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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
今日の熱戦を締め括る第4試合も好カード。部員数が100人を越える私学同士の顔合わせとなりました。
インターハイ予選では支部予選で東京実業に敗れ、今大会は地区予選からの登場となった保善。3試合で15得点無失点という安定した戦いぶりで、第3地区代表として都大会へ挑みます。一方、一昨年の東京王者でもある駒澤大学高のインターハイ予選は、二次トーナメント初戦で国士舘相手にPK戦で惜敗。今季の総決算として、2年ぶりの全国進出に一歩ずつ近付いていきたい所です。少し陽も傾き出し、照明に灯が入る中、おそらく"夏の選手権"ラストマッチとなる一戦はスタートしました。
まず勢いを持ってゲームに入っていった駒澤へ、いきなり訪れた先制機。6分、右SBの広瀬貫太(3年・ヴィヴァイオ船橋)が縦に付けると、うまく相手の間で受けた大川雅史(2年・フッチSC)がエリア内で倒され、PKを獲得します。キッカーはレフティの桑原智(3年・東京久留米FC U-15)。十分な間合いから左スミを狙ったキックは、しかし読み切った保善GK平原史朗(3年・Forza'02)が完璧なセーブ。痺れる攻防を経て、スコアは動きません。
それでも全体的には駒澤の続く攻勢。9分には、フィードのセカンドを素早く拾った飯泉優人(3年・FC東京U-15深川)が枠内シュート。17分には後方からのフィードに、保善の佐々木雅尚監督が「ケアしていこうと話した、相手の攻撃の主になるフリック」と表現したプレーを桑原が高い打点で敢行。反応した大川はドリブルで3人の間をぶち抜きにかかり、シュートには持ち込めなかったものの、相手も警戒していたプレーから、あわやというシーンを創出します。
さて、「劣勢になるのは目に見えていたので、こういう展開は予想していた」と佐々木監督も話した保善は、時折左SHの室井直樹(3年・Forza'02)と1トップ下の佐々木勇輝(3年・川崎フロンターレU-15)が切れ味鋭い仕掛けを繰り出し、30分には佐々木のパスから室井がミドルを枠に飛ばしましたが、これが前半唯一の枠内シュート。
39分には駒澤のアタック。星皓遥(3年・東急レイエス)が左へ振り分け、飯泉が戻したボールを桑原がクロス。椋本湧也(3年・FC GIUSTI)のヘディングは枠の右へ逸れましたが、スコアレスとはいえ、最初の40分間は駒澤ペースで推移しました。
後半も先に仕掛けたのは駒澤。42分に大川のCKから惜しいシーンを迎えると、48分にも桑原が左から上げたクロスに大川が反応するも、シュートまでは打ち切れず。51分、桑原の右CKに日野直輝(3年・AZ'86tokyo-ome)が合わせたヘディングは保善DFがブロック。ゴールにこそ届かないものの、予感は漂うアタックが続きます。
そんな中、55分にまたも保善は、佐々木のパスを受けた室井が、左からカットインしながら枠内シュート。すると、この後はわずかに傾いた流れ。63分、1トップの福士渉(3年・Forza'02)が 右へ流し、佐々木のフィニッシュは駒澤DFが必死に戻ってブロック。64分も保善。福士が右サイドをえぐり切り、マイナスに戻したボールを佐々木が狙ったシュートはゴール右へ。この時間帯は、保善に攻撃のリズムが構築されつつあったと思います。
すると、駒澤に不運が襲い掛かったのは71分。少し厳しい判定でイエローカードを提示された選手は、45分にも警告を受けており、これで退場処分に。ラスト10分で数的不利を被ることになりました。
保善のラッシュ開始。72分には山本隆二(3年・Forza'02)のFKから、こぼれを佐々木が狙ったミドルは、DFに当たってわずかに枠の右へ。73分にも右から佐々木が上げたクロスへ、ファーから途中出場の堀之内開人(3年・調布神代中)が飛び込むも、広瀬が体でブロック。直後には連続してCKを獲得するなど、ジワジワと10人の駒澤を侵食していきます。
そして、保善応援団の爆発は後半終了間際の78分。右サイドで「オーバーラップが持ち味だけど、今日はあまり上がるなと」(佐々木監督)言われていた右SBの橋本昴明(3年・クリアージュFC)が勝負所を見極めたオーバーラップから、「得意というよりも"好き"な」(佐々木監督)クロスを中へ。大外に走り込んだ室井が、165センチの体を投げ出して捉えたダイビングヘッドは、ポストの内側へ突き刺さります。
パーフェクトな先制ゴール。保善が1点のアドバンテージを得ると、さらなる結果を追求するメンタリティの証明は2分後の80分。なかなかシュートを打てなかったCFの福士が中央を独力でぶち抜き、そのままダメ押しの2点目をゲット。タイムアップのホイッスルに重なる、保善が上げた勝ち閧。ノーシードの地区代表がベスト16への切符を勝ち取る結果となりました。
確かに数的優位に立つまでの保善はなかなか決定機を創れず、それが佐々木監督も「ラッキーだったんじゃないですか」と笑った部分に繋がっていた感はあります。ただ、迫力と重量感のある駒澤のアタッカー陣を、松島智章(3年・東村山第一中)と廣武佑介(3年・Forza'02)のCBを中心にゼロで抑えていたことも、見逃せない勝利の要素であったことは間違いありません。次の国士舘戦も好ゲームが期待できそうです。 土屋
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