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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

マッチレビュー 2012年10月28日

J1第30節 新潟×鳥栖マッチレビュー

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J1第30節 
アルビレックス新潟×サガン鳥栖@東北電力ビッグスワンスタジアム
解説:玉乃淳 実況:八塚浩 インタビュアー:桑原学

bigswan1027.jpg


【玉乃淳氏によるマッチレビュー】
Q、ゲームの全体的な印象を教えて下さい。


A、試合前に柳下監督とお会いする機会があって、
「いかに失点ゼロで行って、後半の終盤に勝負をかけるか」という
プランをお話して下さったのですが、
新潟はあの先制点によってすべてが崩れてしまって、
残り時間でプラン変更ができなかったというか、
そのプランを持っていなかったのが現実かなというのが印象です。


Q、やはり開始3分の先制点がすべてだったと言っても
いいようなゲームだった印象です。


A、そうですね。失点数は少なくて、
点は取れていないというデータから見ても、
あの時間帯の失点でリードされるという展開は
今の新潟の力から考えると、非常に難しくなりましたよね。


Q、2点ビハインドで後半開始から鈴木武蔵と酒井宣福を投入しました。
あの交替はどういう印象を持ちましたか?


A、ある側面から見ると、若い選手を出して、
勢いを持たせるという意味ではすごくいいと思うのですが、
おそらくあの同時交替は突発的なもので、
本来はプランになかったんじゃないかと。
残された選手たちには、多少なりとも戸惑いがあったんじゃないかなと
僕自身は勝手な推測をしています。
かなり追い込まれているんじゃないかなという印象を持ってしまいました。


Q、あの交替で実際に変化はあったと思いますか?


A、変化はありましたね。
鈴木武蔵は結構ポイントになっていましたし、
チーム全体が彼にボールを渡そうという感じも見られたので、
彼がボールを持ったら観客も沸いていましたし。
ただ、本来であれば優勝が懸かった試合で
ああいう交替が見たいというのが本音ですよね。
新しい血でスタンドを盛り上げてというか。
それが今のこの厳しい残留争いの中で行われるあたりが、
"苦渋の手"というように僕には見えました。
勇気があるなと思ったのと同時に、
今のすごく厳しい状態が現れているなというような
2枚交替だったと思います。


Q、鈴木大輔が不在だった影響は感じましたか?


A、正直感じましたね。
GKの黒河も含めて、普段コンビを組んでいるメンバーでは
なかったと思うので、ちょっとした所でフィールド内にストレスがかかったり、
お客さんの反応というのもありましたから、
その影響は否めなかったですね。


Q、そういう中であれだけロングスローが飛んでくる状況というのは
難しいですよね。


A、当然対策はしたと思いますが、あれだけ回数を重ねられると、
やはり1試合通してリズムを掴むのは
難しいかなという感じはしますよね。


Q、鳥栖の90分間はどう見えましたか?


A、相当よかったんじゃないでしょうか。
点を取った後に、縦に急ぐのではなくて、
ちゃんとサイドチェンジを繰り返しながらの組み立てが見られました。
ただ、もし新潟が先制していれば
まったく逆の展開になったことも考えられますし、
すべてはあの先制点が大きかったのかなと思います。


Q、鳥栖はサイドチェンジをうまく使えるチームだと
中継の中でもおっしゃっていましたね。


A、速攻型のチームで、縦に速いという印象で鳥栖は捉えられがちですが、
結構逆サイドも使えるというか、
例えば水沼がボールを持った時に、
野田の位置を全員が把握しているんですよ。
だから数的優位の中で攻めることができるんです。
逆に新潟で見ると、サイドハーフ同士の連動、
つまりどちらかが持った時に、どちらかがどこにいるというのが
チームとしてまったく見えていなかったというのは
上から見ていて明らかにわかったので、
そこでかなり大きな違いがあったのかなと思います。


Q、鳥栖のサイドチェンジは今日の新潟には
有効だったという印象でしょうか?


A、そうですね。新潟はあまり形がなかったために、
ボールを失うポイントがたくさんあって、
鳥栖はボールを持った時にサイドチェンジをすぐ行えば
数的優位を作れていたので、うまくいっていたなと思います。
それには水沼の運動量だったり、
野田に入った時にキム・ミヌが上がっていくというような
徹底した決まりごとがあるように見えるので、
それが今シーズンの鳥栖の躍進に繋がっているんじゃないのかなと感じました。


Q、玉乃さんは東京ヴェルディでJ2降格を経験してらっしゃいますが、
中継の中で「こういう状況だと"気持ち"がフォーカスされがちだけど、
それだけで残留できるほど、J1は甘くない」とおっしゃっていました。
あれはどういう所から出てきた言葉ですか?


A、今日の新潟に例えると、"気持ち"でサイドチェンジはできないし、
サイドハーフが持った時に、"気持ち"でサイドバックは上がっていけないし、
全部泥臭いような、前に蹴ってこぼれ球を拾って、というような
サッカーをしていても、絶対に通用しないと思うので、
もう1回自分たちが何をしたいのかということを見直さないと厳しいかなと。
もっと掲げたはずの理想のサッカーに立ち返って、
自分たちのストロングポイントというのを出していかない限り、
残留は難しいなと思います。
確かに柳下監督は途中就任で難しい部分もあると思いますが、
そこは監督の手腕なので、時間に関係なく立て直す監督もいますから。
あと、僕はインタビューで「"気持ち"のある選手を使う」と話していたのは気になりました。
この状況で"気持ち"が入っていない選手なんて絶対にいないと思いますから。


再放送スケジュールは
10月30日(火)15:00~17:15 J SPORTS1
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!


土屋

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