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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2012年08月16日

天皇杯東京予選準決勝 東京23フットボールクラブ×専修大@西が丘

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nishigaoka0816.jpg第2試合はこちらも学生系の部を勝ち上がってきた専修大と、1月からの予選を6連勝して社会人系の部代表となった東京23フットボールクラブの対戦。過去の天皇杯における実績や、ここ最近の全国大会で残してきた結果を考えても、「完全に僕たちがチャレンジャー」と東京23FCの米山篤志監督が話した通り、東京23FCが専修に挑戦する構図と言えそうな一戦になりました。
昨シーズンは1部昇格シーズンでいきなりの関東制覇を達成すると、勢いそのままにインカレでも日本一に。今シーズンも前期終了時点で関東1部の首位を快走し、先月行われた総理大臣杯こそ決勝で阪南大に敗れ、全国大会連覇はならなかったものの、見事な準優勝。専修が今年も大学サッカー界を牽引しているのは間違いありません。
対するは、年明け早々の昇格決定戦 https://www.jsports.co.jp/football/jleague/blog/game-report/-23tonan/を制し、今シーズンから戦う舞台を関東社会人2部に移した東京23FC。監督には東京Vや川崎、名古屋、栃木で活躍した米山篤志氏が就任し、初挑戦となるリーグでも首位に付けるなど、各方面からの注目を集めているチームです。観衆は1試合目を上回る1313人。2チーム目のファイナリストを決めるゲームは、東京23FCのキックオフでスタートしました。
専修はスペイン・バレンシア開催のアルクディア国際ユース大会へ参加する全日本大学選抜にFWの仲川輝人(2年・川崎フロンターレU-18)、右SBの北爪健吾(2年・前橋育英)、左SBの萩間大樹(1年・川崎フロンターレU-18)が招集を受け、CBの栗山直樹(4年・清水東)が負傷離脱するなど、源平貴久監督もメンバー構成に苦心したとのことでしたが、少しお互いに様子見のような立ち上がりを経ると、先にリズムを創ったのはその専修。
攻撃的な中盤に入った長澤和輝(3年・八千代)がスイッチになり、彼を起点にしてチャンスを窺うと、12分には鈴木雄也(4年・武相)のクサビを長澤が捌き、CFに入った山川翔也(1年・新潟西)がエリア内へ侵入。ここは何とかDFがカットしましたが、スムーズな連携から好機を創出します。
一方の東京23FCも14分に先制機。左から猪股聖哉(24・静岡学園→亜細亜大)が蹴ったCKを、山崎健太(25・駒澤大高→駒澤大)は頭で枠に飛ばしましたが、専修GK福島春樹(1年・静岡学園)がファインセーブで阻止。スコアは動きません。
15分を過ぎると、よりピッチの幅を使い出した専修の続く攻勢。17分、長澤が左へ振ると、飯田裕之(4年・津工業)のグラウンダークロスをニアで山川が合わせるも枠の左へ。22分、山川のパスを右で受けた鈴木勇二(2年・富山第一)がカットインシュート。DFに当たったこぼれを長澤が叩いたボレーはわずかにバーの上へ。23分、DFのクリアが中島健太(2年・川崎フロンターレU-18)に当たって跳ね返り、長澤が抜け出すもシュートは枠のわずかに左へ。惜しいシーンを連続して創り出します。
さて、バイタルに入れ代わり立ち代わり侵入してくる選手を捕まえ切れず、後手を踏む格好になった東京23FCでしたが、中盤においてセカンドへの反応や間合いに入った時の強度は十分。山崎や猪股、田村聡(23・座間→神奈川大)など、中盤センターはその部分で対抗。26分にはCKの流れから、相手の横パスを山村和士(24・東京ヴェルディY→拓殖大)がカットすると、田村の折り返しを山本恭平(24・日本学園→尚美学園大)がフィニッシュ。ボールは枠の右へ逸れましたが、ようやく流れの中から1ついい形を生み出しました。
とはいえ、このプレーも流れを変えるまでには到らず、以降も専修に増える手数。29分、鈴木勇二、山川と繋ぎ、長澤のラストパスから、やや角度がなくなった山川のシュートは東京23FCのGK平川正城(24・湘南ベルマーレU-18→湘南ベルマーレ→ザスパ草津→Y.S.C.C.→SC相模原)が確実にキャッチ。33分、鈴木勇二を起点に長澤が左へ展開。用之丸将也(1年・成立学園)のアーリークロスは、鈴木勇二がわずかに届かず。
40分、下田北斗(3年・大清水)とのパス交換から、長澤が狙ったシュートはDFに当たってゴール左へ。43分、中島、下田、長澤と細かく回り、山川のシュートは平川が正面でキャッチ。「相手も強いし、地力もある」とは米山監督。専修優勢で最初の45分間は終了しました。
後半はセットプレーからまず東京23FCにチャンス。48分、キッカーの山村は密集を外して真横にパス。新貝亮太(23・浜松開誠館→桐蔭横浜大)はまったくのフリーでしたが、力み過ぎたがシュートはヒットせず。52分は専修にFKのチャンス。中央、ゴールまで約30mの距離から長澤が蹴ったボールは、右のポストを叩くと左のポストも叩いて、ピッチの中へ。何というアンラッキー。会場からも様々な種類の声が上がります。
58分には流れの中から専修。長澤のパスから、山川が鋭い切り返しでDFを振り切ると、左足のフィニッシュは平川が何とかキャッチ。59分にも長澤がミドルレンジから枠へ飛ばしたシュートは、平川がキャッチします。すると、ここを起点に東京23FCのパスがしっかり回り、山崎、猪股を経由して、田村は左へラストパス。山本恭平はカットインしながら、DFを1人かわし、2人かわすと、ゴール右スミへ強烈な一刺し。このゲームでは初めて完全に崩し切った形から、最後は10番のゴラッソが飛び出し、劣勢だった東京23FCがリードを奪いました。
さて、「ちょっと予想外」(源平監督)の失点を許した専修は、61分に山川を下げて東大樹(2年・成立学園)を右FWへ投入。右FWだった鈴木をCFへスライドさせますが、これもハマらないと見るや、67分には中盤の中島と佐野弘樹(1年・桐光学園)も入れ替え、さらに70分にも鈴木勇二を大西佑亮(4年・鹿島アントラーズY)とスイッチ。20分を残した段階で、交替枠をすべて使い切り、勝負に出ます。
73分には下田の右CKを鈴木雄也が折り返し、こぼれに反応した長澤のシュートを大西は押し込めず。76分、CBの本名正太朗(3年・川崎フロンターレU-18)が果敢なオーバーラップから右へ流し、東のクロスは飯田の頭にヒットせず。78分、鈴木雄也と飯田が絡み、長澤が粘ってキープするもシュートには持ち込めず。83分、下田の右CKを本名が合わせたヘディングはバーの上へ。どうしても追い付けません。
そして、東京23FCがしたたかさを見せ付けたのは84分。中盤で顔を出した田村はダイレクトでラインの裏へ。途中出場の岡正道(22・湘南ベルマーレY→横河武蔵野)が並走するDFに競り勝って中へ折り返すと、ニアでこちらも途中出場の山本孝平(26・桐光学園→法政大→湘南ベルマーレ→水戸ホーリーホック)が流し、山本恭平が確実にプッシュ。「層の厚さもウチの1つの武器」と米山監督も話した東京23FCが、交替選手の躍動でリードを広げると、最終盤の時間帯もしっかり潰し切り、迎えたタイムアップ。難敵を退け、初の天皇杯出場へ王手をかける結果となりました。
1月に見た時も感じた通り、東京23FCの田村はかなりいい選手だと思います。この試合ではセンスのあるパスで2点を演出しましたが、縦に独力で運べる推進力もあり、「疲れている中であれだけのクオリティを出してくれたのは、ウチにとって嬉しいプラス。彼の才能の一端をまた確認できたなと思います」と米山監督も称賛していました。「こんな楽しい舞台でもう1回できるなんて、本当にワクワクしちゃう」(米山監督)という決勝は25日、西が丘。東京23FCが繰り広げてきた快進撃の結末や如何に。          土屋

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