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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

Jリーグレポート 2012年07月09日

J2第23節 町田×甲府@野津田

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machida0708.jpg11試合連続で勝利がなく、現在最下位と苦しい戦いが続くJ2参入組の町田。津田和樹、田代真一、勝又慶典など主力選手の離脱もあり、なかなか波に乗れません。今日は後半戦最初のホームゲーム。4節の熊本戦以来、10試合ぶりとなる野津田での勝利をサポーターに届けたい所です。
一方、開幕3連勝と最高のスタートを切りながら、以降はリーグでも2番目に多い8つのドローも影響して、自動昇格圏内には届かない状況が続いている6位甲府。唯一の目標を果たすためには、ここで足踏みする訳にはいきません。試合前にはゼルビーとヴァンくんが仲良くパフォーマンスを繰り出し合っていましたが、勝負は別物。少し涼しさも感じる心地よい気候の中、甲府のキックオフでゲームはスタートしました。
3分、永里源気のパスを受けた保坂一成が左へ展開すると、井澤惇が大外を回った佐々木翔へ。このクロスはオフェンスファウルでシュートまで繋がらなかったものの、完全に崩した形を創ると、立ち上がりは甲府がペースを掌握。6分には山本英臣、井澤と繋いでダヴィ、7分にも山本のスルーパスから柏好文のクロスに永里と、共にシュートは打てませんでしたが、惜しいシーンを創出。10分にも相手のパスミスを奪うと、柏、ダヴィと回り、井澤のフィニッシュは、これが復帰戦となる薗田淳の顔面ブロックに阻まれたとはいえ、「ショートカウンターがハマッていた」と山本英臣が話したように、町田の"縦"を狙い撃って、チャンスを窺います。
12分には決定機。井澤の縦パス1本を、体の強さで収めたダヴィが独走。このシュートは町田GK修行智仁がファインセーブで逃れましたが、決壊はその4分後。16分、相手のクリアを山本がダイレクトで左へ。またも井澤のパスから抜け出したのはダヴィ。左足で蹴られたボールは、クロスバーを激しく叩いてからゴールへ収まります。ゲームの流れそのままに、まずは甲府が先手を取りました。
さて、「20分くらいまでは怯えてプレーしていた」とアルディレス監督も嘆いた町田。攻撃面では「相手はボール回しがうまいので、1人目か2人目のプレスでボールが取れない時はしっかり回させる」(山本)という甲府の思惑もあり、自陣とハーフウェーライン付近では高いポゼッションを保つ中、"縦"はうまく消されて手詰まりに。19分には北井佑季が独力で枠内シュートを放つも単発。なかなか怖さを見せられません。
また、守備面では「バイタルの守備をオーガナイズできなかった」とボランチに入った太田康介が振り返ったように、中盤の前目に位置して"浮く"ことの多かった井澤を捕まえ切れず、全体の対応も後手後手に。20分にも左に流れた井澤のクロスは、ファーでまったくのフリーになった柏へ。折り返しを永里が合わせたシュートは修行が何とかキャッチ。23分にはエリア内で太田が永里を倒してしまい、ホイッスルは鳴らなかったものの、あわやPKというシーンを創られます。
その後も攻勢は甲府。29分、福田健介の左CKを、ニアで津田琢磨が合わせたヘディングはわずかにバーの上へ。35分、FKの流れから山本が左へ振ると、盛田剛平が折り返して柏がシュート。太田が決死のブロックで防ぎ、こぼれを再び柏が狙ったシュートは枠の左へ。ボールキープの長さと主導権が相容れない格好になり、甲府優勢の45分間は0-1で終了しました。
後半に入ると、ゲームは膠着した時間がしばらく続く中、リードを奪っていることとショートカウンターが効いていたことで、「甲府が少し引いてきた」(太田)という側面と、「自分たちから点を取りにいこうという姿勢が出た」(太田)という側面からか、町田のボールを回す位置が少し前へ。59分にはコリン・マーシャル、北井、平本一樹、北井と細かく繋いで、最後は平本が放ったシュートはDFに当たって、わずかにゴール右へ。ホームチームに少し追い風が吹き始めます。
すると62分、鈴木崇文の左CK。こぼれを平本が拾い、北井が思い切り良く打ったミドルはゴール前の人壁にヒット。これを受けて上田益也主審はペナルティスポットを指し示します。ところが、甲府の選手たちが猛抗議を続けると、上田主審は名木利幸副審と協議の上、甲府のFKに変更。「判定がちょっとわからなかったが、レフェリーも試合を構成している1人ですし」と試合後にアルディレス監督も言及するなど、確かに少し不透明な印象を残すジャッジになってしまいました。
ここからは、再度流れがアウェイチームに。その要因は58分に投入された堀米勇輝と、65分に投入された三幸秀稔という10代コンビの躍動。66分には左サイドで細かくパスを刻み、堀米からパスをもらった三幸は右へラストパス。反転したダヴィのシュートは修行がキャッチしましたが、ファーストプレーで三幸が好機を演出。
71分には町田も平本が決定的なシーンを迎えながら、右足シュートは大きく枠外へ外れると、2分後には甲府に決定機。堀米のパスから三幸はダイレクトで右へ。柏のクロスにフリーで保坂が当てたヘディングはこちらも枠外。ゲームを動かす"次のゴール"は生まれません。
74分には町田が薗田に替えて、加入後初出場となる地元・町田出身の戸田和幸を、77分には甲府がダヴィに替えて、高崎寛之をそれぞれ送り込み、終盤へ。79分は甲府。佐々木、山本と繋がり、三幸のラストパスから高崎が放ったシュートは加藤恒平が体を投げ出してブロック。85分も甲府。山本を起点に高崎が繋ぎ、堀米が左サイドを巧みに抜け出すと、折り返したボールは三幸の前で藤田泰成がクリア。90分は町田。途中出場の庄司悦大と、やはり途中出場で11節以来の登場となった勝又慶典を経由して、鈴木孝司のシュートは枠の右へ。
そして94分、町田にこのゲーム最大の決定機。右サイドのスローインから、戸田がピンポイントクロス。「無心で打った」太田のヘディングは、しかし惜しくも左ポストを直撃。0-1というスコアだったために「最後の5分10分はどういう展開になってもおかしくない」(城福監督)流れでしたが、何とか凌いだ甲府が勝ち点3を獲得する結果となりました。
勝った甲府は「2点目を決められなかったことは我々の責任」と城福監督が話したように、少なくとも7回はあった決定的とも言える追加点のチャンスを生かせなかったことが、終盤の苦しい時間を招いてしまった印象です。「カウンターだけじゃなくて、ポゼッションも使い分けてできれば」とは山本。「勝ち点3という最低限の目標」(城福監督)はクリアしたものの、少し攻撃面には課題の残る内容だったように見えました。
敗れた町田は結果的に「20分くらいまで本当に消極的だった」(アルディレス監督)ことが、最後まで響いてしまいました。後半は押し込む時間帯もありましたが、「いつもやられてからこういう展開になる。最初からやらないとダメ」とは太田。特にボールを回すスタイルは、どの対戦相手も認識する武器になっているだけに、あとは組織でも個でも"縦"の使い方の質をもう1ランク上げていくことが、勝ち点獲得のために求められる所なのは間違いありません。         土屋

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