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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
最も遅い登場から予選を勝ち抜くと全国へ舞台を移し、都内の高校生の中では最も長く戦うことを許された昨年から一転、午前中ですら強い陽射しが照りつける8月からのサバイバルを強いられた今年の東久留米総合。彼らの"選手権"は既に幕を開けています。
連覇を狙ったインターハイでは1次トーナメントで東京成徳の前に屈し、3季連続の全国出場を絶たれると、同じく連覇を目指す選手権は地区予選からのスタートに。齋藤登監督がインターハイ後に「このままではいけない。変わらなきゃいけないし、変えなきゃいけない。監督の俺自身も変わらなきゃいけないだろうという話を選手にした」ことで、自分たちを見つめ直して臨んだ初戦は都立福生を小山広大(3年・FC東京U-15むさし)のハットトリックで3-1と下し、続く成蹊にも3-0で勝利。代表決定戦まで駒を進めてきました。
対するは東村山市に校舎を置く明法。過去にインターハイ出場も経験している古豪は、都立久留米西を1-0、国際基督教大高を6-0で撃破すると、一昨日は都立小金井北にPK戦で競り勝ち、3連勝で決定戦へ。アウェイで金星を狙いに行きます。9時半という、実に高校生の試合らしい時間にゲームはキックオフを迎えました。
6分、スローインの流れから斉藤一輝(3年・三井千葉東葛JYFC)が枠内ミドルを放ったのが、東久留米が繰り出す一斉射撃の号砲。7分には右サイドからSBの平塚達也(3年・中野北中野中)が折り返したマイナスのボールを、斉藤は確実に左スミへ流し込み、「いい形でサイドを崩して」(齋藤監督)早くも先制。11分には左サイドを小島、SBの中藤翼(3年・東京久留米FC U-15)、SHの守川直樹(3年)で崩すと、中藤のクロスに谷中潤希(3年・JACPA東京)が飛び込み、最後はボランチの加藤有騎(2年・青梅霞台中)がプッシュ。リードは2点に広がりました。
以降も「過去の2試合は最初に点が入らず苦労したが、今日は2点目が入った時点で力も抜け、リラックスしてできた」と齋藤監督も話したように、東久留米が圧倒。16分には高木翔(2年・府ロクJY)がミドルで、18分には小島がヘディングでそれぞれフィニッシュを取ると、22分に追加点。ここも中藤、守川、小島で左サイドを崩して、守川が中へ。谷中が難なくゴールを陥れて3点目。さらに1分後の23分、中藤のフィードを小島が繋ぐと、フリーの斉藤が冷静に右スミへ突き刺し4点目。事実上、勝敗は決しました。
止まらない東久留米は、25分には中藤の、27分には小島の左クロスから、共に斉藤がヘディング。前半終了間際には、顔にボールが当たった中藤が原裕紀(3年・Az'86 tokyo-ome)と交替するアクシデントはありましたが、最初の35分間を完全に支配した"ホームチーム"が、4点のアドバンテージを持って、ハーフタイムへ入りました。
後半はスタートから小山に替わって大畑銀司(3年・東京久留米FC U-15)が右SHへ入り、守川が2トップの一角へスライド。すると、37分には大畑を起点に、右から平塚の上げたクロスを守川がヘッド。ボールは枠の左へ外れたものの、早くも動かした配置が奏功します。
38分には明法も立見皓太(3年)がようやくファーストシュートを放つも、DFのブロックに遭って枠へは届かず。逆に1分後にはまたも東久留米の反撃。守川が右へ流すと、大畑のクロスはDFに当たってゴールへ吸い込まれてしまい、明法にとってはアンラッキーな形で5点目。42分、加藤の横パスを受けた高木は完璧なスルーパス。抜け出した斉藤はこれまた完璧なフィニッシュで、ハットトリックを達成します。これで6点目。齋藤監督は「もっとボールを横に動かして、相手も動かして穴を突くようなポゼッションができればもっとよかった」と振り返りましたが、それでも十分なバリエーションから、次々とゴールを奪います。
50分には右サイドで加藤とのワンツーから大畑が上げたクロスに、谷中が猛然と敢行したダイビングヘッドが豪快にネットへ突き刺さると、観客からは溜め息にも似た歓声が。これで7点目。53分にも谷中のミドルを明法GK平賀怜(2年)が懸命にファインセーブで弾き出しましたが、このCKを平塚が蹴るとファーサイドでまったくのフリーになった森田渉(3年・Forza'02)が綺麗に頭で合わせて8点目。攻撃の手を緩めません。
56分には明法も今原経介(2年)のミドルがバーを越えると、終盤に迎えた決定機。65分、室賀魁(2年)が今原とのワンツーから抜け出し、エリア内への侵入は東久留米CB森祥行(3年・東京久留米FC U-15)のクリアに阻まれましたが、なおもCKのチャンス。今原のキックを野間峻大(3年)が折り返すと、黒米裕(3年)はわずかに足で触るも、東久留米GK野中優志(3年・練馬谷原中)が初めての守備機会でしっかりキャッチ。終わってみれば8つのゴールを積み重ねた東久留米が、実力の違いを見せ付ける格好で都大会への進出を決める結果となりました。
実は齋藤監督も「いるいないはウチのチームにとって大きい」と語る、エースの菅谷翼(3年・FC東京U-15むさし)を負傷で欠きながらの地区予選となったディフェンディングチャンピオン。「やっぱり3年生は"最後だ"という想いが彼らを硬くさせているのか、攻めてはいるのに点が入らない焦りや不安感というものが、過去2試合はあった」とは齋藤監督ですが、今日は盤石とも言っていいようなゲーム運びで完勝を収めました。これでとりあえず都大会への椅子は確保しただけに、連覇へ向けて悪くないスタートを切ったのではないでしょうか。 土屋
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