動きは見るモノがある」と源平貴久監督も認める稲葉が、持ち味通りにうまく抜け出し独走。ところがシュートはわずかに枠の右へ逸れ、当人も周囲も天を仰ぎます。
40分に星野が見せたドリブルミドルも、44分に長澤の右CKへ合わせた萩間のヘディングも共にゴール左へ外れ、追加点こそ奪えなかったものの、最初の45分間は専修の「ほとんどワンサイド」(源平監督)と言っていい展開で終了しました。
後半に入ると、先にフィニッシュを取ったのは関大。48分、縦に入った長いボールへ木村一貴(3年・神戸ユース)が反応すると、DFと競り合いながらシュートまで。ここに表れたのは「背後へ出ていく所はもう少し表現する所」と、ハーフタイムに指揮官が改めて確認した意識。シンプルなアタックを形へ結び付けます。
とはいえ、専修も勢いは継続。50分には、ハーフウェーライン辺りでボールを奪った仲川が50m近くを1人で運んでシュート。金谷のファインセーブに遭いましたが、強烈な能力の高さを見せ付けると、51分には下田の左CKに合わせた前澤甲気(2年・清水商業)のヘディングが、わずかにゴール右へ。追加点への意欲を隠しません。
ただ、次に決定的なシーンを迎えたのは紫紺の志士。55分、岡崎がDFを引き付けてから最高のタイミングでスルーパス。海田佳祐(3年・磐田ユース)のドリブルシュートは、よく戻った星野がブロックし、リバウンドの再シュートも専修GK福島春樹(1年・静岡学園)が弾きましたが、「フリーで動いている感じがあった」と敵将も言及した岡崎のアイデアが、チームにもたらした勇気。
58分、先に1枚目のカードを切ったのは島岡監督。中島を下げて、篠原宏仁(1年・柏U-18)を投入し、中盤のギアに変化を。すると、63分にはさらなる決定機。木村が右へ振り分け、海田がフワリとファーサイドへ届けたクロスに、3列目から飛び込んだのはキャプテンの稲森睦(4年・四日市中央工業)。小柄な身体を精一杯伸ばして当てたヘディングは、しかしボール1つ分の差で枠の右へ。「前に前に出ていかないといけない展開だと、ハーフタイムでスイッチを入れ直した」(岡崎)関大に迫りつつある得点の匂い。
そして67分、左サイドで木村からのパスを引き出し、瞬時に加速した岡崎をマーカーが倒すと、細尾基主審がファウルとジャッジしたのはエリア内。関大に千載一遇の同点機が訪れます。岡崎と福島が挑む11mの果たし合い。勝ったのは、岡崎。1-1。お互いのアドバンテージとディスアドバンテージは霧散しました。
残された20分間の攻防。島岡監督は68分、木村を下げて安藤大介(4年・静岡学園)を投入。源平監督は71分、稲葉と牧内慶太(4年・柏U-18)を入れ替えると、1分後には星野と西翼(4年・ルーテル学院)もスイッチ。揃って2枚目までの手札を使います。
80分には海田のパスから篠原が福島にファインセーブを強いるシーンを創りましたが、終盤は「西が入って右サイドの守備が機能し始め、ウチに流れが傾いてきた」と源平監督が話した専修の猛攻。82分、長澤のラストパスから西が放ったシュートは、DFに当たってコースが変わるも、金谷が足で好ブロック。83分、右から蹴った長澤のCKを、鈴木はワントラップボレーで枠へ収めるも、金谷がセーブ。87分、西が頭で繋いだボールに、DFと競り合いながらサッとつついた仲川のシュートは、ここも金谷のファインセーブ。貫くか、塞ぎ切るか。
90+1分も専修。一瞬の隙を突き、長澤がクイックで始めたFKはフリーの前澤へ渡るも、ヘディングは枠を捉え切れず。90+2分、長澤の左FKはゴール前での混戦を呼び、専修の選手が殺到するも、田中が決死のクリア。所定の時間内に1点ずつ奪い合った均衡は崩れず、前後半10分ずつの延長戦へ舞台は移されました。
夕闇迫るピッチでさらなる躍動を見せたのは緑のハート。98分、下田の浮き球を仲川が頭で逸らすと、右サイドをドリブルで突き進んだのは「ここ数ヶ月で凄く伸びた選手」と源平監督も高評価を口にした前澤。前へ運びながら、意外なタイミングで左スミへ転がすと、ここまで再三ピンチを切り抜けてきた金谷は一歩も動けず。「あんまりいいんでビックリしてます」と指揮官も笑った2年生の勝ち越し弾が飛び出し、再び専修が一歩前へ出ます。
畳み掛けた王者。100+1分、関大は最終ラインで痛恨の連携ミス。見逃さなかった仲川。GKもかわすと、何も障害物のなくなったゴールへプッシュ。突き放しました。
厳しい状況に追い込まれた中、意地を見せたい関大。しかし、「ウチの方が走力はあったと思う」と源平監督も胸を張った専修は攻守に足が止まらず、"やり切る"パワーで延長の20分間は完全にゲームをコントロール。103分には牧内が、108分には山崎がシュートまで打ち切るなど、攻める姿勢も見せ続け、聞いたタイムアップのホイッスル。終わってみれば専修が貫禄の110分間を過ごし、ベスト8へ勝ち進む結果となりました。
関大は「もっと最初からアグレッシブにいければよかった」と岡崎が振り返ったように、少し前半のゲーム運びが悔やまれるかもしれません。ただ、本来は3トップ下に入る和田篤紀(2年・神戸U-18)の負傷離脱はあったものの、「160人あまりが1つのチーム。誰かがいないからといって、それで変わってしまうようなサッカーはやっていない」と島岡監督。ストレスフルな展開にもかかわらず、しっかり追い付いた辺りに関大のプライドを見た気がしました。
専修は相当強いなあという印象です。「こっちがもう少し早く決めていればね」と苦笑いした源平監督でしたが、今の強さを「1点取られても慌てることなくできるようになってきた」と分析。ドリブルとショートパスを織り交ぜた流麗なアタックに、勝負強さも身に付けたこのチームはかなり"負けにくい"チームになっています。駒澤大以来となる、6年ぶりの大会連覇に向けて視界良好の初戦だったのではないでしょうか。     土屋

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