mas o menos

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2012/10

S M T W T F S
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2012年10月05日

T2リーグ・グループA第9節 日大三×かえつ有明@駒沢第二

mas o menos
  • Line

komazawa1004.jpgT2リーグもいよいよファイナルラウンド。4月19日に開幕したグループAは、今日から順次最終節のゲームを迎えることになります。1節と最終9節の日程にかなりバラツキがあり、それに伴って消化ゲーム数もまちまちですが、10チームの先陣を切って最終節に臨む日本大学第三とかえつ有明は、共に今日のゲームがラストマッチ。現在9位の日大三は降格に関与しない8位以上を、現在3位のかえつ有明は昇格の可能性を残す2位以内を確保するためにも、お互いに勝ち点3が必要なゲームになります。来年度への"未来"を懸けた一戦は駒沢第2球技場です。
2日前に首位争いを繰り広げていた都立駒場との「勝たなくてはいけない状況」(渡辺陽介監督)の決戦に敗れ、気持ちの切り替えも必要なゲームとなったかえつに対し、立ち上がりは「前を向いたらドリブルをうまく使いながら、仕掛けてやろう」と田中雅之コーチから指示を受けた日大三が出足で上回ります。するといきなり動いたスコア。5分、河戸秀仁(2年・練馬南が丘中)が中央から左へ送ると、受けた財津遼太郎(1年・日大三中)は冷静にニアサイドへ一刺し。開始直後から積極性を打ち出していた2人の連携で、まずは日大三がアドバンテージを奪いました。
さて、早くも追い掛ける格好となったかえつ。8分には右サイドをえぐった斎藤朝太郎(2年・かえつ有明中)がマイナスに折り返すも、星野熙輝(1年・かえつ有明中)のシュートは当たり切らず枠外へ。逆に14分には日大三に追加点機。今度は財津のラストパスから河戸がシュートを放ち、ここはかえつGK鈴木直輝(3年・FC台東)のファインセーブに阻まれましたが、「一昨日の相手は引いてきたが、今日の相手は結構来たので戸惑うだろうなと思っていた」と渡辺監督が話したように、序盤は日大三の勢いが目立つ展開になりました。
そんな中で冷静に戦況を見極めていたのは、中盤ダイヤモンドを敷くかえつのアンカー小柴展輝(3年・かえつ有明中)。21分、センターサークル付近でボールを持つと、GKの位置を見て約40mのロングシュートにチャレンジ。軌道はわずかにクロスバーを越えたものの、初めて繰り出された"惜しい"シュートでわずかに流れが変わります。
同点弾が生まれたのはその2分後。23分、斎藤の綺麗なスルーパスに反応した深山竜太(2年・大豆戸FC)は、寄せたDFと入れ替わると、すかさず下したループのチョイス。GKの頭上を越えて、ゴールへ弾み込んだボール。完璧なアタックで再びスコアに均衡が戻りました。
以降は「自分たちのサッカーをやっていれば、その内にいい攻撃は出てくるだろうと思っていた」という渡辺監督の言葉通り、かえつの一方的な攻勢に。29分には小栗健太(1年・かえつ有明中)のスルーパスから、またも深山が抜け出しましたが、日大三GK佐藤遼太郎(2年・日大三中)がファインセーブで回避。31分、斎藤のスルーパスはここも深山に通るも、日大三のCB松本裕一郎(3年・日大三中)が必死に体をねじ込んでブロック。
44分、小柴が浮かせて最終ラインの裏に落とし、深山4度目のラインブレイクは、立ちはだかった佐藤が阻止。深山を捕まえ切れない中で、佐藤のビッグセーブ連発と、これが高校生活ラストゲームとなる松本とボランチ高橋広(3年・日大三中)の3年生コンビを中心に粘り強く耐えた日大三。1-1のタイスコアで最初の45分間は終了しました。
ハーフタイムで動いたのはかえつ。仲野哲矢(1年・かえつ有明中)を江渡凌介(3年・かえつ有明中)に入れ替え、攻撃陣に変化を加えます。迎えた後半も開始25秒足らずに深山が放ったシュートで幕を開けると、48分には日大三に久々のシュート。松本が右から蹴ったFKを米田祐樹(2年・POMBA立川FC)が頭で合わせるも、ボールは枠の上へ。50分にもスムーズなパス交換から高橋が左へ付けると、河戸がグラウンダーで中へ送るも、鈴木がしっかりキャッチ。かえつゴールを脅かすまでには至りません。
とはいえ、「後半はパスのテンポを修正した」(渡辺監督)かえつも、確かに前半よりは幅を使いながらフィニッシュまでしっかり取れるのですが、56分に深山、58分に江渡のミドル、59分に深山と続けて打ったシュートも肝心のゴールは遠いまま。「いつ失点してもおかしくない」(田中コーチ)日大三が、選手交替で右SHの野田を「守備の部分が甘くなった」と田中コーチが判断した左サイドのSBへスライドさせると、ややかえつの"縦"も減退。攻撃が単発になってしまいます。
この停滞感を打破したのは、チームの中でも最も流動的に動き回っていたキャプテン。73分、左サイドに回ったボールを受けたのは右SBの鈴木美勇士(3年・FC台東)。丁寧に中へ送り出したボールを、江渡がこれまた丁寧にゴールへ流し込みます。最上級生の矜持。嫌な流れを払拭する逆転弾が飛び出し、かえつがスコアを引っ繰り返しました。
こうなると、「どんな相手でもある程度チャンスは創れると思う」(渡辺監督)かえつは、後半の修正ポイントだったパスワークも冴え渡り、嵩にかかったアタックを連発。ここまで耐えてきた日大三も「中盤の守備の部分が、前半から走らされていたので後手後手になった」と田中コーチ。
89分、江渡がミドルレンジから躊躇なく右足を振り抜くと、ボールは左ポストの内側を叩いてゴールに吸い込まれ、1-3。91分、サイドをしっかり崩して深山がラストパスを送り届けると、小栗が確実にゴールを陥れ、1-4。「修正点が後半に成果として出て4点を取ってきたのは、それなりに手応えはあった」と渡辺監督も一定の評価を与える内容で、かえつが最終節を勝利で飾り、暫定2位へ浮上する結果となりました。
かえつは今シーズンのスタートから指揮官も中等部を6年に渡って指導していた渡辺監督に替わりましたが、現在主力を務める選手の半分以上が中等部時代の教え子という「選手層が厚いわけではない中でのアドバンテージ」(渡辺監督)も追い風に。脇を固めるスタッフも非常に若く、新しいチームに生まれ変わったような印象を受けました。「去年の結果がどうだこうだというのはあまり気にしていない」と渡辺監督。攻守の歯車がガッチリ噛み合えば、今月から再開される選手権予選で主要キャストに躍り出る可能性も十分秘めているのではないでしょうか。         土屋

  • Line