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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2012年07月22日

関東サッカーリーグ1部後期第4節 エリースFC東京×tonan前橋@味スタ西

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ajistawest0722.jpgアマチュアにおける地域リーグ最高峰の戦場。今日は関東サッカーリーグ、通称"KSL"1部のゲームを見に来ました。レギュレーションを簡単に説明すると、10チームの総当たりでホームアンドアウェイの2回戦制。基本的には1位のみが年末の地域決勝大会へ進出することができます。一応、前期と後期に分かれているものの、成績は通年でカウント。今日行われるのは後期第4節。昇格シーズンながら2位に付けるエリースFC東京と、6位のtonan前橋が激突します。
現在、首位を走るSC相模原に勝ち点差3と肉薄しているエリース。久々に挑んでいる1部のリーグ戦は好調ながら、全社は関東予選で敗退してしまったため、地域決勝へ駒を進めるためには、「ここまでいい成績でやれているのは、おそらく今年が初めてじゃないですかね」と檜山康監督も話した関東をサヴァイヴするしか道はありません。
一方、1部は3シーズン目の挑戦となるtonan。JFLに所属していたアルテ高崎の活動停止を受けて、群馬のアマチュアクラブとしては最上位のカテゴリーを戦うことになりました。開幕4試合は勝ち星に恵まれず、苦しいスタートを強いられましたが、以降は3連勝も達成するなど復調傾向。1つでも順位を上げて行きたい所です。会場は4月にオープンしたばかりの味の素スタジアム西競技場。エリースのキックオフでゲームはスタートしました。
序盤はお互いにセットプレーの応酬。エリースが1分にはFK、2分にはCKを共に谷川烈が蹴り込むと、tonanも3分と5分にCKを氏家英行が担当するなど、シュートまでは行きませんでしたが、まずはチャンスを創り合います。そんな中、ボールキープでは上回っていたエリースが「繋ぐことが主体になってしまった」(檜山監督)こともあり、以降はtonanに手数。
14分には氏家を起点に、鈴木健介、黄圭煥と綺麗にパスが繋がり、斎藤裕介はわずかに届かず。17分には黄圭煥が右へ振り分け、鈴木のリターンを黄圭煥がダイレクトで狙うも、エリースGK青木周平の正面。さらに21分に迎えた決定機。エマニュエル・アグのスルーパスに鈴木が抜け出し、少し狭い角度から放ったシュートはエリースの左SB石川清司が体でブロック。立て続けにチャンスを生み出します。
tonanで目立っていたのは中盤センターに入っていた氏家。少し下がり過ぎる場面もありましたが、ボールを受けて捌いてでリズムを創出。檜山監督も「少し間で受けられるのはイヤだった」と、そのプレーに言及していました。
ただ、28分にはエリースに絶好の得点機。野沢大樹のスルーパスはピンポイントでDFの門を通過。抜け出した山下真太郎のシュートはわずかに枠の右へ逸れ、ベンチもほぼ全員がのけぞることに。とはいえ、先制弾とはいかなかったもののこれで少しリズムが変わり、膠着する中でもエリースに流れが。37分には石川、野沢、山下とダイレクトで回ったボールを、野沢もダイレクトでラストパス。長沼圭一はわずかに触れませんでしたが、テンポの良いパスワークを披露します。
やや停滞気味だったtonanの反撃は41分。エマニュエル・アグのヒールから黄圭煥が右へ展開すると、鈴木はグラウンダーでファーへ。斎藤のダイレクトシュートはサイドネットの外側にグサリ。前半はスコアが動かず、0-0でハーフタイムに入りました。
後半はスタートからエリースに交替が。長沼を下げて、吉田敦をそのまま前線に投入。吉田は182センチ、83キロという公式プロフィールよりは二回りくらい大きな体格で、不思議な期待感を漂わせます。すると、47分に一仕事。相手陣内で吉田が果敢なスライディングを見せ、奪ったボールを運んだ高橋周大のシュートは左ポストを直撃しましたが、吉田の献身性が好機を演出。ここから「左を基点にしながら崩すことができた」と指揮官も認めたように、高橋の突破から再三押し込む形が出てきます。
ところが一瞬できたエアポケット。突いたのはtonan。52分、エマニュエル・アグが当てたボールを黄圭煥は左へ。氏家は落ち着いて1人かわすと、さらなる冷静さでゴールを捕獲。嫌な流れを払拭するキャプテンの一撃で、アウェイチームが先手を取りました。
次に訪れたのは同点機ではなく、追加点機。63分、氏家の高速スルーパスが炸裂すると、チーム関係者も「走るのが持ち味」と評した斎藤はDFと並走しながらシュートを打ち切るも、ボールはわずかにゴール右へ。突き放せません。ここでエリースが見せた反発力。直後の64分、カウンターから左サイドで奪ったCK。谷川がクイックで蹴り入れたボールは、ニアで山下が潰れると高橋の足元へ。リズムを引き寄せた張本人が難なくプッシュして、エリースが力強く追い付きました。
しかし、このスコアが再び変化したのは66分。山下の惜しい反転ボレーが外れ、そのゴールキックの流れから生じた中盤の浮き球に氏家が一瞬早く反応。完全にフリーで独走した黄圭煥は、さすが韓国の年代別代表経験者と思わず唸ってしまうようなステップから、確実に右スミへ流し込みます。わずか2分間で奪い返したゴール。tonanが再リードを手にしました。
「全体がルーズになって、お互いにバイタルが大きく空いてしまった」(檜山監督)中での"どつきあい"で、得点と失点を記録したエリース。70分には左サイドのFKを谷川が小さく出し、野沢がミドルレンジから叩いたシュートはクロスバー直撃。今日2度目となる枠へのヒットとツキもありません。
共に選手を入れ替えながら、迎えた終盤は追い掛けるエリースがラッシュ。86分、野沢が左から右足でアーリークロスを送ると、山下のワントラップボレーはtonanGK鏑木豪がキャッチ。87分、深澤良が左サイドをえぐって折り返すも中とは合わず、懸命に拾った藤森渉のパスを野沢がミドルで狙うも、DFに跳ね返って鏑木がキャッチ。90分にも谷川のクイックFKに、山下が反応して頭を伸ばしたヘディングはわずかに枠の左へ。「チャンスはあるけれど決め切れない」(檜山監督)エリース。時計の針は着々と進んでいきます。
そして、4分が掲示された所定のアディショナルタイムも、ほとんど消えかけたラストプレーに潜むドラマ。エリースは懸命に繋いで右へ展開すると、途中出場の近藤慎吾がクロス。tonanディフェンスの山を越え、届いたファーサイドには高橋。丁寧に止めて、丁寧に送り出したボールはゴールネットをしっかり揺らします。週1回の練習にも全員がなかなか集まれないという、サラリーマン集団の意地。土壇場でエリースがスコアを引き戻し、両者が1ポイントずつを分け合う結果となりました。
勝ち点2を失った格好のtonanは、どちらかと言えば劣勢の中で、少ない決定機を確実にモノにする"勝ち切れる"流れでしたが、最後の10分は全体のラインも下がり、相手のアタックを受け続けてしまいました。ただ、これが復帰2試合目となる黄圭煥のパフォーマンスは好材料。今後の飛躍に期待の持てるゲームだったのではないでしょうか。
エリースは「ポイントは1積み上がったので、結果はポジティブに捉えたい」と檜山監督も話したように、試合後も選手たちは一様に明るく、劇的に勝ち点1を強奪したことに手応えを得ていたようです。前述したように、土曜に練習して日曜に試合というサイクルのチーム。平日は近くに住む選手たちで朝練をやったり、夜にフットサル場を借りてやったりという「個人の努力が相当ある」(檜山監督)中で、「楽しめる状況になっている」(同)成績を出していることは特筆すべきことでしょう。
「なかなかアマチュアのサラリーマンで、こういうガチガチの勝負を経験できないですから、今の状況を大事にやっていければと思います」と檜山監督。このカテゴリーでプレーしている選手であれば、一部の特例を除いて大半がこういう状況下でサッカーと向き合っている人たちだと思います。今後はエリースも含めて、地域リーグにも是非注目していきたいですね。       土屋

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